四番隊は今日もゆく   作:yuzuna*

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やばい、いつもなら小説家になろうで書いた前書きとあとがきコピペして終わりなのにコピペするの忘れた…。

えっと。
夏風邪ひいて寝込んでいましたということと、それが大変だったといことと、世界が俺に小説を書くなと言っている的なことを書かせていただきました。
詳しくは忘れました。書いたの五分とかそれくらい前だけど…。
まぁ、小説読む分には差し支えない前書きですので。興味があればなろうの方で前書きを覗いてみてください。

あ、それとそろそろ一章の区切りになりそうです!
そのあとは物語も進めるけど、日常が書けるぜ…。

まぁ気長に地道に投稿していきますのでよろしくお願いします。

あ、あと久々に書いたら楽しくて字数多くなりました…。とりあえずこれで思い出せる範囲は書きました。大丈夫。


VS龍 戦闘なんてすぐ終わってしまいますが…

~~燈side~

 

 

 「し、死ぬかとお゛もっだ…」

俺は大の字に寝転がりながら空を仰ぎ、肩で息をしながら声を吐き出す。

 

奇声を発し打ち上げられた俺は、弧を描くように空を舞い、雪の積もった地面へと墜落した。

 

鼓動が早まり体温の上がった体を、冷たい雪が少しずつ冷やしてくれる。

あぁ、意識、飛ぶかと思った。

 

 

 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

頭上から第二の被害者の叫び声が聞こえる。

 

 

 「へぶっ」

隣でバフっという音と共に大量の雪が空へと舞う。

 

 「しぬっ…もうい゛やっ…」

 

顔面から着地したのであろうか、尻を空へと高く向けた状態で綵が雪のついた顔をあげる。

 

 

綵は少し放心状態のようで、俺と揃って深いため息を吐いた。

 

 「よっこらぁせぇーーっとよぉぉぉ!!」

 

元気の良い声が聞こえる。

燎が穴の中から勢いよく飛び出し、俺と綵の間に影を落とした。

 

 

「着地ぃ!!!!」

 

どすんと両足で着地を取った燎だが、その落下地点は綵の顔の真前であった。

何も悪くない(というか被害にしかあってない)綵を地面から舞い上がった雪が襲う!!!!

 

「あぶぅ!!?」

 

綵の一瞬唖然とした表情はすぐに雪の中へと消えていった。

 

 「ふぃ〜脱出成功!」

 

燎が手をパンッパンッと叩き、着地の際に地面についた手から雪を落とす。

 

 「あの…、か、燎…さん…?」

 

あなた雪かけてますよーと綵が埋まった雪山をチョイチョイと指さす。

 

 「?なんだ?どした?無事に外に出てこれたよな?」

 

 まぁ無事でしたけども、確かに最速だよこの脱出方法。

燎は俺何かやっちゃいましたか顔でこれを言う。絶対こいつは自分が悪いことをしたことに気づいていない。

 

もう苛立ちが湧いてくることはなかった。ただ「ア、ハイ」と俺らが頷けばいい話だ。

 

 

 「…龍、どこにいるのかしらね」

その声の出所をみると、雪からのそりと這い出してきた綵が、死んだ目をして地面を見つめていた。

 

彼もきっと、「ア、ハイ」とただ頷く路線に舵をきったのだろう。

未だ地面に四つん這いであり、髪や背中から雪がポソリと落ちていく様が、諦めと哀愁を漂わせる。

 

 「鳳に追いつけるとは思わないが、探してんなら上空か…」

 

上を向いた燎に倣って俺も空を見上げるが、少し曇った空にその姿はない。

 

 

 「でも空以外は考えられないのだけど」

綵が周囲を見ながら言う。

もしも龍がこの周りにいたなら俺らが雪の上で茶番してる暇ないんだよね…。

 

 しかし、鳳を見失ったのであれば俺らのいるこの場に戻ってくるのではないだろうか。龍にだって知性はある。

 目的を見失っても尚、どこにいるのかが完璧にわからないものを探し続けるだろうか。それならば居場所がはっきりとわかる敵だと認識した者の位置に戻ってくるのではないだろうか。

 

 

そう考えたところでふと一つの考えが思い浮かんだ。

 「割と鳳に追いついちゃってたりして…」

 

