ふわんだりぃずの反響凄いですね〜。
流石にあんなレベルのガチデッキを使用する対戦カードは今のところ1組しか思い付いてないので大丈夫です。
大丈夫……大丈夫なんだ……大丈夫だよね?
今回はデュエルなし。
黒咲とのデュエルから次の日。塾の備え付けの長椅子の上で寝っ転がりながら全力でダラダラしていた。
……今、私疲れてるわ。うん、間違いない。最近は伸び伸びとやってた分、反動が来たのかもしれない。メガボーマンダのすてみタックル並の反動がきてるわ。竜舞もしてたわ。
「はぁぁぁぁぁぁ〜〜〜……」
「先生……どうかしたんですか?」
「なんでもあるよ、柚子ちゃん……」
「はぁ、そうですか……って、あるんですか!?」
「そうだよ」
昨日は散々だったな……あんまり怒らないようにって自制してたのに。はぁ、格好つかない。これじゃ私、リモートワークにしたくなっちまうよ……こんなにもみんなとの間にやる気の差があるとは思わなかった。
「まあ、それは後で説明するから……着席して待ってて」
「はい……昨日の、あの後に何かあったのかな?」
柚子ちゃんに着席を促し、私はいつもの立ち位置につく。あまりの憂鬱さに、ため息が出てしまう。
「はぁ……」
全く……面倒事に巻き込まれるのは絶対にごめんだったのに、なんであんなことになったのだろうか。昨日の自分をスクラップ・フィストしたい。その後破壊され墓地に送られた私は墓穴の指名者してくれ。
「こんにちわー! ……って、先生どうしたの?」
「なんでもないよ素良きゅん……いやごめんあったよ」
「あるんだ……昨日まではそんなことなかったよね?」
「ええ……一体何があったのかしら」
何があったか、か……起こったことなんて精々不審者とデュエルした程度なんだけどさ。どっと疲れた。デュエル内容とかと関係なく……ね。
私はこれからしないといけないことを反芻しながら、昨日の出来事を思い返した。思い返したくはないが、そうせざるを得ないのである。その理由は……と、その部分も纏めて思い出して行こうか。面倒臭いけどね、はぁ。
◆ ◆ ◆
突然の乱入者に、思わず視線が吸い寄せられる。あのsilhouetteは……
「貴様は……?」
「赤馬零児……レオコーポレーションの現社長だ」
やっぱりだった。しかし、なんだってこんなところに……
「赤馬、零児……」
「私がいるこの舞網市で、レオコーポレーション直属であるLDSの関係者を襲い続けてきた。私に会いたいが為……違うか?」
……ほーん、そんな理由でこの子達は襲われたのか。ふーん、へー?
「……赤馬零王の息子か?」
誰そいつ。聞いたことないや。それより……
「……あの、忘れていたけれど、救急車呼んでくれません?」
「それに関しては問題ない。あとで我が社の救護班が駆けつける手筈となっている」
そんなものもあるのか……LDSは財団か何かか?
「……この女はこの際どうでもいい。赤馬零児! 俺とデュエルしろ!」
あーこいつ私とのデュエル打ち切りやがった!
「どうでもいいってこの野郎……盤面的にもう負けてる癖に!」
「黙っていろ!」
お、おう……でも、なんでこの不審者は社長とデュエルしたがるんだ?
その理由は、なんでも助けたい仲間がいるそうだ。社長はそう推理していた。瑠璃、と言う仲間がいると言う発言を真澄んが証言していたとか。あれ……もしかして、腹パンシーン見逃してる……?
別に遊戯王アニメファンではないけれど、ちょっと惜しい気がするぞ。迷シーンなのに……
それで、黒咲は社長の父親である赤馬零王と人質交換を行う為に社長の身柄を捕らえたいと。うーん、割とガバガバじゃねその作戦?
