私は気ままにデュエルがしたい   作:紙吹雪

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さあ、やっとこさスマイルシップカップだ!




44話

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

藤野明美 LP 4000

 

デイモン・ロペス LP 4000

 

 

 ええと、たしか第一コーナーを先に回った方が先攻を取れるルールだったな。昨日試合を見ていた時はそうだった。どんなルールやねん。オートパイロットなのになんだそのルールは……まあいい。

 

 元々Dホイールに関しては完全にトーシロな私がそんな事できる訳がない。今回はソリティアをせずに済むし後攻でも旨味があるデッキをチョイスした。デュエルのアドバンテージよりもこの身の安全を第一に考えて行動しよう。

 

 第一コーナーを曲がる。先にコーナーを制したのは……

 

 

「先攻は藤野明美選手だ〜!」

 

 

 マジか……なんか先攻取れちゃったよ。いや、なんかおかしい。私如きがそんなに上手くできる筈がない。安全運転しか意識してないし。

 

「ふむ……これはデイモン選手、わざと先攻を取らせましたね」

 

「へっ? そうなの?」

 

 遊佐も私と同じことを考えていたようだ……多分、相手のデッキが後攻の方が動きやすいんだと思われる。シンクロ次元だしシンクロ召喚は使うよな……まあ、何が来ても何とかするだけだ。痛いのは嫌だからね。

 

「私のターン。ふぅん……」

 

 まあ、最初のターンは控え目に行くか。バイクに乗りながらじゃあ複雑なソリティアとかできる訳ないのだ。

 

「私は相剣師(そうけんし)莫邪(バクヤ)を召喚する」

 

 現れたのは剣を持った女性の剣士。いつ見ても思うんだが、リアルソリッドヴィジョンは女性モンスターの表現を規制しないと子供には見せられないことになる可能性があるのではなかろうか……水の踊り子とか。

 

 

 変なことを考えていたからかDホイールがコーナーの壁に当たりそうになった。

 

「危なっ!?」

 

 何とかハンドルを動かせて事故は防げたものの、やはり運転しながらのデュエルは精神力の戦いになるな……よし、とっととターンを終わらせよう。そして運転に集中しよう。転倒して明/美になりたくないよ。

 

「私は莫邪の効果発動。手札の相剣カードもしくは幻竜族モンスター1体を見せることで、相剣トークンを特殊召喚できる。私は手札のタツノオトシオヤを見せ、相剣トークンを特殊召喚する」

 

「トークンを生み出す効果か……」

 

「それだけじゃないよ。このトークンはチューナーだ。ただし、このトークンがフィールドに存在する限り私はシンクロ召喚しか行えない」

 

「チューナーモンスターのトークン!? つまり、チューナーとチューナー以外のモンスターが1体……」

 

「来るわよメリッサ。ほら、ちゃんと実況してね?」

 

「ば、馬鹿にしないでよね!」

 

 遊佐、思い切りメリッサ弄って楽しんでやがるよ……一応そいつ先輩だろうに。まあいい。

 

「私はレベル4の相剣師-莫邪にレベル4の相剣トークンをチューニング!」

 

 ……ライディングデュエルでのシンクロ召喚、か。なるほど、これはちょっと見応えあるな。生で見ると特に。

 

 

「顕現せよ、レベル8! 相剣大師(そうけんたいし)赤霄(セキショウ)!」

 

 

相剣大師-赤霄

シンクロ・効果モンスター

星8/光属性/幻竜族/攻2800/守1000

チューナー+チューナー以外の幻竜族モンスター1体以上

このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「相剣」カード1枚を手札に加えるか除外する。

(2):自分の手札・墓地から「相剣」カード1枚または幻竜族モンスター1体を除外し、

このカード以外のフィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 現れたのは赤と金の全身鎧を身に纏い、巨大な剣を振るう剣士。

 

 でも、効果は汎用性豊富なんだよね。見た目は凄い格好良い部類に入る筈。

 

「明美選手、いきなりシンクロ召喚を決めてきたー!」

 

