私は気ままにデュエルがしたい   作:紙吹雪

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アンブラル新規が発表されたお陰で【アンブラル】が強化されましたね!
まあ元より息なんて全くしてなかったけどね
ゼアルにおいて伝説を築き上げた功労者の1人であるベクターのカードが沢山出るみたい。
バリアンズ・ホープのイラストがナイスチョイス過ぎる。

ベクターのCNo.ってこの時代になっても効果はなんか強いんですよね。
何なら今回出る新規のやつより余裕で強い。
パーミ&ハンデス&ライフ半減は今見ても「ん?」ってなる。


さて、そんな話は一旦置いておいて。
エドとのデュエルの続きをどうぞ。
長くなり過ぎてもう一話必要になるかと思った
しかも57話と58話のデュエル内容を一部変更せざるを得なかった。本当にごめんなさい




59話

 

明美 LP 1200 手札×0

フィールド Bloo-D、ドミネイトガイ、ダーク・ロウ

伏せカード なし

 

エド LP 4000 手札×1

フィールド ディバインガイ

伏せカード なし

 

 

 ライフアド以外は完全に私が有利。

 大逆転なんて起こり得ないね。

 

「受けて貰おうか。ドミネイトガイの効果を、ね」

「くっ……!」

「ドミネイトガイの効果発動。自分か相手のデッキトップ5枚を確認し、好きな順番でデッキトップに戻す。私はお前のデッキトップを確認する」

 

 どれどれ……?

 

 ……ふむ。

 なるほど、なるほどね。

 

「ちっ、悪運の強い奴め」

「……どうやら、首の皮は1枚繋がったかな?」

「ふん、辿る結末は一つでしょ」

 

 エドのデッキトップはこうなっていた。

 

D-HERO ディバインガイ

異次元からの埋葬

ブラックホール

拮抗勝負

フュージョン・デステニー

 

 

 何だこれは……一つを除いてどれもこれも面倒な。

 

 取り敢えず『フュージョン・デステニー』は却下。

 『拮抗勝負』も論外で、『異次元からの埋葬』もディバインガイの存在からして……

 『ブラック・ホール』とか……このタイミングで見たくなかった。

 

 ……ディバインガイを上にしておこう。

 

「……運命は既に決したと言えるな。バトル、私はダーク・ロウでディバインガイを攻撃」

「この瞬間、僕はセメタリーのドリームガイのエフェクト発動! 自分のD-HEROがバトルする時、セメタリーのこのカードを特殊召喚できる! さらに、その戦闘では僕のモンスターは破壊されず、ダメージも0となる!」

 

 

D-HERO ドリームガイ DEF 600

 

 

 融合素材となって墓地に送られたカードだね。

 ま、そりゃ使うタイミングはここしかないか。

 

「特殊召喚されたドリームガイはフィールドから離れた場合、除外される」

「次、ドミネイトガイでディバインガイに攻撃」

 

 ドミネイトガイの拳ががディバインガイの身体を粉砕した。

 こう言う映像はまあ……嫌いじゃない。

 目に映る物が新しい物ばかりなのは悪くない気分だ。

 

「ドミネイトガイの効果。このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、カードを1枚ドローできる」

「……最初にドミネイトガイで攻撃しなかったのは、ドリームガイのエフェクトを知っていたからか」

「さて、何を引くかな……と」

 

 私はカードを表に向けた。

 

 ……ハッ、ここでこのカードが来るのか。

 正直抜いた方が良いと思っていたが、この状況なら生きるかもしれない。

 そのままにしておくか。

 

「そして、Bloo-Dでドリームガイを攻撃。これで私はターンエンド」

 

「何とか防いだようが……ライフ的にはまだエドが有利ではある。しかし、次のターンまでにドミネイトガイを何とかしないと、確実に逆転されるぞ」

「そうじゃなくても、先生のフィールドには強力なモンスターが3体もいる!」

「いや、次のあいつのターンで墓地のデストロイフェニックスガイも蘇る」

「あと少し、ライフを削ることさえできれば……!」

 

 ううん、なーんか応援されてない気がするね?

