生産職になりたいのでDEXに極振りしたいと思います。 作:紙吹雪
「ふぅ〜、終わったね!順位はまた3位!ちゃんと目的達成出来たよ!いやったー!」
「凄ーく、疲れましたけどね」
「思ったよりずっと上の順位だったよ。でもこれで、次からイベントのマークがもっとキツくなるだろうけどね〜」
「次は次だよ!なんとかなるって!」
第四回イベントはその後、無事に終了しました。今はメイプルとサリー・・・もとい、楓と理沙とテレビ電話中です。
「ほんと、理沙にこのゲーム教えてもらえて良かったなぁ。私の人生、変わっちゃった!麻里にも出会えたしね!」
「・・・?麻里・・・?あ、ああ!私の事ですね!」
「自分の名前忘れてたの!?」
「いや、これまで名前を呼ばれる機会が殆ど無くて・・・でも、そう言われるのは少し、照れちゃいますね」
いや、イベント中の楓の様子を見るに・・・いや、考えるのはよしましょう。深淵を覗く時は深淵もまた此方を覗いているってお父さんが言ってました。
「そうそう、勉強もちゃんとやってよ?楓がゲーム禁止になったら、ギルドマスターが居なくなっちゃうんだから」
「そうだ!明日英語で当てられるんだっけ!予習しとかないと!」
「英語はそこそこ得意なので教えましょうか?」
「ほんと!?」
こう見えて、私は暗記科目は得意です。英語は文法と単語が分かればまだなんとかなります。・・・国語は苦手なんですけどね。なんで登場人物の心情を考える必要があるんですか・・・うう。
それから、楓と一緒に英語を勉強した次の日。私達は三位入賞のお祝いに、打ち上げパーティーをしようとギルドホームに集まっていました。けど、メイプルが中々やって来ません。どうしたのでしょう?
「私も何か買ってくるって飛び出したっきり・・・私も付いていった方が良かったか・・・」
「そうね・・・一人にするとフラフラとどこかへ行くもの」
「転んでないと良いんですけど・・・」
「おかんか!」
そんな言い合いをしてると、メイプルがホーム内に入ってきました。背後には・・・んん?
「うん、おかえりメイプル。で、後ろの皆は?」
「なんでこの連中もここに?」
サリーとクロムさんの目線の先には【集う聖剣】の5人と【炎帝ノ国】の5人です。何故いるんでしょう?特にティアラさんとドレッドさん・・・
「そんなのこっちが聞きてぇよ」
「いつものメンツで狩りに行こうと思ってたら、街でいきなりメイプルちゃんに声をかけられて連れて来られたの」
「突然で本当に驚いたよ・・・まあ、そういうのは嫌いじゃない」
「折角のご招待だ。断るのも失礼じゃないか?」
「私達も同じです。『楓の木』がどんなところか興味もありましたし・・・」
「他所のギルドって来た事ないから、ちょっと緊張するけど・・・」
「戦いが終わればノーサイドだ。既にフレンド登録もしてしまったしな」
「だな」
「宴に誘われては、此方も参加せねば無作法と言うもの・・・」
なんとなく、マルクスさんとは気が合いそうです。コミュ障仲間として。おや、勝手にそんな仲間に認定されても迷惑でしょうけど
「まあ、マスターがそう言ってるんだから私達も異存無しかな」
「それじゃあ改めて、みんなお疲れ様って事で!かんぱーい!!」
「「「かんぱーい!!」」」
「ガオ〜!それでは第四回イベントの名場面集を紹介するよ!vol.1は、激闘!楓の木編、ドラ!」
あ、ドラぞうだ。相変わらず魔法少女みたいな声してるなぁ。そして、第四回イベントのハイライトをギルドに備え付けられたモニターで視聴します。大体はここに居るメンバーが写っていますね。私やメイプル、ミィさんにペインさんが多いかな。
「ああこれ・・・あの夜の私の失態がー!」
「ひゃっ!?」
フレデリカさん率いる『集う聖剣』のメンバーがサリーを取り囲む映像が流れたと思ったら、急に首のない謎の人物がアップで映る。あ、私だ。
「客観的に見ると気持ち悪いね・・・」
「・・・」
「あれあれ〜?サリーちゃん、もしかしてホラー苦手?」
「後で勝負しましょう。叩き潰してやる・・・!」
「なんで!?」
そして、ミィさんVSメイプルと私VSニュクスさんのシーン。
「さて、君はもうMPもないだろう?この後ゆっくりと倒すとしよう」
「・・・どうした、そんなに怖いのか?」
「・・・なに?」
「そんなにメイプルに対して大袈裟に・・・もしかして、こわいんですか?」
「ぐっ・・・」
「ほら、私はここに居ますよ?それも死にかけです。それとも、メイプルの事がそこまで気になりますか?」
「こ、この・・・」
