plottと東方projectの組み合わせって色々出来そうだなと。
今後も何か書くかも知れませんが、お付き合いを宜しくお願い致します。
あれはいつものようにペンギンが某企画の無理難題を押し付けられている時だった。
「・・・はあ。まさか、またSCP財団の仕事をやらされるとはな」
「なんで、うちみたいな会社にこんな大仕事頼むんでしょうね?」
ため息を吐くペンギンに後輩のシャチが呟くといつもの如く、無駄に技術を詰め込んだ小型のモニターから上司が問いに答える。
「それはだな!わが社がSCP財団に恩を売っておけば、いずれはもっとネタになる動画を作れるのではないかという考えがあっての事だ!」
「発想としては最悪だが、お前にしては珍しくまともな考えだな?」
「いや、パンダが」
「やっぱりか・・・」
自分の考えではない事をバッサリと上司が言い捨てるのと同時に噂のパンダが部屋の中に入ってくる。
「ふっふっふ。だって、SCPを管理するだけの簡単な仕事でしょう?
ここでなら、ペンギン達に仕事を押し付けて堂々とサボれるじゃない」
「そういう魂胆か・・・はあ。結局、いつも通りか」
「大丈夫♪大丈夫♪SCPなんて簡単には脱走出来ないんだし、ただ監視するだけなんだから、こんな仕事、楽勝でしょう♪」
「フラグを立たせるな!」
相変わらず、やる気のないパンダにペンギンはそう突っ込むと再びため息を吐き、シャチに振り返る。
「とりあえず、異常がないかを見回りするぞ」
「わかりました!ーーあっ」
「ん? どうした、シャチ?」
「いえ。SCP財団のスタッフがなにやら、話していたのを思い出して・・・」
「ん? どんな話だ?」
「えっと、なんでも、二人組の女の子が施設内に侵入しているんだとか、そんな話だったかなと・・・」
「なに!? それは大事じゃないか!」
「ええっ! 本当!?」
シャチからの話を聞いてペンギンとパンダが驚く。
「このSCP財団のセキュリティーを突破して侵入するなんて」
「本当だね」
「パンダもわかるか?」
「うん。こんな場所に女の子二人で侵入して来るなんて有り得ないもん。やっぱり、目当てはボクかな~?」
「そんな訳ないだろ」
相変わらず、わかっているようでわかっていないパンダにつっこむとペンギンは冷静に現状を説明する。
「SCP財団のセキュリティーを掻い潜って侵入して来たその二人の目的はなんなのかわからないが、よほどのハッキング能力に長けたハッカーだろう。
つまり、SCP財団に敵対している別の組織の人間の可能性もあるって事だ」
「ええ!それってヤバいじゃん!」
「だから、そう言っているんだ」
ようやく、事の重大性に気付いたパンダにペンギンは再度、つっこむ。
「とりあえず、何者なのかはわからないが、警戒はしておこう。
パンダ、監視カメラで怪しい人物がいないかどうかを調べてくれ」
「うん!わかったよ!」
「俺とシャチは施設内を巡回だ」
「わかりました。ペンパイは自分が守ります!」
ーーー
ーー
ー
「なんか、すごいところに来たわね?
