超次元、プラネテューヌにて女神候補生ネプギアとのある一日のお話。

※超次元ゲイムネプテューヌmk2の10周年を祝っての作品です
※ーーーさんは、あなたでも良いし、誰かでも良いです

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記念すべき超次元ゲイムネプテューヌmk2の10周年記念です!
ネプギアちゃん可愛い!これからもネプギアちゃんは可愛い!
ネプギアちゃんよ、永遠に!

あ、文字数少ないの許して…許して…


いつものように綺麗な君と

昼少し前にプラネテューヌの公園で待ち人を待つ。

少しの緊張と共に、世話しなく携帯の電源をつけては時間を確認する。実は間違ってました、という事はない筈だ。

 

「ーーーさん!すみません、お待たせしました!」

 

明らかに自分を呼ぶその声に顔を向ける。

やって来たのはセーラーワンピの十字型のアクセサリーを着けた薄紫の長髪の女の子。

プラネテューヌの女神候補生、ネプギアだ。

今日はネプギアと遊ぶ約束をしていたのだ。

いつものようにどちらかの家でもよかったのだがネプギアからたまには外で遊びませんかと言われ、そうしようと決めて二人でこの日のこの時間、公園で待ち合わせをしていたというわけなのである。

 

待たせてしまったと申し訳なさそうに言うネプギアに、少しテンプレではあるが今来たところだと伝える。そもそも自分が早めに来てしまったのであって、ネプギアは時間通りに来たのでどちらかというと浮かれ気分の自分が悪いのだ。

自分の言葉もあってか調子を取り戻したネプギアは

 

「えへへ…ーーーさん、今日はいっぱい遊びましょうね!」

 

笑顔でそう言って、頑張りますというように握った両手を自身の胸の前にやって、やる気満々な様子を見せる。

…といっても、今日は別にスポーツをするわけでもないのだが。

外で遊ぶ、といってもゲームセンター等もあるのでそこに行く予定なのだ。

 

それから、行こうかと手を差し出すとネプギアは嬉しそうに差し出した手を握って二人で歩きだす。

今日はこの可愛らしい女神候補生と思い切り楽しもう。

そう思う自分は、空と同じ晴れやかな気分なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガヤガヤとした人達の声と様々なゲーム音が耳に響かぬ程度に響く。やって来たゲームセンターは広く、久しぶりにやってきたのもあって思わず目を輝かせてしまうが、隣にネプギアがいるのもあって自制しなければと落ち着いていく。

 

さて、何をしようかと思ったものの妙にある場所をそわそわとした様子で見ていた。

どうかしたのかと聞くと、少し誤魔化すように「いえ、あの…」と慌てた様子であったが次第に落ち着いてきたのか

 

「あの、クレーンゲームに…お姉ちゃんのぬいぐるみが…」

 

それを聞いて、そこのクレーンゲームに女神パープルハートのぬいぐるみがあった。

なるほど、確かに姉であるパープルハート…ネプテューヌが好きなネプギアには欲しいかもしれない。

よし、とネプギアの手を引いてクレーンゲームの方へと歩いていき、ネプギアに自分が取ると伝えると慌てたようにネプギアは手を横に振る。

 

「そ、そんな!それくらいなら私が取りますよ!」

 

そう言われても、自分がネプギアに取ってあげたいのだ。

自分が取って、プレゼントしたいと伝えるとネプギアは考え込むようにし…それから、小さく頷く。

 

「ーーーさんがそこまで言うなら…分かりました。

えっと、頑張ってください!」

 

応援されて、財布を取り出してお金を入れる。

応援されたのならばより一層やる気が出る。それもネプギア程の美少女ならば俄然やる気になるというもの。

パープルハートのぬいぐるみは何個かあり、その中でも近いのを狙おうと操作する。

慎重にガラスの向こうを見ながら操作していき、ここだ、と操作ボタンから手を離す。

 

クレーンが下へと伸びていき、パープルハートの体を挟んで持ち上げる。

持ち上げて動き…だそうとした時だった。

 

