遊戯王Meer   作:彩花@clover

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架空デュエルって面倒くさいのではと思い始めてしまっていますね。
いやほんと面倒くさかったが。

多分ルールミスはしてないと思うけど投げ飛ばすかと思った。


2021/7/17 文字抜けを発見したのでそこを修正
さらに修正
2021/07/24 ルールミスを発見したので修正。


※何かありましたらこちらにもどうぞ
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@clover2245


第一話【海の乙女の力】

マツバヤシティ。

その街はあらゆる決め事をデュエルで決めていた。

小さい所はお菓子がどっちのものか、大きな所だと市長。それら全てをデュエルにて決着をつけていた。

その為、デュエルに非積極的であると街の住人から差別的な目で見られる事が多い。

それらが当たり前になっている世界。

 

だが、そんなことお構い無しにデュエルをしないと言い張る女の子が居た。

彼女の名前を海崎遊花(うみさきゆうか)と言う。

これはそんな少女の物語。

 

「くぁ………。」

 

黒髪であるが、毛先に水色が薄く彩られている。深い藍色の目をしており少しつり目気味の少女。

マツバヤシティ唯一の高校の私立マツバヤ高校の1年生の証である赤いリボンを胸元につけて、紺色のブレザーを前を開けて着こなしている。スカートはチェック柄のようである。

彼女は机に突っ伏して暇そうにしていた。最初の音は欠伸だろう。

この授業は5時間目のようで時計の針は13時を過ぎている。

 

確かに飽き始めても仕方ないだろう。

だが、先生も仕事だ生徒にいい成績を取ってもらわねば困るのも事実。

 

「おい、海崎。ここの問題を答えてみろ。」

「…はい。……。これでいいですか?」

「………正解だ。」

 

見事正解して席に戻る。

その隣の席で笑いをこらえている女子生徒がいた。

黄色の髪で、ツートンカラーの黄緑色のある少女。

瞳は水色で全体的にハイライトが薄い。

遊花はもちろんそれを見逃したりしない。ジト目をそちらに向けている。

それに気がついた少女は謝るように手を前に出した。

それを見てため息を小さく吐きつつも許したようにジト目をやめた。

授業終了後。

 

「あー終わったね。あとは掃除して帰るだけ!」

「そうね。」

「遊花は当てられちゃったね。」

「…あのくらいなら予習しておけば問題ないでしょ。」

 

そんなふうに会話をしている。

隣の席に居た少女。彼女の名前は鷺原美影(さぎはらみかげ)という。

その少女とは友人関係をきちんと築けている様で軽口をたたきあっている。

周りのクラスメイトである少年少女たちは近づきがたいとった感じで離れている。

その近づきがたいというのは美影あてではないらしい。

 

「なんで鷺原さん海崎さんと話せるんだろ…。」

「ね…。あの人怖いしそれにデュエルも受けてくれないしね…。」

「デュエルしたくないって話したくないと同義だもんね。」

 

とそんな感じの会話をしている。女子の軍団が居る。

小さな声で話しているし、距離もあるが流石に聞こえる。

美影は少し目を細めて文句があるようにちらりと一瞥するが、遊花が目を隠すように手を軽くかざす。

 

「何するの。」

「言わせておけばいい。友達なんて美影だけで十分だし。」

「…そう言ってもらえるのはうれしいけど…。」

 

他にも何か言いたそうにした美影だったが、それ以上は言わせないと言わんばかりに背を向ける遊花。

それ以上は口を開けなかった。話題を変えるしかないというかそうでないと口をきいてくれないと美影はわかっていたからだ。

 

掃除を終えて帰ろうとしている者、部活へと行こうとしている者、教室でデュエルする者。様々だ。

 

「先に帰っててもいいからね。」

「教室で待ってるよ。いってらっしゃい。遊花。」

「…わかった。」

 

