デート・ア・ライブ 士織イフ   作:翔兎(とびうさ)

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まさか、自分がSSをまた書くなんて思いもしなかった。
約10年ぶりの小説ですが、
まぁ、あまり期待せず見ていってくださいな



十香デットエンド
『日常』


四月一〇日、月曜日。

昨日までの春休みを終え今日から新学期。

五河士織は普段と変わらずいつもの朝を迎える。

 

「ふぁ……今日から学校かぁ……」

 

少しテンションが低めに呟く。誰だって、学校が始まる朝は少し憂鬱になる。

どんな優等生だって、学校は少し面倒くさい………と思う。

 

「朝ごはんの支度しなきゃ」

 

布団を綺麗に畳み終えると、士織はリビングへ向かった。

 

そして、台所で朝食の準備を始めようかという所で、廊下から軽やかなステップの効いた足音と共にリビングの扉が開く。

 

「おはようだぞ!私の可愛いお姉ちゃんよ!」

 

「おはよう、私の可愛い妹よ」

 

付き合いたてのカップルかと、言わんばかりの挨拶を交わした相手は士織の妹──五河琴里である。

 

「待ってて、今から朝ごはんの準備をするから」

 

「はーい!」

 

琴里の返事が合図かのように、士織は朝食の準備を再開する。冷蔵庫から卵を取り出しテキパキと慣れた手つきで料理を進めていると、琴里がつけたテレビの音声が耳に入る。

 

『──今日未明、天宮市近郊にて──』

 

「うん?……空間震のニュース?なんか、また増え始めてるよね……」

 

 

【空間震】

 

 

………詳しいことは、原作かアニメを見てくれ………嘘です説明します。

 

 

簡単に説明すれば空間で発生する地震のようなものである。

発生原因、発生時期は共に不明、被害規模の不確定な爆発、振動、消失、その他諸々の現象の総称とされている。

 

初めての被害はおよそ三〇年前のユーラシア大陸のど真ん中。

その一帯が一夜にしてくりぬかれたように消失した。

死傷者、おおよそ一億五〇〇〇万人の人類史上類を見ない災害である。

 

そのおよそ六カ月後、東京都南部から神奈川県北部の一帯が円状に焦土と化した。

そして、その土地が再建され、今の士織たちが住む天宮市となった。

 

原作の文章ほぼ丸パクリしました。

 

「特に、この辺一帯って妙に空間震が多いよね。しかも去年辺りから」

 

「んー、そーだねー。ちょっと予定より早いかなぁ」

 

と、琴里はソファーの手すりに体を預けながら呟く。

 

「早い?何が早いの?」

 

「なんでもあいよー」

 

琴里の言葉より、少し口ごもった声のほうが士織は気になった。

 

「……琴里、ちょっとこっち向きなさい」

 

「……」

 

「こっち向かないなら、チュッパチャプスしばらく──」

 

そう言いかける途中で、琴里が「むんっ!」と凄い勢いで士織の方を振り向いた。

 

そして、振り向いた琴里の口元から小さく白い棒の様なものが飛び出しているのが確認できた。

今まさに没収すると言いかけた飴を食べていたのである。

 

「あ、やっぱり……ご飯前にお菓子を食べちゃダメって言ってるでしょ」

 

「あはは、バレちゃったか……流石はおねーちゃん!」

 

注意された割には反省の色はあまりみられないが、少しムスッとした表情を浮かべ、琴里に「少し怒ってるんだよー」っと無言のアピールするが、

それ以上は何もせず、特に取り上げようともしないのは、士織の妹に対する甘さだろうか。

 

 

「もう……朝ごはんもちゃんと食べるんだよ?」

 

「はーい!」

 

手を上げ、元気よく返事をするが、このやり取りは今日に限らず、すでに何度も繰り返される五河家の日常風景である。

 

「……そういえば、中学校も始業式だよね?」

 

「そうだよー」

 

「じゃあ、お昼には帰ってこれるね………琴里、お昼ご飯は何かリクエストある?」

 

「んー……」

 

琴里は頭を揺らしながら考え込むと、途端にシャキッと姿勢を正した。

 

「デラックスキッズプレート!」

 

「当店では、ご用意出来かねます」

 

「ええー」

 

琴里の不満そうな声を聞くと、士織は「はぁ」と息を吐いた後、少しばかり笑みを浮かべる。

 

「まったく、仕方ないんだから、じゃあお昼は外で食べよっか」

 

「おー!本当ー!」

 

「うん。それじゃ、学校が終わったらいつものファミレスで待ち合わせね」

 

