一部禁止カードが使用されていますが、ご了承ください。
多分彼は今後釈放される可能性は低いと思われるのでこういう場でくらいは活躍させてやってください……
『アマゾネス
あのフィールド魔法にも似た効果がある。
まずは伏せカードを除去してとっとと鬱陶しいあの2枚を……
いや、その必要もないか。
私の手札6枚の内、5枚はこの状況では使えないカード。
エフェクトヴェーラーが2枚とニビル、ドロバに今引いた増G。
ある意味酷い手札事故だが……
残りの1枚が使えるだけで充分だろうな。
私は残りの5枚をそっと思考の外に置いた。
このターン中に終わらせてやろうか。
「……」
私はこのカードを出す前に自分のデッキをチラリと見た。
この世界に来てから禁止制限に関してはかなり認識が曖昧になってしまった。
取り敢えず、デュエルディスクがエラー吐いてないなら平気なのだろう。
「……『十二獣モルモラット』、召喚」
十二獣モルモラット ATK 0
「攻撃力0? そんなモンスターを出したからって何なのよ」
……無知とは恐ろしいね。
「モルモラットの効果を発動。デッキから十二獣1枚を墓地に送る……私は『十二獣サラブレード』を墓地に送る」
ふむ、伏せカードは妨害の類ではなさそうだ。
今までの経験を踏まえると、カテゴリ内のカードである可能性が高そうだ。
これなら気にせず展開して問題ないだろう。
……どうやら今回も私の勝ちで終わりそうだ。
「私はモルモラット1体でオーバーレイ!」
「えっ、フィールドにモンスターは1体しかいないのに!?」
「エクシーズ召喚についてはある程度知っていたつもりだが、これは……」
特異なカテゴリだからね、十二獣は。
「現れよ、ランク4! 『十二獣ハマーコング』!」
勇ましい立ち姿の猿だが、今回における彼の役目は下敷きだ。
残念なことに。
「1体でエクシーズ召喚を……しかも、攻撃力が?のエクシーズモンスター?」
「十二獣エクシーズモンスターは同名カード以外の十二獣にエクシーズ召喚できる。また、その攻撃力及び守備力はオーバーレイユニットとなっている十二獣の攻撃力の合計となる」
「と言うことは……」
現在のハマーコングのエクシーズ素材は攻撃力0のモルモラット1体のみ。
よって、攻撃力は当然こうなる。
十二獣ハマーコング ATK ? → 0
「いや0じゃん!」
「見かけ倒しか? いや……」
「なんだよ、驚かせやがって」
いつの間にか知らん奴等まで観戦してやがる。
ん、あそこに居るのはカイトか。
あいつも和解したのか?
……今はどうでも良いか。
「更に私はハマーコング1体でオーバーレイ!」
「また!?」
次に出すのは……少々勿体無いけどこの子で。
「現れよ、ランク4! 『十二獣ライカ』!」
出現する犬耳の少女。
しかし彼女も今回は下敷きだ。
「またモンスター1体でエクシーズ召喚を……?」
「しかも、攻撃力はたったの……」
十二獣ライカ ATK ? → 0
……鈍いなぁ。
まだ自分が喰われる側だと気付かないなんて。
獲物が獲物だと気付きすらしない、か。
「オーバーレイユニットとなっているモルモラットの効果。このカードをオーバーレイユニットにしている獣戦士族のモンスターはオーバーレイユニットを一つ使うことで、手札・デッキからモルモラット1体を特殊召喚する効果を得る。私はオーバーレイユニットを1つ使い、デッキからモルモラットを特殊召喚する」
十二獣モルモラット ATK 0
「更に私はライカ1体でオーバーレイ!」
ここに重ねるのは最後になるかな。
まだエクシーズ召喚自体はやるけれど。
……これをフィニッシャーに使うことになるのは中々珍しいね。
「現れよ、ランク4! 『十二獣ワイルドボウ』!」
3回のエクシーズ召喚を介して登場するのは弓を持った獣人姿のモンスター。
しかし、その攻撃力は低い。
今は、だが。
十二獣ワイルドボウ ATK ? → 0
「……何度もエクシーズ召喚したのは凄いけどさ。結局出したモンスターは攻撃力0の貧弱な奴って、ねぇ?」
「そうだな。こいつは正直大して強くはない」
効果で言うとライカのが余程強い。
だけど、こいつにはこいつにしかできない役目がある。
それだけの話だ。
「人にはそれぞれ役目がついて回るように、カードにも役目がある。こいつの役目はすぐに分かるだろうよ」
「ふーん……?」
さて、デュエルを続けよう。
「私はモルモラットの効果でワイルドボウのオーバーレイユニットを取り除き、デッキからモルモラットを特殊召喚する」
十二獣モルモラット ATK 0
「私はレベル4のモルモラット2体でオーバーレイ!」
解き放ってやろうか。
お前を縛っている自由を奪う鎖から。
まあ、このデュエルの間だけだろうけど。
「現れよ、ランク4! 『十二獣ブルホーン』!」
十二獣ブルホーン
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ?
