そしてついに50話目!
今度こそ間違いない!
正真正銘50話目だ!
やったーーー!!!
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「ニャー」
「おめでとう」
雲ひとつない快晴の青空の下。
見渡す限り何もない。しかしどこか美しい光景が広がる中で、僕はたたずんでいた。
そんな僕を囲み、皆んなは笑顔で拍手し、祝ってくれていた。
何を?
それはもちろん..........いや、思い出せない。
「「「「おめでとう」」」」
ハゲ散らかした今は亡き親友。
友人であるデュラハン。
仲間の少し抜けてる少年。
爆裂少女。
ドM。
水色。
仮面の先輩(仮)悪魔。
色々でかいポンコツリッチー。
いつぞやのイケメン勇者。
猫。
石鹸に包まれたスライム。
男女キメラ。
でっかい(意味深)神様(魔属性)
悪魔信仰者貴族のおっさん。
友人悪魔A。
サキュバス数人。
魔王のおっさん。
ヤンデレ戦闘狂お姫様。
などなど...........
故人であるはずの友人や打ち倒したはずの魔王軍幹部。
それに『あんたを殺して私も死ぬ』をしそうなお姫様や頭のネジが一本抜けた駄女神など、なんとも奇妙で不思議な光景である。
「みなさん....ありがとうございます....!」
「!?」
そして、そんな声を上げたのは僕じゃない。
「エリス様ッ!?」
そして隣にはエリス様。
やはり今日も美しい。
いとうつくし。
え、ちょっとまって?
手を、手は、手が繋がれているだとぉぉぉぉぉ!?!?
待て待て待て待てまずいまずいまずい
体温の上昇を検知。
手から伝わる柔らかさを検知。
心拍数の上昇を検知。
なんかいい匂いを検知。
「私たち、やっと結婚できましたね」
.....
............
..................
けっこん?
ケッコン?
KEKKON?
زَواج?
Matrimonio?
결혼?
結婚ンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンン!?
「一緒に幸せになりましょうね?」
僕がこの尊き女神エリス様とKEKKON?
夢か?夢なのか?
ああ....だめだ。
状況に理解が追いつかない。
だが、たった一つだけ、わかっていることがある。
それは─────
いつだってエリス様は尊いということだ。
◆
何か、とてもいい夢を見ていた気がする。
ぬるま湯のような安眠から意識が浮上する。
未だ瞼は重く、倦怠感が身体中を包み込んで離さない。
今は何時だろうか。
僕はいったいどれほど眠っていたのだろうか。
そもそもここはどこだろう。
確かアルベルトのやつと喫茶店に行ったのだったか。
そこから先の記憶がどうも、もやのかかったようで思い出せない。
ひとまずは起きよう。
この心地の良い眠気から脱することは、ある意味拷問と呼ばれてもおかしくない苦行だが、起きねばなるまい。
錆びついたシャッターのようにゆっくりと開き、光を取り入れていく瞼。
しかしそこに映ったのはいつもの見覚えのある自室の天井でも、見覚えのない天井でもない。なにか、白いものだった。
目が光に慣れていないのかぼやけて見えにくい。
しかしそれは次第にその影、形がはっきりとしてゆく。
先ずわかったのは、周囲が純白のカーテンのようなものに囲まれているということ。しかし白一色に見えたそれの天井部分は少し赤みがかった部分もあり、二つの青色の綺麗な宝石が真っ直ぐこちらを見つめるように.....
「..................」
「.................おはよう....かな?」
ああ....そうか.....これは..............
「夢か」
「夢じゃないよ!?」
聞き心地のいい声が耳に響いた。
頰を軽く叩いたり、揉んだりするような感触が伝わってくる。
なんだ、妙にリアルな夢だな。
「いいや夢だ。これは夢に違いない。目が覚めたら目の前にエ、クリス様がこんにちはなんてそんなラノベの主人公のような出来事はあり得ないのだ。あり得ていいはずがないのだ。でなければ僕の理性は瞬時に零を突き破りマイナスに届いてしまう」
「何を言ってるのかわからないけど起きて!」
目を開く。
エリス様だ。
クリスでエリス様だ。
エリス様でクリスだ。
何言ってんだ僕。
瞬きひとつ。
エリス様だ。
瞬き二つ。
エリス様だ。
瞬き三つ.....
「だから夢じゃないよ!」
確かに夢じゃない。
僕のクソみたいな妄想力の生み出す夢ではここまでの尊さは再現できないだろう。権能を最大限使用したとしても不可能だろう。
これぞ神々...いや、創造主の生み出したる最高傑作。
他の
うん。これが現実だということは理解できた。
だがしかし...
「いったいどういう状況だこれは....?」
目の前にいとうつくしきエリス様のご尊顔。
これだけでも浄化案件である。
今にも消えそうになっている僕に説明を求む。
「あー...それは....その...あはは....」
誤魔化そうとしているのかもしれないがエリス様は苦笑いも可愛らしい。
しかし今はこの状況を説明願いたい。
このままでは訳のわからぬまま浄化されてしまう。
「それは.....その...........ほら、私たちってこ、ココココココココ、恋人になったんだよね......?」
「クリス様、落ち着いてくだsここここここここここ恋人ぉ!?」
kkkkkkkkkkkkkk、KOIBITO!?
なんだそれは。
やはりこれは夢ではないか?