「ああ!お姉ちゃんの頭が大きくて落ちちゃった…!」

 

ネプギアの言う通り、挟んだ所のバランスが良くなかったのか頭の重心に引っ張られてそのまま落ちてしまった。

実際その通りなのだがその発言だとパープルハートの頭が無駄に大きいみたいで吹き出しそうになる。

何とか堪えるも、ぬいぐるみを一発で取れなかったショックが襲い掛かる。何ということだ、良いとこ見せようという自分の思いをクレーンゲームは受け取ってくれなかったようだ。許すまじクレーンゲーム。

 

「あ、あはは…でも惜しかったですよ。…ーーーさん?」 

 

慰めてくれるネプギア。

しかし、今自分にあるのはこのクレーンゲームに打ち勝とうという意思のみ。財布を取り出し、小銭を五回分入れる。

全力で取りに行く。自分のため、ネプギアのためにこのクレーンゲームを攻略して見せる。

今の自分は阿修羅すら凌駕する存在かもしれない。

 

苦笑するネプギアが見えるが、彼女も自分がこういったことに躍起になる性格なのは知っている。

だからこそ、しばらくは何も言わずにいてくれるのだろう。

 

(本来ならお金の使いすぎになっちゃうって止めるべきなんだろうけど…ーーーさんは私のために取ってくれるって言うから…嬉しくて、ちょっと見てたい、かも)

 

自分は少し頬を赤くするネプギアに気付くことなく、クレーンゲームにチャレンジをしていく。

 

…それから十分程が経過。

 

「あの、ーーーさん。流石にやめませんか?」

 

ストップをかけるネプギアの声に、自分は項垂れるしか無かった。

まさかここまで下手だと思いませんでした、はい。

何度やってもぬいぐるみ一つ取れないとは…。

クレーンゲームから少し離れる自分を見て、何を思ったのかネプギアは自分の財布を取り出す。

 

まさかやるのだろうか。

そう思ってネプギアに訊いてみると、彼女は強く頷いた。

 

「ーーーさんの仇は、私が取ります!」

 

ネプギア…!

強い意思のこもった目に自分は感涙しながら頑張ってと応援する。

ネプギアはそれから小銭を入れて、クレーンゲームのボタンを使ってクレーンの操作を開始する。

 

「確か、ーーーさんはこうしてたから……ここまで動かして……ここ!」

 

ネプギアが考えてることを口に漏らしながら動かしていき、ストップ。そうして下へと伸びていくクレーンに自分もなんだか緊張する。クレーンはパープルハートを挟み、持ち上げる。

持ち上げる時もぶれる事がなく…完璧な位置だった。

そのまま横へと移動していき…

 

「あ…やった、やりました!ーーーさん、取れましたよ!…あれ、ーーーさん?」

 

大はしゃぎのネプギアとは別に、自分も嬉しいことには嬉しいのだが何度もやったのに対してネプギアは一回で取れたのを見たのもあって心はズタズタである。ネプギアが要領よく色々と覚える子なのは分かっていたが、まさかクレーンゲームも当てはまるとは思いもしなかった。

 

ネプギアはそんな自分を見て、肩に手を置く。

顔を上げる自分が見たのは、微笑むネプギアで。

 

「落ち込まないでください。ーーーさんが頑張ってくれたから、取りやすくなってたし、私もやり方を覚えられたんです。だから…これは私たちの、特にーーーさんの頑張った成果なんですよ!」

 

そう言われて、自分は救われた気分になる。

確かに、ネプギアが覚えられたのは自分のお陰なのもあるのだろう。自分は失念していた…クレーンゲームとは、協力するものだったのだ。

 

※クレーンゲームは一人用です

 

調子を取り戻した自分は二人で落としたパープルハートのぬいぐるみを取り出して、ネプギアに差し出す。

 

「…本当に良いんですか?あんなにお金使ったのに…」

 

元々ネプギアにあげたかったから、と伝えるとネプギアはそういえばそうでした、と思い出したように小さく笑ってから受け取る。

そして、大切そうに抱き締めて、笑顔を見せてくれた。

 