遊花は荷物を持って教室から出る。

どこへ行くのだろうか、待っていると美影は言ったから校内での用事を済ませるといった形か。

美影は教室で暇そうにし始める。携帯を弄って何かを見ている。

急に教室が騒めきたつ。美影も気になって顔を上げる。

そこには体の大きな男子生徒が立っていた。

頭は角刈りだろうか、あまり髪がなように見える。一応黒髪である事はわかる。

ネクタイの色で学年がわかるようになっているが、2年の色である緑だった。

つまり体の大きな男子生徒は二年生である。

 

「…君が海崎という女子の友人か。」

「…そうですね。遊花の友達の鷺原です。」

「少しいいだろか?」

「え…?何故…というかどちら様ですか…?」

 

美影がそう答えると、近くから声がした。嘘なんで知らないのみたいな驚きの声だ。

美影はそこまで自身の学校の生徒を知らないだけでここまでのいわれをしないといけないのか疑問だった。

上級生など特に部活などに入っていない美影からすれば特になんでもない人だ。

 

ただ、この学校ではデュエルが法律(怪我が起こるような事以外は)なので

デュエルがある程度強ければ有名になってもおかしくはない。

この人は何なのだろうかと思っていると傍にいた女子クラスメイトが答えてくれた。

 

「あの人は、風前 俊郎(ふうぜんとしお)先輩だよ、知らないの?」

「…知らない。名前も全然聞いたことないし。」

「えぇ…。二年生でもかなりの実力者で、今度の高校生決闘(デュエル)大会にも出られるかもしれないほどの!」

「…へぇ…。」

 

正直出るつもりがなかったからか興味がない。

でも何故そこまでの強者が遊花の事を気にかけるのか疑問で仕方なかった。

遊花も高校生決闘大会には出ないだろうから自分のライバルにはなりえない。

 

「あの…何が目的なんでしょうか…?」

「…俺はその海崎という少女と戦ってみたいだけだ。」

「…いやぁ、遊花はデュエル好きじゃないんで無理かと。」

 

ただの戦闘狂だった。美影は少し呆れたような顔をした。

やりたくない事をやらせようとしている。

 

「だから君の力を借りたいんだ。」

「え…?」

「…。君に一緒に来てもらうぞ。」

 

そう言って、周りの取り巻きが美影の腕をつかんで更に足を掴んで持ち上げる。

美影は困惑してどういうことなのか声を上げる。

 

「え、は、ちょ、やだ!スカートの中見える!!!!」

「よし、これで問題ないな。」

「問題しかないんだけど!?」

 

太ももをスカートごとロープで縛る。その時手首もロープで縛られる。

暴れようにも落ちそうで怖くて暴れられない。

勿論こういう先輩に逆らう子もいない為、助けは期待もできない。

 

 

場所は変わって図書室。

この学校の図書室は本当に人が来ない。だが、一応管理をしないといけないのでいるだけだ。

1時間拘束されるのでやりたがらない人が多い。が、遊花はそんな事を気にしないし、一人の時間があればあるで楽しいと言い始める。

それに本は好きで『フライシュレンの詩』の日本語のものがお気に入りらしい。

 

「…。あ、これもう出てたのか…。ここで読んで面白かったら買おうかな…。」

 

と、のんびりとカウンターで読書を嗜んでいると。

急に扉が開く。利用者かと思い少しそちらを向くと必死な顔をしたクラスメイトであることに気が付いた。

話しかけた事も無いし、確実とは言えないがクラスメイトだと思う。

 

「あ、あの!海崎さん…。」

「…何か。」

「じ、実は…鷺原さんが…!」

「!美影が…?」

 

 

ここは体育館。

巨大なソリッドヴィジョンの装置があり、デュエルディスクと連動させればソリッドヴィジョンでのデュエルが楽しめる。

仁王立ちしている俊郎の後ろの壁に美影がいた。

とても不満そうな顔で俊郎の事を見ている。

取り巻き達は二階の手すりのついた通路。ギャラリーで上から眺めていた。やじ馬もいる始末だ。

 

