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若い男女が杖を持った男と戦っている。
対峙している男が杖を振ると宙に記号が浮かび、火球を飛ばす。
男女の女の方はその手に持った大盾を持ってして火球を防ぐものの、攻撃が重なると吹っ飛ばされる。
男女の男の方は女の力になりたいようだが何をすればいいのかわからないのか尻込みしている。
これが現在進行中のキャスニキによる藤丸とマシュの実力試し兼宝具講座、その様相である。
どーもこの世界線ではマシュと藤丸はシャドウサーヴァントと戦った経験がないので(まあ、俺のせいでもあるけど)大苦戦している。
原作通りの展開になって胸を撫で下ろした俺だったが早計だったらしい。原作では宝具を引き出すためだけの戦闘がここでは宝具解放+キャスニキに実力を認めさせるという風に難易度が上がってる。少なくとも一発ぐらいは入れないとダメだろう。
「ッ!ッ!きゃあ!」
「マシュ!」
うーん。特典でイキってる俺が言うのもアレだがマシュは防ぐのは出来てるもののそこから攻撃に転じるのが下手だ。だから防御に集中しすぎてしばらくすると押し切られる。やり方としては最低限の攻撃を防ぎつつ距離を詰めてどうこうっていうのがいい感じだと思うんだが。でもこれを伝えようとするとな〜。
「マシュ〜、テキトーに防いで距離詰めろ〜。」
「あなたねぇ!マシュを混乱させるような事を言わないで!」
俺もそう思う。いやほんとアドバイスをあげようとするたびに出てくるのがこんな抽象的な言葉なのである。
所長と俺は少し離れたところでこの戦いを見ている。最初に俺も参加するって言ったんだがキャスニキがそれじゃ意味が無いという事で俺はベンチ状態である。
所長との漫才も楽しくはあるが正直言って状況は芳しくない。
ここで藤丸とマシュがキャスニキに実力を認めさせることに失敗するとボスの黒セイバーとの戦いが苦しくなる。
最悪俺が駄々をこねれば一緒に戦ってくれるかもしれないが、それだと縁が結べないため後々戦力を強化するときに差し支えるかもしれない。
とにかく藤丸とマシュには頑張ってもらわないといけない。
「そらそらそらぁ!そんなんじゃマスター焼けちまうぞ!」
「くぅッ!」
あーまた吹っ飛ばされた。いっそ屁理屈捏ねて飛び入り参加するか?光ん力再現するのも性能把握の一助になるだろうし。
「バーサーカー。」
「何だぁ?」
所長が話しかけてきた。意外だ。今までの行動で嫌われてるかと思った。
「あなたとマシュでこの事態を引き起こした犯人に打ち勝つことはできる?」
....おいそれは
「マスターとマシュはまだ負けてねぇけど?」
「もう負けたようなものよ。それでどう?」
(こいつ!)
一瞬カッとなる。でもよく考えてみると仕方ないのかもしれない。
藤丸とマシュは所長に自分達を信じるられるような何かを示せてない。ただでさえ悲観論者なのに立て続けに異常状態に晒された所長は曖昧な可能性に賭けることができなくなってる。
確かに今の二人の状況から勝ちを信じることは難しい。
俺の信頼だって原作知識ありきのものだ。
でもFGOをプレイしてた時から思っていたことだが
「もっとさぁ〜楽しく考えね?」
「何ですって!」
「いやだって楽しくないことばっか考えてたらなにもかも楽しくなくなっちまうだろ?もっと楽しいこと考えて行こうぜ。」
四巻においてデンジが言った言葉、それをアレンジしたものでFGOをやってた時に何回かキャラに対して思ったことだ。
「この事態をよぉ〜サクッと解決すればアンタスゲー人になんねぇ?そうすればみんなアンタのこと大好きになるだろ?そしたら逆ハーレムもいけるんじゃねアンタ!」
「低脳だと思ってたけどここまで頭がイカれてるとは思わなかった!そんな考えで良いわけないでしょ!私はアニムスフィアの当主として!カルデアの所長として!最善を尽くさなければいけないの!そんな頭花畑みたいなこと考えてやっていけるわけないでしょう!」
「たとえだよたとえ。でも実際ここで楽しいことを、一番良い結果を考えねぇでどうすんの?」
「はっ?」
「もう後ねーじゃん。確かに安全策を考えることは大事だしよぉ、考えねぇ奴はバカだぜ。でもさぁ、もう安全もクソもねーじゃん。じゃあどんどん良い方に賭けてかねぇとさぁ〜。あ、そうだ!」
フィルターに言葉を歪められながらも所長に言いたいことを言えた。
藤丸とマシュを信じないことに対する説教、あと俺なりに彼女の気持ちを軽くすることが言いたかった。
無責任なことだ。俺はもう彼女が死んでいることを知っている。そして自分に彼女を救う術がないこともわかっている。
それでも、あの画面の中で見た彼女の終わりよりは良いものを引き寄せたい。
それに今の話の中で思いついたことがある。
戦いは佳境に入っていた。マシュと藤丸は満身創痍、キャスニキは未だ余裕。
「とっておきをくれてやる 。焼き尽くせ木々の巨人。 『
出てきたのは燃え上がる木の巨人。生贄を求めるその怪物は盾の乙女とその主人を見染める。
まずい!キャスニキが宝具を出してきた!頼むフィルター通してくれ!
「マシュ!マスター!ハッピーだ!ハッピーに考えろ!マシュはマスターを守り、キャスターを殴ること!マスターはマシュがそれをやってのけること!難しいことはあんま考えんな!」
「何アホなこと言ってるの!キャスターを止めなさい!このままじゃ!」
『ごめんデンジ君!こればっかりは所長に賛成だ!早く止めてくれ!』
「まぁ見てろ。」
「『はぁ!?』」
わかってる、俺がいかにアホっぽく聞こえて言ってることも無茶苦茶なことぐらい。だがこうすればまだ原作における二人のたどり着いた境地を伝えることができる!頼む!
「それは.....はい!わかりました!」
「うん!俺もマシュを信じる!」
「面構えが変わったじゃねえか。じゃあ行くぜ。」
藤丸とマシュの雰囲気が引き締まりなんか強固になった気がする。ただキャスニキもここで本気っぽくなった!
「ぶちかませ! 『
只人なら絶望で膝をつく木の巨人の威容、それを見て少女は手を差し伸べてくれた少年を守る覚悟を決め、少年は最後まで少女を信じる覚悟を決めた。
「やります、やるんです!うわぁぁぁぁ!」
「頑張れ!マシュ!」
現れるは光の盾。その本質は未だ出でずともその防御は何人たりとも通さない堅牢さをおもわせる。
巨人が盾にぶつかり光が爆発する。熱波が戦いの場から吹き荒れ所長がひっくり返った。
『どうなったんだい!?』
ロマニの疑問はすぐに解消された。
光は徐々に消え、完全に消えた時そこにはマシュも藤丸も無傷で立っていた。
マシュがキャスニキに向かって駆け出す。
もちろんキャスニキは火球を出して迎撃するが、マシュはその弾幕を防ぎ、そしていなしながら前へ進む。
そしてついに
「とらえ!ました!」
「ああ、そうだな。合格だ。よろしくな、嬢ちゃん、坊主。」
マシュの盾がキャスニキの頭の横に添えられている。最後だけ手加減してくれたようだがとにかく合格らしい。
所長の方に振り返る。
所長は四つん這いの姿勢で驚愕の表情を浮かべている。
そんな所長に俺は
「俺の勝ちじゃねこれ。」
.............好感度下げてどうする。
またお付き合い頂きありがとうございました。