忍と灰と焚べる者と狩人とダンジョン 連載編 作:noanothermoom
どうも皆さま
今回は(或いは今回も)ギャグ回です
そして先に謝罪します
今回の話は少々下品と言いますか下ネタが多いです
そして春姫ファンの皆様には先に謝っておきます
ごめんなさい
「下らん...」
空は雲一つない青空。
小鳥は歌い、風は流れる。
絵にかいたような気持ちのいい朝。
しかし旧アポロン・ファミリア拠点、現ヘスティア・ファミリア拠点【
帽子にマスクにコートにズボンにブーツ、更には手袋まで全て黒一色。
差し込む日差しから身を守るように衣服を纏った男──月の狩人──は手に持っていた新聞を机の上に放り投げ、忌々しそうに睨みつける。
実の所...というべきか。
狩人はその日光の一筋も受けたくないと言わんばかりに体を覆う装いとは裏腹に太陽を好んでいる。
それは永い獣狩りの夜を彷徨い続けていた過去であり、幾度となく夜を巡らせた
狩人の言葉を借りるのであれば
「一生分...どころか数生分は月光を浴びたのだ。日の光を浴びたいと思うのは道理だろう」
との事だ。
そんな狩人にとって夜明け、朝という物は喜ばしい物だ。
たまに
しかし今日は何時もと違ってというべきか、或いは何時も通りというべきか機嫌が悪い。
その理由はたった今狩人が机の上に投げ捨てた新聞にあった。
【歓楽街の大華散る!原因は女神間の因縁か!?隠されていた闇の顔】
先日の歓楽街が壊滅した事件は読者の皆様におかれても記憶に新しいだろう。
この事件に関係者の取材を通じて新たな事実が発覚した。
それはイシュタル様がオラリオ内外の【闇派閥】と通じており、そのパイプを使ってファミリアの戦力を整えフレイヤ・ファミリアへの襲撃を計画していたという物だ。
事実、イシュタル様の眷族だった冒険者達に話を聞くと複数の人物から
「イシュタル様は長年フレイヤ様を目の上のたん瘤の様に思っていた」
「異様なまでに厳重に運ばれた荷物があった」
「時折フレイヤ・ファミリアへの襲撃を示唆するような言葉があった」
などというこの事実を裏付ける様な言葉を確認することが出来た。
今回の事件の加害者であるとみられていたフレイヤ・ファミリアの主神、フレイヤ様と被害者であるとみられていたイシュタル様との間には「お互いが美の女神であり、どちらがより美しいのか」という長年の確執があった事は有名だ。
そのことからこれまでこの事件はフレイヤ様の信望者達によるイシュタル様への襲撃であると思われていたが、一転被害者と加害者が逆転するかもしれない。
この件についてギルド長のロイマンは
「事実であるとすれば【闇派閥】の計画を阻止したという点において情状酌量の余地はあるかもしれない。
しかしながら【闇派閥】について知っていながらギルドに報告することなく一ファミリアで対応するという、ギルドの存在意義を、ひいてはオラリオの秩序を軽んじる行いであることもまた事実だ。詳しく調査を続け事実関係を明らかにしていきたい」
との声明を出している。
復興が進んでいる歓楽街より目を離すことはまだまだ出来ないようだ。
「フン...」
新聞の一面。
容姿端麗な者が多いエルフの一人だとは思えない程に肥えた顔に汗を流しながら答えているロイマンの写真を睨みつけ狩人は再び鼻を鳴らしリビングから出て行った。
◆◆◆◆
オラリオの夜の華歓楽街。
その歓楽街が壊滅した裏にはやはりというべきかヘスティア・ファミリアがいた。
尤も街に刻まれた被害を齎したのは新聞に書いてあった通りフレイヤ・ファミリアが原因であり、
しかしながら余りにも大きな出来事故に関わっていた灰達やヘスティアはそのしりぬぐいに奔放している。
一方で関わりの薄かった狩人は拠点にて暇を持て余してどうした物かと考えていた。
(どうしようもなく暇だな。聖杯にでも潜るか?)
