デート・ア・ライブ 士織イフ   作:翔兎(とびうさ)

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デート・ア・ライブについての勉強も兼ねて、
原作を何度も読み直したり、天使、ヘブライ語についても調べだしました。
まぁ、投稿するからにはきっちりとした作品を皆様にお届けしたいので、
この辺でどうも時間がかかり、更新ペース遅めとなっております。

必死のパッチで頑張ます(笑)



『邂逅』

まるで、ホラー映画のような人の気配がない街を士織は携帯を耳に当てながら走っていた。

 

「琴里……今、ファミレスに居るの? 無事なら連絡して!」

 

おそらく、留守番電話のメッセージであろう言葉を最後に、携帯電話をポケットにしまう。

 

さらにペースを上げ、ひたすらに足を動かす。息は荒れ、足元も少しふらつき、喉も痛むがそれでも琴里の元へ走る。

 

ふと、視界の端に何かが動いた気がした。士織が顔を空へと向けると、三つ、四つほど人影のような物が見えた。

 

「な、なに……あれ」

 

不思議な人影に少し目を疑ったが、今はそれどころではない、早く琴里を見つけなくてわ。

士織が目線を進行方向に戻した瞬間。眩い光に包まれると同時に、凄まじい爆音と衝撃波が士織襲った。

 

「きゃっ!」

 

士織はとっさに腕で顔を覆ったが、凄まじい風圧によって吹き飛ばされてしまう。

 

「っ痛たた……今度は一体なにが────っ!!」

 

制服の土埃を払いながら、ゆっくりと顔を上げると、視界に入った光景に言葉を失ってしまう。

それもそのはずだ、つい今しがた目の前にあった街並みが一瞬のうちに跡も残さず無くなっているのだがら。

 

士織はその光景をただ呆然と眺める出来なきなかった。

 

琴里の安否、上空の謎の影、そして目の前にある地面がえぐり取られたかのように現れた巨大なクレーター。

とてつもない情報量に士織の思考が追いつかず、その場に座り込んでしまう。

 

「ことりぃ……どこいったの……お姉ちゃん……心配だよ」

 

不安で不安でたまらない。

大事な妹が、今どうなっているのか? 無事なのか?

下を向き不安に推しつぶされそうになるが、それでも涙はグッと堪える士織。

 

と、その時、クレーターの方面からこちらに近づく足音が聞こえてきた。

 

士織は顔を上げ、足音のした方向に顔を向けると、長く黒い髪をし、不思議な輝きを放つドレスを着た少女が、巨大な剣のような物をこちらに向けて立っていた。

 

「おまえも……か」

 

少女はそう呟くと、剣を高く掲げ、そのまま士織に向かって振り下ろした。

 

「ッ!?」

 

士織は座った状態からとっさに体を転がし、ギリギリのところで刃をかわしたが、剣が地面に叩きつけれた衝撃で吹き飛ばされてしまう。

 

6、7メートルほど吹き飛んだだろうか、だが幸いにも怪我はなかった。

士織はその場でゆっくりと上半身を起こし、自分が吹き飛ばされた場所を確認すると、少女はまた剣先を士織に向けゆっくりと近づいて来た。

 

「ま、待って!」

 

このままでは殺される。そう判断した士織は両手を前に出し、必死に声を上げて少女に静止を呼びかける。

 

「……なんだ?」

 

「な、なにするつもりなの?」

 

「もちろん、貴様を殺そうとしている」

 

やはり、自分を殺すつもりなのだと、当たり前のように言い放つ少女に、恐怖で手に力が入る。

 

「な……なんでよ!」

 

「なんで……? 当然ではないか、貴様も私を殺しに来たのだろう?」

 

予想外の答えに驚きを隠せない士織だったが、立ち上がると両手を広げた。

 

「……私にそんなつもりは、ないよ」

 

「──何?」

 

そう言い放つと、今度は少女の方が驚き、士織に視線を向ける。

 

「ねぇ、あなたは何者なの? 名前は?」

 

「……名、か。──そんなものは、ない」

 

どこか悲しそうに答える少女。それと同時に、ひどく憂鬱で今にも泣き出しそうな表情が士織の脳裏に深く刻まれた。

 