 まあ、別に良いけど。

 

「僕のターン……ドロー!」

「スタンバイフェイズ、再びデストロイフェニックスガイが復活する」

 

 

D-HERO デストロイフェニックスガイ ATK 2600

 

 

「お前が引いたのはディバインガイだ。残りの手札たった1枚で何をする?」

 

 エドは少しの間下を向いて……再び私に向き直り、挑戦的な笑みを浮かべた。

 

「君のお陰で、活路を見出せるかもしれない」

 

 ……何だと?

 

「僕は魔法カード『闇の誘惑』を発動! デッキからカードを2枚ドローし、その後手札の闇属性モンスターを除外する!」

「……っ!」

 

 残りの2枚は、たしか……

 これはちょっと不味いかもしれない。

 いや、しかし!

 

「ダーク・ロウの効果発動! 相手がドローフェイズ以外でデッキからカードを手札に加えた場合、相手の手札をランダムに1枚除外する!」

 

 ダーク・ロウがエドに手を向ける。

 黒い閃光が走り、エドの手札の内1枚を貫いた。

 残りの1枚は……!

 

「これだ! 魔法カード『ブラックホール』を発動!」

「……っ!」

 

 それは、絶大な破壊力の秘めた黒い渦。

 あらゆる物を吸い込まんとしているそれは、危険なんてものじゃない。

 私のモンスター達はなす術なく吸い込まれていく。

 

「これで、厄介なモンスターは全て……何っ!?」

 

 渦が消えた後、私のフィールドには3体のモンスターが揃っていた。

 

「ドミネイトガイの更なる効果。このカードが相手によって破壊された場合、墓地のレベル9以下のD-HEROを3体特殊召喚できる」

 

 デストロイフェニックスガイ。

 ダイヤモンドガイ。

 そして、ディナイアルガイ。

 

 後続を残せたのは不幸中の幸いだろうか。

 拮抗勝負だったら悲惨な事になっていた。

 念の為全員守備表示だ。

 

「また、デストロイフェニックスガイの効果も起動している。次の私のスタンバイフェイズに、墓地のD-HEROを特殊召喚する」

「……セメタリーの『置換融合』のエフェクト発動! このカードを除外し、セメタリーの融合モンスターをエクストラデッキに戻す。その後、カードを1枚ドローする!」

 

 引いたカードを確認したエドは躊躇いなくその引いたカードをディスクに叩き付けた。

 

「『異次元からの埋葬』を発動! 除外されている僕のモンスター……ディバインガイ、ドリームガイ、そしてダイナマイトガイをセメタリーに戻す。そして、ディバインガイのエフェクト発動! セメタリーのこのカードとD-HEROモンスター1体……ドリルガイをゲームから除外し、カードを2枚ドローする!」

 

 ……掘り進められたか。

 ドミネイトガイの効果で私が確認したデッキトップよりも。

 あの1枚のカードは……何だろうね?

 

「……これで、逆転の一手を撃つ準備は整った。君はさっき言ったね。運命を覆す事はできないと」

「それが?」

「何故だい? 君程の人物なら、理不尽な運命にも抗う事もできた筈だ」

 

 はっ、何を馬鹿な。

 

「どうして、そうまでして否定する? 君は常に苦しそうに見えるが、その根源は一体何なんだ?」

「……」

 

 エドのその言葉に、私は天を仰いだ。

 もう限界だった。

 

 

 

 

 

 

 私の内に積もるのは負の感情ばかりだった。

 楽しい記憶も喜びの記憶も、それを覆い尽くす程の悲しみで掻き消されてしまって久しい。

 だから、私はずっと心を封じてた。

 あまりにも昔の話で、自ら封をした事もそうなるまでに至った切っ掛けまでも忘れていた。

 

 そうしなくては……耐えられなかったから。

 ずっと感情を持ち続けるのは私にとってはあまりにも苦痛であるから。

 

 このままでいれば忘れたままで居られると思ったのは、思い違いだった。

 過去の痛みはいずれ今に追い付く。

 決して逃げられはしない。

 

 私の頭の中からは、最早薄れて消えかけている。

 切っ掛けでもなければ思い出せないくらいに。

 その記憶は重大で比類ない程に私に負担をかけた。

 

