ファイアーエムブレム 白狼の剣   作:ミカりん

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はじめましての人ははじめまして。

ゆっくり更新していくので気長によろしくおねがいします。
ちなみにこちらは『ファイアーエムブレム 草原の狼』の前日譚に当たります。
同時進行なのでゆっくり更新です。
例によって後書きは元ネタやら裏設定やらの暴露ターンです。


序章 草原の白狼 SAVE1

 アカネイア暦579年。

 アカネイア大陸東部にある島にタリス王国が建国された。

 国王はモスティン、グルニア王国の将軍ロレンスの力も借りてようやくタリス島の諸部族を平定しタリス王国として発展したのである。

 

 さて、このタリス王国建国について隣国になるこの国は黙っていないだろう。

 アカネイア王国のサムスーフ領を挟んだ実質的な隣国。

 かつてドルーア帝国を滅ぼしたカルタス将軍の弟マーロン伯が興したオレルアン王国である。

 時のオレルアン王には2人の王子がいた。

 一人はまだ5歳の少年である、後にアカネイア神聖帝国皇帝となる英雄ハーディン。

 そして、17歳になりいよいよ王位継承を控えたブレナスク王子である。

 ブレナスク王子は身体が弱く、マルス王子の時代では既に白髪になって見た目には老人、もしくは現実世界にてかつて総理大臣となったあの方にそっくりと言えばわかりやすいだろうか。

 しかし、この時代ではまだまだ現役。

 髪はまだ未来のハーディンと同じ茶髪、ヒゲもなく立派な王子様である。

 実力も後に草原の狼と呼ばれる暗黒戦争時のハーディン王子と遜色ない武人であり、特に剣の腕に優れていた。

 ハーディン公が草原の狼と呼ばれていたようにブレナスク王子は草原の白狼と呼ばれる一流の剣士だったのである。

 そんなブレナスクは現在、オレルアン領内のとある砦に出向いていた。

 後に暗黒戦争でマケドニアの騎士ベンソンが拠点にしていたあの砦である。

 現在この砦に住まうのはオレルアンでは有名なブルーノ傭兵団の面々である。

 ブルーノ傭兵団はかつては有名な傭兵団であり民衆からも慕われていた傭兵団だったが今のブルーノ傭兵団には『アカネイア貴族を襲撃し侯爵の命を奪った大罪人』というレッテルを貼られていた。

 ブレナスクは僅かな手勢を率いてブルーノ傭兵団を討ち取る任務にやって来たのだ。

 そんなところから、この物語は幕を開けるのであった……

 

 

 

 

「ブレナスク様、あれがアカネイア貴族を暗殺したブルーノ傭兵団が暮らす砦です。ブルーノ傭兵団は現在、アドリア侯ラムダ様を暗殺しご子息ラング様をも手に掛けようとした罪に問われています。」

「そうか……アドリア侯は好きにはなれぬが腐ってもアカネイアの貴族、逆らうことで罪なきオレルアンの民まで苦しませたくはない。ビリス、ザクロ。私は今からあの砦を攻める!後ろは任せたぞ!」

 

 ブレナスクはアカネイア貴族の暗殺犯の始末という任務に気乗りこそしないが覚悟を決め共の騎士たちにそう知らせを告げた。

 赤毛のビリスと緑髪のザクロは共に剣の腕を磨いた騎士でありブレナスクの腹心として共に育ってきた騎士である。

 そんなビリスがブルーノ傭兵団の砦の報告をするとブレナスクは意を決して突撃命令を下した。

 

「お待ち下さい!ブルーノ傭兵団といえばこの辺りではとんでもない手練揃い。無策で突撃すれば我々は死にに行くようなものです。」

「気にするな、我らソシアルナイト隊はビリスたちだけじゃない。それに今の傭兵団員はアカネイア騎士団の手により既に半壊している。各個撃破を繰り返していけば我ら狼騎士団の敵ではないぞ。」

 

 ビリスが冷静になり、客観的な視点からブレナスクに対して厳しい意見を述べる。

 しかしブレナスクは己の力と仲間たちの強さを理由に意見を曲げることは一切なかった。

 腰に差したぎんの剣を抜き、今にも出撃しようとしている。

 若き日のブレナスクはそれが出来る力と情熱、民を守りたいという気持ちを持っていた。

 