龍が鳳を見失っておらず追いかけ続けているのであれば、この場に龍が戻ってくる理由はなくなるのだ。

そんなわけないよね、と思いつつも口に出してみる。

 

 「さすがにそれはないだろ」

燎がパシッと否定する。

 

 「まぁね。鳳はうちで、一番速いんだからそれと同等なのはちょっと困ることになるから、ないと考えたいわ」

綵も続けて否定する。

まぁ、ごもっともなんだが、

 

 「いや、俺もないとは思ってるんだけどさ…」

だとしたら何故龍はこの場にいないのだろう。

 

 「四番隊のみなさーん!!!」

快活な声が雪山にこだました。

 

 「やっぱりいた!!何されてたんですか!」

 「雀ちゃんどうしたの。」

綵が返事をしたその快活な声の主は八番隊の雀であった。

トテテと雪の上を走ってくる。

 

 「雀ちゃん〜!雪に埋もれないでくださいね〜!」

その後ろから杏子が髪を揺らして追いかけてくる。

 

 「そんなちっちゃくないよ!!!杏ちゃん!」

 「あら、埋もれたらそのまま持って帰るのに」

 「どこに!?」

 

 立ち止まった雀と追いついた杏子が元気そうにいつも通りの会話を始める。

今までみんながどうやっているのかがわからなかったため、この光景を見るだけで張り詰めていた心が少しの落ち着きを取り戻す。

 

 「他のみんなは?今まで二人は何してたの?」

だが、今目の前にいないみんなはどうしたのだろう。俺は雀へと問う。

 

 「九番隊とユエリナ様は二番隊七番隊と一緒に飛行艇に戻ったわ。龍が地下に行ったから立て直す好機と考えたんでしょうね」

その問いに対する返事は雀と杏子の更に後方から帰ってきた。

 

 「それで、私たちはあんた達と合流することを任じられたってわけよ。ピンピンしてるのね。」

答えたのはシエルだった。その背後には疲れ果てた様子の日和とそれを支える千景が着いてきている。

 

 「それで?そっちは何してたの?あんた達あの龍と接敵したんじゃないの?」

 

 「した」

 「したならなんでここに…!!」

 「龍が鳳を追いかけてった」

 シエルの問いに燎が淡白に返す。

接敵したと聞いて少し前傾したシエルだったが、その後の答えを聞いて留まった。

 

 「なら鳳は今どこに?」

 「俺らのカメラとか持って飛行艇に向かった。」

 「飛行艇!?なら龍も飛行艇まで行ってるんじゃ…」

シエル。驚きのオンパレードである。テンポよく前傾したり目を見開いたりしている。

確かにユエリナ様達が飛行艇へと立て直しに向かったのを知っていればより焦ることだろう。鳳を追っていった龍に飛行艇が襲撃されたとなればたまったものではない

 

 「まぁ龍は鳳にだいぶ遅れて飛んでったからまず見失ってんだろ。」

燎があっけらかんと答える。さっき俺らで話した内容だしな…。

 

 「それって推測の話でしょ?もしも龍がすごく速かったらどうするの?!」

四番隊をど正論が突き刺す!!

 

…そりゃそうなんですよ。

はい。そのとおりです。

 

 「でもユエリナ様からはなんの連絡も来てないんだろ?」

燎が起死回生の一手を放った。龍が飛行艇の近くにいるのであれば、飛行艇に向かったユエリナや飛行艇に残っているものから連絡が来ることだろう。

 

 「まぁそうだけど…。」

シエルは不安を拭い切れない表情だ。

 

 「なら、大丈夫なんじゃねぇか?」

ほれ見ろとばかりに燎が不安を取り除こうとする。

うーんとシエルが目線を外す。

 

 「…あ、ねぇ、あんたその言い方だと無線機ないみたいなんだけど、無線機…ある?」

一難去ってまた一難。

 「オゥ!?」

燎から変な声が聞こえた。

正論をぶっ刺された燎を第二の刃が襲う!!