「…遊花は来ないですよ…。」

「唯一の友人を見捨てるような人なのか?」

「そうではないですけど、まずあの子真面目なので来るとしても図書委員の仕事終わりですよ。」

「そうか、ならば待とう。」

 

これは話しても止まらない奴だと理解した美影は溜息を吐く。

出来れば遊花には手を出さないで欲しいものだと思っているにも関わらず自分のデッキはそこまで強くない為止めることが出来ない。

そんな自分に腹立たしさを覚える。

どうか誰も遊花の事を呼ばないで、放っておいて欲しいと願う。だがその願いは届かない。

 

「美影!」

 

扉が勢いよく開く。そこには良く見慣れた顔があった。

だが、その表情はかなり怒りに満ちている様に見える。

眉にかなりの皺が寄っている。相当プッツンしている。

 

「ゆ、遊花…と、図書委員の仕事は…?」

「抜けてきた。大変な目に合ってる友達を放ってはおけないから。」

「うむ、中々の逸材よ。」

「…お前が、美影を…。」

 

強い睨みがきいている。それでも風前は怯まない。だが周りの取り巻き達はバッシングを浴びせる。

先輩への口の利き方がなってないだの、お前は今からボロボロに負けるんだだの。悪口の嵐だ。

遊花は黙って近くにあったデュエルディスクを取る。

鞄を持ってきているらしく、そのかばんからデッキを取り出す。

 

「…相手してやるわ。勝ったら私達に二度とその顔を見せるな。」

「…いいだろう。では俺が勝ったら俺と共にデュエリストとして様々な者どもと戦ってもらうぞ!」

「「デュエル!!!」」

 

遊花

LP8000

手札5枚 墓地0枚 除外0枚

 

俊郎

LP8000

手札5枚 墓地0枚 除外0枚

 

先行は遊花からだった。

 

「メインフェイズ、私は手札から、サイバネット・マイニングを発動!

 手札にある海晶乙女クラウンテイルを墓地へ捨てることでデッキからレベル4以下のサイバース族を手札に加える。」

「海晶乙女か…あまり知られていないものだな。」

「そうでしょうね。水属性を使う人が少ないもの。仕方ないわ。私は海晶乙女ブルータンを手札に加える。」

 

海晶乙女(マリンセス)。最大レベル6で構成されているそのデッキは水属性・サイバース族で構成されている。

弱点はあるもののそれは他のデッキにも共通する事なので省く。

その防御は鉄壁であり、そして攻撃も水準の高い物になっている。可愛らしいイラストに騙されることなかれ。

 

「海晶乙女ブルータンを通常召喚。ブルータンの効果でデッキから海晶乙女モンスターを一枚墓地へ送るわ。

 私は海晶乙女シーホースを墓地へ。」

「ブルータン1体でリンク召喚。Link1 海晶乙女ブルースラッグ。エクストラゾーンに。」

「ほう、リンク召喚が軸なのか。」

「更に進めさせてもらう。ブルースラッグの効果をチェーン1、ブルータンの効果をチェーン2として処理。」

 

処理内容としてはこうだ。

ブルータンの効果。このカードが水属性リンクモンスターのリンク素材として墓地へ送られた場合に発動できる。

自分のデッキの上からカードを3枚めくる。その中から「マリンセス」カード1枚を選んで手札に加える事ができる。

残りはデッキに戻す。この効果で海晶乙女波動(マリンセス・ウェーブ)を手札に加える。

ブルースラッグの効果。このカードがリンク召喚に成功した場合、

「海晶乙女ブルースラッグ」以外の自分の墓地の「マリンセス」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを手札に加える。この効果で海晶乙女シーホースを手札に加えた。

 

「…ほう、手札が減っていないのか…。」

「これが基本展開だからね。さぁ、続けるわ。海晶乙女シーホースの効果で自身を海晶乙女リンクモンスターのリンク先に特殊召喚。」

「すごい…遊花…。」

「更に、手札にあるシーアーカイバーの効果。特殊召喚するわ。」

 