窓から朝日が差し込む廊下を狩人は考え込みながら歩む。
ヤーナムの地下に広がる神の墓──通称聖杯ダンジョン──に潜ろうかと考えたのは暇を持て余していただけではない。
この所とある理由から鬱憤をため込んでいた狩人はそれを発散する場所を求めていた。
かつてヤーナムにいた時は終わらぬ夜から、終わらぬ死から、終わらぬ狩りから逃れる為に足掻き続けたというのに。
こうして暇を持て余せば再び狩りを求める。
我が事とは言え
脳内に浮かんだ考えに自嘲していたのが悪かったのだろう。
気が付いた時、既に狩人の身体能力をもってしても避けられない程にそれは近づいていた。
「きゃっ!?」
「気を付けろ...サンジョウノ...」
「か、狩人様!?...ありがとうございます」
軽い衝撃と視界に広がる白。
悲鳴と共にぶちまけられた洗濯物を触手を伸ばし集め、未だ目を回している眼前の女の腕に押し付ける。
怯えた様に狩人の名を呼び頭を下げたのは【サンジョウノ・春姫】。
ヘスティア・ファミリアの新入りであり、ベル・クラネルの新たな仲間である。
頭を動かす度にさらりと流れる長い髪は日の光を閉じ込めたかのように輝き驚きからかその大きな瞳は僅かに潤む。
そんな彼女が豊満な肉体を
しかし狩人の事を僅かでも知っている者であれば、そんな考えが頭の隅によぎる間もなく狩人と春姫を引き離そうとするだろう。
その理由は彼女の頭の上で怯えた様に下がった耳と足の間に隠すように巻かれた豊かな尻尾が物語る。
そう。
彼女は
文字通り
一礼しその場を立ち去ろうとする春姫を見送ろうとした狩人だが、ふとその背中に声をかける。
「時間はあるか」と。
◆◆◆◆
(意外と...
狩人の部屋。
それだけ聞けばオラリオの住人ならば拷問器具と血に溢れた悍ましい部屋を想像するだろう。
いや、事実春姫も九郎より家事を任された身でありながら立ち入ることを許されていなかった【狩人の部屋】という場所にそんなイメージを持っていた。
しかし部屋の主によって招かれたその中は他の部屋と比べて微かに湿気ている他はそれほど大きな違いはなかった。
これならば買って来た物がそこらへんに転がっている火の無い灰の部屋や開発中の商品で足の踏み場もない絶望を焚べる者の部屋の方がよほど変わっている。
「それで...何か御用でしょうか」
「用...という程の物でもない。茶でも一杯どうか、と。
ただそれだけの話だ」
ひとしきり部屋の中を見渡した春姫が招かれた理由を聞けば返って来たのは「貴様がこのファミリアに入ってしばらく経つが、話したこともなかったからな」という言葉。
「少し待て」と言い残し姿を消した狩人が戻ってくるとポットとカップを手に持っていた。
「お茶...ですか?」
「そうだ。尤も貴様の口に合うかは知らんがな」
ポットから注がれたのは紅色の液体。
その色に僅かに怯むが、立ち上る湯気と共に広がるのは紅茶に詳しくない春姫でも分かるほどに芳醇な香り。
その香りに覚悟を決めてカップを傾けた春姫は...紅茶の熱に口内を蹂躙された。
「あっつい!あついでふ」
「...阿呆か貴様。
...ミルクがある。入れれば飲める程度には冷めるだろう。角砂糖もある渋ければ入れろ」
はひはひと火傷した舌を冷やそうと口を開けて呼吸を繰り返す春姫に呆れたような視線を向けながら狩人は陶器の瓶を二つ取り出す。
「
砂糖の優しい甘さとミルクのまろやかな旨味、そしてミルクと砂糖に負けない茶葉の香り。
口の中身を飲み込み小さくため息を吐く。
「ああ、えっと...」
「気にするな。口に合ったのならば何より、そういうものだ」
「はい!凄く美味しかったです。
こんなに歓迎して頂けるなんて思ってもいなくて...」
狩人の事も忘れて紅茶を堪能していたことに気が付き慌てる春姫を狩人は宥め感想を聞く。
輝くような笑みで紅茶の味をほめていた春姫はその途中で言葉を途切れさせる。
「あー」だの「えーっと」だの何とか穏便な言葉を捻り出そうと頭を回す春姫に変わり狩人はその先を口にした
「
余りにも直球過ぎる狩人の言葉に春姫は怯むが最後には「ええ、まあ、はい」と肯定した。
あんまりと言えばあんまりな言葉。
だがそれも仕方あるまい。
狩人の
世間知らずの春姫ですら、いや世間知らずだからこそ、このファミリアに【
血に飢えた獰猛で残酷で無慈悲な殺戮者。
控えめに言ってもこうして
「...まあ、そうだろうな。私は
...だが
ならば私に貴様に対して思う所はない。そういう事だ」
ベル・クラネル。
ファミリアの団長にしてパーティのリーダー。
春姫にとっての英雄。
そして狩人にとっての後輩。
狩人は獣を信じない。
獣とは救いようのない存在なのだから。
狩人は人を信じない。
人は容易く獣へと変ずるものだから。
狩人は狩人自身を信じない。
自身こそが最も救えず、そして呪われるべき存在だと知っているから。
だからこそ
しかし、狩人の言葉に春姫は疑問を投げかけた。
「本当にですか...?」と。
「......どういう事だ?
