生産職になりたいのでDEXに極振りしたいと思います。 作:紙吹雪
やだ・・・私の誤字、多過ぎ・・・!
いや、本当に気を付けます。うん。
私がサリー達を驚かせてから数日。
短いメンテナンスが入り新スキル【毛刈り】が追加されました。
【毛刈り】は文字通り毛を刈るためだけのスキルです。
それに伴い一部のエリアに羊が現れるようになったのですが、
第三回イベントのアイテムのドロップ数に関わるらしいです。
私はちょうどすることも無かったので、毛刈りしに探索に出かけました。
「よっと。【毛刈り】!」
絲で羊を拘束して【毛刈り】を繰り返すこと百回以上。
私はもはや流れ作業の如く無言無表情で毛刈りをしていると、メイプルからメールが来た。
『二層の町から真西。
毛を刈りに来て下さい。
なるべく急いでくれると嬉しいです。』
「・・・どうしたんだろう?」
「えっと・・・メイプルか?」
「あ、カスミさん。もしかしてこれってメイプル?」
「良かったー、来てくれたんだ!」
メールで伝えられた場所に向かってみると、そこにはカスミさんと謎の白い大きな毛玉がいた。
毛玉の中からはメイプルの声がする。
「・・・何してるんだ?」
「どうしたらそんなことに・・・?」
「素材集めを手伝おうと思ったんだけど、
羊さんと遊んでいるうちに新しいスキルが手に入っちゃって!」
「あー、大体分かった・・・」
「また妙な事を・・・」
「待ってろ、【毛刈り】!」
カスミさんがスキルを使うと、メイプルの周りの白い毛は全てカットされた。
「助かったー!」
「一体どんなスキルを手に入れたんですか?」
「えーっとね、【発毛】って言うの!
見てて、もう一回やってみるから!【発毛】!」
メイプルがそのスキルを使うと、先程と全く同じ謎の大きな白い毛玉が
完成した。
「「・・・」」
「これで好きなだけ羊さんのスキルが手に入る訳!
あと、思い付いたんだけど!毒の魔法と組み合わせれば・・・」
白い毛玉がみるみるうちに毒々しい紫色に染まっていく。
「敵が近づけなくなる!良い考えじゃない!?」
「ていうか、私も近づけないんだが・・・」
「うぇ?ちょ・・・?助けて!
これ自分一人だと解除できなくて!誰かに毛刈りしてもらわないと!」
「はぁ・・・しょうがないなぁ。【黄泉渡り】!【毛刈り】!」
【黄泉渡り】を併用して【毛刈り】を使う。
まさか、こんな用途でこのスキルを使うとは・・・
「うう・・・ありがとうミルフィー・・・!」
「全く・・・メイプルを見てると飽きないな」
「同感です」
◆◆◆◆◆◆
両手の短剣を振るう。しかし、避けられ逆に氷を纏った槍を突いて来る。それを避け、一度距離を取って魔法を使う。
「【ウィンドカッター】!」
「シッ・・・」
槍で魔法を弾かれ、距離を詰めてくる。
「【薙ぎ払い】!」
「くっ・・・!?」
槍の武器スキルの中でも広範囲のスキルをなんとか躱す。が、すでに相手は次の攻撃の用意をしていた。
——この人、強い・・・!
サリーはジェラートから対人戦の練習に付き合ってくれと言われ、さらに快く承諾した。そして今に至るわけだが・・・
「【疾風突き】!【フロストスピア】!」
「ふっ!よっ!はぁ!」
「おっとと、まさか反撃されるとは・・・」
割とVITが高いのか、一回の攻撃では殆ど効かないようだ。
AGIはそれほどでもないが、それをスキルで補っている。しかも、クールタイムが妙に短い。
ただし、何でもかんでもスキル頼りの戦いをしてる訳でもない。
足運びと言い、狙いと言い、かなり高水準だ。回避もかなり上手い。
「なかなか、やりますね・・・!」
「う〜ん、一発も攻撃を当てられて無いのにそう言われてもなぁ・・・」
ジェラートの様子はいつもとやや違う。
まず、周囲に冷気が漂っている。それに、持っている槍が氷に覆われているのも異なる点か。
目付きもいつもの温和な雰囲気とは打って変わり、刺々しい印象を受ける。視線で人が殺せるなら1人や2人、楽に殺せそうだ。
今のところジェラートの攻撃は全て回避出来ているが、当たるのも時間の問題だとサリーは考えた。
「(私の集中が途切れる前に、片を付けるしかない!)」
「どうやら、決着の時が来たようだなぁ・・・!」
「ええ。・・・行きます!」
「さぁ来い!!」
今度は、サリーがジェラート目掛けて突進する。そこに迷いは一切無い。
「【ダブルスラッシュ】!はぁぁぁぁ!!」
「【薙ぎ払い】!【疾風突き】!これで終わりだ、【アイスジャベリン】!」
スキルを跳んで避けた後に追撃が来る。
槍から氷塊が飛んで来る。かなりのスピードで避けられない・・・が。
「!?幻影か!」
まるで、幻だったかのようにサリーは消えた。
サリーが消えたことからいち早く立ち直ったジェラートは周りを槍で一閃した。それをいつの間にか彼の背後に回っていたサリーはくぐって回避する。
「なんの!【疾風突き】!・・・な!?」
背後のサリーに素早く反応しスキルを使ったが、そのサリーも幻のように消えてしまった。
「それも偽物・・・!?ぐっ!」
「これで・・・終わり・・・はぁ、はぁ・・・」
「あー、完敗だぁ・・・」
「・・・貴方とは二度と戦いたくないです・・・」
それはサリーの本音だった。ジェラートはもっと戦いたそうだったが、流石にかなり疲労した様子のサリーを見てそれを言い出す程野暮ではなかった。
「しかし、まさか二重でフェイントを仕掛けてくるとは驚いたよ。」
「一度目はすぐに対応されちゃいましたけどね。」
「あはは、勘だよ。君との模擬戦は凄く良い経験になるから、また気が向いたら頼むよ!」
「・・・・・・うん」
戦闘の時はジェラートは鬼のような形相にはなるが、普段は気遣いの出来る優男だ。先程の雰囲気は完全に霧散している。
「疲れてるなら肩貸そうか?」
「いや、遠慮しておく。今日はもうログアウトする・・・」
「そうか。お疲れ様!次は負けないぞ」
「ええ・・・」
また戦う気満々のジェラートを見て、サリーは辟易してしまった。
「次は絶対に勝ってやるぞ・・・ふふふ・・・!」
ジェラート、彼は見た目と違ってかなりの戦闘狂であった。
アニメと順番違うな・・・ま、エアロ。
戦闘描写って、難しい。
ジェラート「片を付けるッ!」
7/11 誤字修正しました。指摘してくれた方ありがとうございますれ