遊花から見て左の、俊郎から見て右のエクストラゾーンにブルースラッグ、その下に海晶乙女シーホース。

このカードが手札・墓地に存在し、フィールドのリンクモンスターのリンク先にモンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動できる。

このカードを特殊召喚する。という効果である。メインモンスターゾーンの右端に置く。

これでLink3までは確定されたといっても過言ではない。

 

「海晶乙女シーホース1体でリンク召喚。Link1 海晶乙女シーエンジェル。効果発動。」

 

このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「マリンセス」魔法カード1枚を手札に加える。

というとっても単純な効果ではあるがそういう単純な効果程、強いものである。

海晶乙女の闘海(マリンセス・バトルオーシャン)を手札に加えた。

 

「海晶乙女ブルースラッグと海晶乙女シーエンジェルでリンク召喚。Link2 海晶乙女コーラルアネモネ」

「な、なぁあいつどんだけ回せるんだよ…」

「しかも手札減ってなくね…?」

「なんで…?ドローカードは使ってないのに…。」

「増Gとかやってないのになんで…。」

「…はぁ、コーラルアネモネの効果発動。」

 

自分の墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。

という効果である。この効果で持ってきたのは海晶乙女ブルースラッグであった。

 

「海晶乙女ブルースラッグとシーアーカイバーでリンク召喚。Link2 海晶乙女クリスタルハート。」

「え、攻撃力0…?」

「美影、攻撃力に惑わされてたら、勝利は手にできないのよ。ここでフィールド魔法の海晶乙女の闘海(マリンセス・バトルオーシャン)を発動。」

 

今発動している効果は自分フィールドの「マリンセス」モンスターの攻撃力は200アップだけである。

因みに、リンク召喚に使用されたシーアーカイバーは自身の効果で呼び出されたため、除外されている。

 

「Link2 海晶乙女コーラルアネモネとLink2 海晶乙女クリスタルハートでリンク召喚。」

「美しき青の海の力を持つ者よ。世界にその美しさを見せつけよ!来て、Link4 海晶乙女グレート・バブル・リーフ」

「おぉ…。」

「綺麗…。」

「召喚成功時、チェーン1で海晶乙女の闘海の効果、チェーン2でコーラルアネモネの効果を発動!」

 

コーラルアネモネの効果はコーラルアネモネがフィールドから墓地へ送られた場合、

「海晶乙女コーラルアネモネ」以外の自分の墓地の「マリンセス」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。

この効果でブルータンを手札に加える。

海晶乙女の闘海の効果は、自分がEXモンスターゾーンに「マリンセス」リンクモンスターをリンク召喚した時に発動できる。

自分の墓地から「マリンセス」リンクモンスターを3体まで選び、

そのリンク召喚したモンスターに装備カード扱いとして装備する(同名カードは1枚まで)。

選んだのはブルースラッグとシーエンジェルとクリスタルハートであった。

装備カードとして置いたカードは左から順番に置いた。グレート・バブル・リーフは左側のEXモンスターゾーンにいる。

更に装備している「マリンセス」カードの数×600アップする

 

つまり、現状のグレート・バブル・リーフの攻撃力は元の攻撃力2600+200+1800で4600である。

 

「一枚伏せて、これで私はターンエンド。」

「では俺のターン、ドロー!」

「そしてスタンバイフェイズね。」

「あ、あぁ…。」

「スタンバイフェイズに海晶乙女グレート・バブル・リーフの効果発動!」

 

①の効果でお互いのスタンバイフェイズに、自分の墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、

水属性モンスター1体を除外して発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。

この効果でコーラルアネモネを除外する。そして一枚ドローする。

更に②の効果が適用される。モンスターが除外される度に発動する。

このカードの攻撃力はターン終了時までその除外されたモンスターの数×600アップする。

 

 

遊花

LP8000

手札4枚 墓地2枚 除外2枚

場面

フィールド『海晶乙女の闘海』

魔法・罠ゾーン伏せ1枚

メインモンスターゾーン0体

EXモンスターゾーン1体『海晶乙女グレート・バブル・リーフ』ATK5200 LINK4

 

