これはとあるハンターのお話。我らの団の依頼を粗方終わらせたシュジンコウちゃんは、満を持して集会所デビューする。しかし期待に胸を躍らせる少女を待っていたのは、まともに他人に配慮した狩りをしない奴ら――『地雷』であった。シュジンコウちゃんの長い狩りの一日が始まる。【一部不愉快な表現があります】

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あるある!モンスターハンター!

 さく、と軽快な音を立ててまだ誰の足も許していない新雪が今、踏みしめられた――とは言っても、ここは年中雪が降ってばかりなのだが。

 ここは彼女が常日頃『狩り』を行っている雪山と酷似している。複数人前提クエストとはいえ、村の仕事と変わらずにやれそうだ。

 

「ふぅ……」

 

 吐く息も白く、彼女――シュジンコウちゃんは先頭を歩く。その身を包むのは空飛ぶ飛龍の王者を狩猟した証でもある『レウス』シリーズ。赤々とした鎧は雪山に映え、防御力も折り紙付きだ。太ももが寒いが、彼女の信頼する鍛冶師が作る装備は半分くらいこんななのでもう慣れた。他の女ハンターも大体そうなのですごく合理的なのだろう。たぶん。

 駆け出し少女シュジンコウちゃん、初めての集会所である。ほぼ下着状態で超弩級モンスターであるところのダレン・モーランの撃退と言う、ギルドの受付嬢に覚えられるほどの偉業を成し遂げた彼女は、そのまま居合わせた旅人達の仲間となり個人でクエストをこなしていたのだ。筋がいいとか言われたが、まだハンター初めて一年そこらの小娘に古龍討伐と村の未来を任せるとか軽く竜人恐怖症になりかけているシュジンコウちゃんである。太ももも露出させられるし。

 ともあれ――今日からは、頼もしい仲間と共に戦えるのだ。

 

「皆さん、改めてよろしくお願いしますね!」

 

 モンスターが近づかない立地に作られた拠点、ベースキャンプ。そこに辿り着き、シュジンコウちゃんは三人の仲間へと振り返る。

 

「任せろ。本来ならばこのような低HRの依頼など俺が受けるまでもないがな。ふっ」

 

 傲岸不遜、あまり態度は良いとは言えないもののその身を包むのは『ゴールドルナ』――シュジンコウちゃんのレウスの対であるレイア、さらにその希少種と呼ばれる存在の素材を使った防具である。通常のハンターでは依頼の同行すら許されない上位クエストの、さらに最上位近くに位置する(尤もこれは下位であるシュジンコウちゃんの認識ではあるが)モンスター、それがリオレイア希少種。確かにそれを狩れるのならばこのような依頼など木端と同じだろう。

 黄金に輝くフルアーマー、秘めたポテンシャルは上位級! 大上段に構えたこの男、ハイラックさん!

 

「まーまー、任せといてよ。私も一人(ソロ)では鳴らしてっからさ! あっはっは!」

 

 朗らかで元気で健康的、同年代の少女という事もありシュジンコウちゃんが真っ先に声をかけた子だ。その身を包むのは昆虫モンスターの『セルタス』装備。太ももが出ない代わり、肩が出ている。さむそう。

 彼女が背に背負うのは銃弾を発射するボウガンであった。ボウガンの装備は動きやすさを追求する所が違うのか、剣士である他三人とはそもそもが違う造りとなっている。そしてその分防御力が薄いと聞いているシュジンコウちゃんは、守ってやらねば!と張り切り顔である。

 煌めく銃口、撃ち出す弾丸! 元気はつらつ、サンダーンちゃん!

 

「……よろしく」

 

 最後に口を開いたのは寡黙な男。頭には何も装備していないように見えるが、彼曰く『三眼のピアス』という上位装備らしい。髪の間からちらりと覗くだけだが、最低限の防御力はあるとの事。ともかく、これを作れるという事は彼も上位ハンターだ。装備も統一されておらず、そこがまたベテランさを感じさせる。顔はまぁ平凡ではあるが、その雰囲気がシュジンコウちゃん的にかっこいい!である。シュジンコウちゃんはちょろい子であった。

 双眼鏡で油断なく前方を見つめる彼に、もうシュジンコウちゃんはドッキドキだ。

 その身を守るは、考え抜かれた自己流装備! ベテランの色気が香る、カメコさん!

