四番隊は今日もゆく   作:yuzuna*

7 / 9
レポートが半分以上終わりました。

これより、漱石さんの小説を読ませていただきます…時間かかりゅ…。


☆お知らせです。☆

 7月26日現在(14時)にて、1話からこの話に前話までを書き直させていただきました。

 短時間で書き散らかしたのもあって、流れと描写表現があまりにも拙いものだったので書き直させていただいた所存であります。

 前よりはよりわかりやすく、読みやすくなっているのではないかと思われます。

一人称から三人称にしたりもしましたし…。話の内容はほとんど変わっていませんが、「神の落とし子(1)」の最後の部分のみ内容がまぁまぁ変わりました。

 今後も気に入らない点や読み直した際におかしく思った点は書き直させていただき、その都度ご報告させていただきます。

 いや、一回読み返して出すようにするけど、それでもさ…。な?

駄作ではありますがよろしくお願いします。ちなみにまだレポート溜まってます。殴ってください。



施設調査へいざゆかん(1)

 

 

 「今日が決行の日よ」

 

 早朝、まだ日が完全に上がっていないころ。

 

 ユエリナ軍の十二部隊、非戦闘員部隊の全員が揃った食堂でユエリナが言う。

 

 飛行艇は今、落とし子を見つけた山の上空に位置している。

 

 前々から作戦実行の日となれば、各隊ごとに決められた隊服、そしてユエリナ軍である証として右の上腕に紫に白のガーベラの刺繡が入った腕章をつけて並ぶ。

 

 この集会では前日までに通知される各隊の役割の再確認と全体の指揮を挙げることが目的だが、総員の顔を見ることでユエリナ自身が覚悟を決めるためという隠れた意味も持っている。

 

 例の施設に前に訪れてから丁度一週間が経った。

 

ユエリナが口を開く。 

 

 「ちょうど総長から、情報提供を条件に中枢府も王も例の件をユエリナ軍に一任すると認めたと連絡がきました。この後控える制圧戦を前に、ユエリナ軍はこの調査を成功させます。」

 

 シズイは上手く中枢府と王を納得させたようだ。

 

ここもスムーズに進んだためにかなり驚いたのだが、なんでも王が快諾したために中枢府もごねるわけにはいかなくなったそうだ。

 

 「敵に出会った場合は各自の判断を基準に戦闘許可を出します。だけど、絶対にけがはしないように。危険を感じた際はその部隊全員で早急に戦線から離脱してください。」

 

 「確認ですが、四番隊、八番隊、九番隊は私とともに施設内に入ります。二番隊と七番隊は周囲の監視、また、施設内から運び出したものを適度に飛行艇内は運搬してください。

 

 その他全部隊は飛行艇内で待機ですが、一番隊、三番隊、六番隊を軸に飛行艇の守護、そして十一番隊を軸に例の2人の保護をお願いします。また、全部隊必要とあれば一番隊隊長の指示に従って出撃を要請しますので、常に戦闘可能な状態を維持してください。」

 

 淡々と詳しい動きの説明を始めるユエリナ。

 

 食堂にいたすべての人間が頷き、自身の役割やこれから行う調査についてを確認して行く。

 

 ユエリナは念には念を入れて作戦立案をするため集会は毎度長くなる。

 

 「では、皆さん。ただいまより作戦を開始します。本日の夜ご飯をまた全員で食べれることを期待しています。」

 

 今回もちょっと長めの話をした最後にいつもの名文句で場をしめる。

 

 遠回しの無事祈願だ。

 

 

 「解散!!!」

 

 ユエリナの解散の声に全員が揃って返事をし、各自の持ち場へと移動を開始する。

 

 もちろん燈たち四番隊も移動を開始した。

 

 今回も最前線である。施設内の安全を確認した後、深部の調査、主に前回落とし子の2人を見つけた場所の調査を行う予定だ。

 

 

 (あぁ、空から落ちるの…あんまり好きじゃないんだよな…。)

 

 燈は下降場と呼ばれる飛行船の後方最下部へと移動しながら考える。

 

 この飛行船から地上へ降りるには、風の力を借りて飛行船からダイビングをするしかない。

 

 地上に飛行船を近づけるのが危険だからだ。

 

 何度やっても好きにはなれないな、と燈は苦笑いをしながら腰につけた刀をきゅっと握った。

 

 

 

 

***

 

 

 

 「敵の気配なし、目視でも確認できないし、この付近にも敵はいないっぽいね。」

 