「赤霄のモンスター効果発動。このカードがシンクロ召喚に成功した場合、デッキから相剣カード1枚を手札に加えるか除外できる。私はデッキから相剣暗転を手札に加える。その効果にチェーンして私は莫邪のモンスター効果発動。このカードがシンクロ素材として墓地に送られた場合、デッキからカードを1枚ドローする」

 

 よし、取り敢えずこの手札だとこのくらいかな。操作がシンプルなデッキにして良かった。その代わり相手ターンも忙しいデッキになったがな……

 

「私はカードを2枚伏せてターンエンドっと」

 

 これで運転に集中できる……吹き付ける風が私が今スピードの世界にいると嫌でも主張してきて怖かったからな。これを楽しめるようになるのはちょっと時間がかかりそうだ。やらないのが1番だけどね! つーかこんなのを楽しめるような神経してないけどね私!

 

「ふむ、サーチしたのは罠カード……間違いなく明美選手のあの2枚の伏せの中に今手札に加えたあのカードがあるでしょうね。あ、分かってますかメリッサ先輩?」

 

「それくらいは私でも分かりますよっ!」

 

「そうですね。さて、これからデイモン選手がどう盤面を動かすか期待されますね」

 

 遊佐、楽しそうだな……人前だからかはしゃぐ程ではないけど声が完全に面白がってやがるよ。後輩いびりならぬ先輩いびり……

 

 

 今まで私がデイモンよりも前方に位置していた。しかし、私がターンを終えた時から追い上げてついに私を抜かして先頭に躍り出た。

 

 下手に妨害しようとしたら絶対事故るので私は脇に避けて前に出させておいた。変に阻止しようとしてぶつけられたら絶対横転するからね。

 

 クラッシュは嫌だ。

 

 もう一度言おう。

 

 クラッシュは嫌だ。

 

 ふむ、コモンズの人間らしいけど……正直お綺麗な人間じゃ無い方が怖いな。平気で機体をぶつけにこられたらデュエル以前の問題だ。

 

「ふ、中々やるようじゃないか。俺のターン、ドロー!」

 

 さて、どう来る……マジストワンキルとかやめてくれよ?

 

「まずは速攻魔法、サイクロンを発動する!」

 

 わー……

 

「そのカードは知っている。どちらを破壊する?」

 

「……そうだな、俺から見て右のカードを破壊する!」

 

 あっ、相剣暗転持って行かれた。ぴえん。

 

「おー! デイモン選手、明美選手が先程手札に加えたカードを見事に当てた〜!」

 

「いやはや、彼も中々持ってますね」

 

 ……ふふ、いいもーん。本命はもう1枚の方だしー?

 

「続けて俺は速攻魔法、「A」細胞組み換え装置を発動!」

 

 むむ……なるほど、【エーリアン】か! それなら後攻を選んだのも納得できる。私なら迷いなく先攻取りに行くけど。

 

 しかしまあ厄介なカードを……

 

「フィールドの表側表示のモンスター1体にデッキからエーリアンモンスター1体を墓地に送り、そのモンスターのレベルの数だけAカウンターを置く! 俺が墓地に送るのはレベル4のエーリアン・ソルジャーだ。お前のそのシンクロモンスターにAカウンターを4つ置かせて貰おうか」

 

 バスターじゃないだけマシに思っておこう……ソルジャーも1900打点はそこそこだけどね。ええと、たしか一つに付き300下がるから2800引くことの1200で1600か。ウォリアーが1700打点だったかな?

 

 一応効果無効を備えているから問題ないけど、もう一手打たれたら突破されかねないね。

 

「更に俺は永続魔法古代遺跡コードAを発動し、効果を早速使わせてもらう。フィールドのAカウンターを2個取り除き、墓地のエーリアンモンスター1体を特殊召喚できる! 俺はお前のモンスターに乗っているAカウンターを取り除く。来い、エーリアン・ソルジャー!」

 

 墓地送りからの蘇生の流れがスムージィ。

 

「よし、俺は速攻魔法、トライアングル・エリア発動!」

 

「デイモン選手、本日3回目の速攻魔法!」

 

「彼の手札、緑だらけですねぇ」

 

 ほんとそれな。しかし、それ切ってくるか……

 

