死にたくない呪霊は割とすぐ死ぬ   作:常時腹痛マン

23 / 39
【特別指定呪霊‐Bの報告書 ‐ ████ 】

 

登録番号:█████

等級:特別指定‐B

個体名:挽歌

 

由来:特別指定呪霊‐Bは「死」を畏れる感情から発生した呪霊です。人間と同様に身体の耐久力は低く、たとえ4級呪術師の攻撃でも一時的に死に至ります。

 

特別指定呪霊の完全な祓除は現時点では不可能です。対応は被害削減に注力されます。

特別指定呪霊‐Bの周囲に、非術師を配置させてはいけません。仮に特別指定呪霊‐Bを攻撃する際、近辺に非術師がいないことを確認してください。

 

 

説明:当該呪霊‐B(以下当該呪霊‐Bを個体名「挽歌」とする)は人型で身長はおよそ1.58mあります。筋肉量は少なく、他の呪霊との戦闘で打ち負ける姿が確認されています。髪は珊瑚色で短く、平均的な人間と類似した外見をしています。

 

「挽歌」はおよそ直径2.6cmの棒付きの飴玉を所持しています。その飴玉がどのような過程で生成されているかは判明していません。飴玉の模様は個体により様々な種類が確認されており、何らかの意味があるものと考えられます。

 

通常の「挽歌」は非常におとなしく、害を加えない限りは場所を問わず彷徨いているだけのようです。しかし、何者かが「挽歌」に殺意もしくは捕縛の意志を見せると、ひどく怯え始めます。

 

 

「挽歌」の身体が生命活動を停止した時、数秒後、付近で身体が再生した状態で蘇ることが記録されています。通常は飴玉から得た[削除済み]を消費し、再生します。飴玉は「挽歌」の術式によって生成されます。

 

 

再生の際、稀に「挽歌」の周囲に存在していた人間の内無差別に選ばれた1名が死亡します(以下、選ばれた人間を被呪者‐1とする)。

 

これは所有する飴玉の個数に影響するとみられます。このとき被呪者‐1の死亡を妨げる方法は知られていません。呪力耐性のある呪術師には作用しにくいと考えられていますが、明確な基準は不明です。

 

飴玉の残り数がなくなると、「挽歌」は再生の際、被呪者‐1を殺して[削除済み]を得ます。

 

 

今のところ特別指定呪霊は、特別指定呪霊‐A、特別指定呪霊‐Bが記録されています。これら呪霊の性質はどちらも同じですが、特別指定呪霊‐Bの方が比較的人間に対して非敵対的な行動を示します。

 

 

 

特別指定呪霊‐A:個体名不明。████年██月██日、当該呪霊‐Aは「両面宿儺」と共に██国の廃村を彷徨っているところを発見されました。対象は珊瑚色の短髪で、人間と類似した外見をしていました。目撃者は、当該呪霊‐Aが「両面宿儺」に対して友人のような態度をとっていたと報告しています。

最後に目撃されて以来、当該呪霊‐Aとの遭遇例はなく、まだ生存しているかは不明です。事前報告なしの封印がなされた可能性もあり、一先ずの危機は去ったと判断されました。

 

 

特別指定呪霊‐B:個体名「挽歌」。2017年██月██日、「挽歌」は██県某所の公園でベンチに腰かけているところを発見されました。対象は珊瑚色の短髪で、人間と類似した外見をしていました。目撃者は、「挽歌」の祓除にあたったところ、目の前で肉体の再生を確認しました。この際は飴玉から[削除済み]を得たと考えられています。「挽歌」に敵対意志はなく、報告者は名前を尋ねられました。

 

特別指定呪霊‐Aと酷似した外見で同様の特徴を保持していますが、術式と言動の稚拙さから、まるで何も知らない子供のような空気を感じたといわれています。

 

既存の呪霊とは異なった行動をとること、詳しい事情が判明していないことから、特別指定呪霊‐Aとは別個で記録を開始します。

 

 

