今回のデュエル、滅茶苦茶あっさりしています。許して。
ぐぅ……ぐぅ……うーん……今何時……?
AM 9:00
………………ん?
「ギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!??遅刻だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
「な、何!?」
ヤバいヤバい遅刻する遅刻する早くご飯食べて出勤しないとヤバい所長のくそ長いお説教があばばばばば!!
「のわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「もう、静かにしなさい!」
「きゃん!?」
〜しばらくお待ちください〜
ぜぇ、ぜぇ……
「落ち着きました?」
「ええ、なんとか……」
そうだった……私はたしか昨日からどういう事か遊戯王の世界に来てしまってたんだった。結局、その理由は不明だ。まあ、この際それはどうでもいいだろう。それより……
「仕事、無断欠席したら辞めさせられるんじゃ……」
「はいはい、まずは朝食を食べなさいな」
「あっはい」
この人はどうやら遊矢君のお母さんらしい。凄いオカンみたいな感じがするひとだね。と、言う事はここは遊矢君の家か。気絶するように寝てしまった私をここまで運んでくれたのかな?だったら後でお礼を言わないと。
「あ、目が覚めたのか……」
「おはよう、遊矢君。昨日はもしかして君が運んでくれたのかな?それなら本当にありがとうね!」
「あ、ああ……」
……なんか、遊矢君元気がないみたい?
「もう、だらしのない子ね!一回ボロ負けしたくらいで情けない!」
……あ、それか!
「え、えっと、大丈夫!あのくらい練習すれば誰でもできるようになるから!」
「……あれを、誰でも?」
「あはは、まあ私も少し大人気なかったかな?いや、あの時はなんというか……仕事から解放されたテンションでおかしくなっていたから……」
大体私は仕事帰り終わるとはしゃぐ。いつもは表面上には出さないんだけどわりと久しぶりのデュエルだったからね。てへっ。
「……明美さん、俺にもっとデュエルを教えてくれ!」
「うむ。その意気である。さて、まずは何を教えたものか……」
「はいはい、話はご飯を食べてから!」
「「はーい」」
この人、オカンだなぁ……実際に遊矢君のお母さんなんだけど。さて、何を教えるか……あ、このパンケーキ美味いな。今度作り方教えてほし……くないな、別に。私はカップ麺とインスタントカレーだけで生きていける。
◇◇◇
遊矢君達の放課後。私は塾に来ていた。遊矢君達ももう既に全員来ている。彼らに何を教えるのかはもう決まっている。
「ねぇねぇ!何教えるの?明美お姉ちゃん!」
「はやくしろよー!」
「楽しみ…」
「ははは。さて、授業を始める前に。貴方達に一つ質問があります!
貴方達は『墓地』の事をどう思っていますか?」
「どうって……」
「あまりいいイメージはないよね……」
「墓地に行ったモンスターが可哀想……」
お前それアンデット族の前でそれ言えるの?……まあ、いいか。
「ふむふむ、なるほどね?」
「で、結局何を教えるの、お姉ちゃん?」
んん゛ん゛ん゛ん゛!!
「ごほん!今日は先程質問した墓地の重要性について説明しようと思います!」
「えー?」
「どういう事?」
「……墓地に行く事がメリットになるカードはいくつかあるけど…」
お、青髪少年は中々賢いな。
「さて、これから長々と説明してみんなに悲鳴をあげてもらうのも一興だけど…」
「え!?」
「いやなんでもない。今日は実際に私のデュエルを見て学んで貰おうと思います!」
「「「わー!!」」」
子供達には割と好評みたいだ。まあ、遊戯王の細かいルールは説明し出すと日が暮れちゃうからね……
「さて、デュエルの相手だが……今回も遊矢君に……」
「遊矢!元気か!」
ん?誰?
「あ、権現坂。よう!どうして此処に?」
「うむ。最近、ここに新しい教師が来たと素良から聞いてな。どんな奴だろうかと見に来たのだ!」
その人……権現坂君はかなり特徴的な服装をしていた。白服にリーゼントって……あと喋り方が古臭い。まあ、悪い人じゃなさそうだしこのくらいの服装なら遊戯王ではよくある事か……そうだ!