「フィールド上のAカウンターが乗ったモンスター1体を破壊し、その後デッキからレベル4のエーリアン1体を特殊召喚する!」

 

「チェーンして永続罠発動、竜星の具象化! 自分フィールドのモンスターが戦闘及び効果で破壊された場合、デッキから竜星モンスター1体を特殊召喚できる」

 

「何っ!? だが、そのシンクロモンスターには退場してもらう!」

 

 ああ、効果を使う機会なく赤霄が……まあ蘇生札握ってるから別にいいけど。

 

「私がデッキから特殊召喚するのは、光竜星-リフン。守備表示だ」

 

 

光竜星-リフン DEF 0

 

 

 レベル1のモンスターだからか小さいな。これはこれでちょっと可愛い。

 

 貫通効果持ちでも来ない限りダメージ受けないからと竜星との混ぜ物にして正解だった……ダメージを受けると事故る可能性が飛躍的に高まるし、痛いのは嫌だし。守備表示でも稀に衝撃は来るけどね……クソ強モンスターの攻撃とかだと。

 

「ほう、2種類のテーマの混合ですか」

 

「……あっ、さっきまでは相剣カードを使ってたのにいきなり竜星カードを使ってる!」

 

「両者共に幻竜族モンスターのテーマ。2種類のテーマを混合させたデッキを組むのは通常よりも技量が必要になりますね。何はともあれ、これで明美選手はフィールドをガラ空きにせずに済みましたね」

 

 インフェルニティの無限ループ覚えるよりかは簡単だけどね。いや、それは比べる相手が悪過ぎるか?

 

 まあいい。とにかく遊佐の言う通りフィールドをガラ空きにしないようにしないとな。ダイレクトアタックなんか受けたらライフが0になる前に私が死にかねない。事故で。ハンドルを握る手が今でもちょっと震えてるもん。

 

「だが……俺はチューナーモンスター、エーリアンモンナイトを召喚!」

 

 げっ、握ってたのか。

 

「エーリアンモナイトのモンスター効果発動! このカードが召喚に成功した時、墓地のレベル4以下のエーリアンモンスター1体を特殊召喚できる! 来い、2体目のエーリアン・ソルジャー!」

 

 ……この流れでトリシューラ来たら笑うんだが。割とマジで。

 

「俺はレベル4のエーリアン・ソルジャーにレベル1のエーリアンモナイトをチューニング!」

 

 よかったよかったあっちの方だ。いや、あっちも使い方次第じゃかなり強いな。

 

「現れよ、レベル5! 宇宙砦ゴルガー!」

 

「デイモン選手も負けじとシンクロ召喚を決めて来たー!」

 

「ほう……」

 

 

宇宙砦ゴルガー

シンクロ・効果モンスター

星5/光属性/爬虫類族/攻2600/守1800

「エーリアンモナイト」+チューナー以外の「エーリアン」モンスター1体以上

(1):1ターンに1度、フィールドの表側表示の魔法・罠カードを任意の数だけ対象として発動できる。

その表側表示のカードを持ち主の手札に戻す。

その後、手札に戻った数だけフィールドの表側表示モンスターにAカウンターを置く。

(2):1ターンに1度、フィールドのAカウンターを2つ取り除き、

相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。

その相手のカードを破壊する。

 

 

 耐性や制圧力は無いものの2つの効果をフル活用すると色々出来るのがこのエーリアンの名前を持たないエーリアンのエースだ。エーリアンとしても扱う効果くらいは入れてあげても……つーかリアルソリッドヴィジョンで見ると結構キモい見た目してるなこいつ。

 

「俺は永続魔法永続魔法「A」細胞増殖装置を発動! そんで、宇宙砦ゴルガーのモンスター効果発動! フィールド表側表示の魔法・罠カードを任意の枚数選択して持ち主の手札に戻し、戻した数だけ表側モンスターにAカウンターを置く。俺はお前の場を含めた3枚のカードを手札に戻し、3つのカウンターを光竜星-リフンに乗せるぜ!」

 

 うーんこの……あ、アクションカードだ。私でも取れそうな位置にカードがある。相手はデュエルに夢中らしくカードを見逃したようだ。回収しとこ。

 