 周囲を見渡しながら、燈は綵に確認するかのように言った。階層ごとに敵がいないかを確認しているのだが、ここが最も下の階である。

 

 「燈もそう判断しちゃう?あとは、燎と鳳の見てる方だけど、ほんとにこの施設、敵というか生き物すらいないんじゃないかしらねぇ。」

 

 この空間に鳴り響くのは燈たち四番隊の無機質な足音のみ。燈は腰の刀を抜くこともなかったし、綵も右太ももの銃を持つことはなかった。

 

 あまりにも何もないので綵が少し眉間に皺を寄せた。

 

 さて、現在四番隊は施設内に敵がいないかを確認している。

 

 前回同様すんなりと施設内に入り込んだユエリナ軍は、早急に作業へと取り掛かった。

 

 八番隊と九番隊とユエリナは上の階からめぼしい物を回収している。

 

 四番隊は敵の有無の把握が第一目標だったので、確認をしつつとりあえず最下層まで降りたきたところだ.

 

 前回と違うところと言えば、腰付近からランプを下げていることであろうか。そのため燎も燈も炎の能力を使うことはなかった。

 

 なぜ前回付けていなかったのかというと、戦闘時に邪魔になるからと説明しよう。今回は敵がいないことを予測しての持参であった。

 

 

 カツンカツンと二人以外の足音が聞こえ、向かい側の通路から短刀を複数個装備した鳳となにももたない燎がやってきた。

 

 「こっちは相変わらず何もいなかったぜー!見た感じそっちもだろー?」

 

 まだ離れている位置から燎が大きな声で聞いてくる。

 

 「そのとおりよ~!」

 

 綵が手を振りながら返事を返した。どうやら本当にこの施設には敵も生き物すらもいないようだ。

 

 燎と鳳が燈達に合流した。

 

 燎は無線機を用いて、ユエリナ達に安全を伝えていた。

 

 「じゃあ、俺たちは後はここの調査だけ…っと。」

 

 燈はちらっと光の差す方向を見る。

 

 二手に分かれた四番隊が合流地点に選んだのは、淡い光が漏れる例の部屋の前であった。

 

 

 

 

 例の部屋の中に入った四番隊はその部屋の調査を開始した。

 

 めぼしいものや特徴的な物を写真に収め、回収する物を決めて行く。

 

 (これは…でかいな…。なんなんだろう。)

 

 燈は何層にも別れたマンションのように光っている大きな棚を見つけた。

 

 (持ち帰れないけど…写真だけ。)

 

 ランプだけでは全体を照らすには光が足りない気がするので、炎で周辺を照らし、片手で持ったカメラを使って写真を撮る。

 

 (相変わらず何に使われてんのかわかんないものばっかだな。)

 

 この部屋にはこの棚の他にも無数のスイッチと、ひたすらに点滅する柱、割れた水槽っぽいものなど不思議なものがたくさんあった。

 

 

 もう一度棚を見上げながら横へ足を進める。

 

 すると、足に何かが引っかかった。

 

 「これは…?」

 

 下を見下ろすと足元にはこの間持ち帰った機械と似たようなものが転がっていた。

 

 

 

 「あっ、これ…」

 

 燈がその機械を写真に撮ろうとカメラを構えたその時、

 

 

 「うーらーめーしー、やー♡」

 

 突如後ろから綵の声が聞こえ、綵が飛びついてきた。

 

 前半は例の如くお化けのように驚かせにきたのであろうが、それでは反応が期待できないと見るや後半は飛びついてくる衝撃で驚かせようとしてきている。

 

 「綵…燃やすぞ」

 「ごめんね」

 

 燈はお化けは得意とまではいかないが信じている訳でもない。

 

 「うらめしやなんて言って出てくるお化けなんていないでしょ…」

 

 このように冷静に考えてしまった結果、綵の攻撃は全く効くことはなかった。もちろん綵が男であることは知っているので飛びかかられてもなんとも思わない。

 

 

 「んで?燈はなにを見てたの?」

 

 綵がそそくさと話題を変えて、何を見てたのかを聞いてくる。

 

 そして、燈の足元を見て、あ、それって…と呟いた。

 

 「これ、この前持ち帰ったやつ解体するみたいだから、一個くらい予備持って行った方がいいかなぁって思って…」

 

 正直、ユエリナ軍単体での科学力はそれほどない。

 

 しかし情報漏洩防止のためにとユエリナ軍で任されてしまったので、解体でもなんでもやってみるしかないかとユエリナが言っていたのを四番隊は知っている。

 

 「あぁ、まぁそうだね…。私も持ち帰ったほうがいいと思うわ…。」

 

