バラガンとの戦いで死の息吹に侵された市丸は、そのまま命を落とした。
「まさか乱菊に魂葬をしてもらえるなんて、転生もしてみるもんやな」
「ふざけたことを言ってないで、早く流魂街に行きなさい。今のあんたなら、どこでも生きていけるでしょ」
「まあ、そうやろね」
市丸は仮にも護廷十三隊の頂点たる隊長の一人だったのだ。治安最悪の北流魂街80地区の更木に行くことになろうとも、何の問題もない。
「それで、尸魂界ではどうするつもりなのよ」
「そうやなあ。色々と面倒なことは多いやろうけど、やっぱり護廷十三隊に入ろうかな」
「そう……それがいいんじゃない?」
結局のところ、市丸は今世でも戦いの中に身を置いてしまった。結局、来世もそのような生き方しかできないのだろう。
「けど、せっかく真央霊術院を出ても、ボクのことを取ってくれる隊なんてあるかなぁ」
「市丸なら、その気になればどの隊だって入れるでしょ」
「けど、ボクと藍染隊長のせいで命を失った隊員の知り合いも大勢、おるやろ。それに中央四十六室もボクのこと嫌っとるやろうし、そう簡単にはいかんと思うんやけどなぁ。そうなると、それこそ隊長からの庇護でもないと安心して入隊はできんなぁ」
乱菊がバラガンとの戦いが終わるまで姿を見せなかったのは中央四十六室の指示だろう。今後も、その程度の妨害は避けられないとみるべきだ。
言いながら乱菊の方を見ると、これから市丸が言いたいことがわかったのか嫌そうな顔をしている。けれど、ここで言葉を止めることはしない。明確に言わないと、乱菊はとぼけてしまうだろうから。
「というわけで、今後のボクの立場を考えると、隊長の庇護があるのとないのでは大違いや。だから、ボクが霊術院を卒業するまでに隊長になっといてくれへん? 後輩が大勢、隊長になっとるんやから、乱菊にもできんことはないやろ?」
「そうね……そろそろ本気で目指そうかしら」
日番谷は乱菊にはやる気が足りないと分析していた。市丸もその意見には同意だ。けれど、これで乱菊も少しはやる気を見せてくれるだろう。
「それじゃ、そろそろ魂葬してもらおうかな」
「そうね……」
おそらく乱菊の方から流魂街に市丸を探しにくることはないだろう。それは、他ならぬ市丸がそれを望んでいないからだ。乱菊なら、それを理解してくれるはずだ。
だから、これで数年の別れになる。けれど、それが何だというのだ。
市丸と乱菊は、もう百年以上は顔を合わすことも声を交わすこともなかった。それに比べて今度は霊術院を卒業すれば会えるとわかっているのだ。たかだか十年かそこら別れることになったとて、何という事もない。
「それじゃあ、またな」
「ええ、待ってるわ、ギン」
短い言葉を交わしたのを最後に、乱菊の手により市丸は現世から尸魂界へと旅立った。
1月に入ってから忙しくなり、更新を週1回に落として続けるか、締めに入るか決断をしなければならないことに。
けれど、次にパラサイトが出るのはそれなりに先のこと。
週1ではいつまでかかるかわからないので締めることに。
予定通りとは言い難いですが、ひとまず完走できたのでよしとしましょう。
稚拙な話ではございましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。