「わかりました、では村を守りつつ行きましょう。この混乱に乗じてサムシアンが国境を超えて略奪しているみたいです、我々はブルーノたちを討ち取る以前に民を守らねばなりません。」

「うむ、よく気付いてくれた。」

「これはロイズの案ですよ、まだ新米騎士なのに色んなことに頭が回る。」

「ロイズも来ていたのか、こっちに来てくれ」

 

 ザクロが進言しブレナスクへ民衆を助けることを提案したところブレナスクは申し訳なさそうに感謝を述べる。

 そしてそれがロイズという騎士の提案だと聞けばブレナスクが彼を呼びつけ始めた。

 するとそこにまだ若い小さな騎士がやってきた。

 ロイズと呼ばれた少年騎士は小さくおじきをしながら近づいて来て挨拶をした。

 

「すみませんブレナスク様。しかし、私はどうしてもブレナスク様のお側を離れたくないのです。まだ戦いは出来ないかもしれませんがブレナスク様のお世話くらいなら出来ます!」

 

 ブレナスクも悩みはしたが、結論は出た。

 

「わかった、そろそろロイズも戦場を経験するのも悪くない時期だろう。だがまだお前は正騎士になるにはまだ幼い少年、未来のためにも前線で戦うにはまだ早い。しばらくは軍師として相談役をお願いしたい。」

「わかりました、よろしくおねがいします!」

 

 ロイズは礼を言うと馬に乗り始めた。

 一応護身用にてつの剣は装備しているがまだ直接戦闘は許されなかったためあくまでも護身用。実践に出ないため鎧の類は身につけていない。

 ブレナスクも馬に乗り、ビリスとザクロも騎乗した。

 そこにもう一人若き弓兵が息を切らせて走ってきた。

 

「はぁ、はぁ……ブレナスク様、速すぎますよ。」

「ウィンドル!やっと着いたか、待っていたぞ。」

 

 ウィンドルと呼ばれた中性的な見た目の男性は息を切らして話しかけてきた。

 見た目だけならアーチャーに見えるだろう。

 しかし、オレルアンではアーチャーはおらず弓兵はホースメンと下馬したハンターのみ。

 

「仕方ないじゃないですか。私は馬が怪我して乗れなくなったし代わりの馬もちょうど困っていた村人に貸し与えてしまって走るしかなかったんですから。固くも強くもないけど遅くはないんでこのまま私はハンターとして戦わせてもらいますよ。」

「わかった、だがハンターは弓兵(アーチャー)とは違い重い鎧が着れない。なるべく前に出過ぎずサポートに回ってくれ。」

「わかりましたよブレナスク様。でもたまには前線にも行かせてくださいよ?」

 

 ウィンドルはブレナスクに愚痴を溢しながらも弓を片手に砦を見据える。

 彼とてホースメン部隊の端くれ、ここにいるビリスやザクロに引けはとらない。

 

「よし行くぞお前たち!敵はブルーノ傭兵団!民を守りつつ敵将ブルーノを討ち取り迅速に制圧する!」

 

 ブレナスクの指示を全員が受けて駆け出していく。

 これは、英雄王マルスの英雄譚に隠れてしまった影に消えゆくもう1つの……そして、彼の父コーネリアスの時代に起きた戦いの記録であった。

 

 

  Player Phase

 

 

「ビリスよ、我々はここを直進した後右に曲がり城に向かう。そして一気に砦を制圧してしまう方がいいと思うがどうだ?」

「悪くはありませんね、ですが今更いる場所から見えるあの右手にある橋の向こうには盗賊がいます。盗賊を無視しては村が彼らに襲われ村人たちの命はありません。」

「そうか、では私が盗賊を蹴散らしてくる。ビリスは私についてくれ、ザクロとウィンドルは先に砦に続く橋を抑えてくれ。」

「了解しました、行くぞウィンドル!」

 

 ザクロとウィンドルはまっすぐ道なりに進んでいき、ブレナスクはビリスを伴いすぐ近くにある橋に向かっていった。

 ブレナスクたちは橋にたどり着くなり橋の上にいる盗賊を殲滅しようと武器を構えた。

 

「ブレナスク様、盗賊が逃げていきます!」

「いかん、もしかしたら村は間に合わなかったかもしれぬ。行くぞロイズ、全速力で奴等に追いつくぞ!」

 