「つまりは、私は人質交換の材料と言う訳だ」
「その通り。LDSを襲い続けて来たのも、その魂を封印したカードを送り付けたのも、全ては貴様を誘い出す為!」
いやいやいや、魂を封印したカードって何!? デュエルに負けたらカードにされるの……? いや、アニメだと割とよくあることだった。死んでないだけマシかもしれな……いや充分こえーよ。
しかし、社長曰く自分に人質としての価値はないんだとか。親子仲が良くないのかな? 関心しないなぁ。
「……君が戦いたいと言うのなら受けてやってもいい。ただし、条件がある」
「条件……?」
「その条件を君が飲み、実行してくれたならば……喜んで相手になってやる」
……条件か。なんかロクでもない予感がするな。
「ところで、私はどうしたら……」
「別に私からは何も咎めない。ただ、口止めはする。今ここであったデュエルは口外しないように」
「それはまあ、いいよ」
もし口外したら終了されそうだもん。
「……いや、逆に君には色々と教えておきたいことがある」
「……ふーん。じゃあ、ついでで聞くけどさ。その条件って何よ?」
「貴様には無関係だろう!?」
黒咲声がうるさ……いや、声がでかいのはデュエリスト共有だった。
「ええい、負けたんだからうじゃうじゃすんなし。それで、条件って?」
「条件とは——」
◆ ◆ ◆
「——い、先生! そろそろ授業を始める時間ですよ!」
「ん? ああ、そうか……もうそんな時間か」
これ、アニメとか漫画だと回想シーンで再現されてそうだな……まあ、いいや。それにしてももうそんな時間か。最近の中学生は帰宅が早いな。
室内を見渡すと、確かにこの塾のメンバーは既に全員揃っているようだ。まあ、そんなこと言っても数人しかいないんだけどね!
「さて……嘆いても何も変わらないんだし、授業を始めて行きたいんですけれども……今日は皆さんにお知らせがあります」
「お、なんだなんだ?」
遊矢くん……残念ながらあんまりいいお知らせじゃないゾ。私だって気が滅入るもん。
「この遊勝塾に、新しいお友達(笑)がやってきます。所属自体はLDSなんだけど、何を血迷ったか私のところで学びたいことがあるとのたまいやがったのでやって来てしまいます」
「ちょ、先生言い方が汚いですよ!」
「だってぇ……」
仮にもデュエルで犯罪してた人物だよ? 叙情酌量の余地はなくはないだろうけど、常識的に考えて凶暴な奴と一緒にいたくないもの。
……まず、デュエルで犯罪のところで違和感を感じなくなってきたな私。この世界に適用してきたのを喜ぶべきか悩むべきか。むむむ。
「と言う訳でぇ……まあ今はまだ来てないみたいだけど、その内多分来ると思うのでもう始めますね。今日は、そうだなぁ……」
「あれ、決めてないんですか?」
「昨日色々あったから……」
昨日ちょっと忘れてたから今考えてる。あいつが来るかもしれないなら、多少難しい授業でもしておくか……えーと、たしか昨日はデッキ構築についてだったっけ。
「……よし、今日のテーマはエクストラデッキを使う相手の対処法とでもしておこうかな」
「対処法……ですか?」
「ああ。皆も知っての通り、エクストラデッキからの召喚法はどれもこれも強力だ。しかし、全く弱点がない訳ではない。今日はその弱点なんかについて話そうかな」
この塾の子達……と言うかこの世界の住人は融合召喚とかシンクロ召喚とかをあまり使わない傾向にある。その理由に関しては……昨日、赤馬社長から色々と聞いた。全く、とんでもな事実をいきなり伝えやがって……危うくSAN値減るところだったっつーの。
「まずは、エクシーズ召喚を使う相手に対しての対処法だ。エクシーズモンスターは、例外もなくはないが基本同じレベルのモンスターを2体以上並べてエクシーズ召喚される。恐らくだが、他の召喚法と比べるともっとも使い易い召喚法だろう。何故だか分かるかな?」
「ええっと……」
「はい、はーい!」
「はい素良きゅん」
「他の召喚法と違って、チューナーや融合カードが必要ないから!」
「うん、正解だね」
「わーい!」
かわいい(かわいい)。
「素良きゅんの言った通り、エクシーズ召喚は比較的容易に行えるんだ。これは私の持論でもあるけれど、使えるものは使うべきだと思うよ。エクストラデッキに余裕があるなら、取り敢えずエクシーズモンスターを入れとけば使う機会はある筈だよ」
エクシーズ召喚に特化したデッキじゃなくても、エクシーズ召喚は行える機会が多い。まあリンク程ではないけど。
「最も汎用的なランクは4だろう。レベル4以下のモンスターは基本的並べやすいからね。逆にランク5以上のエクシーズモンスターは召喚しにくい。これも例外はあるけれど……レベル5以上のモンスターは並べにくいからね。でも、出せたら強力なモンスターばかりだ」
「それで、結局どう対処するの?」
「まずは出させないってのが1つ」
「え、エクシーズさせないってこと?」
「そうそう。なんならモンスターを召喚させないところから妨害するのもいいね。ほら、虚無空間+マクロコスモスみたいにね」
「……それはもうやめてくれ先生」
今までのデュエルで虚無マクロ使ってきたからか遊矢くんが萎びたトマトみたいになっている。まあ、気持ちは分からんでもない。
「あとは、そうだな……若干トリッキー気味ではあるが、相手モンスターのレベルを変更したりすればエクシーズ召喚はできなくなるね」
「なるほど……」
「もしエクシーズ召喚に成功されたとしても、焦ることはない。普通の大型モンスターを対処するのと同じように対処すればいい。エクシーズモンスターの場合は基本的には普通に破壊して対処した方がいい。バウンス……エクストラデッキに戻して対処すると効果を再利用されるからね。ここは他のとは違ってエクシーズモンスターにはオーバーレイユニットがある。その為墓地に送られたエクシーズモンスターを死者蘇生などで呼び戻しても効果が使えないことが多い。なので、私は大人しく攻撃力を上げてバトルするか、効果で破壊することを推奨する」
「お、おう……」
本当に分かってるかなぁ? ま、いいけど。いやよくなくね?