 

(私は、頼もしい仲間に出会えた!)

 

 一人の狩猟はいつも心細かった。迫り来る敵、背後からの奇襲、 様々な管理等――そのようなものをすべて一人でこなさなくてはならないのだ。オトモと称してついてくるアイルー達はころころ倒れるし。可愛いけど。

 だが、今は仲間がいる。心強さを胸に一歩踏み出し――そうして、三人が立ち止っている事に気付いた。

 

「どうしたんですか、皆さん?」

 

「ホットドリンク忘れた」

 

 異口同音、三人の口から同じ言葉が紡がれる。シュジンコウちゃんはずっこけた。

 そう――これがシュジンコウちゃんの長い、長い一日の始まりだったのだ。

 

 

 

「あーっ! 応急薬も携帯食料も、なんにもない!」

 

 ベースキャンプで体勢を整えていた時の事だった。青いBOX――ギルドの職員が事前に支給品アイテムを用意してくれている支給品BOXを覗き込んだサンダーンちゃんが叫んだ。

 これは困った、不備らしい。ホットドリンクを忘れたという三人にとってこれは辛い事だが――と思案し出したシュジンコウちゃん。その尻を、誰かがいきなり触った。

 

「うひっ!? あ、カメコさんですか……」

 

 肩でいいのに……と思いつつも、カメコさんの指さす先を見るシュジンコウちゃん。そこに居たのはハイラックさん。

 

「俺じゃねぇ」

 

「えっ!? あのいや、何も」

 

「俺じゃねぇ疑ってんのかクソ」

 

 なんか急に子どもっぽい口調になったハイラックさん。その表情はなんか尖った兜のせいで窺い知れない。

 どうしたものかと困っていたら、諦めたサンダーンちゃんが近づいてきた。

 

「あーもー、ギルドのミス? さいあくー! あると思った弾は減らしてんのにさっ」

 

「……あ、いらね。これやるよ」

 

 狩猟用の鞄を漁ったハイラックさんは、そこから散弾×30とか中途半端な弾丸を出してサンダーンに放り投げる。

 「ありがとー」「感謝しろ」……二人の短いやり取りの後、時間が止まった。じとっとシュジンコウちゃんの目がハイラックさんを射抜く。

 

「俺じゃねぇ」

 

「でも、あの」

 

「俺じゃねぇよ。あの女に弾やっただろうが、いい奴の俺を疑うのかよ」

 

 言いながら忘れていたはずのホットドリンクをぐびっといくハイラックさん。怪しいってもんじゃない。

 しかしアイテムを全て見聞する訳にもいかない。溜め息を吐き、自分のホットドリンクを取り出すシュジンコウちゃん。配分するしかないだろう。

 まずはサンダーンちゃんに二つ。女の子が身体を冷やしてはいけない、五つしかないホットドリンクだが二つだ。シュジンコウちゃんは自分を顧みないイケメン女子であった。

 

「ありがとう、シュジンコウちゃん! ハイラックさんもシュジンコウちゃんも……私は幸せ者だよぅ」

 

「あはは……」

 

 主に頭が幸せ者だね、という言葉は呑み込んだ。

 次はカメコさんにも二つ。いざとなれば彼の上位としての戦力が頼りになる。自分よりも彼のスタミナを優先すべきだ、とシュジンコウちゃんは考えた。

 

「……君と、半分ずつでもいいが」

 

「へっ? え、いや、あの、一本呑まないと、その、効果分からないんで……」

 

「……なら、貰っておく」

 

 カメコさんはいい人だなぁ。シュジンコウちゃん羨望のまなざし。

 そして、ずんと近づいてくるハイラックさん。シュジンコウちゃんの中でハイラックさんの株は急転直落下真っ最中だ、ジト目を向ける。

 

「俺にも寄越せ」

 

「……ハイラックさんは持ってたじゃないですか」

 

「チッ。雑魚女」

 