レベル4モンスター×2
「十二獣ブルホーン」は1ターンに1度、
同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、
このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから通常召喚可能な獣戦士族モンスター1体を手札に加える。
十二獣ブルホーン ATK ? → 0
「また攻撃力0……」
「なんだよあいつ、遊矢の先生なんじゃなかったのか?」
観客の誰かがこいつを軽視しているらしい。
本当に『知らない』ことは罪だとよく分かる。
……はぁ、不快なことを思い出しそうだ。
「ブルホーンの効果発動。オーバーレイユニットを1つ使い、デッキから通常召喚可能な獣戦士族モンスター1体を手札に加える。私は『十二獣ヴァイパー』を手札に加える」
1600、1200……あと1200、ジャストで足りるな。
「私はブルホーン1体でオーバーレイ! 現れよ、『十二獣タイグリス』!」
十二獣タイグリス
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ?
レベル4モンスター×3
「十二獣タイグリス」は1ターンに1度、
同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、
このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、
自分フィールドのXモンスター1体と
自分の墓地の「十二獣」モンスター1体を対象として発動できる。
その「十二獣」モンスターをそのXモンスターの下に重ねてX素材とする。
「おお、虎っぽいモンスターだ」
「しかし、また攻撃力0か」
「先生、一体何を考えて……?」
外野がうるさいな。
「タイグリスの効果発動。オーバーレイユニットを1つ使い、墓地の十二獣モンスター1体を自分フィールドのエクシーズモンスターにオーバーレイユニットにする」
「ええと……つまり、墓地のモンスターを使ってオーバーレイユニットを入れ替えるだけ?」
「そうだね。私はワイルドボウに墓地の『十二獣サラブレード』をオーバーレイユニットとする。これにより、ワイルドボウの攻撃力は変動する」
十二獣ワイルドボウ ATK 0 → 1600
「それでもたったの1600……雑魚モンスターの範疇じゃん」
「私はタイグリス1体でオーバーレイ! 現れよ、ランク4! 2枚目の『十二獣ブルホーン』! そして、効果発動。デッキから2枚目の『十二獣ヴァイパー』を手札に加える」
よし、準備は整った。
後は……一応保険にあいつを出しておこうか。
「私はブルホーン1体でオーバーレイ!」
「どんだけエクシーズ召喚するのよ……」
若干うんざりされている気がするが、知らんふりをする。
「さあ、来い! ランク4! 目の前の獲物を刺し貫け! 『十二獣ドランシア』!」
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ?
レベル4モンスター×4
「十二獣ドランシア」は1ターンに1度、
同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、
このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。
(2):自分・相手ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、
フィールドの表側表示カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
十二獣ドランシア DEF ? → 0
「そんな貧弱なモンスターで何をするつもり?」
「重ねるんだ。デッキと同じで、1枚のカードだけで全てが完結することは少ない。力が足りないなら合わせ、小回りが効かないなら助け合う。人間だってそうだろうに、何故そんなことも分からない?」
「……」
仕上げと行こう。
「手札より、ヴァイパーのモンスター効果発動! このカードを自分フィールドの獣戦士族エクシーズモンスターのオーバーレイユニットとする。私は2体のヴァイパーをワイルドボウのオーバーレイユニットにする。これにより、さらにワイルドボウの攻撃力は変動する。因みに、『十二獣ヴァイパー』の攻撃力は1200だ」
「ということは、つまり……」
十二獣ワイルドボウ ATK 1600 → 2800 → 4000
「攻撃力4000!?」
「いきなりそんな強力なモンスターになるなんて……」
「へぇ、少しはやるじゃん?」
ふむ、モルモラット1枚だけの展開としてはこのくらいだろうか。
「1体では弱いモンスターでも、力を合わせれば……ああ、何だか力が湧いて来るような不思議な気分だぜ」
「ええ、そうね……私達も、そうありたいわ」
……団結の力なら1人だろうと攻撃力が上がるだろうに。
って、そんなことはどうでもいい。
さっさと終わらせよう。
「ワイルドボウはダイレクトアタックできるモンスター。一撃で終わらせてやる」
「……遊矢の先生ってのは伊達じゃないってことね。たった手札1枚だけで攻撃力4000のモンスターを召喚してくるだなんてね」
口調からして焦りや動揺は無い。
……ふむ、これは何かあるか。
このターン中に終わらせるのがベストだったけど、無理かもしれない。
まあいい、殴るか。
「バトル、ワイルドボウでダイレクトアタック!」
弓を構える。
照準は相手に定めていたが……
やはり、ここで決められたりはしないようだった。
「甘い、甘過ぎるわよ! リバースカードオープン、『立ちはだかる強敵』!」
……立ちはだかる強敵?