士織がそう答えると、琴里もまた親に物をねだる子供のように士織に抱きつき士織の顔を見上げる。

 

「絶対だぞぉ~!絶対約束だぞぉ!地震が来ても火事が起きても空間震が起きてもファミレスがテロリストに占拠されても絶対だぞぉ!」

 

「占拠されてたら、さすがにご飯食べれないよ……」

 

「絶対だぞ!」

 

「わかったから、琴里そんなに揺らさないで」

 

気が付けば、士織抱きしめたまま両手で士織の体を揺らしている琴里、士織本人も満更嫌そうにはしていない。むしろ笑みを浮かべている。

 

こういった琴里の注文や、わがままを結局は何でも受け入れてしまうお姉ちゃん、スキンシップも相まって本当に誰がいつ見ても仲のいい姉妹である。

 

小窓から見える空は晴れ渡り、今日は何か良いことがあるんじゃないかと思える朝だった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

士織が学校に着く頃には、すでに何人かの生徒が廊下に張り出されているクラス分けの表に集まっていた。

新学期の学生の楽しみと言えばクラス替え、友達、恋人、気になるあの人と一緒のクラスになれるか、期待に胸を膨らませるイベントだが、

士織にとっては自分が一年間どのようなクラスに割り当てられているか、だたそれだけの出来事に過ぎなかった。

 

割り当てられてた教室に入り黒板の座席表を確認しようとすると、

 

「──―五河士織」

 

聞きなれない声で不意に名前を呼ばれ、振り向くと、そこに細身の少女が一人立っていた。

 

「え……あ、私?」

 

「そう」

 

見慣れない少女から不意に声をかけられたので、反応するまで少しの時間差が生まれた。

 

「どこかで、会ったことある……かな?」

 

肩に触れるか触れないかぐらいの髪に人形のような特徴的な少女であったが、士織の記憶には彼女の存在はなかった。

 

「覚えていないの?」

 

「……ご、ごめんなさい」

 

「別にかまわない」

 

少女はそういうと特に落胆した表情も見せず、窓際の席に歩いて行った。

 

「うーん、……誰、だったかな」

 

士織はその場で、手を顎に当て頭を揺らし「うーん」と唸りながら考えたがやはり彼女の事は何一つ知らなかった。

 

「やぁ、おはよう士織ちゃん。朝から考え事かい?」

 

と、士織が頭を悩ませていると、また不意に背後から声をかけらたが、今度は声の主に多少の心当たりがあった。

 

「あ、おはよう殿町くん」

 

声をかけてきたのは、去年もクラスメイトだった殿町宏人だった。

 

「いや、朝から士織ちゃんと鳶一が話してる所をみれるだなんて、新学期早々に良いことがあるもんだね。」

 

「鳶一?……あ、もしかしてさっきの女の子?」

 

「あれ、士織ちゃん。鳶一のこと知らなかったのかい?」

 

そう言われながら士織は窓際に座った少女の方を見る。

 

「あっちは、私の事を知ってたみたいなんだけどね……でも、どこで会ったのか思い出せなくて」

 

ふと、少女も士織の目線に気が付いたのか、目線を少女から士織の方へ向ける。

それに対し、士織が気まずそうに目線を反らすと、隣にいる殿町が笑って手を振る。

 

しかし、少女は何も反応を示さないまま、目線を読んでいた本へ移す。

 

「ほら、あの調子でね。常に冷たい感じだから男子は誰一人として彼女に声をかけられないどころか、女子と話してる所もあまり見たことがないくらいさ」

 

「うーん、やっぱり思い出せないや」

 

もう一度、唸りながら考えるがやはり、思い出せそうにない。

 

「本名は鳶一折紙。ウチの高校が誇る超天才。聞いたことないかい?」

 

「超天才って、そんなにすごい子だったんだ」

 

「すごいなんてもんじゃないよ。成績は常に学年首席、この前の模試に至っては全国トップの数字さ」

 

「そんな子と知り合いだったらまず忘れなさそうなんだけど……」

 

頬掻きながら苦笑いを浮かべ、改めて鳶一折紙の方をちらっと見る

 

「まぁ、士織ちゃんはそれなりに有名人だからかな」

 

「え?わ、私が?な、なにかしたかな私?」

 

これまた身に覚えのない事実を知らされ、驚いた表情を見せながら士織は自分の事を指さす。

 

「去年の『恋人にしたい女子ランキング・ベスト14』で士織ちゃんは、2位に大差をつけての1位だからね。ちなみに鳶一折紙は4位さ」

 

「そんなランキングやってたことすら知らないんだけど……14って、なんだか中途半端だね」

 