俊郎

LP8000

手札6枚 墓地0枚 除外0枚

場面

フィールド

メインモンスターゾーン0体

EXモンスターゾーン0体

 

「俺は手札から剛鬼(ごうき)スープレックスを通常召喚!そのまま効果を発動する。」

 

①このカードが召喚に成功した時に発動できる。

手札から「剛鬼」モンスター1体を特殊召喚する。

という効果を使用する。その効果で剛鬼ツープラトンを呼び出す。

 

「…剛鬼って事はフィニッシュホールドか。」

「!…よく、知っているな。」

「デュエルはしないけど、カードの知識くらいあるから。」

 

どうやら俊郎は遊花が剛鬼を知らないものとしてデッキを動かしていたらしい。

だが、遊花は全て知っていたようでカードの知識はあると言い切った。

どのようにしてその知識を得たのかはわからないものではある様子であるが、

キーとなるカードを言い当てられる程の知識はあるのに、何故デュエルをしないのか。

俊郎はそこが気になっていた。

だが、今はデュエル中。集中せねばと頭を切り替える。

 

「スープレックスとツープラトンの二体でリンク召喚!LINK2剛鬼ジェット・オーガ!」

 

(フィニッシュホールドだからジェット・オーガと組み合わせて5500アップで…)

 

頭の中で計算をしているのか、声には出さないがじっと相手の出方をうかがっている。

遊花の中では二つの路が見えているようでそれのどちらか考えている様だ。

まず処理を行う。

 

スープレックスの①の効果

このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「剛鬼スープレックス」以外の「剛鬼」カード1枚を手札に加える。

これで、剛鬼再戦(ごうきさいせん)を手札に加える。

 

ツープラトンの①の効果

このカードが「剛鬼」リンクモンスターのリンク素材として墓地へ送られた場合に発動する。

その「剛鬼」リンクモンスターの攻撃力は、ターン終了時まで1000アップする。

上記の効果は一応強制効果なのでジェット・オーガを1000アップさせる。

 

「では、魔法カード剛鬼再戦を発動する!」

 

その効果は自分の墓地のレベルの異なる「剛鬼」モンスター2体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

墓地には二種類しかいない。スープレックスとツープラトンの2体を守備表示で召喚する。

LINK2のモンスターが一体、更に、剛鬼モンスターが2体もいればやれることは一つだ。

 

「このまま決めてみせる!LINK2剛鬼ジェット・オーガと剛鬼スープレックスと剛鬼ツープラトンをセット!」

「大剣を振り上げて目の前の敵を撃破せよ!リングに上がるはLINK4剛鬼ザ・ジャイアント・オーガ!」

 

EXモンスターゾーンに現れる。剛鬼で最も攻撃力の出る存在。

遊花はとても面倒くさそうな顔をしている。

もっと言うなら目を半目にしてそっぽを向いているような顔である。

 

ツープラトンの①の効果はターン1ではない為、今回も適用される。

このカードが「剛鬼」リンクモンスターのリンク素材として墓地へ送られた場合に発動する。

その「剛鬼」リンクモンスターの攻撃力は、ターン終了時まで1000アップする。

 

ジェット・オーガの①の効果は

このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。

自分フィールドの全ての「剛鬼」モンスターの攻撃力はターン終了時まで500アップする。

 

「さらに、魔法カード、剛鬼フィニッシュホールドを発動する!」

「出たぁ!風前先輩の必殺コンボ!」

 

剛鬼フィニッシュホールドの効果は

自分フィールドの「剛鬼」リンクモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、そのリンクマーカーの数×1000アップし、

このターンそのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。

このカードの発動後、ターン終了時まで自分は「剛鬼」モンスターでしか攻撃宣言できない。

 

つまり既に上がっている攻撃力は1500。更に4000アップさせることになる。

元々の攻撃力は3000。そこに5500+することになる。8500という事だ。

勿論グレート・バブル・リーフは簡単に超える事が出来る。

 