未だ明確な祓除方法は見つかっていません。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

事件報告:████

引き起こした呪霊:特別指定呪霊‐B(以下、特別指定呪霊‐Bは個体名「挽歌」とする)

 

日付:████年██月██日

場所:████・里桜高校

 

説明:事件報告は、特級呪術師・五条悟と1級呪術師・七海建人により編集されました。

 

里桜高校体育館にて、全校集会に参加していた生徒及び教師の過半数が死亡しました。生存者は未だ意識不明の重体で███病院に収容されています。

 

 

以下は2018年9月██日の朝、里桜高校体育館の監視カメラの記録、戦闘と残穢からの報告及び説明です。

 

 

午前8時43分02秒:里桜高校校門の監視カメラに監視対象・吉野順平を確認と同時に、映像が乱れる(映像の乱れから呪霊の侵入を推察)。

 

午前8時43分30秒:事前報告なしの「帳」の出現を「窓」が確認する。

 

午前8時45分11秒:体育館の監視カメラの映像が乱れる。監視対象・吉野順平が立ち入り、生徒及び教師が倒れる。

 

午前8時56分49秒:対処のため██級呪術師・████が里桜高校に到着。

 

午前8時57分57秒:監視対象・吉野順平及び「挽歌」と接触。生徒及び教師の昏睡を確認。この時点での死亡は確認されていない。

 

午前9時11分12秒:戦闘の激化に乗じて「挽歌」が体育館から逃亡。

 

午前9時14分27秒:吉野順平と██級呪術師・████が本校舎へ移動。

 

 

 

午前9時18分33秒:体育館の監視カメラの映像が再度乱れる。呪霊の侵入を確認。

 

 

午前9時19分05秒:生徒及び教師はぐったりとして、停止。この時点で死亡と推定される。

 

 

午前9時20分01秒:体育館の監視カメラがオフラインになる。

 

 

 

午前9時52分44秒:本校舎3階で██級呪術師・████が、ツギハギ呪霊(特級呪霊レベルと推定)の出現を確認。

 

午前9時55分19秒:ツギハギ呪霊の術式により、吉野順平の身体が変形。

 

午前9時55分50秒:「挽歌」が出現。ツギハギ呪霊及び、両面宿儺との会話を確認。

 

午前9時57分16秒:吉野順平の死体に「挽歌」が近寄り、停止。その後の動向は不明。

 

午前10時07分03秒:1級呪術師・七海建人が里桜高校に到着、██級呪術師・████と合流する。同2名がツギハギ呪霊の祓除を開始する。

 

 

午前10時59分14秒:ツギハギ呪霊が逃亡。

 

午前11時21分03秒:指令を受けた増員が到着。

 

 

 

調査結果:同体育館からは監視対象・吉野順平、██級呪術師・████の残穢、そして上塗りするように「挽歌」の残穢が大量に確認されました。残穢の痕跡から、「挽歌」が術式の大規模な展開をしたことが明らかになりました。

 

過去に目撃された「挽歌」の呪力量を大幅に上回った残穢が確認されたことから、「挽歌」の何らかの「縛り」が解除されたことが推察されます。

 

 

検死結果:同体育館から発見された死体は、病院で老衰死を迎える患者と同じような状態であったことが判明しました。外見や内部構造から異常は見つからず、眠ったまま緩やかに死亡しています。死体全てが安らかな表情をしており、各々から「挽歌」の残穢を確認しました。

 

死体は即時[削除済み]されました。

 

 

 

 





【言い訳】やってみたかった。

 呪術師サイドがどれくらいの事情を把握しているかについてです。設定纏めついでに遊びました。
 本編は近日中に上がります。お付き合い頂ければ幸いです。



 たくさんの評価、お気に入り、感想、しおり等、いつも本当にありがとうございます。とてもとても嬉しいです。この通りのんびりとマイペースかつ好き勝手書いている拙作ですが、今後ともお楽しみいただければと思います。
 まだまだ感想等お待ちしてます(乞食渾身の土下座)
 質問等ございましたら開示できる範囲でお答えしますので何卒!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。