「えへへ…お姉ちゃんのぬいぐるみなのもそうだけど、一番は…ーーーさんと取れたから、嬉しいんですよ」

 

そう伝えるネプギアの言葉は慰めでも何でもなく心から思っているのが分かって、自分の金はこの為に使われたのだと思える。

そうして頭を優しく髪を梳かすように撫でれば嬉しそうに目を細める。

そうして、他のゲームも楽しもうかと思ってこんなこともあろうかと用意しておいた大きめの買い物袋を取り出してぬいぐるみを入れてあげる。

 

「じゃあ、次は…」

 

それから自分達はこれをしようと思ったのをプレイしていった。

ちなみにホッケーゲームやシューティングゲームは勝てなかった。

悔しいけどこれ、現実なのである。

その代わりレーシングゲームをやった時は自分が勝った。

多分次は負ける。

上達が早くて自分は嬉しいやら寂しいやら。

長い時間やったのもあって満足した自分達は帰ることにしたのだが…

 

 

 

外に出ると、大粒の雨が降っていた。

 

「あはは…あとは帰るだけなんですけど…」

 

困ったように空を見るネプギアに自分も同意する。

当然ながら傘なんて持ってきていない。

ここから教会まで少し距離がある。かといって自分の家もそう近くはない。

雨は止む様子もない。

天気予報では晴れだったのにやっぱり予報に全幅の信頼をしてはならない。

 

しかし自分は上着を着ていない。

役立たずここに極まれりであった。

 

「雨が止むまでゲームセンター…といってもこれ以上は疲れますよね…」

 

そう言って自分の方に苦笑を向けるネプギアに、自分も苦笑してから、少し待っててくれる?と訊く。

 

「?はい、分かりましたけど…えっ!?」

 

ネプギアが驚くのを気にすることなく、自分は自分の家に向けて走り出した。

それから少し振り返って、傘を持ってくるから待っててと伝える。

今言っておくことでネプギアに反論をさせないという作戦だ。

ネプギアはそれを察したのか頬を膨らませて

 

「頭を拭いてから戻ってこないと怒りますからねー!」

 

そう言ってくる彼女に微笑みながら家に向けて走る。

冷たいし、服は濡れるし、少し散々だと思うがネプギアが濡れずに済むと思えば苦ではない。

そうして家に着いた自分は傘を取って戻ろうと思ったが頭を拭くことにした。これが原因で風邪を引くとネプギアは自分を責めるだろうからと、さっとタオルで服はともかく頭や顔を拭いてから行く。

 

それから自分はネプギアの元へと戻る。

 

「あ、おかえりなさい。…ちゃんと拭いてきましたね。」

 

戻ってきて、傘を差し出すとネプギアはまず自分の状態を確認してきて拭いてきたのが分かるとうんうんと頷いてからお礼を言いながら傘を受け取ってくれた。

 

「ありがとうございます。…一本だったら相合傘だったのになぁ

 

お礼の言葉の後の言葉は小さくて聞き取れず、どうかしたかと訊くと慌てた様子で頬を赤くしながら首を横に振る。

 

「えっと、帰りましょうか!あ、でも今日はお別れですね…」

 

そう、別に一緒に暮らしている訳ではないのでお別れして帰ることになる。

そうなるね、と頷くとネプギアは顔を赤くしながら自分の服の裾をキュッと掴んできた。

 

「えっと……もう少し、一緒にいたいなぁって…ダメ、ですか…?」

 

恥ずかしそうにそう訊いてくるネプギアに自分も恥ずかしくなる。

けれどそう訊かれて、自分ももう少しいたいという思いを自覚して、頷く。

 

「…えへへ、じゃあもう少し、遊びましょう!」

 

頬を赤くしながらも笑顔でそう言うネプギアに自分も笑顔で頷いてから、歩きだす。

どっちがいいと訊くと自分の家がいいと言われたので、教会ではなく自分の家へと向かう。

 

傘を差しながら、手を繋いで雨の中を歩いていくのだった。



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