 盗賊たちは橋を渡り北東へと逃げていくようでブレナスクたちがそれを追いかけるという展開が橋の上で繰り広げられていた。

 しかし盗賊たちの足も早くいくら騎兵とはいえすぐに追いつくまでには至らず。

 盗賊たちは橋を降りては北東へと逃げ延びるべく地上を駆け巡っていった。

 

 

 

  Enemy Phase

 

 

「団長!南東の方角に騎士たちが現れました!」

 

 団長のブルーノが部屋で斧を磨いていたらまだ若い団員が慌てて駆け込んできた。

 報告を受けたブルーノはそれでも冷静に詳細を問い詰める。

 

「ついに来たか……数は何人いる?」

「身分の高そうな騎士とその共が数名、略奪目的のサムシアンを始末しながらですが既にこの砦にかなり近い場所までやって来ています。」

 

 その報告を聞いたブルーノは逆にニヤリと笑い、部下に命令を下し始めた。

 

「……その人数でやるつもりか、面白い!お前たちは騎士たちを迎え撃て!砦に布陣し迎え撃つんだ。相手は手練だ、油断すんじゃないぞ!」

 

 ブルーノの指示を聞いた団員たちはおよそ素人とは思えぬ動きで迅速に兵の配備が進んでいった。

 剣を持った身軽な団員は城門付近に構え、弓兵が砦から攻撃できるよう配備されていく。

 斧を持った団員は皆の矛となるべく最前線に陣取り騎士たちの戦いに備えていた。

 そしてブルーノ自身はというと指示を出し終えたあとは隣りにある部屋に向かい、とある女性に声をかけていた。

 

「……父さん?」

「アルフ、お前に最期の頼みがある。」

 

 ブルーノは既に軽装備を纏い斧を担いだ『戦士』として戦いの準備を終えていた。

 そのため、アルフと呼ばれた女性に対してその様な出で立ちで会話をすることが周りから見れば異質に感じるだろう。

 しかし、ブルーノの顔は戦士ではなく父親の顔であった。

 

「この剣をお前に託す。そしてお前はこの剣を持って今から西へ逃げるんだ。」

「父さん……それは確か、昔父さんが使っていた剣……」

「そうだ、これは古代都市テーベで発掘された宝剣『かぜの剣』だ。俺は先の戦いで腱を斬り、怪我も治りきってはおらぬ。だが俺はここから逃げるわけにはいかん、持っていけ。」

「確かに、私なら扱える。けど……」

「俺たちはこれから死ににいく。アドリア侯ラムダを始末し、逃げられはしたがラング侯子をも襲ったのは事実。この身体では逃げる事は叶わぬし、何よりお前の夫を俺のせいで失ってしまった。あの宝玉に操られた俺が今正気を保てているのはあれのおかげだ。……さぁ行けアルフ!腹の孫に会えぬのは寂しいが立派な剣士として生きるのを願っているぞ!」

 

 ブルーノはそこまで言うと部屋から出ていった。

 出ていったブルーノはそのまま城門に立ち塞がり騎士たちを迎え撃つべく最期の戦いに赴いた。

 

「父さん……ありがとう」

 

 アルフは元々所持していたキルソードと譲り受けたかぜの剣を腰に差し、僅かな荷物と共に引き上げていった。

 腹に宿した新たな命を紡ぐため、風に選ばれた剣士は一路西へと向かって歩き始めた。

 その子どもが後に大きな運命の流れに身を任せることをまだアルフはおろか祖父ブルーノすら知る由もなかった。

 

 

 Player Phase

 

 

「盗賊は討ち取った!ビリスよ、急ぎ合流するぞ!」

「わかりました、急いで戻りましょう!」

 

 ブレナスクとビリスはあっさりと盗賊を殲滅した。

 幸い盗賊たちに略奪した形跡はなく村も無事であった。

 ブレナスクたちは急いで橋へと引き返し、ザクロとウィンドルの両名と合流すべく馬を走らせた。

 

 ザクロとウィンドルは、結果的には無事であった。

 多少の小競り合いはあれど基本的に傭兵団の兵たちは防衛戦に徹しておりほぼ無傷のまま両名は橋を抑えることに成功していたのだ。

 やがてそこにブレナスクたちが合流し突撃準備をする。

 