 ハイラックさん株が地面を突き破ってマイナスへと向けて穿孔し始めた瞬間だった。もう絶対この人とは狩りにいくもんか、と決意するシュジンコウちゃん。

 ともあれ、今回はフルフルの討伐。片手剣であるシュジンコウちゃんにとってはかなりやりやすい相手だ。とは言っても、片手剣は万能武器で致命的に相性の悪い相手の方が珍しいのだが。

 

「よしっ」

 

 支給品BOX残っていた地図と松明を手に、シュジンコウちゃんは先頭を歩き始めた。ハイラックさんはいつまで経っても動き出さないし、サンダーンちゃんを前に出す訳にはいかないし、カメコさんは「君の後ろを守る」と言っているので必然彼女が先頭だ。

 洞窟に入ってほどなく、シュジンコウちゃんは天井に張り付くフルフルを見つけた。いつ見ても卑猥なデザインだ、耳年増なシュジンコウちゃんは赤面してしまう。全員に散開のハンドサインを出した時に見たサンダーンちゃんは興味深そうに見つめていた。恥ずかしい。

 

(行きますよ、皆さん!)

 

 フルフルがこちらに気付いた――戦闘態勢だ。

 念のため持ってきている罠や爆弾の類を頭の中で確認しながら剣の柄に手を添えるシュジンコウちゃん! ハンマーを手に取り、ハンマー使い特有の『溜め』の姿勢を取るカメコさん! ライトボウガンに弾を装填、安全な位置を探そうとするサンダーンちゃん! そして、棒立ちのハイラックさん!

 

「ごふっ」

 

「あぁっ、ハイラックさーん!」

 

 案の定、天井から飛びかかってきたフルフルに潰されて吹っ飛ぶハイラックさん。ハンターは鍛えているので体長数百mの化け物に体当たりしても薬を飲めば治るが、その姿は果てしなくダサかった。

 ごろんごろんごろん、転がるハイラックさん。それを呆然と見つめる三人。フルフルはどこか誇らしげに立ち上がっていた。

 

「クソが……!」

 

 流石上位防具と言うべきか、立ち上がったハイラックさんはほとんどダメージを受けていない様子。背にある太刀に手をかけ、フルフルへと走り距離を詰める。

 その刃はシュジンコウちゃんも見た事があるリオレウス素材の太刀、火竜刀ではあったが、色味が全く違った。その身に纏う物と同じ赤ではなく、蒼と桜。交じり合う美しき二色は、流石夫婦と言うべきか美しい。そして、その内包する恐ろしいまでの切れ味、火力を感じさせる。

 ハイラックさんが太刀を抜く。ごう、と風を呑んで燃え盛る刃。離れていても感じる頼もしい熱気。凄まじい威力の上位装備が解き放たれ――

 

「死ね雑魚!!!」

 

 ――すかぶった。

 

「ごふっ」

 

「あぁっ、ハイラックさーん!」

 

 次は尻尾で吹き飛ばされるハイラックさん。あの尻尾、見た目以上によく当たる気がしてシュジンコウちゃんは嫌いだ。とはいえ、そんな事言ってる場合ではなく。

 ハイラックさんのフォローをしなくてはならない。シュジンコウちゃんは走り出すが、それでも一番早いのは遠距離武器を使うサンダーンちゃんだ。ちらと目配せするとウインクを返してくれる。

 

「任せて、カッ飛ばすよ!」

 

 狙いをつけ撃ち出された弾丸。火薬による加速は全く衰えを見せず、その勢いのままフルフルの頭へと突き刺さる。

 それから爆発した。それから爆発が散った。

 

「ごふっ」

 

「あぁっ、ハイラックさーん!」

 

 巻き込まれて吹き飛んでいくハイラックさん。ちなみにハンター同士の攻撃では何故か鎧は傷つく事がない。対竜用の武技では人間の鎧は貫けないとシュジンコウちゃんは解釈しているが、吹っ飛ぶ事には吹っ飛ぶ。不思議なものだ。まぁとりあえず流石ハンターだ、なんともないぜ!