 

 「まさか無くした…?」

 「オゥ…」

その反応を見てジト目で追い討ちをかけるシエル、燎も珍しく弱ったように答える。

シエルにバレるのは手痛いようだ。

 

 「いや、壊した」

俺はすかさず訂正した。

 「な、おまッ」

言った瞬間に燎はこちらを睨んできたが、さっき俺らを空へ飛ばしたことへとちょっとした仕返しだ。

ざまぁみろ。

 

 「壊した??」

やはりシエルが食いついてきた。

 

 「尻につけてて尻で壊した」

 「燈!?」

 「あーそゆことねぇ〜」

 俺の言ったことに燎が反応してしまったのでこれは真実となる(暴論)

さっきまで不安を帯びてたシエルの顔が一気にニマニマ顔へと変わった。

 「やっちゃったのねぇ〜あーあ」

煽れる素材があれば煽るそれがこの二人だ。

 

 「鳳さんじゃないかな?あれ」

そんな二人を尻目に雀が空を指さした。

 「あの大きさと速さは確かに鳳さんですね。」

その横から杏子が目を細め、その物体を注視してから肯定する。

 

全員が雀の指さす方向を見た。

 

 「じゃあ鳳さんの後ろにいるのが龍?」

 

ん?、と俺は思った。確かに鳳の後ろには大きな物体が同じような早さで飛行している。

 「あれはやっぱり追いつかれたんですかねぇ…」

杏子がそう言った。

 

 あれ、速くね?あのでっかい物体、速くね?

 

 「燎、追いつかれるはずがないんじゃなかったの…?」

シエルが唖然としながら言った。

 「いや、あの大きさであんだけ速いってもはやチートだろ。」

燎が応える。

この会話の最中にも二つの飛行物体は雲を裂いて空を高速で縫ってこちらへと向かってくる。

 

 「あれこっち来るわね」

綵も同じことを考えてたようだ。

 「ど、どうしましょうか…」

千景が日和を未だに支えながら問いかける。

 

それはやっぱり

 「迎撃するしかない…?」

俺は燎に向かって言った。

 

 「もちろん」

端的に燎が言う。

 「四番隊で正面から迎撃する。八番隊はカバーを頼む」

 「言われなくてもそうするわよ!」

シエル達八番隊が四番隊から距離を取っていく。

 

 鳳はもう俺らのことを見つけているだろう。そして四番隊が残り八番隊が散開していったことが意味することを彼は察しているはずだ。

 「こいつ速すぎるんだけどぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

ものすごい勢いで一直線にこちらに向かってくる鳳が叫んでいる。

 

 「燈、鳳が通り過ぎたら”火柱”建てるぞ」

 「りょうかい」

この世界では連携を取ったり、後世へと伝えるために一定の概念や仕様が決まった技には名前をつけている。

”火柱”とは文字通り火の柱を建てることだが、燎も燈もかなりの手練れである。そして二人揃って出すのだからもはや火柱ではなく火の壁のようになる。

 

 「おねがぁぁぁぁい!!!!」

ものすごい風が吹きこんできた。

雪が舞い思わず顔を腕で覆った。

 

そして

 「いくぞぉ!!!!」

燎の声に合わせ

 「「火柱!!!」」

俺は燎とともに豪炎を編み出した。そして編み出された二つの火柱が合わさり地から生える炎の壁を形成する。

 

が、それが龍を止めることはなかった。

龍は俺らの火柱を高速で突き破って行ったのだ。

 

 「あ、止めれないやつだ…」

燎が少し驚いたように言う。

 「ちょっ!!止めろよ!!!!!」

鳳が高速飛行を維持し旋回しながら叫ぶ。

龍がその後を追って旋回を始める。

 

 「動き止めないと効くもの効かないわね。これは」

近くでしゃがんでいた綵が立ち上がり空を見上げながら近づいてくる。

 

 「低空で来たのを燈で受け止めるか?」

燎が言ったように花の力で受け止めて…

俺は頭の中でイメージしてみる。

高速でくる巨大な塊、かなりの質量であるし破壊力だろう。

 

…いや、

 「普通に破られて直撃パターンしか見えません」

 「だよなぁ」

俺が真顔で言った。

脳内で予測した結果の情景は燎も容易く想像できたようだ。

 

 「同じように低空で来たのを燎で打ち返すのはどうかしら」

 燎の馬鹿力で、もうここではっきりと言ってしまうが”星の力”で打ち返すのはどうだろうか。

燈と同じく炎の力を持ち、ハイブリットでその腕の一振りで大きなクレーターを作ってしまえる星の力を持つ燎であればワンチャンぶつかり合いで龍を制することができると綵は考えたのだろう。

 