「ザクロよ、戦況はどうだ?」

「参りましたね、こりゃ骨が折れそうだ。奴等、徹底的に防衛に徹しているからこちらを深追いしない代わりに絶対攻めさせもしない。防衛戦に慣れているみたいですね。」

「よし、これからは全員一塊になって突撃する。各個撃破さえ防げれば負けはしない。」

「それしかないですかね。ま、死ぬまで王子には付き添わせていただきますよ。ビリス、お前もそうだろ?」

「もちろんだ、俺たちは王子に仕えてるんだからな。ブレナスク様、参りましょう!」

 

 ブレナスクがザクロに戦況を報告させるなりフランクな態度ながらも真面目に、かつ冷静に状況を判断しザクロは報告をした。

 作戦会議は、ものの数十秒で終わった。

 ビリスもザクロも、そして未だ小競り合いをし敵戦力を警戒しているウィンドルも同じであった。

 

「征くぞ!正義は我にあり、オレルアン騎士団の底力を存分に見せつけてやるぞ!」

「「了解!!」」

 

 ブレナスクたちは敵が待ち構える敵陣に向けて駆けていった。

 傭兵団はまだまだ本気ではいなかった。

 これからが本当の戦いの幕開けであるのは、火を見るよりも明らかである。

 彼らと傭兵団との戦いは、今始まったばかりであった。

 

 

 

 

 

 

  持ち物

  セーブ

  待機

 

 

 

 

  マップポイントセーブ

 

   →序章  草原の白狼 H☆

            5ターン

 

       NO DATA

 




今回のお話の元ネタ

サブタイトル
前編や後編などの場合はSAVE1、SAVE2などという形で区切ります。
DSのマップポイントセーブ仕様の区切り方です。

各PHASE表記
メタ的にはこれで視点変更挟んでます。
上記のセーブネタで使うターンとは≠なので大体一致しません。

オレルアン王について
佐野真砂輝&わたなべ京版のコミカライズで使われた名前がブレナスクだったためそちらから名前を引用。
原作ではただのよくあるジジイ王様だったが捏造設定をでっち上げまくった結果ハーディン幼少期は若々しい姿だったが病気で年齢以上に老けたことに。
わかりやすく言うなら烈火のエリウッド。

ビリスとザクロ
シリーズ恒例の赤緑枠。
ロイズとウィンドル合わせて名前はオレルアンズの名前を改変させて命名(ビリス→ビラク、ザクロ→ザガロ、ロイズ→ロシェ、ウィンドル→ウルフ)。
二人の性格は聖戦と烈火仕様で真面目な赤とちょっと軽い性格の緑。

最初のやり取り
ほとんど聖戦の系譜序章。SwitchOnline配信おめでとうございます。

ブルーノとアルフ
ほとんど紋章2部のオマージュ。
アルフは今後出番あり。原作に登場したとあるキャラの母親になります(捏造設定。)
アルフの見た目はダンまちのアイズさん、脳内CVも大西沙織さん。そういや大西沙織さん、封印のソフィーヤとかやってましたねヒーローズで。

アドリア侯
この時代のラングはまだ侯子だと思うんだ(原作で言うならミディアやジョルジュが近い、青年ラングのポジションは烈火のエリック)
当然捏造設定。

各ユニットのクラス
ブレナスク:ロードナイト(原作にないクラス)
ビリス:ソシアルナイト
ザクロ:ホースメン(ifのジョーカーとフェリシア仕様で上級40まで成長)
ウィンドル:ハンター(下馬した理由は紋章のビラクネタ)
ロイズ:NPC(聖戦のオイフェポジション)
ブルーノ:勇者(鉄の斧装備なのはシリーズ恒例の序章ボスは斧使いの法則による)
アルフ:剣士(かぜの剣は聖戦仕様。キルソードも所持)

今回の舞台
暗黒竜と光の剣4章 草原の戦いとまったく同じマップ。初期配置も同章と同じ。

更新について
基本的にこっちは更新控えめ。優先は本編にあたるファイアーエムブレム草原の狼。
あちらでカットしたオレルアン王の過去を描いた作品でノリは烈火の剣に近いです。


次回
多分数ヶ月先
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