「丁度良かった!なら、私のデュエルの相手を務めてくれないかな?」
「む?それは構わぬが、何故だ?」
「いや、今私の講義中でね。口で説明するよりも実際にやってみたほうが早いかなって。ちなみに講義内容は墓地についてだよん」
「……うむ!そういう事ならこの男権現坂!謹んでデュエルの相手をお受けしよう!」
うん、分かった。こいつ屈指の聖人だ。この子なら申し分ないだろう。
「じゃ、始めますか?」
「いつでも構わぬ!」
「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」
「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る!」
「見よ!これがデュエルの最強進化系!」
「アクショーーーーン!」
「「デュエル!」」
うん、2回目だけどもう慣れた。さて、初期手札にあのカードは来るかな?
◇◇◇
「先攻は君だね」
「遠慮なく行かせてもらおう!俺のターン!」
さて、どんなデッキだろうか?
「自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合、手札の『超重武者ビッグワラ-G』は手札から特殊召喚出来る!更に、ビッグワラ-Gは機械族モンスターをアドバンス召喚する場合、2体分のリリースにできる!動かざること山の如し。不動の姿、今見せん!『超重武者ビッグベン-K』!」
ほう、【超重武者】か。中々渋いデッキを使うじゃないか。しかも、ビックワラ-Gがいるという事は【フルモン】型か。
超重武者ビッグベン-K
効果モンスター
星8/地属性/機械族/攻1000/守3500
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。
このカードの表示形式を変更する。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドの「超重武者」モンスターは、
表側守備表示のままで攻撃できる。
その場合、そのモンスターは守備力を攻撃力として扱いダメージ計算を行う。
「さらに俺は、手札から『超重武者装留ビックバン』の効果を発動!このカードをビッグベン-Kに装備する!ビックバンの効果によってビッグベン-Kの守備力は1000ポイントアップする!」
超重武者ビッグベン-K DEF 3500 → 4500
「守備力4500!?」
「いいぞ、権現坂!」
「俺はこれでターンエンドだ!」
ふむふむ、なるほどね。
「じゃあ、私のターンか。ドロー」
おっ、来た。
「ところで権現坂君。君のデッキ枚数は何枚かな?」
「む?何故そのような事を聞く?基本、デッキは40枚だが……」
「ならいいや!」
「……?」
さあ、お楽しみはこれからだ!なんて。
「私は手札から魔法カード『隣の芝刈り』を発動!」
「な、なんだ!そのカードは……!」
「このカードの効果によって、私は相手のデッキの枚数と同じになるように私のデッキの上からカードを墓地に送る!私のデッキの枚数は54枚、君のデッキの枚数は35枚。よって、私はデッキからカードを19枚墓地に送る!」
「なんだと!?」
◇◇◇
「ねえ遊矢、なんで先生はそんなにカードを墓地に送るの?」
「おそらくは、墓地で発動するカードがあるからだ。多分、その為だけにわざわざデッキの枚数を60枚にしたんだ!」
「えー、そんな事してもカードが墓地に送られただけじゃんか!」
「いや、これは……」
「(あんなカード、聞いた事も見た事もない。使い方次第でとてつもなく恐ろしいカードだ……)」
◇◇◇
「お楽しみの時間ですね☆私は墓地に送られた2枚の『ワイトプリンス』の効果を発動!デッキから2組の『ワイト』と『ワイト夫人』を墓地に送る!更に『ワイトベイキング』の効果も発動!『ワイトプリンセス』と『ワイトキング』を手札に加える!更に更にぃ!『牛頭鬼』の効果も発動する!墓地の『灰流うらら』をゲームから除外して手札からアンデット族モンスターを特殊召喚する!さあ来い!本日の主役!『ワイトキング』!」
「なんという怒涛のモンスター効果……!しかも、攻撃力?だと?」
「うん!」
ちなみに私はモリンフェンの方が好きです。
ワイトプリンス
効果モンスター
星1/闇属性/アンデット族/攻 0/守 0
(1):このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。
(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
「ワイト」「ワイト夫人」1体ずつを手札・デッキから墓地へ送る。
(3):自分の墓地から、「ワイト」2体とこのカードを除外して発動できる。
デッキから「ワイトキング」1体を特殊召喚する。
ワイトベイキング
効果モンスター
星1/闇属性/アンデット族/攻 300/守 200
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。
(2):自分フィールドのレベル3以下のアンデット族モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、
代わりに手札のこのカードを捨てる事ができる。
