生産職になりたいのでDEXに極振りしたいと思います。 作:紙吹雪
カマキリにドナドナされてから10分後。ずっと変わり映えしないと思っていた景色がようやく変わった。
おそらく砦だっただろう建物にあの金色の糸の様なものが、先程見たそれよりも多くなっている。
「・・・カマキリって糸なんて吐いたっけ?」
それから、風も強くなってきたせいか砂嵐が発生していた。周囲を見回した時にはこんなの絶対なかったのに・・・
「あの・・・いつになったら離してくれますか?」
「キシャー」
「あ、ど、どうも・・・」
やっと解放された・・・何気に鎌で掴まれたままなのは辛かったから良かった・・・けど、これからどうすれば?
私が悩んでいると、私を運んできたカマキリが地面に潜っていった。だからカマキリは地面掘ったりしないだろ・・・
「さて、運ばれたのは良いものの・・・いや、良くはないけど・・・まぁいいや。どうしよ・・・う!?」
「キシャーーーーーーー!!」
「なにごと!?」
地面から、またカマキリが出てきた。出てきたのは、先程のカマキリよりも一回りデカいカマキリだった。
いや、それだけじゃない。鎌もより鋭く感じるしなにより金色の糸みたいなのを周りに漂わせている。目も紫色に妖しく輝いてる。
まるで女王の様な威厳に溢れたカマキリだった。多分、ボスかなんかではないかと思う。
成る程、建物に糸を巻き付いていたのはこいつか・・・
「キシャーーーーーーー!!」
それで、私はどうしろと・・・いや、待てよ?
あの足の欠けたカマキリは、私が花蜜を持っているのを見てここに連れてきたんだ。と言うことは、もしかしてあの女王も花蜜が欲しいのかな?
そう思って、ストレージにあった『ミドリシアの花蜜』をありったけ出してみる。
「キシャーーーーーーー!!」
おお、凄い勢いで食べ始めた。しかし、私はあまり昆虫は得好きというわけじゃないから特に感想はない。
と言うかあの女王様声が凄い大きくて耳が痛い・・・
「キシャーーーーーーー!!」
女王カマキリは咆哮すると、現れた時と同じように地面に帰って行った。
「結局、私の苦労はなんだったのよ・・・」
猪に追いかけ回され、よくわからないところに転移して、カマキリに拉致されて、その女王に花蜜あげて・・・
「はぁ〜ログアウトしよう・・・ん?」
よく見ると、女王がいた所に宝箱が置いてあった。おお!なかなか粋なことを致しますね女王様!
「ありがとうございます!女王様!・・・で、ではご開帳!」
ちょっと緊張しながらも宝箱を開けてみる。
やばい、すごいテンション上がる!ワクワクが止まらない!
入っていたのは上品な金色のドレスや紫色の宝石の装飾が付いた髪飾り、あのカマキリの鎌を彷彿とさせる鎌、そしてスキルの巻物が入っていた。
取り敢えず、まず装備の説明を見てみることにした。
【ユニークシリーズ】
単独でかつボスを初回戦闘で撃破しダンジョンを攻略した者に贈られる攻略者だけの為の唯一無二の装備。
一ダンジョンに一つきり。
取得した者はこの装備を譲渡出来ない。
『紫藍の髪飾り』
【DEX+15】
【確率補正】
【破壊成長】
スキルスロット空欄
『金麗眩のドレス』
【DEX+35】
【裁縫美人】
【破壊成長】
スキルスロット空欄
『煌金の鎖鎌』
【DEX+15】
【STR+10】
【鎖鎌】
【破壊成長】
スキルスロット空欄
【確率補正】
スキルの発動する確率が、5%上昇する。
【裁縫美人】
あらゆる場所で裁縫が使えるようになり、品質が上昇する。
また、裁縫によって得られる経験値が2倍になる。
【鎖鎌】
鎖を伸ばすことによって攻撃範囲を増やす。
【破壊成長】
この装備は壊れれば壊れるだけより強力になって元の形状に戻る。修復は瞬時に行われるため破損時の数値上の影響は無い。
スキルスロット
自分の持っているスキルを捨てて武器に付与することが出来る。こうして付与したスキルは二度と取り戻すことが出来ない。
付与したスキルは一日に五回だけMP消費0で発動出来る。
それ以降は通常通りMPを必要とする。
スロットは15レベル毎に一つ解放される
「す、すごい!」
こんな装備、事前情報にはなかったよ!
カマキリの女王様!本当にありがとう!!
そして、スキルの巻物はどうも【絲使い】というスキルを習得出来るらしいが、これがとにかく私向きだった。
【絲使いI】
複合スキル。スキルレベルが上がるごとに新たな効果を得られる。
【絲生成】
MPを100消費して、一度で最大十本まで絲を生成でき、自由に操ることが出来る。
絲のSTR、AGI、VITはDEXの四分の一の値になる。
「こ、これ・・・すごく私向き?」
っていうかこれって多分女王カマキリが出してるあの糸だよね!?
こ、これは早く確かめないと・・・・・・!!
私が興奮していると、いつのまにか転送の魔法陣が出ていた。
どうやらさっきいた森に戻る奴らしい。
・・・まだ少し時間はあるな。よし!ここは手に入れたスキルを試してからログアウトしよう!
私はウキウキとしながら転送の魔法陣の上に乗った。
そして、私の身体は光に包まれた。
一話の後書きで更新が遅くなると言ったな。あれは嘘だ。
NWO運営<うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
ちなみに、あの女王カマキリの元ネタは某狩ゲーで大量に狩られたあいつです。
7/3 微修正
7/4 絲のステをDEXの半分から四分の一に変更