私が嘘を吐いているとでも?」
誰しも自身の言葉を疑われて気持ちがよくならない。
ましてや嫌っている
ベルが助け、仲間とした。
だからこそ嫌い抜いている
春姫の言葉に狩人の瞳が細まり剣呑な光が宿る。
しかし春姫は怯まない。
「時折狩人様が何か言いたげに私を見ていたことは知っています。私が狐人だからですか?」
「...」
「それとも...私が娼婦...穢れた女だからですか!?」
春姫は冒険者である。
しかし荒事になれている訳ではない。
ヘスティア・ファミリアにおいて九郎やヘスティアにすら劣る最弱であろう。
歴戦の冒険者ですら震えあがる狩人の視線を受けながらも春姫もまた狩人を睨み返す。
春姫はヘスティア・ファミリアへと【
しかし【
それこそがイシュタル・ファミリア。
オラリオの歓楽街を牛耳っていた美の女神イシュタルのファミリアだ。
フレイヤ・ファミリアに匹敵する...とまで言えば過言だが、フレイヤ・ファミリアと鎬を削ることが出来る程度には強大なファミリアであったイシュタル・ファミリア。
しかし強大なファミリアに所属していたからと言って戦う力を持ちもしない
結果春姫は娼婦として幾たびも夜の場に出てきた。
自身の好む英雄譚において破滅の象徴ともされる娼婦にまでなってしまった悲しみ。
過ちも、嘆きも、諦めも全て受け止め先の見えない生活から救ってくれたのがベル・クラネルだ。
「それでいい」と言ってくれた。
「そんなのは気にしない」と受け入れてくれた。
それでもなお吹っ切れない物があるのも事実だ。
仕方がない事とは言え春姫は思わず叫ぶ。
濡れた瞳はドキリとするほど美しく、豊満な肉体は露出の少ないメイド服ですら、いやだからこそその魅力を失わない。
娼婦であった過去を厭いながらその振る舞いには立ち上るような色が付きまとう。
それも
そんな男であれば、いや女であったとしても来るものがある春姫に詰め寄られながら狩人は心の中で叫んだ。
「何が穢れた女だ。貴様はおぼこだろうが!!」
と。
おぼこ、生娘、或いは処女。
春姫は香るような色気を持つ元娼婦でありながら純潔を保っている。
一部の
それを語るにはサンジョウノ・春姫の半生と歓楽街での騒動について語る必要がある。
◆◆◆◆
サンジョウノ・春姫。
彼女は極東のとある貴族の生まれであった。
蝶よ花よと育てられ箱入り娘であった彼女はしかしある過ちから家族より勘当されてしまう。
そうして流れついた先がオラリオの歓楽街。
春姫の持つ魔法に目を付けたイシュタルの眷族になり娼婦として糊口を塞いできた。
しかし同じ極東の出であり春姫の知己でもあるヤマト・命が春姫の噂を聞き歓楽街でその存在を探そうとする。
それを知ったベル達も春姫を救おうとし、そこにイシュタルとフレイヤの因縁や禁じられた魔道具である殺生石などが絡んだ結果、イシュタル・ファミリアとフレイヤ・ファミリアが正面衝突し歓楽街が壊滅したというのが先の騒動の真実である。
さて、話を戻そう。
春姫は箱入り娘である。
それはもうどこに出しても恥ずかしくない箱入り娘っぷりであった。
しかし箱入り娘の様な悪しき物から守られ育てられた者は時として自分が育った外の物に強い好奇を起こす。
春姫もそうだった。
家族や周囲が隠していた物事に興味を持ち隠れながら調べた。
つまり春姫は耳年増となったのだった。
そんな春姫がいざ娼婦として客と閨を共にしようとした時の事であった。
相手の男が自身の衣服を緩めただけで春姫は気絶した。
男と女のあれやそれやを聞いたことしかない春姫にとって男の裸とは余りにも刺激が強すぎたのだ。
何ならばベルと出会った時などベルの鎖骨を見ただけで倒れたほどである。
つまり春姫は耳年増である上にむっつりスケベでもあったのだ。