これも本当にメリーが見ている夢の中かしら?」
宇佐見蓮子は彼女に後ろからはりつく親友であるマエリベリー・ハーンことメリーに尋ねながら、警戒しつつ前を歩く。
以前にもこの施設にマエリベリー・ハーンの境界を見る能力でやって来た記憶はある。
相変わらず、厳重にロックされた複数の扉と薄暗い通路に蓮子もただならぬ気配を感じて警戒する。
そんな風に前進していると前から二つの明かりが見えた。
「財団のセキュリティーを突破して侵入したって本当に何者なんでしょうか?」
「さあな。せめて、特徴だけでも解るといいんだが・・・ん?」
そうこうしている内に彼女達の前に科学世紀では見るのも珍しいペンギンのような何かとその横を歩くーー蓮子には尾ひれで直立した状態で滑っているようにも見えるがーー魚のような何かが前からやって来る。
「どうやら、メリーの夢の中で間違いないようね。
絶滅したコウテイペンギンとイルカが歩いてくるんだもん」
「ああん!誰がイルカだ!?」
ドスのきいた声で魚が威嚇するとメリーが蓮子の後ろに隠れる。
そんな魚を「おい、やめろ! シャチ!」とペンギンが制止する。
「怖がらせたのならすまんな。オレ達は不審者がいないかを調べているんだ」
「ペンギンなのに紳士的ね?」
蓮子はそう告げると警戒を解き、ペンギンに近付く。
「私達はちょっと道に迷ってしまったの」
「・・・そうか」
ペンギンは何か考える素振りをしてから蓮子に質問した。
「オレ達は仕事でな。不審な二人組を探している」
「多分、それは私達の事よ」
「だろうな」
「え? ペンパイ? じゃあ、この子達が?」
「そのようだが・・・何らかの組織という感じではないな」
「私達は京都大学の秘封倶楽部ってオカルトサークルをやっている大学生よ」
「ちょっーーメリー!?」
素直にペンギンの言葉に答える親友に何か言いかけようとするがメリーはペンギンに何かを見出だした様子で語り続ける。
「ようやく理解したわ。ここは私の見ている世界ではないわ」
「それは薄々感じていたけれども・・・じゃあ、ここって」
「ええ。ここはこのコウテイペンギンさんの見ている夢の中よ」
断言するメリーと何かに気付いた蓮子の様子にペンギンは何かに気付いたのか、「少しいいか?」と質問する。
「ひょっとして二人はペンギンを見た事がないのか?」
「ええ。ペンギンは文献程度でしか知らないわ」
「そうか・・・道理でな」
「それよりもペンギンさんだったかしら?
ここはあなたの夢らしいのだけれど、何か思い出せる?」
「夢?・・・なにを言っているんだ?」
そう告げたペンギンにノイズが走ったのは次の瞬間であった。
「・・・夢?・・・いや、これは・・・」
「ペンギンさん?」
「・・・いや、なんでもない」
ペンギンはそういうと自己紹介をする。
「オレはペンギンだ。因みにアデリーペンギンって種類のペンギンだぞ」
「私は宇佐見蓮子。こっちはマエリベリー・ハーン」
「そうか・・・ん?」
不意に違和感を感じてペンギンが周囲を確認すると隣にいた筈のシャチが消えていた。
「シャチの奴、どこへ行ったんだ?」
「ペンギンさんのお連れさんなら」
「待って、蓮子。もしかしたら、ペンギンさんは・・・」
「?」
不審に思うペンギンは「なあ」と質問を変える。
「二人はどこから来たんだ?」
「私達は科学世紀って時代の人間よ。つまり、”過去の世界”の人間ね?」
「科学世紀?」
その言葉にペンギンの思考に再びノイズが走る。
今度は先程よりも鮮明に見えた。
「そうだ。オレは・・・」
そこで全てがブラックアウトして何も見えなくなる。
ーーー
ーー
ー
そうだ。オレは・・・オレの肉体は既になかったんだ。
いまのはオレの脳が見せた夢だ。
それにイレギュラーである彼女達が現れた。
脳だけになったオレの・・・オレ達の前に現れたんだ。
【おはよう、ペンギン】
ああ。おはよう、パンダ。
そして、おやすみ。
また、オレは全てを忘れて深い眠りに落ちる。
ああ。そうだ。
もしも、またあの秘封倶楽部とやらの二人をまた夢に見る事があれば、今度はキチンと会話をしたいものだ。
そう思いながら、オレは培養液の中を漂いながら眠りに落ちる。
【もしも、培養液で育った脳がイレギュラーと遭遇したら】