「主催者の女の子が14位だったんだよ」

 

「……な、なるほど」

 

どうしても、ランキングに入りたい。そんな主催者の執念が垣間見えた。

 

「ちなみに、『恋人にしたい男子ランキング』はベスト358まで発表されたよ」

 

「へ、へぇー……ちなみに殿町くんは何位だったの」

 

「358位」

 

「なにも、聞かなかったことにするね」

 

士織は苦笑いを浮かべながら殿町から目線を外し明後日の方を見る。

 

とまぁ、こんな他愛もない話は学校に響き渡る予鈴の音で終わりを迎えた。

 

「あ、そうだ」

 

まだ、自分の座席を確認していないことに気づいた。

黒板に書かれた席へ移動し鞄を置いた。

 

偶然か必然か、士織の席は鳶一折紙の隣であった。

まるで、お手本のような美しい視線で、鳶一の視線はまっすぐ黒板の方へ向いていた。

 

これ以上、彼女に対しておどおどしていても、失礼になるだろうから、せめて挨拶だけでもしておこう。

 

「…………えっと、よろしくね。鳶一さん」

「……折紙」

 

「…………へ?」

「私の名前。『鳶一』ではなく『折紙』と呼んで欲しい」

 

「あ、う、うん……折紙……さん」

「呼び捨てで構わない、その代わり私も『士織』と呼ぶ」

 

「わ、わかった……じゃあ、よろしくね。折紙」

「こちらこそ」

 

先ほどの気まずさが嘘のように打ち解けあった会話が出来てホっとする。

表情にこそ変化はないが、士織は折紙が少し喜んでいるように感じ取れた。

 

そして、士織が座席に座り黒板に視線を移すと同時に教室の扉が開かれた。

開いた扉から小柄な女性が現れ、教卓に立つ。

 

『タマちゃんだ……』

『おお、タマちゃん先生だ!』

『マジで、やったー!』

 

生徒が女性の姿を見るや否や、好意的なざわめきが聞こえてきた。

 

「はい、みなさんおはようございます。これから一年、皆さんの担任を務めさせていただきます、岡峰珠恵です」

 

社会科担当の岡峰珠恵教諭、生徒からはタマちゃんの愛称で呼ばれている。

生徒と同年代くらいに見える童顔と小柄な体躯に加え、のんびりとした性格が生徒から絶大な人気を誇る先生である。

 

人気の先生が担任とわかり色めき立つ生徒たち。

 

「…………」

 

しかしそんな中、士織の視線は担任のタマちゃん先生の方ではなく、左隣の座席で窓の外を見つめている折紙の方に向けられていた。

 

窓に反射している彼女の表情は、相変わらず表情が何一つ変らないでいた。

だが、士織が視線を再度黒板の方に向けた僅かな瞬間、窓に写る折紙の口元が少し釣りあがっているような気がした。

 

 

◇◇◇

 

それから、3時間後。始業式を終え、帰りの支度をしている途中で殿町から声をかけられた。

 

「ねぇ、士織ちゃんはこの後予定とかあるの?」

 

よくフラれるナンパ師のような台詞を吐く殿町。

それに対し、士織は支度を続けたまま返す。

 

「あー今日は、琴里とお昼食べに行く約束があってね」

 

「なんと、それは残念だ。何人かさそって飯でもと思ったんだが、姉妹水入らずの予定なら仕方ないか」

 

殿町は少し落胆した様子で肩を落とす。

周りからヒソヒソと『また殿町くんフラれてる』『こりないな……』『マジ引くわー』といった声が聞こえるが、慣れた様子でスルーした。

 

「時に、士織ちゃん。琴里ちゃんってもう中二だけど、もう彼氏とかいるの?」

 

殿町がそう問いかけた瞬間、士織の手が止まり、ガヤガヤしていた教室が一瞬にして凍てついたように静まる。

さすがの殿町も聞いてはならぬことを聞いてしまったと自覚する。

 

「なにを言ってるのかな殿町くん。琴里に彼氏なんているわけないじゃない、仮にそんな人が居たとしてもあの子はちゃんと姉である私に必ず報告に来るだろうし、それ以前に一体どこの馬の骨かも分からない男に私が大事な妹である琴里をあっさり渡すと思う?」

 

士織が直前に持っていたプリントが、ミシミシと悲鳴のような音を出しながら原型をとどめていないくらいに握り潰されていく。

その間にも士織は止まらず、殿町の制服の襟を掴む。

 

「そもそも、質問の意図がわからないのだけれど、もしかして、琴里を狙ってるだなんて言わないよね?ねぇ?殿町くん?」

 