そうして気絶した春姫は夢の中で男と女のあれこれをした。
実際に男の体も見たことがなかった春姫であったが男と女のあれこれについては日夜妄想しておりイメージトレーニングだけはバッチリだった。
つまり春姫は耳年増でむっつりスケベでその上妄想力も豊かだったのだ。
日夜欠かさず行っていたイメージトレーニングが功を奏して...奏して?まあとにかく春姫は自分が見た夢を現実だと思い込んだ。
問題は
娼婦を買いいざことに及ぼうとすると相手が気絶してしまった。
これが一部の
気を失っている女性にそんなことをしようとする男はそういない...少なくともこの時春姫を買った男は紳士的ではあった。
娼婦を買いに来る程度にはむらむらしているというのに肝心のお相手が気絶している。
かといって気を失っている相手に手を出すほどの外道でもない。
色んな意味で苦悩する男の前に現れたのはアイシャ・ベルカ。
実質的なイシュタル・ファミリアの最高責任者である。
「やっぱりこうなったか」と何処か楽しそうに笑うアイシャに連れられた男を迎えたのは部屋に立ち並ぶイシュタル・ファミリアの
イシュタル・ファミリアはオラリオにおいても有数の大派閥でありながらその構成員の割合が女性9割男性1割という他にはなかなか類を見ない女性中心のファミリアであった。
その中でも最も多いのが冒険者として戦いながら娼婦としても働く【
アマゾネスという種族は──無論個人によってその程度は異なるが──本能的な所があると言うべきか、あけすけで欲望に忠実という特徴がある。
それ故多くの場合悲観的に見られるだろう娼婦という仕事においても自身の好みの
凡その場合アマゾネスにとって好みのタイプというものは【自身よりも強い
つまるところ男を出迎えたアマゾネス達はみな【その男】が好みであり
かくして春姫の妄想力とアマゾネスの性癖もとい性格、そして意識を取り戻した春姫にからかい半分にアイシャが投げかけた「これであんたも一人前だね」という言葉によって、実際には男の裸を直視することも出来ないおぼこが娼婦としての第一歩を踏み出したと勘違いしたという訳である。
その後も春姫は娼婦としての仕事の度に意識を失い、そうして春姫のお相手は(そのお相手が好みの)アマゾネスが捕食するというWin-Win...と言っていいのか微妙な関係は続いた。
とは言えそれは娼婦としての仕事を全うしているとは言い難く、もしも
しかし、イシュタルとしては春姫という個人はどうでもよく、むしろ注目しているのは
その為とりあえず自身のファミリアの中で捕まえておけるのであれば細かいことは気にしなかった。
又、アイシャとしても純潔を保っていたとしてもそれが何だというのか。
この先一生春姫は自由になる事はなく、行きつく先は殺生石──儀式によって
かくして偽りの娼婦生活を過ごす中で
幾つものファミリアを巻き込む大騒動へと発展していったのだった。
ヘスティア・ファミリアがその中の一つであったことも、一方で狩人が渦中から離れた所にいたこともすでに語ったが正確にはそれは間違いだ。
狩人は意図して省かれていた。
とは言えそれはそうだろう狩人の
いくら狩人達を先輩として慕い全幅の信頼を寄せているベルと言えど、いや狩人の獣に対する憎悪の深さを知るベルだからこそ春姫について相談をすることが出来なかった。
ならば自分達で何とかしようとする方が建設的だ。
それ故実際に狩人が春姫と会ったのは全てが終わり春姫が仲間になってからだった。
「穢れた身ではありますがこれよりよろしくお願いします」と挨拶をする春姫。
「穢れただなんて言わないでよ」とフォローするベル。
「まあ、後ろめたい過去は誰しも持つものです」と不承不承ながら仲間として受け入れるリリルカ。
