私は『何でも屋』と呼ばれている。雑用系の仕事から護衛まで何でもする。ただし、『EDEN』という電脳空間のみだ。
『EDEN』というものを簡単に例えるとVRMMOと呼ばれるものに近いものだと思ってもらえばいい。そんな『EDEN』は自由である。なんでもできる。今では人々の日常になくてはならない存在となっている。
その『EDEN』の中で私は先ほどいった『何でも屋』と呼ばれている。この『何でも屋』という名は良い評判よりも悪い評判のほうが多い。理由は依頼主が気にくわない場合は問答無用でアカウントを破壊するからだ。そんなことを何度も続けていると、『ザクソン』というハッカーチームに目を付けられ、顔を会わせるたびに戦闘になる。まったく、『EDEN』の守護者かなにかは知らないが自由にさせてほしいものだ。
ん?電脳空間での戦闘とは何か?・・・この『EDEN』には『デジタルモンスター』、略して『デジモン』と呼ばれる生命体がいる。デジモンには感情があり、言語を解する個体もいる。そんなデジモンをハッカーたちは利用し、あるときは戦闘に使用し、あるときはハッキングする際に使用する。デジモン同士を戦わせることが『EDEN』内での戦闘になる。
『EDEN』や『デジモン』の話はこのくらいにしておく。
私、『何でも屋』の
こんな非現実的な現象は物語の中だけにしてほしいのだが・・・
のんきに一人語りをしていると私のデジヴァイスから突然カオスドラモンが飛び出し、何かの攻撃を防いだ。
「!?・・・我の攻撃を受け止めるとはなかなかやるではないか。」
カオスドラモンが防いだ攻撃の主はデジモンだった。
「あなた、見たことがないがなんという名前なのかな?」
「我の名はドゥフトモン。まさかこのような場所に我の一撃を防ぐものが現れるとはな。」
「ドゥフトモンね。ところでなぜ私を最初に襲ったか尋ねても?」
「フフフ、フハハハハハハハ!なに、ただの偶然だ。人間という排除すべき存在の中で偶然貴様が目に入っただけだ。さて、話は終わりにするとしよう。貴様のような強大な力を持つデジモンを従える人間をここでみすみす逃がす意味はないからな。今ここで始末してくれる。」
大変面倒くさいことになったが、相手がやる気ならこちらも全力でお相手しなければ失礼というものだ。
私はデジヴァイスからカオスドラモンのほかに2体デジモンを出した。1体はタイラントカブテリモン、そしてもう1体はルーチェモンサタンモードだ。
「カオスドラモン1体だけならまだしもタイラントカブテリモンにルーチェモンだと・・・人間、貴様いったい何者だ?」
「『何でも屋』だ。ただ、悪名高きと付くがな。」
私がそういうと、ドゥフトモンは剣を収め、
「分が悪すぎる。・・・貴様の相手はいつかまたどこかでするとしよう。」
ドゥフトモンは憎々しげに私に言い放つと飛び去って行った。
「ふむ、究極体2体と超究極体1体相手だとさすがに撤退を選ぶか。」
私はデジヴァイスにデジモンたちを戻す。
「さて、これから大変なことになるが、まぁ仕事が増え、収入が増えると考えよう。」
そう言いつつ、自宅に帰ることにしたのであった。