 今度は燎が考える。

 「受け止めれても辺り全部ぶっ飛ばしそうだな」

 「「却下で」」

その答えに俺と綵は即却下を決めた。

 

 「ちょ、ねぇぇぇ!!!!!俺のこと忘れてませんかぁ!!!!!」

鳳が龍と共に永遠と上空を旋回している。

お陰でこの辺りは未だに風が吹き荒れている。

 

 「同等の力で止めんのは割とありだ。ただ、地上だと周囲が吹き飛ぶ。」

燎が鳳を見ながら言う。

 「じゃあ地上で受けるのはダメじゃん。」

地上がダメなら無理じゃん…どうするんこれ。

 「地上じゃなく空で受ければいい」

燎は鳳の後ろをついて旋回する龍へと視線をずらして続ける。

 

 「空でなんて受けれないわよ。こっちは踏ん張りが聞かないし、なによりも当てられないんじゃないかしら」

 あんな速いのにどうやって当てるというのだろうか、唯一の自由自在かつ高速で空を移動できる存在()は今もなお龍と追いかけっこしているのだし、

 

 「あー。まてよ。これ動きを止めればいいんだよな。」

燎が目を細め腕を組み、少し下を見ながら考えている。

 「あー。いけるぞ。これなら」

彼は何かを思いついたようだ。

 

 「え?まじで!どうするん?」

俺は解決策の登場についテンションがあがり聞いてしまった。

 

 「鳳ぃー!!!そのまま旋回!!!!!」

燎が俺の問いに答えないまま鳳へ指示を出す

 

 「りょうかぁぁぁい!!!!!!!」

 鳳は今もなお追われ続けており大変そうだ。今まで追われる経験がなかったからだろうか。追われても振り切れたり、対抗して潰せたりできていたのだが、この龍相手では追われるしかない。

 

 「鳳、大変そうだよな。」

燎がなにか呟きながらこちらへと歩いてきた。

 「そだね。それでどうするのさ」

俺は作戦内容を聞こうとする。

 「燈、当てれそうだと思ったら"リフレクション"な」

先程言ったのだが、概念として決まった技は作戦行動時の連携のために技名を命名することとなる。

 

 "リフレクション"とは花の力を持つものが使える超高威力の攻撃技だ。防御特化である花の力の唯一の攻撃手段でもあり、自分を中心にして大爆発をするという広範囲への攻撃であるため自己のエネルギーを多く使ってしまいその後は戦闘不能になることがしばしばある。

 余談ではあるが、爆発の際に多くの花びらが舞うのでやる側は辛いが見る側は綺麗なものを見ることができる。

 

 「え、俺もうそれ戦えなくなるかもよ?」

 「良いって良いって大丈夫」

燎が更に近づいてきて俺の腰ベルトへと手をかけた。

 「え、しかも当てれそうって言うのはどゆこと?」

俺は身体が浮いた感覚に戸惑いながらも燎へと問う。

 「鳳、大変そうだよな」

 「え?俺あそこまで行く感じ?え?投げようとしてない?は??」

燎が先ほど呟いた言葉を繰り返しながら完璧に俺を持ち上げた。

あれ?…これ。

 

 「よぉーく狙ってぇ〜」

 「え、ちょ、はぁ!?」

 「おらぁぁぁぁ!!!!!!」

鳳大変そうだからって流されるかぁぁぁ!!!という俺の意思とは関係なく、俺は空へと打ち上げられた。

 

もう「ア、ハイ」でいいんだ。俺はさ。もう…。

かなりの速度で空へと飛んでいく中で俺は投げやりに考えた。

これは当たるかわからないからこそ、大体の位置を狙って広範囲の高威力な技で龍の動きを止めようっていう算段だろう。

 

こうするから投げさせてとでも相談してくれたら嫌がらずに投げられたかもしれない。

知らんけど…、

飛び出した瞬間、岩陰に隠れていたシエルと千景が引いたような顔をしてたよ…。

 

先ほど投げられたように閉鎖空間ではなかったので少し心に余裕ができる。

それと龍との戦闘中であるということが俺を冷静な思考へと導いたのだろう。

 

鳳と龍を探す。あ、これはクリーンヒットですよ燎さん…。よかったですね。任せといてくださいよ…。

地上から俺が近づいてくるのを見つけたのか鳳が驚いた顔をしているのが見えた。

 「すまん!!!!!骨は拾う!!」

 