それらを見ながら狩人は心の中で呟いた。
「いや、こいつ未通だぞ?」と
人並外れた──それこそ獣じみた──嗅覚故か、或いは子を求める上位者としての本能か。
狩人は春姫が清らかな乙女であることが分かり、そして苦悩した。
なんせベル──と救われた
これが灰辺りならば「いや、そいつ処女だろ?」と空気を読まずにズバッと言ったのかもしれないが少なくとも狩人にはその辺を気にする程度の人間性が残っていた。
何より自身は獣嫌いの狩人。
春姫は
本人から近寄らないだろうし、そうでなかったとしても周りが遠ざけ関わることはそうないだろうと考え狩人は黙ったままでいた。
それが更なる苦悩に続くとは知りもせず。
◆◆◆◆
ある時の事だ。
狩人が部屋の隅で日光浴をしているとそれを知らずにファミリアの女性陣と部屋に入って来た春姫が会話を始めた。
それも男性とのお付き合いについての話を。
彼女たちにとって元娼婦である春姫は自分たちの知らない知識を持つ百戦錬磨の
狩人とて永らく獣狩りの夜を彷徨った身、その中では娼婦の女性と関わったこともあるのだから男女のあれこれについて何かを言うような事はない。
そもそも猥談...というよりも卑猥な冗談ならば灰の方がよほど酷いのだから気にも留めはしなかっただろう。
その中で春姫が恥ずかしそうに、しかし経験豊富であるように振舞っていなければ。
ツッコミたい。
果てしなくツッコミたい。
彼女のことを心配して様子を見に来たアイシャによって春姫の過去を聞いていた狩人は苦悩した。
しかしながら今更自分の存在を明らかにするのもどうか。
春姫たちが部屋に入ってきた時点で起きていればこんなことには、いやそもそも初めて顔を合わせた時にはっきりと言ってしまえばよかったのだ。
狩人の苦悩は自身のコートのポケットに忍ばせていた青い秘薬の存在を思い出すまで続いた。
またある時だ。
春姫が拠点の掃除をしていた。
元々ヘスティア・ファミリアの家事は主に九郎が担っており、掃除洗濯炊事日々の買い物などさまざまな仕事をこなしていた。
しかしながらヘスティア・ファミリアの拠点が【廃教会】から【竈火の館】へと移ったことによって家事の量も増え九郎一人では手が回らない部分出てきた。
その手伝いを買って出たのが春姫だ。
傍から見れば新入りにファミリアの雑用を押し付けているようにも見えるだろうが、実の所家事を任せることが出来る程春姫が細やかな気遣いが出来る人物だったというのが正しい。
女神であるヘスティアはもちろん冒険者であるベル達も案外だらしがない所があり、灰達に関しては言うまでもない。
ともあれ春姫が拭き掃除をしていた時の話である。
机の上に置いてあった花瓶を動かそうとした。
それを見たベルが手伝おうと手を伸ばし二人の手が触れあった。
短い悲鳴を上げる春姫、「ご、ごめん」と顔を赤らめながら謝るベル。
そしてそんな二人を見た狩人は自身の中で渦巻く感情と戦っていた。
狩人の感情が僅かばかり分かりにくいかもしれないので例え話をしよう。
あなたには娘、或いは妹分がいる。
可愛い、可愛い、目に入れても痛くない様な娘だ。
その娘が最近
...なにやら一部の
あなたはそんな二人の付き合いを認めてはいなかったが、娘からは「あの人はうわさの様な悪い人ではない」と言われ、チャラ男からは「自分が信用できないのは当然でしょうが、あなたの娘に救われたのです。決して娘さんを泣かせるようなことはしません」と言われた。
二人の真摯な態度に心を動かされたあなたは二人の付き合いを認めることにしたのだ。
しかしあなたは大切な秘密を知っていた。
チャラ男は
あなたは苦悩した。
そうして二人が納得しているのならば口をはさむ必要はないだろうと黙っていた。
しかしチャラ男は何かにつけて
...