 

「あっ……っうん、こうやって距離を離す事を狙っていたのさ、結果オーライ!」

 

「結果オーライって言っちゃってるよ! 仲間に拡散弾当てちゃダメですよサンダーンちゃん!」

 

 叱るが、えへへって感じで分かってなさそうなサンダーンちゃん。彼女に対するシュジンコウちゃんの評価がちょっと低下した。もう、仕方ないなぁってぐらいに。

 

「くっ、こうなれば二人でやりますよ、カメコさん!」

 

「……分かった」

 

 振り向いた時になにやら双眼鏡を使っていた気がするが、とりあえず気にしない事にするシュジンコウちゃん。

 二手に分かれ飛びかかるシュジンコウちゃんとカメコさん。なおこの間もサンダーンちゃんは拡散弾を調合しながら撃っている。

 

「はぁっ!」

 

 初の集会所とはいえ、フルフルの相手ぐらいならばどうという事はない。確実に手数を重ねていくシュジンコウちゃん。気になる事と言えば、反対側で戦っているカメコさんがたまに姿勢を低くしてこちらを覗き見ていることぐらいだ?

 

「どーかしましたか、カメコさーん!」

 

「……頭を狙えないのは、戦いにくい、からな、うん」

 

 何故か言い訳のような響きを持った言葉だったが、うん、確かそうだ。ハンマー使いの人はモンスターの頭部を狙い脳震盪を起こして動きを止めるのが定番の動きだと聞いた事がある。その視線が胸や股に向いていた気もするがきっと戦いにくかったから何か訴えたかったのだろう、とシュジンコウちゃんは自己解決した。

 そうと決まれば、サンダーンちゃんを注意せねば。

 

「サンダーンちゃん、頭はカメコさんのポジションです! 背中や尻尾を狙ってください!」

 

「これ撃ち終わったらねっ! あははははー!」

 

 なんかヤバげな笑顔でまた拡散弾を装填するサンダーンちゃん。シュジンコウちゃんはげんなりした。

 と、そこでフルフルは動きを変えた。『溜め』をするのに少し下がっていたカメコさんに向けて飛び掛かったのだ。

 

「っ、カメコさん!」

 

 シュジンコウちゃんの叫びも空しくカメコさんはフルフルの頭突きを腹に食らって吹き飛ばされた――かに見えたのだが、流石熟練のカメコさん、自ら後ろに飛ぶ事で威力を軽減したらしい。普通に吹き飛ばされるよりも大きく背後へと飛んだ。カメコさんかっこいい!と惚れ直すシュジンコウちゃん。

 ぽすん、とカメコさんはサンダーンちゃんの胸に飛び込んだ。ホールインワン、匠の技だ。

 

「う、うわっ、カメコさん!?」

 

 そうして手元が狂ったサンダーンちゃんの拡散弾はあらぬ方へ。

 

「ごふっ」

 

「あぁっ、ハイラックさーん!」

 

 ハイラックさんは四度飛ぶ。その手に握っていたギルドのお姉さん印の応急薬を取り落し、そのまま美しい放物線を描いて壁にぶつかった。そろそろ火薬のにおいが染みついていそうだ。

 

「ちょ、ちょっとカメコさんどこ触ってんのさ、どいてよ!」

 

「……麻痺している」

 

「突進じゃ麻痺しないよ!」

 

「……知らなかったのか。フルフルの唾液に含まれる麻痺成分により、突進でも0.00000001%の確率で麻痺する。二度とお前が見る事はないと思うが」

 

 流石カメコさん物知りだなぁ!とシュジンコウちゃん。普通の麻痺よりも時間が長い気がするが上位には毒よりも早く体力を奪う猛毒というモノがあると聞く、きっと猛麻痺なのだろう。

 サンダーンちゃんにふるい落とされた瞬間に麻痺から復帰するカメコさん。しかしそこでフルフルは身をたわませ、鈍重な動きが嘘のように飛び上がる。見上げれば、フルフルは天井へと。

 壁ならばいざ知らず、天井まで移動できるハンターはいない。不可侵で一方的に攻撃されるハンター側のピンチである――そう、普段ならば。

 

「サンダーンちゃん!」

 

「はいよっ!」

 

 そう、遠距離武器である。弾丸ならば問題なく天井まで届き、奴を叩き落とせるのだ。

 サンダーンちゃんは拡散弾をポーチに戻し、別の弾丸を装填する。射角は斜め上、ハンターの筋力をもってすれば造作もない。そのまま、引き絞り――

 

「いけ!」

 

