IS~嫌われた世界で生き抜く~   作:とあるP

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第15話

シャルロットから突然の告白を受けた翌日。朝からボーっとしているところを乱に注意されていた。

 

「…」

 

「亜希さん?どうしたんですか?」

 

「うん?どうしたんだい乱ちゃん」

 

「どうしたんだいはこっちのセリフですよ~。何だか心ここにあらずってな感じで…大丈夫ですか?」

 

「ああ…大丈夫、大丈夫」

 

「?」

 

乱にはああ言ったが、実は全然大丈夫じゃなかった。秋はこうなる事(告白される)が初めてだったからだ。中学時代は一夏の方がモテるので、告白をよく受けていた。

 

だが、当の本人は…

 

『付き合う?買い物にとかか?』

 

『電話番号を交換?…そっか!忙しい時連絡取れた方がいいもんな!』

 

『メール?そんな事より直接話そうぜ!』

 

などといった、女の子の気持ちをブレイクしまくって来たのだ。おかけで、その子ケアを秋がする始末。だから、自分の恋愛も満足出来ないでいた。

 

そもそも、秋も特定の子が好きだったり、気になっていた女の子が居るとかそんな暇なんてなかった。運動で一夏に勝つために、弱い身体に鞭打ってトレーニングをしていたのだ。

 

そんな事を思いながら、朝食を済ませる為に食堂に来た亜希と乱。入口付近に立っていたら、後ろから来た、鈴に抱きつかれていた。

 

「おはよう~秋~!」ダキ

 

「おわ!危ないだろう、鈴」

 

「えへへ~秋なら大丈夫だと思ったのよ」

 

「それでもだ。もし、受け止めきれなかったらどうするんだ」

 

「それなら…その時考えるわ」

 

そう言って、亜希から離れる鈴。その光景を羨ましがって見る乱。とりあえず3人でご飯を食べようとすると、向かいのテーブルに神楽とヴィシュヌが座っていた。

 

しかし、目が笑っていない。むしろ怒っている様にも見ている。秋は「あそこには行きたくない」と思っていたが、乱と鈴が秋の手を引き、神楽とヴィシュヌが座っているテーブルへと向かって行くのだった。

 

「ほら、行くわよ」

 

「行きますよ。亜希さん」

 

「え~俺あそこには行きたくない…」

 

有無を言わさず連れて行かれる秋。その光景を一夏と箒、セシリア、シャルルは複雑な気持ちで見ている。

 

「っけ!どうしてアイツがあんなところに居るんだよ…」

 

「朝食を取るんだから別にいいじゃないか…」

 

「!何だよ箒。アイツの味方すんのかよ!」

 

「一夏。どうしてそんなにカッカしているんだ。私には分からないぞ」

 

「う、うるさい!うるさい!俺はアイツが気に食わないだけだ!」

 

そう言って、一夏はずんずんと食券機に向かって歩き出した。それを見ていた箒、セシリア、シャルルは苦笑いするしかなかった。

 

「はぁ~どうしてこうなったんだ…」

 

「全く…これでしたらまだ、亜希さんの方が大人しいほうですわね」

 

「アハハ…それにしても、亜希って人気者なんだね。あんなに人が居るんだもん」

 

鈴と乱に連れられながら、神楽とヴィシュヌが座っているテーブルへと向かって誘導される亜希を見て、シャルルは箒とセシリアにどう見えるか聞いてみた。

 

「ところで、箒とセシリアは亜希の事ってどう思っているの?」

 

(わたくし)は良き友人として、またライバルとして思っておりますわ。いつか超えなければならない壁な様な気がしますの」

 

「そうなんだ…箒は?」

 

「私は…どうなんだろうな」

 

「え?」

 

箒の曖昧な回答に驚いているシャルル。

 

「私は、あの成宮が昔死んだ織斑秋と重なってしまうような気がしてな…」

 

「織斑秋?ってどなたですの?」

 

「そうか、セシリアとシャルルは知らなかったんだな。少しだけ…長い話になるかもしれんぞ」

 

「別にいいよ」

 

(わたくし)も構いませんわ」

 

そう言って、3人は食券機で各々の食券を買って、近くのテーブルへと向かって行くのであった。あらかた食べ終わったところを見計らって、箒が話し始めた。

 

「あれは、私と一夏、それに秋が小学生に入る前の話しだった。当時私の家は篠ノ之流剣術を使って道場を務めていた。父柳韻(りゅういん)は剣術に関しては右に出る者はいないと言われた、剣士であってな。そこで一夏と秋は腕を磨いていたんだ」

 

「へぇー凄い人だったんだね」

 

「しかし、一夏はメキメキと頭角を現すのに対して、秋は運動が得意ではなくてな…いつも一夏に負け越ししていた。だから、私が直々に稽古をしてやったんだ。それでも、改善することがない秋に対して、千冬さんが言った一言で事態が一変したんだ」