◆◆◆◆
そんなこんなが降り積もった果てに狩人は我慢が出来なくなった。
とは言え相手はファミリアの
獣に対しては悪鬼羅刹の如くである狩人とて中途半端に親しい間柄である春姫に対して「お前処女だろ」と宣言することは躊躇する。
それ故にまずはお茶でも、と思ったのだが、結果は御覧の通りだ。
(私が一体...何をしたと言うのだ...)
獣に対するようにすべてを突き放す程冷淡に接する訳にも、かといって
腹立たしい程快晴の空に
どうも皆さま
9kvをマラソンしている時に気分を変えようと違うダンジョンに潜ったら一発で狙いの血晶石が出て三度見したことがあります
私です
前書きでも謝りましたが春姫ファンの皆様ごめんなさい
こう戦争遊戯の話を書きながらこの章で終わりにしようかな~どうしよっかな~
と最初の抗争で終わりにするかそれとももう少し続けるかを考えている時に
次の章があるとしたら間違いなく狩人がネックだよな~とか思っていたら
頭の中の狩人が春姫に向かって「処女がガタガタ抜かすな」と一喝したのがこの話の始まりです
これは酷い
そんなイシュタル・ファミリア編の構想ですが
イシュタル
なんか企んでた神はみんな灰達によって天界に還ったのでは?ですって?
いや、まあ。この神がいないと話が始まらないのでたまたま見逃されたとかそんな感じ
とにかく原作通りフレイヤへの襲撃を計画していた神
原作とは違う所はベルの存在を知った時全力で帰そうとした
帰って...お願いだから帰って...
ベルを帰らせた後速攻でヘスティア・ファミリアと協定を結び灰達が自分達に手を出せないようにした知恵者
でも灰がフレイヤ・ファミリアにチクりに行ったので結局天界に還った
アイシャ
春姫の面倒を見ていたアマゾネス
原作では「春姫の事を(イシュタルから)助ける覚悟はあるのか」とベルに問うていたが
この話では「春姫の事を(狩人から)守る覚悟はあるのか」と問いかけた
...何でおんなじファミリアの仲間から守らなければならないのか
火の無い灰
ヘスティアとイシュタルが協定を結んだのでイシュタルを相手に出来なくなった
それはそれとしてフレイヤ・ファミリアに「あいつお前らの所に襲撃するつもりやぞ」とチクリに行った
馬鹿め俺を制御できるとでも思ったか!!
絶望を焚べる者
灰と同じくイシュタルを相手に出来なくなった
それはそれとしてフレイヤ・ファミリアとイシュタル・ファミリアの衝突によって崩れ行く歓楽街において自分の商会の部下を引き連れて救助活動を行った
...ミラのルカティエル装備で
致していたりピロートークしている所に仮面を被った不審者に乱入されたお客たちはビックリしただろう
...仮面を被ってなくてもビックリする
狼
灰と同じくイシュタルを相手に出来なくなった
それはそれとして春姫を助けるべく儀式へ乱入するベルのサポートを行った
自分の主は九郎だけであり自分に命令できるのは九郎とヘスティアだけである
忍びはそう思う
狩人
ずっとハブられていた可哀そうな人(上位者)
ずっとハブられたいたことを知った時は狩人の夢で人形ちゃんの硬い膝を涙で濡らした
でも獣人を助ける理由がないのでベルに相談されなかったのは仕方がないと納得した
なんだかんだ言って最後の最後に世界を夢で侵食し月をずらしたことで儀式を失敗させたツンデレ
それはそれとして春姫の無意識処女ムーブに精神的なナニカを削られている
フレイヤ
イシュタル・ファミリアの姦計は知っていたが放置するつもりだったのが灰がチクりに来たので対応することにした
と言うか
「俺達はヘスティアが協定を結んだから仕方ないけれど。お前らはフレイヤに迫る危機を見逃すんだ」とファミリアを灰が煽った
原作ではイシュタルの「自分と何が違う」と言う言葉に「品性」と返したが
この話では「貴女は運が悪かった」と憐れんだ
こんな感じですかね
細かい所の矛盾とか色々あるのですが
そういう感じで話進んでいった後がこの話です
われながら酷い話だ...