 ……その時の感情だけが今もなお、私の心を蝕んでいる。

 記憶が曖昧になってしまっても感情は中々忘れられない。

 嘔吐しそうなくらい、最悪な気分だった。

 

 私はその記憶から目を逸らす為、必死に自分を偽って生きてきた。

 誰かに成り切るのも、もしかしたらデュエルをするのも。

 全ては思い出したくない過去から逃げる為だったかもしれない。

 

 結局の所、それは無理だったらしい。

 私の中で溜まって吐き出せなかった黒い感情。

 他人に見せたくない汚い物。

 それはもう恥でしかないから、私は押し込めて見ない振りをしていた。

 

 今はそれが……抑えきれずに私の中から濁流のように溢れてしまった。

 決壊したダムと同じで、もう止められなかった。

 

 

 

「怒りも、憎しみも、妬みも、そして楽しさも! 結局は色褪せて摩耗して、薄れて行く儚い感情でしかないから。最初は眩くて惹きつけられる物に感じたとしても、いずれは忘れるだけ。そう思っていたのに……諦めてしまえば楽に慣れると思ったのに!」

 

 

 

「……! 先生が、声を荒げて……」

「今、決める! 僕は魔法カード『フュージョン・デステニー』を発動! 手札・フィールド・デッキから融合素材となるモンスターを墓地に送り、D-HERO融合モンスターを融合召喚する! 僕が融合素材とするのは、デッキの『D-HERO ドローガイ』と『D-HERO ディシジョンガイ』!」

 

 

 

 どうして人は光に手を伸ばさずには居られないのだろうか。

 

 

 

「どうせ、私は惨めな結末しか迎えられない。この世の全ての人間が幸せになれるようにはできていないから……私に課せられた残りの生は幸せである筈がないんだ。不幸の星の下で、私は生まれてしまったから……」

「先生? 何を言って……」

「私は羨ましい。それと同時に妬ましい。普通の人生を送れている他人が。苦痛に塗れて生きていくしかない世界が恨めしい。誰かの苦痛が無ければ回らない世界が……憎らしい。でも、そんな感情に意味はないと言い聞かせてきた」

 

 

 

 どうして私は今も生き恥を晒してまで息を続けているのだろうか。

 

 

 

「ちっぽけな私1人が何かしたところで……何も変わるわけがないでしょ。例え世界の誰もが私の為に涙を流したとしても、私は決して満たされる事はない。寧ろ、空虚な感情が肺腑を締め付けるだけ。私の苦しみを誰かが理解したところで、半端な気遣いは私の心を傷付けるんだ。薄っぺらい同情や憐憫よりも、私が欲したかったのは……!!」

 

 

 

「——融合召喚! カモン! 『D-HERO ディストピアガイ』!」

 

 

 ……せめて、このデュエルが終わるまでは。

 

 エドのエースが再びフィールドに舞い戻った。

 ディストピアガイにはバーン効果がある。

 しかも、私のライフはたった1200。

 

 

「これなら、攻撃を介さずにダメージを与えられる……」

「先生が、とうとう負けるのか……? 今まで、俺の前では負けた事のない先生が……」

 

 

 ああ……終焉がすぐそこにまで迫ってる。

 デュエル中においてこんな状況に陥るのはかなり久しいね。

 

 

 確かに諦められないかもしれない。

 ずっと、手を伸ばさない方が良いと自分に言い聞かせてきたけれど。

 もし、空っぽの私の中が満たされるのなら——

 

 

 

「ディストピアガイのエフェクト発動! 墓地のドローガイを対象とし、その攻撃力分……1600のダメージを喰らえ!」

 

 

 

 ——嗚呼。

 

 折角守ってきた私の世界が壊れていく。

 長い間……ずっと私の自我を覆っていた、硬い殻が。

 最早、取り戻す事ができない不可逆な変化だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが。

 

 

 

 こんな所で私が負けるとでも?