「古代遺跡コードAを再び発動! そして効果を使ってリフンに乗ったAカウンターを2個取り除いて墓地のエーリアンモンスター……エーリアンモナイトを復活させるぜ!」

 

 あ、2体目も来る感じなのね。ええと、回収したカードは……うん、役に立たないカードではないようで何よりだ。

 

「俺はレベル4のエーリアン・ソルジャーにレベル1のエーリアンモナイトをチューニング!」

 

 いやはや……まあ、貫通効果ないならどうとでもなるか。

 

「現れよ、2体目の宇宙砦ゴルガー! そして「A」細胞増殖装置を再び発動して2体目のゴルガーのモンスター効果を使ってリフンにカウンターを2個乗せる! そして1体目の宇宙砦ゴルガーのもう一つの効果を発動するぜ!」

 

 飛ばしてんなぁ。

 

「フィールドのAカウンターを2個取り除き、相手フィールドのカード1枚を破壊する! 俺は光竜星-リフンを破壊!」

 

 宇宙砦ゴルガーがレーザーを放ち、それがリフンを貫いた。怪獣映画か何か?

 

「おおっとー! これで明美選手のフィールドはガラ空きだ〜!」

 

「リフンの効果。このカードが戦闘・効果で破壊された時、デッキから光竜星-リフン以外の竜星モンスター1体を特殊召喚できる。来て、風竜星-ホロウ!」

 

 

風竜星-ホロウ DEF 1800

 

 

「が、ガラ空きにならなかった……」

 

 思うんだけどこの実況の人、結構面白い女だと思う。

 

「くっ……なら、バトルだ! 1体目の宇宙砦ゴルガーで風竜星-ホロウを攻撃!」

 

「アクションマジック奇跡を発動する。この戦闘でホロウは破壊されず、戦闘ダメージは半分になる……ま、守備表示だけどね」

 

 宇宙砦ゴルガーが触手でホロウを薙ぎ払うが、ホロウが破壊されることなくフィールドに残った。竜星と相性あんまり良くないな……ま、ダメージを受けたくないから仕方ない。

 

「だったら2体目のゴルガーで攻撃だ!」

 

 今度はホロウは破壊された。

 

「破壊された風竜星-ホロウの効果発動。デッキから風竜星-ホロウ以外の竜星モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。来て、炎竜星-シュンゲイ!」

 

 

炎竜星-シュンゲイ ATK 1900

 

 

「なんと、明美選手! デイモン選手の猛攻を無傷で乗り切ったー!」

 

「くっ……中々やるじゃないか」

 

 えなり君か貴様は。

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

「私のターンっと……ドロー」

 

 ううむ……なるべく早く終わらせたいな。デュエルが長引けば長引く程事故のリスクが上がっていく。

 

 もっと早期決戦を心掛ければ良かったな……まあいい。精々慎重にやって行くさ。

 

 ん……あれ? おかしいな、遊佐がいないぞ!?

 

 あいつ、この衆人環視の中いつの間に実況席を離れたんだ……お、メリッサも気付いたようだ。

 

「あ、あれ!? 遊佐がいない……まあいいか。あの子私よりも人気あるし」

 

 それでいいのかお前は?

 

 






次回、最初遊佐視点が入ってちょっとデュエルが飛びます。デュエルを全部書くとテンポが悪くなっちゃうので致し方なし。
どうかご了承の程を。


最近アトリエシリーズをやり始めたんですけど面白いですねあれ。
たーる。


ちょっと次回は間が空きます。
え、今回も投稿期間空いてただろとか言わないでください。ライフがゼロになります。
ちょっと他の二次創作とかオリジナルとかの草案をちょこちょこ書いてたりするので……
CoCのシナリオとかも挑戦中。進捗はダメです。

書きたいものがいっぱいある。だけど細部まで書き出すと結構な文字量になっちゃう。
そっちの方は書き溜めする為公開されるのは大分後になる予定。
予約投稿してるのだけで3作もある……私ってホント馬鹿。

多分今作が完結するのは早くても来年ですわ。
一応結末とかは考えてはあるんですけど、そこまでに至るまでの経緯ががが……
完結目指してのんびりながらも投稿を頑張って続けます。

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