生産職になりたいのでDEXに極振りしたいと思います。 作:紙吹雪
なので、初投稿です。
「【絲生成】・・・」
ミルフィーは糸を作ると一歩下がってメイプルにペインさんの相手を譲った。
「(なんか、意外・・・)」
てっきり、自分が相手するものだと思っていたけど・・・「冷静に・・・あいつらを潰す事だけを考えてる」って言った通り、なのかな・・・?
「さあ、どう戦う!?」
ペインさんがメイプルに斬りかかる。メイプルは大盾で受け止めているけど、ミルフィーは無視して他の相手に集中しているみたい・・・先程とは打って変わって冷静な雰囲気だ。
「【捕食者】!【
メイプルが反撃するけど、ペインさんにすぐに斬って捨てられてしまった。
「メイプルちゃん!」
「イズさんは下手に動かないで、守りにくい」
「え?」
ミルフィー・・・なにか考えがあるのは分かるけど、それじゃ伝わらないよ・・・こんな時にコミュニケーションが苦手な面出さなくていいよ!
「ふっ!!」
「させないと言っている!」
ペインさんが他のメンバーに攻撃しようとすると、すかさずミルフィーが糸で妨害する。強引に突破しようとされると、
「きゃっ!?」
「あ・・・ごめんなさい」
糸で味方を引きずって距離を取らせてる・・・い、痛そう。
「シロップ、【大自然】!」
「無駄な抗いだ!」
不味い・・・このままじゃメイプルが・・・!
「メイプルを信じろ!」
ミルフィーはそう叫んだ。なら、私もメイプルを信じよう!だから、今は・・・
「貴方を相手しないとね」
「分身してみるか?俺の速さからは逃げられないぜ?」
「ここは私がなんとかする。カスミとジェラートさんはティアラさんとフレデリカさんを!」
「【多重石弾】!」
「ぐっ!?」
「カスミ!?」
うっ・・・もう少しフレデリカさんの事を見ているべきだったか・・・!
「いつも後ろに居るとは限らないよ。【多重障壁】!」
「!しまった!」
「どんなに素早くてもこれなら動けないでしょ?」
「くっ・・・!朧、【覚醒】!」
「させるかよ!」
朧をドレッドさんにあっという間に切り捨てられてしまった・・・
「朧っ!?」
「フレデリカ!このまま押さえ込んどけ!」
ドレッドさんがオーブを持っているミルフィーに向かっていく。み、ミルフィー?大丈夫だよね!?
「【堕天】・・・!」
「それはもう見たぜ!」
「【黒煙】!」
ミルフィーが煙を出してドレッドさんを撹乱する。が・・・
「俺は視覚だけに頼っていないぜ?」
「・・・!」
「今までの礼だ!」
煙にドレッドさんが突っ込む。そして煙が跳ねると・・・
ミルフィーは、斬られていた。
辺りにミルフィーが持っていたオーブが散らかる。嘘、でしょ・・・?
「お、やったじゃねぇかドレッド」
「・・・ああ」
「ん?どうした?」
「いや・・・」
「ドレッド、オーブを頼む」
「了解」
「(もう!あれだけ色々口出ししておいてあっさりやられるなんてどういう事!?)」
ふと、気になってメイプルの方を見る。しかし、メイプルは特に反応が無い。あれぇ?少し妬けちゃうくらい仲が良かったからてっきり怒っていると思ってたけど・・・まさか、作戦?でも、ミルフィーが犠牲になる作戦なんかメイプルが取らせる筈がない・・・
「シロップ、【精霊砲】!【捕食者】!【
全て斬り捨てられる。圧倒的とはこのような事を言うのだろうか。
「トドメだ。全力で行かせて貰う・・・!【壊滅の聖剣】!」
ペインさんが異名の元になった聖剣を掲げる。そして、勢いよくメイプルに向かって突進していく・・・
「メイプル!?」
「メイプルちゃん!?」
「「メイプルさん!?」」
メイプルが大盾を正面に向ける。その手に持った大盾が手から離れて前方へと倒れていく。そして、大盾に隠されていた左手が大きな砲口になっているのを確かに見た。
「なっ・・・!?」
「【カウンター】!!」
ペインさんの攻撃よりも早く砲口から放たれた一条のレーザーがペインの体を焼き尽くす。先程、メイプルに向けた最大威力攻撃を跳ね返した。これなら、流石のペインさんも・・・!