 

 

 

 馬鹿馬鹿しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は手札の『ハネワタ』の効果を発動!」

「なっ!?」

 

「「「ハネワタ!?」」」

 

 ハネが付いていて毛のあるよく分からない生物が、ディストピアガイに立ち向かった。

 

「このカードは、手札から自身を捨てることでこのターン発生する私への効果ダメージを全て無効にする」

「まさか、そんな手段でこの一手を防ぐだなんて……!?」

 

 私も、想像もしていなかった。

 まさか本当にバーンメタが生きる瞬間が来る事になろうとは。

 ……今の場面だとヴェーラーでも良かったが。

 

「そして、忘れてないよな? デストロイフェニックスガイの効果を」

「くぅ……!」

「デストロイフェニックスガイ、自身諸共ディストピアガイを討ち滅ぼせ!」

 

 先程と全く同じ光景だ。

 何処までも無常な現実と一緒で、やはり変わるものなんて一つもない。

 人が、世界が。

 決心一つで、そう簡単に変わるわけがない。

 

 変わって、たまるか。

 

「……まだ運命は決していない! 僕はディストピアガイの効果発動!」

「っ、デスフェニで攻撃力が下がっているから……!」

「その通りさ。僕が破壊するのはダイヤモンドガイだ!」

 

 デストロイフェニックスガイの魔の手が及ぶ一歩手前。

 タダではやられないとばかりの抵抗で、ダイヤモンドガイがやられた。

 そこがやられたとしても、特に問題はない。

 

 ……が、少し腹が立つな。

 

「僕はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ!」

「結局、私のターンは再びやってきたね」

「そうだな。だが、まだデュエルは終わっちゃいない!」

「……私のターン、カードドロー!」

 

 

 

 いいや、違うね。

 これがラストターンだ。

 

 

 

 このスタンバイフェイズは忙しくなるな。

 

「まず、デストロイフェニックスガイの効果! 何度でも蘇れ、デストロイフェニックスガイ!」

 

 

D-HERO デストロイフェニックスガイ ATK 2500

 

 

「更に、私は墓地のダークエンジェルの効果発動!」

「そのカードはたしか、最初の君のターンで『フュージョン・デステニー』の効果で融合素材の……」

「墓地のこのカードを除外し、お互いはデッキから通常魔法1枚をデッキトップに置く」

 

「つまり、それって……!?」

「これであの女は確実に『大逆転クイズ』を当てられる」

「これじゃ、もうエドに勝ち目は……!」

 

 私がデッキトップに置くカードは……

 ハッ、アレしかないな?

 

「ここだ! 僕はセメタリーのドローガイのエフェクト発動! このカードが墓地に送られた次のスタンバイフェイズ時に、自身を特殊召喚できる! 更に、ドローガイのエフェクト発動!」

 

 やはりな。

 そうすると思ったさ。

 

「ドローガイがHEROモンスターの効果で特殊召喚に成功した場合、お互いのプレイヤーはカードを1枚ドローする!」

 

「上手い、これならデッキの一番上のカードを魔法カードに固定されずに済む!」

「だが……あの女は、これも想定済みだったようだぞ」

 

「メインフェイズ。私は魔法カード『トップ・シェア』発動! お互いはデッキのカードを1枚選び、確認してからデッキトップに置く」

「何っ!?」

 

 これで再びデッキトップが確実になった。

 

「私はダイヤモンドガイの効果で墓地に送られた『大逆転クイズ』の効果を適用する。デッキトップのカードの種類をあてることで、お互いのライフを入れ替える。当然、私が選ぶのは魔法カード!」

 

 私が『トップ・シェア』で置いたカード……2枚目の『デステニー・フュージョン』。

 必然の正解だ。

 

 

明美 LP 1200 → 4000

 

エド LP 4000 → 1200

 

 

「2800ものライフ差が……入れ替わった」

 

 

 さて、そろそろ終幕だ。

 ディシジョンガイは効果ダメージを無効にするんだったか。

 それなら、私が勝負を決めるには……

 

「……まだだ! リバースカードオープン、『死魂融合(ネクロ・フュージョン)』! このカードはセメタリーのモンスターをゲームから裏側表示で除外し、融合召喚を行う!」

「これでも、抗うか」

「当然だ。こんなにも君は苦しそうにしているじゃないか……!」

 

 私が、苦しそう?

