美しき3年生
〜藤黄学園、部室〜
美咲「〜♪」ルンルン
剣「美咲、今日はご機嫌だね。」
美咲「ええ♪ずっと欲しかった新作のぬいぐるみが手に入ったから。」スッ…
剣「パンダのぬいぐるみかい?可愛いね。」
美咲「でしょ?フフ♪」
剣「こうしてみると、部室も賑やかになったね。」
涼「まったくだ。」ゴゴゴ…
美咲「げ!?いつの間に……。」
涼「『げ!?』とはなんだ。……まったく、ここは美咲の寝室じゃないんだぞ。」アキレ
美咲「え〜、良いじゃない別に。」ブーブー
涼「せめてそれは持って帰るんだ。」ハァ…
美咲「でもでもぉ、可愛いものが沢山あったら〜、みんな幸せでしょ……?」ウルウル
涼「イタい。」
手鏡「 」スッ…
美咲「ひど!?乙女に向かって鏡を見せて『イタい』とか言う!?」
涼「フン。後輩にはクールな自分を売ってる癖に、『乙女』なんてよく言えたものだな。」
美咲「女の子はいくつになっても乙女なの!剣だってそうでしょ?」
剣「ええ!?」
涼「なるほど、剣は刺繍のような可愛い趣味を嗜んでいるし、普段ボーイッシュな服装ゆえに衣装を着た時のギャップにはくるものがあるな……。」
剣「ええ……///」
美咲「それだけじゃないわ。自分の可愛さを自覚していないから、可愛い衣装を着る時いっつも涙目になって『変じゃないよね……?』って聞いてくるところとか!」
剣「ちょっと……2人ともぉ……///」マッカ
涼「ああ。庇護欲をそそられるな。」
剣「!?///」
美咲「あと、乙女いじりをされるのが恥ずかしくてわざと口調を変えてるところとか!」
剣「〜!?//////」
涼「うむ。確かに剣は揺るぎない乙女だな。」キッパリ
剣「 」///
美咲「でっっしょ〜〜〜!」ドヤドヤァ
涼「だが美咲が乙女という証明にはならないんじゃないか?剣の乙女さは純情ゆえな所があるしな。美咲は純情とは対極の存在だし。」
美咲「 」カチン
美咲「そっか〜。私の乙女さは、可愛げゼロのイケメン俳優系スクールアイドル様には理解できない世界みたいねえ?涼に聞いた私が間違ってたわ。ごめんなさいね!」
涼「なんだと……!?」カチン
美咲「『ステージに上がれば男にでも女にでも、幼子にも老人にもなれる』とか言っても、所詮はその程度の乙女力よね。」ヤレヤレ
涼「やってやろうじゃないか……!」
美咲「……♪」ニヤリ
涼「ワタシをコケにした事、後悔させてやる!ワタシの可愛さに絶望するがいい……!」フハハハ
美咲「あら?随分と自信がおありの様ね?そこまで言うなら、負けた時は……。」
涼「ああ、この部屋をファンシーの吹き溜まりしてくれたって構わないさ。……もっとも、できるならなぁ……!」
美咲「その言葉、後悔したって取り消させないわよ?」
涼「良いさ。だが、それだけの報酬を得たいなら、相応の対価を賭けて貰おうか……。」
美咲「……ええ。部室の縫いぐるみ達全員の生命を賭けるわ!どちらがより剣に可愛いと思わせるか、勝負と行きましょう!」
涼「グッド!」
剣「……へ?」
美咲「準備はいいわね、剣!」
剣「へ!?」
涼「いくぞ、剣!」
剣「拒否権無しか〜……。」
美咲「it's a deal ! 尋常に、
美咲涼「「勝負!!」」
剣「はは……。」
〜美咲の場合〜
剣「……はぁ、なんでこんなことに。」
ギュッ
美咲「元気出して……剣。」
剣「え、うん。」
涼(ほう、いきなり手を握って間合いを詰めたか。先手必勝……と言ったところか)
美咲「ごめんなさい、無理なお願いをしちゃって……。」
剣「2人に振り回されるのはもう慣れたよ……はは。」
涼(成る程そういうキャラか)
美咲「でも……どうしても、剣に関しては負けたくなかったから。」ウツムキ
剣「へ?」
美咲「あっ……///」フイ
涼(よくやるな……あ〜イタいイタい)ジトー…
剣「美咲?」
美咲「……私をスクールアイドルに誘ってくれたあの日からずっと、剣は私の1番なの!だから、私も剣の1番でいたくて……///」
剣「美咲……///」
涼(ああ、こらときめくんじゃない!)