「ではバトルフェイズに入る!」

「!っ…。」

「剛鬼ザ・ジャイアント・オーガで海晶乙女グレート・バブル・リーフを攻撃だ!」

 

グレート・バブル・リーフは一刀両断されて消えてしまう。

遊花は何故か、苦しそうにしていた。

このソリッドヴィジョンのステージはダメージがフィードバックされる事はない。

()()()()()()()()()()()()()()()であった。

 

「遊花!?」

「…大丈夫。びっくりしただけだから…。」

 

その顔には青筋が浮かんでいる様にも思えた。

完全に気分が悪いですと言わんばかりであるが、

すぐに元に戻ったように軽く呼吸をし直すと顔を上げる。

 

「トラップ発動、海晶乙女雪花(マリンセス・スノー)」

「!」

 

自分フィールドの「マリンセス」リンクモンスターが戦闘・効果で破壊された場合、

そのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターよりリンクマーカーの数が少ない「マリンセス」リンクモンスター1体を

リンク召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターは自分フィールドに存在する限り、相手の効果を受けない。

という効果である。その効果で海晶乙女クリスタルハートを呼び出す。

EXモンスターゾーンに呼び出す。

 

「ふむ成程…。簡単にはやられそうにないな。」

「簡単に負けないというか、もう終わりだから。」

「む…。一枚伏せてターンエンドだ。」

「私のターン!ドロー!」

 

遊花

LP4700

手札5枚 墓地8枚 除外2枚

場面

フィールド『海晶乙女の闘海』

魔法・罠ゾーン伏せ0枚

メインモンスターゾーン0体

EXモンスターゾーン1体『海晶乙女クリスタルハート』ATK200 LINK2

 

俊郎

LP8000

手札2枚 墓地5枚 除外0枚

場面

フィールド

魔法・罠ゾーン伏せ1枚

メインモンスターゾーン0体

EXモンスターゾーン1体『剛鬼ザ・ジャイアント・オーガ』ATK3000 LINK4

 

「私は海晶乙女パスカルスを召喚!効果発動!」

 

パスカルスの①の効果は、このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。

手札から「海晶乙女パスカルス」以外の「マリンセス」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。

そしてブルータンを召喚してそのまま効果を発動する。墓地に海晶乙女バシランリマを落とす。

ブルータンを使用してリンク召喚を行う。呼び出すのはブルースラッグ。

呼び出すのはクリスタルハートの右下に呼び出す。

 

「チェーン1にブルースラッグ、チェーン2でブルータンで効果を発動!」

 

ブルータンの効果で3枚確認したのち、手札にくわえたのは、海晶乙女(マリンセス)シースター。

ブルースラッグの効果でブルータンを回収。

クリスタルハート、パスカルス、ブルースラッグ

三体使用して

 

「もう一度来て、Link4 海晶乙女グレート・バブル・リーフ!」

「そのまま、海晶乙女の闘海の効果を発動!」

 

まず、海晶乙女の闘海で先ほどと同じように4600にする事に成功した。

これでザ・ジャイアント・オーガの攻撃力は超える事に成功した。

 

「グレート・バブル・リーフの効果!手札の水属性のモンスターを墓地に送って効果を発動!」

 

手札にある黄紡鮄(きほうぼう)デュオニギスを送る事で

手札から水属性モンスター1体を墓地へ送って発動できる。

除外されている自分の「マリンセス」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

コーラルアネモネを召喚する。そのまま効果を発動。

自分の墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。

左が開いているのでそこにブルータンを呼び出す。

2体を使ってリンク召喚を行う。

 

「LINK3 海晶乙女(マリンセス)マーブルド・ロックを召喚!」

 

コーラルアネモネの効果が発動。

「海晶乙女コーラルアネモネ」以外の自分の墓地の「マリンセス」カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを手札に加える。この効果でシーホースを手札に加える。

 

「このまま決める。手札にあるシースターの効果発動!」

 