 

「それは違うよ」

「何だと?」

「人は苦痛を受け入れて生きるしかないんだ。多少の差はあれど、誰も彼もが苦痛を抱えて生きている。それは、当然のことだろう?」

「……」

「人は皆……自分の苦痛だけを大切に生きるべきなんだ。私は、それをようやく思い出せた気がするな」

「違う! 僕が伝えたかったのは、そんな事じゃない!」

 

 大声でエドは否定する。

 しかし、私にとっては最早そよ風程度も響かない。

 虚しく通り抜けていくだけだ。

 

 確かに私に影響を与えはしたさ……それはもう認めるよ。

 でも、その全てを受け入れる訳でも反発するわけでもない。

 咀嚼もせずに飲み込むだけ。

 赤の他人の言葉なんて、所詮そんなものでしょ?

 

「僕は墓地のディストピアガイとドリームガイを融合! 暗黒の世界の英雄よ! 夢の世界の英雄よ! 今一つになりて黄昏の理想郷に君臨せよ! 融合召喚! カモン! 『D-HERO ダスクユートピアガイ』!」

 

 

 

D-HERO ダスクユートピアガイ

融合・効果モンスター

星10/闇属性/戦士族/攻3000/守3000

「D-HERO」融合モンスター+「D-HERO」モンスター

(1):このカードが融合召喚した場合に発動できる。

自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、

融合モンスター1体を融合召喚する。

(2):自分・相手ターンに1度、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

このターン、そのモンスターは戦闘・効果では破壊されず、

そのモンスターの戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージは0になる。

 

 

 

 守備表示で出して、守りを固めてきたか。

 無駄な抵抗を……

 

「ダスクユートピアガイの効果で生き残ろうとするのは悪くない策かもしれないけどね……言ったじゃないか。無駄だってね」

 

 私は今引いたカードを即座にディスクに叩き付ける。

 

「魔法『マスク・チャージ』発動。墓地のHEROモンスター1体とチェンジ速攻魔法を手札に加える。私が手札に加えるのはダスク・クロウと『マスク・チェンジ』。そして、そのまま発動。ディナイアルガイを墓地に送り、闇属性のM・HEROを特殊召喚する。私が呼ぶのは……こいつだ」

 

 再び、変身の光が辺りに煌めいた。

 そこに立っていたのはダーク・ロウよりも少し体格の大きいマスクを被った戦士。

 闇鬼。

 

 このデュエルを終わらせに来た戦士だ。

 

 

 

 

M・HERO 闇鬼

融合・効果モンスター

星8/闇属性/戦士族/攻2800/守1200

このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードは直接攻撃できる。

その直接攻撃で相手に与える戦闘ダメージは半分になる。

(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。

デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。

 

 

「まだ、隠し玉を……!」

「……っ、早く終わらせよう」

 

 しまった……少し興奮してしまったからか、身体の方が少し不味い。

 流石に疲れてしまったらしいな。

 後で、一眠りするとしよう。

 

 そうすれば……思い出したくもなかった、この最悪の気分をまた鎮められるかもしれない。

 淡い期待ではあるけれど。

 

「バトル。闇鬼はダイレクトアタックが可能なモンスター。その際、攻撃力の半分しかダメージを与えられないが……それで十分だね?」

「ダイレクトアタックだと!? しまった……!」

「行け、闇鬼! 奴を絶望の淵へと叩き伏せろ!」

 

 

 闇鬼が直接エドの前へと移動する。

 ダスクユートピアガイは闇鬼を遮る事はできなかった。

 そのまま、静かに真っ直ぐに手刀が振り下ろされる。

 

「——ぐはっ」

 

 一瞬の間の後、エドはようやく膝を突いた。

 

 

エド LP 1200 → 0

 

 

 最初からこうなるだろうと私は知っていた。

 だけど、まさかこんな気分になるだなんて思いもよらなかった。

 あまり勝った気はしない。

 

 

 

 

 

 

 

 ……ああ、寂しいな。

 






……い。

寂しい。

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