いや、まて。
思い出してきた。
そうだあのあと、エリス様が突撃!隣のいかがわしい店!してきてそれから..............
ッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!
よくやった僕!過去の僕!よく耐えた!
よくぞ.....!よくぞぉ.........!
「そそそ、それで.....ね?こ、こっこここ、恋人になったらららrrrrrrr」
「お、おおおお、おおおおお、もちついてくだひゃいクリス様!」
く、まずい!
動揺のあまり僕まで言葉が変になってしまっているッ!!!
落ち着け!こういう時は...そうだ!素数を数えるんだ!確か素数は2、4、6、8、10、12、14.......
いやなんか違うな。逆に冷静になれた。
「スゥーーーー.......ハァーーーーー......」
「お、落ち着きましたか?」
「は、はい......すみません、少し取り乱してしまいました....」
「エリス様が出てますよ?」
「あ」
深呼吸によってエリス様もなんとか落ち着きを取り戻したようだ。
まだ若干顔は赤いが。
「..........い、言わなきゃだめかな....?」
「はい気になって夜しか眠れません」
「寝れてるじゃん!」
よし、つっこみもいつも通り。
いつものクリスモードに戻れたようだ。
見た限りここはどこかの宿屋。
僕はもうバレているからいいがエリス様は違う。
万が一盗聴されていたら一大事だから気をつけねば。
「.....うー.......わかったよ............その...................私たちって恋人......になったんだよね?」
「そうですね。夢みたいですが、どうやらこれが現実のようです」
「う、うん......それは嬉しいんだけどさ............その、恋人になったら..........することがある......よね............?」
「?すること....ですか?」
「う、うん」
「それは一体?」
「そ、それは............」
「それは?」
「っ.............................せ...................」
「?」
「せ.............セ................」
「セ?」
「[規制済み]ッ!!!!!」
.....
.........
.............
「夢か」
「待って待って待って待って!」
夢だこれは。
夢であってくれ。
エリス様がそんな言葉を使うはずがない。
あっていいはずがないこんなこと。
エリス様はトイレもしないしそんな変なことも言わないのだ。
「まってって!私だって言いたくなかったんだよ!でも君の察しが悪いから!」
「僕のせいですか!?誰だってあなたの口からそんな言葉が出るとは思いませんよ!?正統派ヒロイン枠の貴方から!」
「正統派ヒロイン枠ってなんですか?貴方のヒロインは他に
もいるんですか?いないですよね?」
「急にハイライト消すのやめてもらっていいですか?」
非常に心臓に悪い。
というか[規制済み]ってなんだ[規制済み]って。
「ヴェストは私と[規制済み]したくないの?」
「いや、別にいいんですよ?いいんですけど......」
そう嫌な訳じゃない。むしろウェルカム。大歓迎だ。
でも僕らは神と悪魔。
人々の信仰や欲望やらよくわからんものから産まれる我々は、人間など定命のものと違って繁殖を必要としない。そのため[規制済み]をする必要はない。種族によるが、少なくとも僕とエリス様は性的欲求も少ないはずだ。
だから、できるにはできるかもしれないが、why?という話になる。
「その.......先輩があ、愛する人と.......せ、[規制済み]するのは当たり前って....」
「駄女神ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
貴様か!汚れなきエリス様に余計な知識を吹き込んだのは!!
「〜〜〜ッ!ほら!私だけが脱いでるの恥ずかしいんだよ!?早く脱いで!」
「いやー!?待って待って待って!まだ心の準備が!てか服!?今更だけどクリス様エッッッッッッッッッッッッッッッ!!!???」
しかしもうすでにエリス様はヤル気のようだ。いろいろな意味で。
よく見ると身に纏っている服....というか布も、一緒に入っていた毛布一枚だけ。
ミロのヴィーナスに勝るとも劣らない芸術品が如き裸体がそこにはあった。
つまり先ほどまでその状態で一緒に寝ていたわけで.....
っ!まずい意識が飛びかけた!今はだめだ!
気をしっかりと保て!このままでは僕の僕がエリス様を汚してしまうことになる。それだけは絶対に避けねばならない!
頑張れヴェスト!
お前ならやれる!いややっちゃダメだ!
落ち着け!僕は悪魔だ!本来性別はない!故に生殖器も自ら作り出さない限り存在しないのだ!そして!万が一作り出してしまったとしてもこの体の元となった素体から考えて女性器の可能性が高い!つまり!エリス様を汚してしまうことはないのだ!
いや待てだめだ!たとえ女性どうしであろうともそのような行為に至った時点でエリス様は汚れてしまったというわけで.........
「ヴェスト♡」
くぅぅぅぅぅ!!!耐えろ我が理性!!
そうだ、落ち着け、こういう時はベルディアの頭を数えるのだ!
ほら見えてきた!向こうから転がってくるリア充への憎悪剥き出しのベルディアの頭が!ベルディアの頭が1つ。ベルディアの頭が.....
「..............私じゃ、ダメ....なの?」
あ、無理だわこれ。
◆
「ゆうべはお楽しみでしたね!」
後日、妙にツヤツヤしているクリスと少しやつれたヴェストが町で見られるようになったのはまた別の話。
ちなみにあーんな声やそーんな声は全部丸聞こえだったらしい。
主にヴェストのが。
残念だったな。
ヴェストは、受けだ。
ちなみに”その時“の彼がどっちだったかはみなさんの想像にお任せします。
というか50話目がこれって.........百合タグつける?