あわててしあげたので、どうでしょう……?
夜明け前。
きょうからとうとう、ソシャゲコスプレ服を着てお仕事だ。
ぽいぽいと服を脱ぎ、下着も脱いで、首輪チョーカーを残してすっぱだか。そして見せ下着としてビキニ水着を着て、その上にエプロンワンピース、リボン付き腰サポーター。靴下と靴まで履いて、格好を整えに鏡の前に立つ。
「うわぁ」
思わず、声が出た。
服は、最高。この露出や装飾、フリルの多い服は、服にくわしくない自分にもわかる、わかりやすいおしゃれさと、コスプレというある種前世では手の届かないところにあった、特別な行動が、何度着てもうれしくなる。わくわくする。
では、なにがダメなのか。
顔が、ダメだ。
子供らしい無垢さがない。世間
それでも、自分なりの苦労は
云われただろう。オレが見送ったり、出迎えたりするのがうれしいと。なら、オレの役目は朝見れば一日の活力になって、夜会えば疲れが
鏡の前で、にっと笑う。愛らしいラチナの真似をして、目を細め、指で口角を上げ、愛くるしい笑顔を作ると、それを意識しながら洗濯に行った。
中庭の気配を探る。ごそごそ気配がして、ひとあんしん。
もしかしたら、ウルちゃんにきょうもなにかあるんじゃないか。そう思って、ザクウはきょうも早起きした。取り越し苦労だったけど。ほっとした気持ちで、中庭を覗く。
ウルちゃんがお酒のビンをぐいっと傾けていた。
話には聞いてたけど、テラスに腰かけてラッパする姿からは、お酒を呑んでるとは思えない、さみしい背中。せっかくのお酒なんだから、楽しく呑んでほしいのに。きょうのお酒のとき、誘ってあげよう。
「おっと」
ウルが不意に立ち上がり、ぐっと伸びをする。生白い背中で肩甲骨が
なまめかしい動きで身体をほぐすと、ウルはぱたぱたと洗濯機まで行って……急に止まった。
「あ、ちょうちょ」
気の抜けた
ザクウもこっそり目を
なんか微妙な気分になりつつも、“ちょうちょ”を
お尻を突き出して頭を洗濯機に入れているせいで、
下も水着とは聞かされたけど、あまりにあられもなく、やっぱりパンツにしか見えない。ううう。
いけないものを見ているようで、もうやめよう、とした時、ガンと
「あ」
衝撃で、“ちょうちょ”がふわりとどこかに飛んでいく。
ウルはそれを口を開けて見送ると、「悪いことしたな」と独り言して、苦笑い。
“ちょうちょ”に向けた穏やかな笑顔は、気負いのない、ウルちゃんの
……ボクに向けて?
なんで、みんなって思わなかったんだろう、と疑問に思いながら、ザクウはその場をそっと離れた。