美咲「ごめんなさい。こんなの、いつもの私らしくないわよね……?」
剣「そんなこと……っ!」
美咲「いいの。……わかってるから。」
剣「美咲……。」
美咲「なんてね。」スクッ
剣「えっ
美咲「暗いのはこれでお終い!まあ、その……クールでセクシーでエレガントな美咲ちゃんをよろしくね♪」スタスタ
剣「え?あ、うん。」
涼(お〜う、イタいのイタいの飛んでけ〜)
美咲「…………。」ピタッ…
剣「?」
美咲「いつか私も、剣の1番になってみせるから……//////」
涼(ギャップ萌えの、『お代わり』だと……!?しかも表情を見せずに背中越しで語ることで、相手に想像の余地を残している……!こんなものを剣が見たら……!?)
剣「 」
涼(やっぱりだ〜!?フリーズしてリアクションできてない、キャパオーバーだ!)
剣「//////」キュン
涼(いやキュンってなんだ、キュン♡って!)
美咲(どうよ、これであのロマンス狂の得意な『しおらしい』と『いじらしい』を潰してやったわ!さ〜あ、私の可愛さに絶望するがいいわ!オーッホッホッホ♪)ドヤァ…
涼「先のイタいキャラをブラフにしてギャップ萌えを演出するとは….…やるな美咲。勝負師系スクールアイドルを名乗るだけはある。」
美咲「?」キョトン
涼(最後まで手を抜かない姿勢は流石だよ。……なら、ワタシも全身全霊を以って応えよう!)
〜涼の場合〜
剣「次は、涼なんだよね……?」オソルオソル
涼「……。」
美咲(『焦らし』……か。警戒心が強くなってる相手には有効だし、まあやるわよね)
剣「……涼?おーい
涼「見、見ないで!//////」ササッ
ギョロ「!?」ホカク
美咲(ここでギョロ?……ま、まさか!?)
剣「え?」
ギョロ?『み、見られてると恥ずかしいから……目、瞑って欲しい…………ギョロ///』
剣「え///う、うん!」ツムリ
美咲(さっき人にイタいとか言ったくせに、よくやるわ……)ジトー…
ギョロ?『瞑った……ギョロ?』
剣「うん。」
涼「じゃあ、そっちいくね……///」
キュ…
剣「!?//////」ドキッ
美咲(視覚を封じて、敏感になった触覚と聴覚で相手を揺さぶる……か。流石、心得てるわね。)
涼「えへへ///、やっと、手……繋げた……♪」
剣「ねえ、涼?いつもと口調が……。」
涼「幻滅、した?」
剣「い、いや!そんなわけ……。ねえ、やっぱり目開けちゃだめかな?目閉じたままだと話しづらいっていうか……///」
涼「わかった。剣がそうしたいなら……恥ずかしいけど、私、頑張るね……///」
パチ…
剣「な、なんだか気恥ずかしいね……。」
涼「そう、だね……。でも、嬉しいな。剣の瞳、大好きだから……♪」ウワメ
剣「ええええ!!??//////」ギョッ!?
美咲(大袈裟な内股で身長差を演出、しかも間合いを詰めることで相手にそれを気づかせないようにしている……とんだ策士ね。)
涼「これが素の私……でも、良かった。大好きな人に嫌われなくて。」
剣「え?それって……///」
涼「あ!?///ご、ごめん!なんでもないから!その、ありがとう……///」
剣「そんな、お礼なんて……///」
涼「こ、これからも!よろしくね……///」
パッ…
涼(美咲、君は私の得意を潰して手詰まらせようとしたようだけど……差別化なんていくらでもできるのさ。この勝負、楽しかったよ)ニヤ
美咲(深追いはしない、か。敢えて口数を減らして初々しさをアピール……やってくれるわねぇ)ニヤ
剣「?」キョトン
ドア「ガチャ……。」ガチャ…
小雪「結果発表〜。」ヌ
剣美咲涼「え"!?」
小雪「美咲ちゃんが可愛いかった人、挙手。」
姫乃優香隼風ふみ小雪「……。」スッ…
剣「えええ!?//」
美咲「ま、まあ!?これで私のパーフェクトゲー
小雪「涼ちゃんが可愛いかった人、挙手。」
姫乃優香隼風ふみ小雪「……。」スッ…
優香「というわけで引き分けです♪ありがとうございました。」
ドア「ガチャ……。」ガチャ…
タノシカッタネー
シオラシイミサキチャン、イケル…!
リョウチャンノフクワジュツニカノウセイヲカンジタ
・・・・・・。
剣美咲涼「み、見られたぁあ!!??」
美咲「終わった……。」ガクッ…
涼「先輩としての威厳が……。」ガクッ…
ギョロ(そんなものあったギョロか…?)
〜廊下〜
姫乃「でもやっぱり1番可愛いのは……!」
姫乃優香隼風ふみ小雪「必死にクールぶってる3年生!」
〜FIN〜