「ヒィッ……ゴ、ゴメンなさい違います。なんとなく聞いただけです。」

 

あまりの気迫に恐怖を覚える殿町。しかし、運がいいのか悪いのか次の瞬間、嬉しくもない助け舟がきた。

 

 

 

ウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ────────────―

 

 

 

教室、いや街中に不快なサイレンが鳴り響いた。

 

「……っな、なに!?」

 

我に返った士織が殿町から手を離し窓を開けて外を見やる。と、同時に士織の気迫で沈黙していた生徒も我に返り目を丸くしている。

すると、今度は機械越しの音声が言葉を区切るように響いた。

 

『──これは訓練ではありません。これは訓練ではありません。前震が、観測されました。空間震の発生が予想されます。近隣の住人は速やかに最寄りのシェルターに避難してください。繰り返します──―』

 

──空間震警報。

 

士織や殿町を含め教室中の生徒たちは、顔に緊張と不安こそ滲ませるも、比較的落ち着いていた。

幼い頃からしつこいほどに避難訓練を繰り返されていたこともあり、恐慌状態に陥る生徒は見受けられない。

 

士織と殿町は慌てることなく教室を出ると、廊下には既に生徒たちが地下シェルターに向け列を作っていた。

 

「これなら慌てる必要がないね」

 

「そ、そうだね」

 

──と、そんな安心した会話をしていたのもつかの間、女子生徒が一人シェルターとは逆方向に走っているのが見えた。

 

「折紙……?」

 

その姿はまぎれもなく鳶一折紙だった。

 

「折紙!待って!シェルターはそっちじゃ──―」

 

「私は大丈夫。士織はそのまま避難して」

 

折紙は一瞬、足を止めると士織にそれだけを言い、再び駆け出して行った。

 

「大丈夫って……ちょっと、折紙!折紙!」

 

呼び止めようとなんども、折紙の名前を叫ぶも、彼女は振り返らなかった。

 

きっと、忘れ物をとりにいっただけ、士織は自分にそう言い聞かせて、再び列に並びなおした。

 

「──そうだ、琴里」

 

と、士織は大事な妹である琴里のことを思い起こし携帯電話を取り出した。

 

「どうかしたかい士織ちゃん」

 

「うん、ちょっとね」

 

濁した言葉で殿町に返答しながら、着信履歴から『琴里』を選び電話をかける。

 

が、繋がらず。試しに何度かかけ直すが、結果は同じだった。

 

「……ダメだ出ない……琴里のことだから大丈夫だよね」

 

琴里だって、もう中学生。なにも心配することはないし避難訓練や公共のシェルター場所だって、ちゃんと学校で教えてくれている。だから何の心配もない。

 

「大丈夫、大丈夫……大丈夫」

 

士織は何度も、自分に言い聞かせるように呟き、不安を掻き消そうとした。

──が、ふと琴里の朝の言葉を思い出した。

 

『絶対だぞぉ~!絶対約束だぞぉ!地震が来ても火事が起きても空間震が起きてもファミレスがテロリストに占拠されても絶対だぞぉ!』

 

書き消そうとした、不安がぬぐい切れず、士織は慌てて携帯のGPS機能を使い琴里の位置情報を確認した。

 

「──────―っ!!」

 

GPSの琴里の位置を表す点がファミレスの上に立っているのを見た途端、士織は言葉を失い、手の力が抜け携帯を廊下に落とした。

 

「士織ちゃん、どうしたんだ?」

 

息が止まり、顔が少し青ざめた士織を殿町が心配する。

 

途端に「はっ!」と我に返った士織は、落とした携帯を瞬時に拾い上げると、シェルターとは逆方向に駆け出した。

 

「ど、どこにいくだ士織ちゃん!」

 

そんな殿町の声も届かず、士織は昇降口にでる。

 

「あの子、いったい何を考えて!」

 

心配と僅かな苛立ちから、叫ぶように声を上げる。

 

そして、士織は靴を履き替え校門を飛び出し、誰一人残って居ない街へと駆け出した。

 




第一話、ご覧に頂きありがとうございます。
士織を中心とした各キャラクターとの関係性について、
やはり、女の子ということで、男女の壁というがないので、割とみんなフレンドリーにしようと考えています。

特に琴里ですね。兄妹から姉妹になるわけです。
この二人の関係には、シスコン姉妹くらいがいいんじゃないかと

あとは、士織自身の性格ですね。
これがまた難しい、女装した士道くんではなく士織なので
言葉使いやらなんやらを考えないとダメなんですよね・・・

まぁ、必死のパッチで頑張ります
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