 ぱすん、ぱすん、ぱすん、ぱすん。

 フルフルは麻痺した。

 

「ふぅ、いい仕事したなぁ!」

 

「誰も攻撃できない時に麻痺させちゃダメですよ、サンダーンちゃん!」

 

 そうして何事もなかったかのように、ハンターの足では辿り着けない横穴に退避、そのまま飛行するフルフル。また別のエリアに向かい体力回復を図るのだ。

 どたっと脱力して座り込むシュジンコウちゃん。同時にホットドリンクの効果が切れた。身体の中から湧き上がってきた熱が急速に失われ、太ももが冷たくなって飛び上がる。

 

「あ、あはは……皆さん、そろそろホットドリンクを飲んでくださいね」

 

 こんなグッダグダになっても他人への気遣いを忘れないシュジンコウちゃんである。

 「ごめんね、シュジンコウちゃん……」と涙目うるうるでぐいっといくサンダーンちゃん。

 「は? ホット足りないとか雑魚か?」と言いながらぐいっといくハイラックさん。

 

「……寒さに震える姿、イイ」

 

「……? 何か言いましたか、カメコさん?」

 

「……いいや。それよりも俺はホットドリンクを飲んだ。抱き締めて温めてやろうか」

 

「あははー。そんな恥ずかしい事お願いできませんよぉ」

 

 肩を摩ったり股を擦り合わせたりしながらなんとか寒さに耐えるシュジンコウちゃん。太ももの防具くらい付けてほしいと真剣に恨むのはこういう時だ。

 ともあれ、次こそはきちんと仕留めなくてはならない。何故自分が仕切っているんだろうと思いながらシュジンコウちゃんは作戦を話す。

 

「いいですか? カメコさんは頭部を狙い、確実に行動不能(スタン)をとってください。私は右から、ハイラックさんは左から攻めます。サンダーンちゃんは背後、出来れば背中の上を。叩き込めるタイミングでハイラックさんは鬼刃斬りをお願いします。その時、カメコさんとサンダーンちゃんは極力邪魔をしないように。私はその間に罠を仕掛けますので、最後は誘い込んでダメ押しです」

 

「は? 雑魚が指示するな」

 

 ハイラックさんの言葉にカチンと来て株が地底帝国を壊滅させマントルまで突き進んでいるレベルだが、残りの二人は頷いてくれた。

 洞窟を出て雪原を歩けば、一面白の銀世界の中にある異様な白――フルフルである。頷き合い、カメコさんとハイラックさん、シュジンコウちゃんは飛び掛かった。

 

(ハイラックさんも、あんな事言いながらちゃんと協力してくれる……色々あったけど、今からはちゃんと戦える!)

 

 足を軽く傷つけこちらに気付かせるシュジンコウちゃん。背後に回り込むサンダーンちゃんを横目にポジションに付く。

 今度は向こう側にいるのはハイラックさん、しかしその刃を――どこか身体ごと振り回されているようでもあるが――真っ当に振るっている。ハイラックさん株がちょっと上がった。

 

「いきますよ!」

 

 そうして飛び掛かろうとして――衝撃。横っ腹に突き刺さる多段ヒット的なあれ。

 

「あはははー!」

 

 見れば――サンダーンちゃんが撃っているのは、散弾であった。

 油断した。拡散弾であるとおもったからこそ尻から狙えば大丈夫だと思ったのに……ここでまさかの散弾である。見ればハイラックさんも「このざざざざざざ……」と雑魚すら言えずに多段ヒット状態であった。

 

「サンダーンちゃん、人がいるのに散だだだだだだだ」

 

「えー、ナニー? 聞こえなーい! あははははー!」

 

 多段ヒットで言いたい事も言えないシュジンコウちゃん。こうして二人に散弾がヒットし続ける。いつ装填しているのかわからない、謎の技術であった。

 そして悲劇は訪れる――フルフルがにわかに輝き出したのだ。これは周囲に雷を放つ攻撃の前触れである。そして、シュジンコウちゃんとハイラックさんの二人は逃げる事が出来ない。

 ちらっと期待してサンダーンちゃんの方を見やるが、ヨダレすらたらしそうな勢いで連射していた。あれは色んな意味でダメだ。

 

「……任せろ」

 