 

『一夏はこんなにも出来る。お前はどうだ?』

 

「……」

 

「それが仇となったのか知らないが、秋はそれ以降道場には来なくなった。一夏や千冬さんは『弱虫』や『逃げ腰』と散々罵っていたが、私は違うと思っていた」

 

「…そんな事がありましたのね」

 

「ああ、そして、千冬さんのISモンドグロッソで2連覇をして数日後のことだった…」

 

「箒さん?」

 

「どうしたの?箒?」

 

一瞬箒の顔が強張った。だが、意を決して喋り出すのであった。

 

「…ドイツのとある廃工場で、おびただしい量の血痕が見つかりDNA鑑定の結果から…織斑秋の物だと判断された」

 

『!』

 

「そして、量からして致死量を超えていた。のちに織斑秋の死亡が決定されたのだと…」

 

「そんな…」

 

「地元の警察に秋の発見を依頼したが、結局1ヶ月で捜査は打ち切りになり、秋は死亡扱いされてしまった」

 

『……』

 

全てを話し終えた箒は水を一杯だけ飲み心を落ち着かせるのであった。

 

「これが、私が秋の知る全てだ。だから、あまりいい話ではなかったであろう」

 

「……」

 

セシリアとシャルルは、普段から聞きなれない話しを話されて呆然としていたが、徐々に回復している。

 

「確かにいい話ではなかったね。けど、箒はその織斑秋と成宮と何で重なって見えたの?」

 

「…一夏と成宮がクラス代表決定戦で戦った時があってな。その時に使っていた剣術の型が、昔の秋が使っていた型と似ていたからな。もしかしたらと思ってな…」

 

「そうなんだ…仮にその織斑秋が生きていたら、箒はどうしたいのさぁ?」

 

「私か、そうだなぁ…あの時の事を謝りたいと思うな」

 

『あの時の事?』

 

この発言に、セシリアとシャルルは揃って首を傾げるのであった。箒が言っていた『あの時の事』とは、箒と秋が稽古していた時のことである。

 

「私と秋が稽古していた時だ。当時の私は父や一夏に褒められる事が嬉しくてな。その…つい門下生であった秋に対して本気で打ち込んでしまったのだ」

 

『ええ~!?』

 

「確かに…やりすぎたと思っている。その後は一夏には褒められたが、父にはこっぴどく怒られてしまってな…『素人相手に本気を出すなんぞ何事か!』ってな」

 

そりゃそうだと2人は思ったが、声に出すと更に悪化する可能性があると思い、言うのをとどまった。

「そう言うシャルルはどうなんだ?成宮のこと」

 

「そうですわ。シャルルさんはどう思っていますの?」

 

「僕かい?僕は…亜希のこと好きだよ」

 

『え?』

 

シャルルの意外な回答に聞き返す2人。箒とセシリアは「Like」の好きだと思っていたが、シャルル本人はそうでもなかった。

 

「えっと…シャルルさん。シャルルさんがおっしゃる好きは『Like』の方で、合っていますか?」

 

「え?『Love』の方だよ?」

 

『ええ~!』

 

流石に箒とセシリア以外に、聞き耳を立てていた女子生徒達も大声で反応さぜるおえなかった。なお、一夏は箒とセシリア以外の1組の生徒達と食べていたので、聞こえていなかったし、亜希に至っては、既に朝食を済ませているので、シャルルの告白を聞けず仕舞いであった。

 

「こ、これは!シャル×亜希の薄い本が更に厚くなるわ!」

 

「いいえ!亜希×シャルよ!攻めの亜希君に受けのシャルル君!」

 

「けど、夜になるとベットの上では攻守が…キャーー!」

 

腐女子たちが変な噂をしている中で、シャルルの熱意は止まらなかった。それは、同席していた箒とセシリアが引くくらいであった。

 

「だってさぁ~いつも僕のことを第一に考えてくれるし、この前も相談に乗ってくれたんだ。そして、何よりもあの笑顔!あの笑顔を見ていると、僕の不安を取り除いてくれる感じがあるんだ~」

 

「あ、あ、そうだな」

 

「え、え、そうですわね…」

 

そんな話しをしていたら、残っていた朝食が冷めてしまい、3人は結局食べれなかった。

 

 

 

秋が朝食を終えて、クラスに入ると異様な雰囲気が漂っていた。それもそのはず、食堂で朝食を取っていたクラスメイト達が、シャルルの『亜希LOVE発言』を聞いていたのだからだ。

 

もしかしたら、秋はソッチ系なのかもしれないと妄想する人もいる。だが、秋は全然その気はなく、女の子に興味がある。

 