(3):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから以下のモンスターを合計2体手札に加える(同名カードは1枚まで)。
その後、手札を1枚選んで捨てる。
●「ワイト」
●「ワイトベイキング」以外の「ワイト」のカード名が記されたモンスター
牛頭鬼
効果モンスター
星4/地属性/アンデット族/攻1700/守 800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
デッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送る。
(2):このカードが墓地へ送られた場合、
自分の墓地から「牛頭鬼」以外のアンデット族モンスター1体を除外して発動できる。
手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚する。
ワイトキング
効果モンスター
星1/闇属性/アンデット族/攻 ?/守 0
このカードの元々の攻撃力は、自分の墓地に存在する
「ワイトキング」「ワイト」の数×1000ポイントの数値になる。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
自分の墓地の「ワイトキング」または「ワイト」1体を
ゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。
「ワイトキングの攻撃力は自分の墓地のワイトキング、ワイトの数×1000ポイントの数値になる!」
「という事は……攻撃力4000!?だが、まだビッグベン-Kの守備力の方が上だ!」
「いーや、違うよ?墓地のワイト夫人、ワイトプリンス、ワイトベイキング、ワイトプリンセス、ワイトメアは墓地に存在する場合カード名をワイトとして扱う!よって、ワイトキングの攻撃力は……」
ワイトキング ATK ? → 9000
「こ、攻撃力9000だと!?」
「ふふん!これが弱小モンスターと言われ続けたワイトの実力よ!」
「す、すっげー……!」
「たった魔法カード1枚を使っただけで攻撃力9000のモンスターを呼び出すなんて……!」
「それもこれも墓地を使ったおかげさ!」
「しかし、俺のフィールドのビッグベン-Kは守備表示だから、戦闘ダメージはない!」
「それはどうかな!」
「なに!?」
ふふ、一回言ってみたかったんだよなぁ。やったぜ。
「私は手札から魔法カード『アームズ・ホール』を発動!このターン通常召喚を行えない代わりにデッキから装備魔法カードを手札に加える!私が手札に加えるのは……『光学迷彩アーマー』!これをワイトキングに装備!」
すると、ワイトキングの姿が見えなくなった。
「……一体、どういうつもりなんだ……?」
「こういうつもりです!光学迷彩アーマーはレベル1のモンスターしか装備できないが、装備したモンスターは直接攻撃ができる!」
「なんだと!?」
「さあ、トドメだ!ワイトキング!相手プレイヤーにダイレクトアタック!」
ワイトキングが権現坂君の背後から現れる。軽くホラーだねこれは……
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
権現坂 LP 4000 → 0
「わ、ワンターンキル……」
「権現坂を相手に……!」
「凄い……!」
ふふん!幼い子からの賞賛の眼差しは心地いいねぇ!!
「またなんか気色悪い事考えてる……」
「ん?何か言った、素良きゅん?」
「あはは、なんでも無いよ!……でもその呼び方はちょっと……」
「むぅ……もっと褒めてくれても良いのよ?」
「はいはい、凄い凄い」
「適当!」
だがそれがいい!いやよくない。落ち着け私。
「むぅ……まさか、ここまで強いとは……」
「あはは。まあ、年季の差って奴かな?」
「え、貴方今何さ……」
バチィ!!
「女性の人に年齢聞いちゃダメでしょ!」
「うわ!?ごめんって柚子〜!」
「仲が良いねぇ。あ、そうだ。権現坂君は実践デュエルに付き合ってくれたお礼です。受け取ってくださいな」
「むむむ、このカードは……」
「おそらく君のデッキにも合うはずですが」
「……なるほど!帰って改めてデッキを組み直してみるとしよう!」
あと、シンクロ召喚使いましょうよ。折角優秀なチューナーもシンクロもいるのに。まあ、それはまた次の機会でいっか。
「さて、今見せたのは墓地利用のほんの一例に過ぎません。これから多様な墓地の使い方を貴方達に教えましょう!」
「「「はいっ!」」」
こうして、私の教師生活が始まった………が。
私は忘れていた。
遊戯王世界は、ハプニングが付き物だと言う事を……
感想、評価等ありがとうございます!
沢渡「あれ、俺の出番は!?
紙吹雪「ちゃんとあるから安心しろ」
沢渡「ちゃんと活躍するんだろうな?」
紙吹雪「……(=^▽^)σ」
沢渡「なんだその顔!?」
今回、先生はチェーンについては何も言いませんでしたが、良い子のデュエリストはキッチリチェーンを使いましょうね!
・先生が権現坂に渡したカード
一体なんでしょうね?ヒントは上級モンスターです。これだけ言えばほとんど分かったようなものかもしれませんが。
9/8 誤字修正しました。指摘してくれた方ありがとうございます!