ついでにヘスティア・ファミリアの新しい拠点を持て余している
と言いますか部屋が余っている(いた)ので灰達は壁をぶち抜いて大部屋としてそれぞれ使っており
その部屋の中に【廃教会】時代の部屋(空間)に繋がるナニカが置いてあります
春姫を狩人の部屋に招き入れてから
そういえば灰達の部屋って異空間だったと思い出した...なんてことはありませんよ?
さてこれにてこの小説のネタは全て投稿させて頂きました
詰まる所今度こそ本当に完結です
感想を送ってくださった方
誤字脱字を報告してくださった方
評価してくださった方
お気に入り登録してくださった方
そして一年と少しの間見て下さった方とこれからこの小説を読んでくださる全ての方に
ありがとうございます
これから下は完結ついでに私が書きそびれた設定とかを適当に垂れ流している場所です
詰まる所読まなくてもいい奴です
お暇な方はどうぞ
そうでない方はお戻りください
長い間ありがとうございました
また私が何か書いたりした時には来ていただけると嬉しいです
それでは
火の無い灰
実はヘスティア・ファミリアで一番の大食漢
一部の野菜以外は何でも食べる
草は一生分食べたとは本人の台詞
鎧を脱いで黙っていれば実はワイルド系のイケメン
口を開いてもワイルド
うんこを投げるのはワイルドで済ませて良いのか
少なくとも野生ではある
ちなみに本気を出した場合
パッシブで周囲を燃やすので突破する手段を持たない絶望を焚べる者相手なら負けない
「これが始まりの火の力だ」
「私ミラのルカティエルだけど始まりの火を使うのはズルいと思う」
絶望を焚べる者
灰の次にヘスティア・ファミリアでよく食べる
よく食べよく動きよく寝る
それこそが良い生の源とのこと
...あんた不死者だけどな
仮面を外して黙っていれば実は美男子
口を開くとミラのルカティエル
なんかもう分類がミラのルカティエル
本気を出した場合
...と言うかメンタルが可笑しいので発狂しない上に夢の世界(ヤーナム)を何度も繰り返していくうちにRTA或いはTASみたいな動きで攻略できるようになるので狩人相手ならば負けない
「これこそが人の底力だ」
「素敵だ...やはり人間は......いや、お前を人間と認めるのはなんか違う」
月の狩人
実は偏食が凄い
肉が嫌いで野菜が嫌いで魚が嫌いで甘い物も嫌いついでに果実も嫌い
と言うか食事が嫌い
買ってきたワインや自作したスープで食事を終わらせようとするので九郎によく怒られている
マスクを取って黙っていれば耽美系
まつ毛とかばっさばさ
口を開けばブチギレ狩人
本気を出した場合
相手を見ただけで発狂させられるので灰の防護壁を突破できる上に世界ごと焼こうとしても夢の世界に取り込むことで被害を抑えることが出来るので灰相手なら負けない
「どれだけ鎧を纏おうとも心を守ることは出来ん」
「見られるだけで発狂とかインチキもいい加減にしろ」
狼
なにか食べている場面が多いが食事量はそんなに多くない
ただお米が大好物なのでおにぎりやおはぎお餅が食卓に上ると
少しテンションが上がる
実はというか元からイケオジ
黙っていればイケオジ...と言うか口を開かない
本気を出しても灰達に一歩及ばず有利が取れるのが焚べる者相手ぐらいだが
本気の場合意識外からの奇襲が本領であり
不死斬りを装備している関係上ワンチャン本当に殺せるので
本気の殺し合いになった場合一番殺り合いたくない相手だったりする
こんな所でしょうか
それでは重ね重ねありがとうございました