その噂の元凶は何の迷いもなく、亜希へと挨拶をして行くのだった。

 

「おはよう!亜希!」

 

「おはようございます。シャルルさん」

 

「ねぇねぇ亜希聞いて!実はね…」

 

そこからはシャルルが、昨日起きた出来事について話し始めた。そんな感じで始まった1日であったが、気が付けば放課後になっていた。

 

放課後になったので、亜希は自室に帰る途中箒に出会った。無視して、帰ろうとすると箒から待ったをかけられた。

 

「……」

 

「待て成宮。話しがある」

 

「…何ですか、篠ノ之さん。僕はこれから自室で勉強をしないといけないんです」

 

「分かっている。だから、話しだけでも聞いてほしい」

 

「…いいですよ」

 

「ありがとう。では、単刀直入に聞く…『織斑秋』なる人物を知っているか?」

 

まさか、箒の口から織斑秋の名前が出てくるとは、思っていなかった亜希。一瞬たじろぐが知らないと答えるのであった。

 

「…知らないですね。その人がどうしたんですか?」

 

「…そうか。いや、何でもない。呼び止めてしまって、悪かったな」

 

「いえ、それじゃあまた明日…」

 

「ああ、また明日だ」

 

そう言って、箒は去っていた。それを見ていた亜希は、箒への警戒心を更に上げる事にした。どうして、()の事を知っている。生きている事がバレたのか?何故箒が俺の事を知っているのか?

 

いくつもの疑問が浮かぶが、決定的な答えにたどり着かないまま自室まで来てしまった。仕方なく秋は頭の片隅にそれを置いて、自室に入って行くのだった。

 

自室では、乱が一心不乱にキッチンと部屋を行ったり来たりしていた。今日は、自分が夕食を作る当番だったはず。

 

それなのに、乱はピンク色のエプロン姿で料理を作っていた。そして、粗方作り終えると部屋に入ってきた、亜希に向かって席に座る様に言って来た。

 

「あ、亜希さん!おかえりなさい」

 

「ああ、ただいま。乱ちゃん、今日は僕が料理を作る当番じゃなかったっけ?」

 

「朝の亜希さんを見ていたら、怪我をするんじゃないかと思って私が作っちゃた。…迷惑でしたか?」

 

「…とんでもない。むしろ感謝しているよ。ありがとうね」

 

「えへへ///」

 

「それじゃあ、乱ちゃんが腕によりをかけて作ってくれた料理だ。冷めない内に食べちゃおうか」

 

「はい♪」

 

こうして、秋は久しぶりに他人の料理を食べることが出来たのだ。味は、料理店に出てもおかしくないくらい美味かった。

 

次の日。秋は朝練をする為いつも通り運動場へとやって来た。秋が運動場に着くと以外な人物が、運動場に居た。

 

そこに居たのは、ジャージ姿の千冬と箒の姿がいた。秋はその2人を見ると、そそくさと運動場の隅で準備運動をするのであった。

 

それに、待ったをかけた人が居た。千冬だった。

 

「…おはようございます」

 

「ああ、おはよう。成宮」

 

「おはよう。成宮」

 

「それじゃあ」

 

「待て成宮。準備運動を終えた後でいいから、ちょっと手合わせをしてもらいたい」

 

「…それは、自分と織斑先生がですか?」

 

「それでは分が悪い。篠ノ之とやってもらう。篠ノ之それでいいか?」

 

「…はい。構いません」

 

そこには、竹刀が2本置いてあった。秋は考えていた。箒と千冬はあえて準備をしていたのか。それとも突破的に成宮がここに来たから、手合わせの依頼をしたのであろうか。

 

秋は思った。明らかに前者の事だと。手合わせをするのは簡単だがどうすればよいか。篠ノ之道場に通っていた時に覚えた剣道の型は覚えている。それを使えば、箒と対等。いや、勝てるかもしれない。

 

しかし、それを使えば自分が織斑秋だとバレてしまう。上手く誤魔化す方法はないかと…

 

「わかりました。15分ください」

 

「わかった」

 

秋は考えた末……今まで通りにすることにした。どうせバレるなら潔くバレた方がいいと。そして、入念に準備運動をして竹刀を手にした。

 

久しぶりに握る竹刀の感触を確かめながら、ルールの確認をした。

 

「それで、どうすればいいんですか?」

 

「防具を付けていないから、寸止めでいいだろう。もしくは、私が危険と判断したらそこまでとする」

 

「わかりました」

 

両者は離れて一礼した。そして、千冬が開始の合図を出したのだ。

 

「それで…はじめ!」

 

ifルートはどれがいい?

  • 秋が死なずにそのままIS学園で生活
  • 秋が死なずに亡国企業でIS学園と退対立
  • 秋が死んでその後の話し
  • 秋が死んで何処かの世界に転生する
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