「「「「ペイン!?」」」」
「「メイプルさん!」」
「「メイプル!」」
「メイプルの全力の【カウンター】をモロに喰らったんだ。いくらペインでも・・・」
メイプルの攻撃の余波で土煙が舞う。その中から、満身創痍になりながらも確かにペインさんが立っていた・・・
「・・・まだだ」
「・・・ミルフィーが言った通り、かな。でも、どうして・・・」
「俺も持ってるんだよ、【不屈の守護者】を!それにしても、彼女を倒されたのに気にしないんだな?」
「ミルフィーだからです」
なるほど、だからか・・・!けど、まだメイプルには切り札がある・・・!
「【破砕ノ聖剣】!」
「【暴虐】!!」
黒い靄が形を成して現れたのは一瞬前までメイプルだったもの。逆転した手数とリーチにペインさんが目を見開いて迫る化物の数本の腕を見た。メイプルが咆哮し、ペインさん達に襲いかかる。ペインさんはしばらく抵抗していたけど、結局メイプルが捕まえた。なんとかなったか、と私がそう思った、その時。
「【
「ティアラ!?」
今まで見守っていたティアラさんがスキルを放つ。すると、メイプルの動きが目に見えて悪くなった。
「逃げましょう!私のスキルは長く持たない!」
「・・4口惜しいが、それが良いだろうな」
「仕方がない、か」
不味い、このままだとオーブを持ったまま逃げられる・・・!あれ、メール?ええっと・・・ミルフィーから!?
『チェックメイトです!』
・・・だから、それだけじゃ分かんないってば。
「後は任せたよ、ミルフィー・・・」
メイプルがそう呟いていたのが印象的だった。・・・見た目は化け物だけどね。
◆◆◆◆◆◆
「メイプルを倒すには、至れなかったな・・・」
「まあ、次の機会にまた挑めばいいんじゃないか?」
「そうだよ!今は逃げれた事を喜ぼ!」
「・・・」
「・・・」
「んで、2人は何考え込んでいるんだ?」
「いや、ミルフィーを倒した時、手応えが妙でな・・・もしかしたら身代わりかもな、と」
「それに、あっさり我々を見逃すのも何処か妙だ。抵抗する余裕がなくなったという事も考えられるが・・・」
「えー。でも、もし身代わりだとしたらオーブを落とす訳無いと思うけど?」
「・・・いや、まさか、な」
「え?何、ペイン?」
「もしかすると、俺たちを逃さないようにする算段があったんじゃ無いか、と思った。それなら身代わりにオーブを持たせていた事もあっさり俺たちを逃した事も分かる・・・」
「考えすぎだよペイン!ほら、もうこんなに暗く・・・ん?」
ペイン達は洞窟から出ると、辺りは妙に暗かった。まるで、月明かりのない新月の夜のように・・・
「とにかく、早く帰らない?」
「ああ・・・そうだな」
「よし!そうと決まれば・・・びゃあ!?」
「どうしたフレデリカ?」
「な、何かにぶつかって・・・あれ?行きの時、ここになんかあったっけ?」
「・・・おい、なんか音がしないか?」
ドラグの言う通り、たしかに音がする。しかも、それはどんどん大きくなっていく・・・
「う、動いてる・・・さっき私がぶつかったやつが・・・」
「い、一体どういう・・・?」
「・・・!?上だ!」
ティアラがふと上を見上げ、すぐさまそう叫ぶ。何故なら、空が動いていたからだ。否、空にも見間違うほどの巨軀のナニカが動いているのだ。
それは客観的に見れば巨大な竜のようにも見える。全長は100メートルもありそうだ。これと比べるならメイプルの【暴虐】だって小さいだろう。本物の竜との決定的な違いは、身体のほぼ全てが瓦礫で出来ている事だろう。背中には大車輪や巨大な槍を背負い、四本の足で立っている。よく見ると、足の指には金色の糸が巻かれていた。さらに、中央部では金色の繭のようなものまである。
「「「「「なっ・・・!?」」」」」
5人は言葉を失った。突然これほどの大きさの謎のモンスター(?)が現れたのだから当然だろう。そして、その謎の巨大な瓦礫造りの竜モドキは、驚く事に前脚を振り上げた。
「!!??逃げっ・・・」
「ぬおっ!?これは、糸!?」
「って事はあいつの正体は・・・!」
「もう少し、早く引くべきだったか・・・完敗だ」
「あーもう!?」
そいつは、金色の繭から糸を放出し、5人の動きを止めた。そして、動けない5人は哀れ、そのままそいつに踏み潰された・・・
なお、その時に発生した揺れで辺りのギルドは混乱したんだとか。
『集う聖剣』って打とうとすると『集う政権』ってなる。独裁政権か何か?
9/22 誤字修正しました。指摘してくれた方ありがとうございます!