 そこで颯爽と現れるカメコさん。素敵抱いて!って気分のシュジンコウちゃん。彼は己の持つハンマーでシュジンコウちゃんをカチ上げた……衝撃が身体を襲うが、実質的なダメージはない。フルフルの攻撃を食らうよりはマシだ。

 カメコさんはそのままハンマーを投げ捨て緊急回避する――何故かエビ反りで。

 

「ごふっ」

 

「あぁっ、ハイラックさーん!」

 

 結局雷の攻撃に巻き込まれたのはハイラックさんだけであった。横に吹っ飛ぶ彼を、シュジンコウちゃんははっきりと見た。

 そうして吹き飛び、なんとか体制を整え受け身を取ろうとするシュジンコウちゃん――その下に、緊急回避から復帰しているはずなのにかさかさと忍び寄るカメコさん。

 果たして、数mは吹き飛んだシュジンコウちゃんの丁度お尻の所に当たるようカメコさんは移動したのだった。雪の冷たい感触かと思いきや温い人肌、思わず「うひぃ!?」と声が出るシュジンコウちゃん。

 

「か、カメコ、さん……? なんでこんな所まで……」

 

 ハンター同士だからダメージはないはずだが、お尻の下なんてそんな、汚いだろう。耳年増だが純真なシュジンコウちゃんは申し訳ない気持ちになった。

 しかし――カメコさんは、がっしりとシュジンコウちゃんの腰を両手で掴んだ。立ち上がろうとした彼女を抑え込む構えだ。

 

「あ、あのぉ……その……」

 

「もう我慢できん」

 

「へ?」

 

 そうしてカメコさんはシュジンコウちゃんの太ももを――舐めた。

 

「prprprprprprprprprprprprprprpr」

 

「ぎにゃー!?」

 

 そこからの記憶は定かではない。シュジンコウちゃんの記憶はそこで途絶えている。

 ただ彼女が理性を取り戻した時――そこにはズタボロとなり一乙しながらも凄惨過ぎてネコタクが近寄れないカメコさんと、ボウガンを叩き折られたサンダーンちゃん、雪に犬神家しているハイラックさんがいた。

 一応依頼も達成していた。

 

 

 

 依頼を終えて打ち上げは絶対やらないと分配金を持ってギルドを後にしたシュジンコウちゃん。そんな彼女に、例の三人は何故か纏わりついてきた。

 

「ふっ、今まで俺が導いてきてやっていた上位のメンバーが悉く俺から巣立って行ってな。貴様らのような雑魚に構うのは不本意ではあるが、俺が教育してやろう。だからまずはもう一回フルフルだ、中落ちが足りていない」

 

「シュジンコウちゃん優しくて、私今日はすっごくやりやすかったよー! ね、ね、また組んで一緒にやろうよー! 私達、絶対に相性いいって!」

 

「……キリンを討伐しよう。俺が探索依頼(ギルドクエスト)を持っている。装備を整える必要がある」

 

 笑顔の三人に向けて――ぷるぷると怒りに震えながら、シュジンコウちゃんは叫んだ。

 

「もう私は、貴方たちとは絶対に組まないんだからー!」

 




 俺はこんなもの書いたけどなのは二次書くのさぼってモンハンなんかやってませんからね! えぇ、断じて! ところで集会所ボスを倒してHR解放すると今までの分が一気に上がるんですね、びっくりしました!

シュジンコウちゃん:可哀想な子。この経験をバネに彼女がギルクエ100の古龍をソロでボコるようになるとは、この時はまだ誰も知らない
ハイラックさん:激運だからハイラック。寄生してHR解放したので村クエ進んでない系男子。2で言えば「ナナ・テスカトリ? なにそれ、テオのパチモン?」ってぐらい
サンダーンちゃん:散弾だからサンダーン。他人に配慮できないソロガンナー。クリティカル距離を理解できていない等のネタも入れようと思ったのだが、通常弾とか貫通弾とか撃つ訳ねぇやと思ってやめた
カメコさん:名前思いつかなかったからカメラ小僧から。双眼鏡で尻を覗くのがトレンド。エロ厨にして出会い厨、これがちゃんとゲームの話という事になってたらこいつは女キャラ使ってる男に騙されてキレるタイプ

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