このカードを手札から墓地へ送り、

自分フィールドの「マリンセス」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで800アップする。

という効果をマーブルド・ロックに使う。

元々の攻撃力の2500にフィールド魔法の効果で200+して更800+されている。つまり3500である。

 

「この時点で、使っておく。手札から罠カード発動!海晶乙女波動(マリンセス・ウェーブ)」

「な…!」

「て、手札からトラップが使えるわけ…え…?」

「…このカードは条件を満たしていれば手札から使用可能。」

 

その条件は自分フィールドにリンク3以上の「マリンセス」モンスターが存在する場合であり、

この状況なら問題なく使える。このカードの効果は

自分フィールドに「マリンセス」リンクモンスターが存在する場合、

相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

自分フィールドにリンク2以上の「マリンセス」モンスターが存在する場合、

さらに自分フィールドの全ての表側表示モンスターはターン終了時まで、相手の効果を受けない。

 

「対象は、勿論剛鬼ザ・ジャイアント・オーガ!」

「!」

「これで準備完了だ。バトルフェイズ!」

 

そう、遊花はこれを見通していたのだ。

あの伏せカードに備えているという事だ。

 

「海晶乙女グレート・バブル・リーフで、剛鬼ザ・ジャイアント・オーガに攻撃!」

「聖なるバリア…。」

「その効果は効かない!」

「な…!そうか…。くっ…。」

「戦闘でモンスターを破壊した場合!手札にある罠カード、海晶乙女潮流(マリンセス・カレント)の効果を発動!」

 

再度手札から罠カードが使われた。

同じ条件で使う事が出来る。

自分の「マリンセス」リンクモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。

その自分のモンスターのリンクマーカーの数×400ダメージを相手に与える。

自分フィールドにリンク2以上の「マリンセス」モンスターが存在し、

相手リンクモンスターを破壊した場合には、

破壊されたモンスターのリンクマーカーの数×500ダメージをさらに相手に与える。

 

つまり、元々超過ダメージ1600に

グレート・バブル・リーフリンクマーカーは4。400×4=1600に

更にザ・ジャイアント・オーガはリンモンスターだった為

500×4=2000の効果ダメージが入る。5200のダメージだ。

本来は聖なるバリア・ミラーフォースを使用して何とか生き残る予定だったのだろうが、海晶乙女波動の効果でこうなっている。効果は問題なく伝えているはずだから焦りの結果だろう。

 

「これで終わりだ!マーブルド・ロックでダイレクトアタック!」

「ぬうう…!」

 

ビーっと音が鳴り、俊郎のLPが0になった事を告げる。

終わったと遊花も安心したようにしていた。

正直疲れが一番であるだろうとは思えるが。

 

「まさか、風前先輩が負けるなんて…。」

「とんでもなく強いんじゃん…?」

「なんで今までデュエルをしなかったんだよ…。」

 

声がするが正直そんな事を気にする暇はない。

遊花は美影に話しかける。

 

「終わったから帰ろ。」

「うん、ごめんね…帰ろ!」

 

俊郎をスルーして美影の手を取る。さっさと出口に向かう。

 

「待て!」

 

俊郎は声を出して止める。

遊花は足を止めてしまった。

 

「…なに?」

「何故、そこまで強いのに…お前は…。」

「私デュエル嫌いなの。それだけ。それじゃ、もう二度と顔を見せないでね。約束だものね。」

 

そのまま帰る。

疲れたといった顔である。

 

この噂はとんでもなく広がって行って、この後すぐに対戦希望者が集まってくるのだが、また別の話である。

 

 

 

 

 

 




あ、個人的にマリンセスが出来たので満足気味です。

デュエルをしない回が出てきます。
ずっとデュエル構成考えるの嫌なので……。
後、私が基本的に使わないのを相手側にさせてるので、正直困るよねほんと。

剛鬼とか使った事ないし。
こんどどんなテーマが出て欲しいとかありましたらコメントして言ってください!
調べてやらせてもらいます!!!
一応近々出る予定なのは
六武将
メルフィー
は確定してます(ほぼ)

今後ともよろしくお願いします!

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