鳳が俺のそばを通過しながら叫んでいく。勝手に殺すなよ…。

そしてすぐに龍の軌道上へと俺が現れる。

ここだ。龍さん。こんにちは…。

 

 「リフレクショぉぉぉぉん!!!」

 

意を決した俺は全身を丸め力を身体の中心に集めてから一気に解放した。

瞬間鳴り響く爆発音とフラッシュする視界。

急激にくる脱力感。

周囲へと広がる衝撃と花吹雪を見てから俺はやり切ったことを認識した。

龍は、まだ飛んではいるがブレーキをかけたかのように身体を捻り速度を落としていた。

 

 

一方そのころ

 

燈が空へと飛び、龍にリフレクションを放つまでの間のこと。

 

 「か、燎…え、なにを…な、何をしているのでありんす…」

 「いや言ったらお前ら逃げるだろ?」

燎は苦笑いを浮かべて、言葉遣いが壊れた綵の方へと近づく。

 

 「燈で動きを止めて、その後は…?」

 「確実に動きを止める。」

 「ふ、ふぅん?」

燎の答えに焦りを含みながらと返した綵は空へと飛んでいく燈を見る。

 

 「だが燈だけじゃ止めらんねぇ。」

近づいてきていた燎に綵はガシッと肩を掴まれた。

 「デスヨネ~」

近づいてくる時点で予感はシテタワヨー、ヨカンハー。

というかお前ら逃げるだろ?って主語がお前らになっていた時点で私もなんだなってサッシタノヨ~

 

 「燈ですこし怯んだところ目掛けて投げっからあいつの体に半端ねぇ電気流してこい」

綵の能力は雷である。そしてユエリナ軍にいるだけあってその能力の威力も凄まじい。

 「アッナルホド~」

 

丁度空で燈が身体を丸め始めた時だった

 「多分あそこらへぇぇん!!!!!」

 「急すぎっ!!!!?」

綵は身体が浮いたかと思ったら一瞬のうちに空へと投げ出された。

 

 「イヤァァァァァァ!!!!!!!」

綵は奇声を上げながら空へと飛んでいく。

その奇声は燈の放ったリフレクションの爆発音でいい具合に掻き消されたが…。

 

しかし綵は飛んでいく途中に気づいてしまった。

龍がブレーキをかけたところが自分のたどり着く場所であることを

 

燈が…龍を怯ませた。そして燎は完璧な場所へと綵を投げ飛ばした。

ここまできたら私もやるしかない…。

 

綵は叫ぶのをやめ、龍の元へ手に雷の力を溜めながら近づいていく、

 「どうもおおおお!!ここで止まってくださるぅぅぅ????」

綵は龍の羽にぶつかった。そしてその瞬間を逃しはしない。

 「喰らいなさい!!!!」

全身から龍へ向かって放電を始める。

 

その時間は5秒ほどであっただろうか、綵は龍が完全に痺れていることを確認し、龍から離れた。

 (決めるんでしょうね。あんたが、燎!!)

綵自身も重量によって落下していく中で、綵は脱力して落ちていく燈を視界に収めながら燎を睨みつける。

 

 「上出来だ。お前ら…後は任せろ」

燎はニヤッと口を歪ませながらそう呟いた。

次の瞬間、地面を抉りながら空へと跳び出す。

地面にはクレーターができ、砂と土、雪が空へと舞った。

周囲の岩陰に隠れていた八番隊の悲鳴が聞こえなくはないが…

 

ものの数秒もかからず燎は燈や綵の間を縫って龍の元へと辿り着いた。

その右手に凄まじい星の力を宿して、

 

 「そんだけ速く飛びたいなら高速で飛ばしてやるよ。あの世までな」

燎は腰を回し、龍の腹へと拳を叩き込むべく右手を少し引いた。

 

 「じゃあな」

そしてしっかりと引き込み振りかぶった右手を腰を入れながら龍へと叩き込む。

その手は青く光っていた。

 

 「俺らの勝ちだ」

刹那、龍は反撃する暇もなく回転するかのように打ち込まれた燎の拳によって一気に山の上の高い高い上空から遠く離れた大地へと叩きつけられた。

空にはその勢いのためにできた衝撃波の風と地上にはその周囲にクレーターを残して。

 

 




長かったですね…。
ありがとうございました。

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