 綵もそれを思い出したのか、少し苦笑いをして持ち帰ることを推した。

 

 

 「とりあえず今は写真を撮っておきましょう。」

 

 そう言う綵に、いや、撮るの邪魔したのお前だからな?と思いながら燈は改めて機械を写真に収めた。

 

 

 「なぁ!」

 

 「「ん?」」

 

 写真を撮り終えると直ぐに背後から燎の大きめ声が聞こえた。

 

 「ちょ、この写真めちゃくちゃ心霊写真っぽく撮れちゃったんだけど、見てくんね?」

 

 ちょっと遠いところにいた燎が楽しそうにこちらへ走ってくる。

 

 「「ん〜〜〜〜???」」

 

 あれ、今って作戦中でしたよね。何やってるんですか隊長。

 

 燈と綵は珍しく心が一致したようで顔は笑顔であったが、何やってるんだこの子と不穏な雰囲気を醸し出した。

 

 綵、お前もさっき同じようにふざけてたの忘れてないからなと燈は綵をもそのような目で見ていたが。

 

 

 「燎…!!今作戦中だから!!!!」

 

 こちらも少し遠くで写真を撮っていた鳳が燈と綵の様子に気づき、声を上げた。

 

 

 だが、常識枠1人では四番隊は止められない。

 

 「何やってるの…?燎。」

 

 燈が少し低い声で燎に問う。

 

相変わらず顔は笑ったままだ。

 

 「?、いや、この写真なんだけどさ。あの持ち帰った機械の壊れたバージョンがそこにあってよ。それとカプセルを一緒に撮ったらさぁ。中の人間とマッチしちまって…。実際に存在してるから心霊写真じゃねーけどよ。このマッチ具合すごくね?」

 

 燎が写真を見せてくる。確かに燎の写真には、半分くらい胴体が抉れている機械とカプセル越しのもう腐敗が進んでいる人間が写っている。

 

 心霊というよりもはや事件後のリアリティ溢れる写真だ。

 

 「お前、普通に頭おかしい発言してるの気が付かない?」

 

 「全人類に嫌われそうね。」

 

 燈と綵のサラッと出てくる辛辣な言葉。

 

 全人類に嫌われなかったとしても、燈達からの好感度は確実に下がった燎であった。

 

 

 

 

 

 

 その後も順調に四番隊の調査は続いていた。

 

 カシャっと燈の後ろから音が聞こえる。綵がなにかの写真を撮った音だろう。

 

 「綵。なに撮ったの?」

 

 後ろに撮るものはあっただろうか、確か後ろには…と考えながら燈がカメラの音がした方へ振り向くと、そこにはカプセルに張り付くようにしながらカプセルの中の人の写真をカメラに収めている綵の姿があった。

 

 !?

 

 

 「なーにーをー撮ってんだーーー!!」

 

 燈は思わず綵へとドロップキックをかました。

 

 いやおかしい。なんか絶対にそうゆうことしちゃダメな気がするんだけど、

 

カプセル内の人泣いちゃうよ?俺なら撮られたくないね…。

 

 っていうこさっき燎を一緒に注意したよね!?

 

 燈は一瞬の間に様々なことに頭の中でツッコんだ。

 

 

 「痛いじゃない…本気じゃないのはまだ優しさね…。」

 

吹っ飛んでいった綵は、燈に蹴られた箇所を摩りながらゆっくりと立ち上がる。

 

 「な、な、なんで張り付いてカプセル内を撮っていたのですか…」

 

 さっき考えが一致したはずなのに、とやっぱり頭おかしい人第二号へと質問を投げかける燈。第一号は燎だそうだ。

 

 すると綵は

 

 「いや、梅津さん達に顔写真みせたら、なにか思いつくことあるかなぁ~って」

 

 と、あっけらかんに答えた。

 

 

 

 「「「確かに…」」」

 

 綵以外の声が重なった。

 

 

 「ってことは俺の心霊写真風のやつも良い写真ってことだな!!」

 

 「いや、無理だろ」

 

 「今回は一緒にされたくないわね。」

 

 先程の心霊写真の一件は許されない。

 

 便乗した燎には再び燈と綵の言葉が突き刺さった。

 

 その後、四番隊は手分けして一つ一つカプセル内の、またはカプセル外に出てしまっている遺体の顔写真を撮ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 部屋の中の調査が終わりを迎えかけていた時であった。

 

 「回収するものってここに集めたので全部?」

 

 燈の声が部屋に響く。

 

