ワイ、ヘドロ。思ったより個性強ぇーわ   作:恋狸

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決してサボってたわけじゃないんですよ信じてくださいお願いしますテストとか修学旅行とか色々あってマジで忙しかったんですなにもする暇がなくて日々忙殺されて書くことができなかったんです悪気はないですごめんなちゃい。


決別と夢

 ワイ、ヘドロ。もうすぐ二桁になる9歳や。

 

 あ? 誰だ9歳(くさい)とか言ったやつぶっ殺すぞ。

 

 ワイは臭くないねん! ちゃんとフローラルな香りのするヘドロになったんや!!

 でもなぁ、有紗に匂い嗅がせてみたら、鼻つまんで『下痢した後に無理やり匂いのキツイ芳香剤をぶちまけた不快な匂いがする』って言われたんや!!!!!!!!!

 

 Fu○k!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 誰がウンコじゃごら!

 

 なんて軽口(?)を言う元気はないんや。

 というより、今それどころちゃうんや。過去を思い出したのはちょっとあまりのショックに記憶がごちゃごちゃに……まあ、ええ。

 

 現在問題なのは、()()()()()()()()()()()をどうするかが問題やな。

 

「オレの家族はヘドロだけだ!! 引き取りなんてするなぁぁぁ!!!!」

 

 そう、いずれ覚悟はしていたが、有紗の引き取り手……里親となる人物が決まってしまったんや。

 もちろん、ワイも嫌や。

 問題児及び面倒な奴とはいえ、5年も付き合いがあるし、情というより家族って感じや。共に色々やってきたし、切っても切れぬ関係やと思ってた。

 

 でも……ワイには何もできない。

 

 ここで、有紗の手を掴んで逃げれたら、と思う。

 

 やけど、前世の記憶、経験がワイに語りかける。

 このまま、逃げた所でヴィランに身をやつすしか方法がない、と。

 

 正式な手続きを交わしてる以上、それを反故にすることは犯罪や。見つかったらワイは少年院にぶちこまれるし、有紗とは二度と近づけなくなるだろう。

 それを有紗もわかってるからこそ、口では言っても決して暴力を振るわない。

 

 くそ、ワイは無力や。力を着けた気になってたのに家族すら守れん……。こんな個性があろうと年齢と社会に勝つことができんのや!

 

 無力にうちひしがれていると、喚いてた有紗が近づいてきた。

 

 

「なんで、てめぇが泣いてんだよ。オレがいなくなって清々してるんじゃねぇのかよ」

 

 さっきまで、オレの家族はワイだけとか言ってたのに、よくそんなことを言える。いや、ワイに対してのいつもの軽口やな……。

 

 ならば、とワイもいつもの調子で返す。

 

「なんや。さっきまでワイのことを求めてびーちくびーちく、泣いてた癖にようそんなこと言えるなぁ」

 

「てめぇも……泣いてるじゃねぇか……」

 

 涙が止まることはない。止められるわけがない。

 最早有紗はワイの半身みたいなもんや。欠けてはいけない存在。

 そう認識して、思ってたより有紗が好きだったのだと気がつく。いや、家族としてやけど。

 まだピチピチの9歳やし恋愛とかわからん。

 

 有紗は気丈に不適な笑みを浮かべると、ワイに一通の手紙と言葉を残す。

 

「次は……雄英だ。オレはヒーローになる。てめぇも来い。じゃあな」

 

 ワイは有紗の言ったことに固まる。覚悟の決まった表情をして立ち去る有紗が手を振るまで、ワイはフリーズしたままやった。

 

 

 

 

「ふぁ!? 雄英!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 なしてそんな覚悟が決まったのかはさっぱりわからない。

 有紗がいなくなった喪失感に打ち震えつつ、自室に戻ったワイは、有紗から貰った手紙を読むことにした。

 

 

 

『拝啓 ウンk……ヘドロ

 

 オレは家族を殺したヴィランに復讐するつもりだった。胸に煮えたぎる復讐心が消えていくことはねぇが、オレにはもう一つ夢ができた。

 ヒーローだ。英雄だ。てめぇはヒーローが嫌いなようだから……嫌がらせだ!

 というのは嘘で、オレはてめぇと会って守りたいものを知ったんだ。友達も少しだけどできた。それは守りてぇと思うのは普通じゃねぇか?

 それに、オレはいつかてめぇよりも強くなって、誰もが憧れるヒーローになって……てめぇも守りたい。

 面と向かって言うのは……ちょっと無理。

 

 だから、次は。雄英で。その時に、オレがまたその言葉を直接言うまで。

 待っててくれねぇか?

 

 誰よりも臭いヘドロの家族 有紗』

 

 

 

 

 

 

「有紗…………許さん」

 

 感動してた気持ちがラスト一文で全て吹っ飛んだんやけど? わざとやな? わざとやってるよな? 恥ずかしいのを誤魔化してるのバレバレやで?

 

 やけど……有紗がそんなことを思っとるんなんて……予想もしてなかった。

 ワイの心は今、かつてないほどに奮い立っている。

 

 友達であり、家族であり、そしてライバルである有紗にそんなことを言われちゃワイは黙ってるわけにはいかない。

 

「行くか。雄英。誰が見ても恥ずかしくないほど立派になって」

 

 

 

 その瞬間、ワイは……いや、()は決別と共に知った有紗の夢を追うことを決める。

 少し先で。先を知る者として待ち受けるために。

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、ちょっとオールマイト探しに出掛けようかな」

 

 

 雄英の()()()()()に♪

 

「ワカメ……緑谷には予定通りワン・フォー・オールは取得してもらう。最初()()は原作をなぞろうか。あとは、知らないな。起こる不条理なんて全部ぶち壊してやる」

 

 原作ブレイク? 上等上等。誰かが死ぬよりかは百倍まし。

 目下やるべきことは定めた。あとは、期間内にやりきるだけだ。

 

 それは俺にかかっている。

 

 転生者としての知識は一応『頼り』にはしよう。

 確実に有紗が受かるから、その時点でもう無茶苦茶だ。筋書きを調整しつつ何とかするしかない。

 

 俺の『ヘドロ』で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ヘドロ──覚醒。
ちょっと、時が飛びます。
原作開始まで巻きで行くよん。

ヘドロは

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  • 消え去れ
  • フ○ック

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