それにしても黒咲の野郎こねーな。全く行けたら行くってことか? やれやれ……
「……ん?」
「先生、どうかしたの?」
「……いや、家のエアコン切り忘れてないか気になっただけだ」
「あ、それなら母さんが切っておいたって言ってたぞ」
マジか遊矢ママ、ありがとう。そして切り忘れててごめんなさい。
「えーと、と言う訳でエクシーズモンスターは取り敢えず入れとけってことかなぁ。素良きゅんもだよ」
「え〜、僕もー? 僕は融合召喚だけでいいよ」
「召喚法にこだわっていてはお爺ちゃんになっても私には勝てんよ」
「むむむ……」
うーん……素良きゅん、なーんかおかしいんだよね。まあ、可愛いいいか。内面は知らんけど外面は滅茶苦茶KAWAIIだし。
「次は融合召喚について。これは前にも言った気がするけど、融合召喚は融合を行うカードが必要な分、他の召喚法に比べて消費が嵩む。その消費を如何にして減らすかが融合召喚使いの腕の見せどころと言っても過言ではないだろう。消費が多い分、召喚を無効にされたりすると途端にピンチになる。マストカウンターには気をつけなければならないね」
「あのー先生、マストカウンターってなんでしょうか?」
「マストカウンターはカウンターする場所を見極めることかな。ブラックホールと言った全体除去カードに対しては神の宣告は大抵の場合は撃たざるを得ないだろうが、相手が何をしたどのタイミングで召喚を無効にするかを見極めれるようになると脱・初心者ってところでしょうね」
「「「……」」」
うーん、小さい子にはちょっと話が難しすぎただろうか?
「それから、融合召喚には他の召喚法と違う点があるけれど……それはまた今度にしよっか。んじゃ、次はシンクロ召喚について——」
◆ ◆ ◆
「うん、今日はこんなところかな。デュエルはなかったけど、つまらなくはなかったかな?」
「楽しかったよ!」
「
「ちょ、先生本音出てますよ!」
「ぎゃー!? わ、悪かったからハリセンはやめてくれ!」
ああ、そうだよ。これだよ。こう言うのでいいんだよ、こう言うので。こう言う日常こそが私が求めたものだよ。
「それじゃ、今日のところはもう解散でいいよー。好きにデュエルとかしてくれて構わないよー」
「おう!」
遊矢くんはたしかあと1勝でなんとか選手権に出られるって言ってたっけ。実は、対戦相手は修造先生から聞いていて知っている。まあ……頑張れよ、遊矢くん。
皆んなでワイワイしているので、私はこっそりと席を外してドアノブを回して廊下に出る。すると、まるで不審者のような格好をした不審者がすぐ横に立っていた。やっぱりいたか。
「それで、何か役に立ったかい?」
「……ふん、まあ、聞かないでいるよりかはマシだったかもしれんな」
こいつ、素直じゃねーわリアルファイト強そうだわ面倒臭い奴だな……やれやれ。
ボツ原稿
「毎度のことながら、授業内容決めてないんだな先生……」
ええい、うるさいぞトマト遊矢。お前の本名トマリーにしてやろうか? お? 瑠璃と繋がればトマトと瑠璃で丁度トマリーだな?
シンクロはまた今度。
後書きでやってほしいコーナーってありますか?
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