確か、攻撃を強制する効果だったか。
「このターン、アンタは『アマゾネス女帝』を必ず攻撃しなければならない」
「流石にこれで終わりはしないか……」
「当たり前だろう。これでも元アカデミアのエリートだからな」
攻撃を逸らしたか。
だが、短い寿命がほんの僅かに伸びただけだな。
無駄な抵抗を……
「なら、ワイルドボウで『アマゾネス女帝』に攻撃!」
「くっ!」
グレース LP 4000 → 3000
放たれた矢はあの女帝をいとも簡単に貫いた。
残り3000……ああ、これは
「破壊された『アマゾネス女帝』の効果発動! 相手の効果でフィールドを離れた場合または戦闘で破壊された場合、手札デッキ墓地から『アマゾネス女王』を特殊召喚できる。私は墓地の『アマゾネス女王』を特殊召喚! それと、『アマゾネスの里』の効果も発動! アマゾネスが破壊された時、そのモンスターより元々のレベルが低いアマゾネスをデッキから特殊召喚できる。私はデッキから『アマゾネスペット
アマゾネス女王 ATK 2400 → 2600
「『アマゾネスペット虎』の攻撃力は、自分フィールドのアマゾネスの数×400アップするわ。それに、『アマゾネスの里』の効果も込みで攻撃力は合計1000アップよ」
アマゾネスペット虎 ATK 1100 → 2100
けっ、ガスタかよ。
欠片も問題ないからどうでも良いけど。
「オーバーレイユニットとなっている『十二獣ヴァイパー』の効果。ヴァイパーをオーバーレイユニットにしている獣戦士族エクシーズモンスターは戦闘を行った相手モンスターをダメージ計算後に除外できる効果を得る」
「そんな効果もあるのね……」
「バトルフェイズを終了する。そして、メインフェイズ2に移行」
これで相手のカードは全て割れた。
手札も持っていない。
次のドローが何だろうとほぼ勝てる盤面だ。
最も、そう考えているのは私だけのようだが。
「危なかったけど、上手く躱したんだな」
「グレースのフィールドにはモンスターが2体。先制こそされたが、まだまだ勝負は分からない」
「……今来たが、これはどう言う状況なんだ?」
銀髪の男性が何か言ってるな。
なんだあいつ、なんか見覚えがある気がするけど……
いや、気の所為か。
「ふん、一発決めたからって舐めないでよね。アンタの力はこの程度なの?」
「……はぁ」
どうやら、まだ勝てるつもりでいるらしい。
それならとっとと理解させてやろうか。
これ以上ない程苛烈に突き付けてしまおう。
『私の現実』を。
「お前はミスを犯した」
「はぁ?」
「攻撃そのものを止めるべきだったね。そうすればもう少しだけ生き延びられただろうに」
既に勝敗は九分九厘決まっている。
せめてそれを学びとして受け留めるのが最善だろうね。
私からしたらどうでもいいことだけど。
私は上空を指差した。
ああ、この世界に来てから何気に初めてコイツを出すが……こんな事になるのか。
相手も観客達も私が指す方へと顔を向ける。
ワイルドボウの上に、今まで見てきたモンスターとは比べ物にならない程のエネルギーが集まっていた。
次回、マスターデュエルでも大人気なあのモンスターが遂に登場!
今回は手札1枚初動の展開にこだわってみました。
かといって手札誘発を入れ過ぎると事故率は上がる。
事故らないのはほんの一部のデッキなのよね。天盃龍とか。
Q.『立ちはだかる強敵』はどっから出てきたんだよクソアホゴミカス屑野郎
A.アニメだと虎が攻撃を自身に誘導する効果を持ってたのにOCG効果だと出来ないのが悪いんです!俺は悪くねぇ!
ブルホーン君みたいなタイプの禁止カードはカードプールが増える程強力になっちゃうから中々釈放されないんですよね。
エラッタでもされない限りは。なんであいつが素材2体なんだよハマーコングと代わってやれよ。
モルモラットはいい加減制限解除されないと効果が死んだままなんですがあの……せめて準制限にならないかな?