とある企画にて一時間で作成したものです。
このままにしておくのももったいないということで投稿いたします。
一時間クオリティなので、そこまで洗練されたものではありませんが、ご容赦ください。
あ、初投稿です。
「私、曇りが一番好きなんですよねぇ、咲夜さん。」
「何故?雨が嫌いはまだわかるけど、晴れてる方が気分が良くならない?それにあなたなら昼寝日和だぁ、とか言いそうなんだけど。」
「うーん、まぁ、その、日光がちょっとばかし苦手なんですよね…。」
とある日の紅魔館での会話より
今日も今日とて暇な一日。ここ、紅魔館でも暇を持て余している妖怪が一人いた。
その名を紅美鈴。紅魔館の門番をしている彼女だが、この幻想郷において門番というのは非常に暇な仕事なのである。妖怪の巣窟であるこの紅魔館に来るのは魔理沙か霊夢か実力のある妖怪ぐらいなのだが、そんなそんな連日くるわけでもないので、暇なのである。
「うーん、暇だ。今日は妖精たちも来ないみたいだし、何もしてないと眠くなってくるなぁ…。昼寝しようかなぁ…。」
昼寝をするとメイド長である十六夜咲夜から叱られ、彼女の機嫌が悪い日はナイフを刺されるのだが、逆に言ってしまえばそれだけである。妖怪である彼女にとってナイフが刺さったぐらいでは死なないので、それならそれでいいかと思い、昼寝を決め込むのであった。
「ハァ…全く…」
私の名前は十六夜咲夜、ここ紅魔館でメイド長をやっております。そんな私ですが、最近の悩みが一つ。それはこの美鈴とかいうやつが真面目に門番をしないことである。別に紅魔館にお客様も侵入者もそうそうやってこないので別に門番がいようといまいとそこまで変わりはしないのだが、門番として立っている以上はちゃんと仕事をしてもらわないと紅魔館の面子が潰れてしまう。
彼女にはたびたび説教をしてはいるのだが、これは今度本格的に『お話』しないといけないか、などと考えていたが、彼女の寝顔を見ていると段々と腹が立ってきた。ただでさえ今日はお嬢様の我儘が酷くイライラしていたのだ。そこにこんないい寝顔を見せられたら…
気が付いたらナイフを額に向かって投げていた。これまでに何度か投げているため忌避感なく行えた。ただ、投げてからとあることに気が付く。
(あっ、銀のナイフ投げちゃった…まぁいいか。どうせ手入れしようと思っていたところだったし。)
普段彼女は普通のナイフを使用しており、銀のナイフを使うことはあまりない。なぜなら、手入れが普通のナイフの方が数倍簡単だからだ。だがしかし、偶々今日はナイフの手入れをしようとしていたため、手の取りやすいところにあったのだ。無意識でナイフを投げたため、取りやすいところにあった銀のナイフを投げたのだろう。
普段どうり投げたナイフ、今回も同じように刺さるだろうと思っていた。
しかし、美鈴に刺さる直前、ナイフが『弾かれた』。美鈴が手で弾いたわけではない。何か結界のようなものに阻まれた。
「えっ?」
暫し咲夜は呆けてしまう。それも仕方がないであろう。彼女が結界を使うなど聞いたことがない。だが完全で瀟洒な彼女はすぐに立ち直り、思考を巡らせる。
様々なことを考えたが、もう一度確かめてみるのが早いと、先ほど弾かれたナイフを拾い上げ、今度は直接額に刺そうとする。しかし、弾かれる。
結界が何度も反応したせいか、門番の彼女は目を覚ます。
「あれ、咲夜さん。おはようございます!」
「おはようございます!じゃないわよ。寝てたことに関していろいろ言いたいのだけれど、その前に。貴方結界なんて使えたの?」
「結界?………ナンノコトデショウ?」
「その言い方は知っている言い方でしょ…」
咲夜は一度ため息をつき、問い詰めるように聞く。
「私が前投げたときには、こんな結界なんてなかった。暇だったから習得でもしたの?私に刺されないように。」
「!そっそそそうなんでs」
「嘘ね。んじゃこれは違うと。後は…前は普通のナイフだったけど今回は銀のナイフだった、そこらへんに理由があるのかしら?」
「!そっそそそうなんでs」
「成る程、銀のナイフ関連という事ね。」
「なんでわかるんですか!」
「だってあなた、わかりやすすぎるんですもの」
今度は美鈴がため息をつく番だった。
「で、何で銀のナイフだと結界なんてものが出てきたの?」
ぐい、と詰め寄る咲夜に対し、先ほどとは打って変わって強い目をした美鈴が答える。
「そ、それに関しては絶対に言えません。たとえ咲夜さん相手であってもです!」
「へぇ、それはなぜ?」
「言えません!」
「ハァ…まぁいいわ、今は時間がないから後で聞いてあげる。今日は日が暮れたら中に戻ってきていいから。私は仕事に戻るわね。」
そういってすぐに消える咲夜。それを見てため息をつく美鈴に対し、どこからともなく声が聞こえてくる。
「貴方、あの人間にめっぽう弱いみたいだけど、ちゃんと秘密、守ってよね。」
「ええ、わかってます。『私の家』をこっちに送ってもらったお礼もありますし、約束はちゃんと守りますよ。」
「そう、それならよかったわ。」
声が聞こえなくなりまた一人になる美鈴。なんて言い訳しようかなぁ、なんて考えつつ、門番の仕事を続ける美鈴であった。