だが、少女はすぐに眉をひそめると、視線を士織から空へと向けた。

 

士織も釣られて上空をみると、その光景に目を見開いた。

 

「な……なによこれ」

 

「……ん? なんだ、貴様の仲間ではないのか?」

 

「し、知らないよこんな人達」

 

上空には、奇妙な恰好をした人間が数名飛んでいた。

その人間たちは、手に持っている武器のようなものを少女に向けると、ミサイルらしきものを発射してきた。

 

「きゃぁぁぁッ──―!?」

 

今度こそ死んでしまう。

そう思い、目をつぶり思わず叫び声を上げる士織だったが、数秒立っても体は無傷のままであった。

 

不思議に思った士織が、目を開けるとミサイルは、少女の数メートル手前で静止していた。

 

「……こんなものは無駄と、何故学習しない」

 

少女が手前に出した手をグッと握る。

 

すると、静止していたミサイルが、なにかに圧縮されるように折りたたまれ、その場で爆発した。

 

上空にいる人間たちが動揺している様子が、見てわかったが、それでも攻撃を辞めようとせず次々とミサイルを少女に打ち込む。

 

しかし、それも少女に傷一つ付けるに至らず、全て無力化している。

 

「…………また」

 

そんな中、士織の視線は少女の顔に向けられていた。

 

先ほど士織が名を訪ねた時と、同じ顔。

士織の脳裏に深く焼き付いた、今にも泣き出しそうなその顔。

 

その顔を見るたび、士織の心臓が大きく跳ね上がる。目前で街が跡形もなく消えた時より、少女に殺されかけた時よりも、強く。

 

──なぜ、そんな顔をしながら、少女は戦うのだろう。

 

士織は自分の左胸を押さえて、少女を見つめていた。

 

と、その時、士織の背後に何者かが舞い降りた。

 

「誰? ────ッ」

 

その降り立った人影を見て、士織は思わず言葉を失った。

 

全身を見慣れない機械仕掛けのボディースーツで覆った見知った少女が立っていたのだ。

 

「折紙……?」

 

士織が口にした名は、今朝知り合ったばかりでクラスメートの鳶一折紙だった。

 

「士織……」

 

折紙も士織の存在に気づいたのか、ちらりと士織の方に視線を向けた。

 

「なんで、折紙が……? その恰好は一体……」

 

ここにたどり着くまで、いろんな事が起こりすぎていて、何から理解すれば良いか解らず、士織はその場に立ち尽くす事しか出来なかった。

 

気付けば近くにいた折紙が、先ほどの少女と交戦していた。

 

いつの間にか折紙が手にしている武器らしき光の刃、それと少女の剣が交わる度に凄まじい衝撃派が士織のところまで届いている。

 

「──―くっ!」

 

士織は衝撃波に飛ばされ無いように、身を丸めてやり過す。

 

折紙が弾かれる格好で、二人の間に一定の距離が空いたが、それでもなお二人は鋭い視線を交わらせていた。

 

そんな両者をじっと見つめていた士織がふと立ち上がった。

 

「──お願い、折紙! やめて!」

 

自分の想いを届かせるように、叫ぶ士織。

なぜ、急にこんなことを叫んでしまったのか、士織自身分かっていなかったが、悲しい表情をして戦う少女の姿も、その少女に対して刃を振るう友人の姿も、士織はこれ以上見たくはなかった。

 

しかし、そんな士織の心の叫びも二人には届かなかったのか、少女と折紙は激しくぶつかり合う。

 

「きゃぁぁぁぁぁっ!」

 

さっきまでとは、比べものにならないくらい激しい衝撃波に、士織の体は転がされ、塀にぶつかり意識を失ってしまった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「はぁ…………」

 

真紅のシャツを上から肩掛けにした少女は、自分の携帯電話のディスプレイを見ながら、思わずため息を吐いた。

 

「空間震が起きたといっても、ここまで心配しなくてもいいのに……」

 

『不在着信 :17件

新着メール: 9件

留守番電話: 1件』

 

いずれも、送信主の欄には『お姉ちゃん』と表示されていた。

 

少し困惑した顔をしながら、少女は携帯をポケットにしまうと、艦橋に入った。

 