 「あぁ、回収物って言っても、そこの機械とカプセルとここらへんの銃くらいだろ?」

 

 燎がそう答えた。燈のもとにあるのは先程話に上がった予備用の機械と、前回持ち帰ることを断念した大きなカプセル。カプセルは部屋にくっついていたカプセルがどう頑張っても取れそうになかったので、適度なところで燈が地面から切り離したものだ。

 

 「その銃もこっち持ってきてー?」

 

 燈が回収物を一箇所に集めるために燎を呼んだ。

 

 燎の方には同じ形をした銃がいくつもある。銃を用いて戦う綵曰く、まだまだ使えそうな銃だと言うことで、研究ついでに使用することも考え、より多く持ち帰ろうとしている。

 

 燎が両手で銃を抱えてこちらに向かってきた。

 

すると、燎とは違う方向から近くに来た鳳が言う。

 

 「このカプセルとか重たいし、この施設を何周もして運ぶのは大変そうだな…。」

 

 たしかにそうだ。カプセルを運ぶのに少なくとも2人は必要であるし、燎が今持ってきている銃も2回に分けて持ってきて、やっと全部運び終わるといった感じである。

 

 これらを四番隊のみで全て運ぶとしたら絶対に2周はしないとならない。

 

 「燎、ユエリナ様達はまだまだ来ないの?」

 

 綵が2周目にして銃を運び終わった燎へと問いかける。ユエリナや八番隊、九番隊は徐々に下へと降りてきているはずだ。彼女たちと合流すれば一回で運び終わるかもしれないと綵は考えたのだろう。

 

 「一層ごとに見てきてるはずだからまだとは思うけど、連絡とってみるか?」

 

 燎は腰の後ろ部分につけてあった無線機を手に取った。

 

 「まぁ、できることなら、ここに地上までの穴貫通させるのが手っ取り早いかもなぁ!」

 

 鳳に風の能力で飛んで一気に地上まで運んでもらえばいいし!と燎は言い、ハハハと笑いながら無線機でユエリナへと電話をかけた。

 

 これはジョークである。こんな重要な施設に穴なんて開けられないし、かなり深いのでそんな穴を掘るのにそれまた月日がかかる。

 

 燎の力で山の斜面ごと吹き飛ばすくらいの覚悟なら直ぐ出来上がるのかもしれないがやることはないだろう。

 

 そんなことを考えているうちに無線が繋がったようだ。

 

 「ユエリナ様〜。こちら四番隊。」

 

 燎が呑気にユエリナを呼ぶ。

 

 

 

 「え?」

 

 しかし次の瞬間、燎はきょとんとした。

 

聞き返したのもあって何を言われたのかと燈達は不思議になる。

 

 なにかを上で見つけたのだろうか。それとも施設内に敵がいたとか?

 

 

 「なんて言われた?」

 

 たまらず鳳が未だ無線中の燎にその話の内容を聞く。

 

燈や綵も聞きたいため、黙って燎を見た。

 

 

 無線機から耳を外した燎が言う。

 

 「いや、なんか回避行動とれって」

 

 一瞬時が止まったかのように全員がきょとんとした。

 

 何故自分たちが回避行動を?あたりを見渡すもやはり敵どころか生き物もいない。

 

 

 

 何を回避しろというのだろう。

 

 「なんで?」

 

 燈が思ったことを口に出した瞬間、

 

 轟音と共に地下深くにいたはず四番隊へ大量の光が差し込んだ。

 

 

 燈と綵と鳳の前にして、彼らと相対していた燎の後方に瓦礫や土砂が大量に落ちてくる。

 

 突然の大量の光に少し視界がチカチカする。

 

 凄まじい振動がまだ続いている。土煙が舞い、パラパラと土や石が落ちる音に稀に大きなものが落ちることで大きな音を鳴らす。

 

 

 

 「は?」 

 

 なぜか大きく放たれた視界に、先まで鉄の天井だった場所が大空になっている視界に、

 燈の口から声が漏れた。

 

 ここは地下だ。しかもかなり深いところ。穴が空いて地上の光が差し込むなんてことは普通はありえないことである。

 

 先程考えたように燎並みの強大な力の持ち主が山の斜面ごと吹き飛ばすようなことをしなければ。

 

 

 

 

 

 ということは、これは…?

 

 

 「か、回避行動ぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 「「「遅いわぁぁぉぁ!!!!!」」」

 

 崩れ落ちる施設の中でもう遅い回避行動を叫ぶ隊長に全員が反応した。

 

 

 

 




ありがとうございました。
次回からは戦闘…入るかな?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。