「ああ、それとも、ギルドマスターの命令がないとこんな私も倒せないんですか?あ、それとも私の事が怖いんですか〜?いや〜、ミィさんも大変ですね〜。こんな怖がりさんがいると」
「だ、誰が貴様なんか!貴様なんか怖くねぇ!」
・・・
「なんか、すいません・・・ちょっと埋まってきます・・・」
「ミルフィー!?」
「いや、別に構わないというか・・・引っかかった私が悪いんだ。気にするな」
「うう・・・貴方、いい人です。口調はなんかお父さんみたいで無駄に仰々しいけど・・・」
「待ってその話詳しく」
「メイプル、VITいくつだっけ?」
「えっと・・・そろそろ五桁かな?」
「流石にそれでは・・・」
「「「はぁ・・・」」」
そして、楓の木VS集う聖剣戦。
「これもやられたなぁ」
「次は勝つさ。今回でメイプルとミルフィーのスキルも確認出来たし」
「でもメイプルとミルフィーの事だから、次までにきっとまた変な進化しちゃいますよ?」
「えへへ・・・」
メイプル、それ多分褒められてません。
「ほんの少し目を離しただけで、毛玉になったり化け物になったりするからな」
「・・・私は普通にプレイしてるだけなんだけどなぁ」
「「「「何処が!」」」」
「へ!?」
「そりゃそうだよ・・・全く」
「いや、ミルフィーも同じ枠だからな?」
「いや、私は普通の生産職・・・」
「「「嘘つけ!」」」
くっ・・・否定できない。せめて、パーティーの料理でも頑張らないと!
私は追加の料理を作る為、一旦席を外しました。
◆◆◆◆◆◆
「しかし、ミルフィーのあの巨大な何かになるスキルは一体なんなんだろうな?」
「取得条件は秘密だそうですよ?」
「まあ、そうだろうな。当たり前だろう」
「しかし、あの大きさだと・・・ん?」
あれ、この映像は・・・・・・!
「・・・あ、今逃げようとした?」
「え!?い、いや、そんな事・・・」
「嘘。だってミルフィー、嘘つく時に癖があるもん」
「え!?」
「ふーん。まだそんな事考えてるんだー・・・」
「だ、だってもう限界・・・ん・・・」
「・・・なんだか、ミルフィーが苦しんでる顔、ちょっと可愛らしいね」
「ええっ!!??」
「うーん、ミルフィーって髪綺麗だよね・・・」
「え、えっと、ありがとうございます・・・?」
「か、顔が・・・」
「あ、照れてるー」
「いや、えっと、その」
「ふふーん・・・えいっ」
「きゃっ!?」
「ミルフィーの胸、なんでこんなに大きいんだろう・・・」
「ちょ、さ、触らないでぇ・・・あん///」
「このっ、このっ、えいっ!」
「んん!?///」
「えへへ・・・なんだか、今、すっごく楽しいなあ」
「あ、あの・・・メイプル?」
「ん?なぁに?」
「えっと・・・顔が、近いかなって・・・」
「別に良いでしょ?それとも、嫌・・・?」
「い、嫌じゃないけど」
「なら問題ないよね!」
「う、うん・・・」
「ねぇ・・・」
「な、なに?」
「ミルフィーは私の事、どう思ってる?」
「!?・・・そ、それは、どういう意味・・・?」
「ふふふ、どういう意味だと思ってる?」
「え、いや、その・・・」
「私はミルフィーの事大好き!」
「くぁwせdrftgyふじこlp!?そ、そんな、いきなり・・・///」
「ねぇ、ミルフィーは・・・?」
「そ、そんなの言えませーん!?」
「あ、もう!待ってよー!」
「「「「・・・・・・・・・」」」」
・・・き、気まずい。気まずすぎるよメイプル!!
「お待たせー!さあ、いっぱい食べていいですよー!・・・あれ、なんで皆さんそんな黙っ・・・て・・・」
大きな苺のケーキを乗せたトレイを持ったミルフィーの顔がものすごい勢いで赤くなっていく。持ってる苺より赤いんじゃないかな、これ・・・
「・・・わわわ、忘れてくださーい!!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
その後、ミルフィーが大暴れしてパーティーはお開きになりましたとさ。
「えへへ・・・こうして見るとなんだか恥ずかしいなぁ」
「ほう。貴方もそういう趣味だったのか・・・私と気が合いそうだ」
「ん?何か言ったか、ニュクス?」
「いや、なんでもないぜ、ミィ」
「・・・?変なの」
むーん!これにて本作品は一旦完結です!
こんな小説を最後まで見てくださった方、誠にありがとうございます!!
これからはアニメ二期が来るまでは番外編とかを投稿していくつもりですので、良ければそちらも読んでくださると幸いですっ!二期が始まったらまた本編の投稿を再開すると思いますっ!ではっ!
8/31 誤字修正しました。指摘してくれた方ありがとうございます!