「司令、いかがされましたか?」

 

艦長席の隣に控えていた男が、司令と呼んだ少女の顔を見ると、様子を伺うように訪ねてきた。

 

「何でもないわよ、いいから状況を説明しなさい」

 

「はっ。精霊出現と同時に攻撃が開始されました」

 

「AST?」

 

「そのようですね。」

 

AST。対精霊部隊。対精霊部隊(アンチ・スピリット・チーム)

 

精霊を狩り精霊を捕らえ精霊を殺すために機械の鎧を纏った、人間以上怪物未満の魔術師たち。魔術師(ウィザード)

 

だた、超人レベルでは、精霊太刀打ちできないのが実状だった。

 

「一〇名隊員が出撃。現在一名が追撃、交戦中となっています」

 

「そう…………」

 

男の報告に一言だけ返事をすると、なにか司令落ち着かないのか、一定のリズムで肘掛けを人差し指で叩いていた。

 

「司令。なにか、気になる事でも?」

 

男が再度尋ねると、司令は男のすねをつま先で蹴った。

 

「おうっ!」

 

「何でもないって言ってるでしょ」

 

明らかにイライラしている司令に対し、蹴りをもらった男は恍惚とした表情を浮かべる。

 

「神無月」

 

司令は小さく右手を上げ、人差し指と中指をピンと立てた。タバコでも要求するように。

 

「はっ」

 

名前を呼ばれ即座に姿勢を正した男は、素早く懐に手をやると、棒付きのキャンディーを取り出し、速やかに包装を剥がしていく。

そして、司令の前に跪き、司令の指の間にキャンディーの棒を挟みこんだ。

 

「そういえば、円卓会議からようやく許可が下りたわ。──作戦を始めるわよ」

 

その言葉に、艦橋のクルーたちが一斉に息を呑むのが聞こえた。

 

逆に、司令はキャンディーで少し機嫌が良くなったのか、それを口に放り込み、棒をピコピコ動かす。

 

「……ああ、それと肝心の秘密兵器は? さっき、しつこく連絡が来てたんだけど……ちゃんと避難しているでしょうね?」

 

「調べてみましょう──こ、これは」

 

「どうかしたの?」

 

「司令、モニターをご覧ください」

 

男がモニターを指さすと同時に、映像が映し出された。

 

「────なっ!」

 

司令が映像に目をやると、精霊とAST要員が交戦している横で、制服姿の少女が倒れていた。

 

「なんで、あんな所に居るのよバカ!」

 

司令は勢いよく立ち上がると、映像の少女に指をさす。

 

「神無月! 一刻も早く、回収しさない!」

 

「りょ、了解しました」

 

と、男は急いで制服の少女を回収する準備に取り掛かった。




【作者:翔兎の雑談やら嘆きやらその他諸々】

さぁ、第二回に来て改めて原作との違いといいますか、
自分の趣向になってしまうのですが、士道くんと今作の士織ちゃんの違いについて、少しまとめてみます。

前に話した内容と一部被るかもしれませんがご了承ください。

まず、士道くんの女装の「士織」ではなく、
「士織」が主人公、言わば完全に女性版士道くんを目指し、なおかつ士道くんとの違いを出したいんですよね。
(主人公だけ変えて、展開は原作のままでは意味がないので・・・・・・・これが、かなり難しい)

そして、各キャラとの関係性も少し変更を加えたいと思っています。
第1話の折紙との会話だったり、一番に影響が大きいのが、やはり琴里との関係性ですよね。
「兄妹」ではなく、「姉妹」なので、より関係性の距離間を詰めるここを意識してます。
(元々ある程度、ブラコン、シスコンの兄妹だったので、姉妹になった事で、シスコン度を少し上げてます。)

この他にも、原作との違いを出していきます。
が、なかなか亀更新になりそな予感です・・・・

一番大事なのは原作ファンの方々に激しい「違和感」を持たせない事ですかね。
主人公が男性から女性に変更しているので、既に「違和感」は出てると思いますが、その「違和感」を増幅させない。
自分でも難しいこと言ってるなぁ~と思いますが、そのあたりを一番気を付けながら、必死のパッチで書き続けようと思います。
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