劇場版でも、やはり俺の戦車道は間違っている。   作:ボッチボール

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すいません、携帯関係でごたついて更新やら感想の返事やら遅れてしまってました!!

秋山殿とキャンプとか絶対楽しいですよね、キャンプというか、サバイバル寄りにはなりそうですが(笑)


イキイキと、秋山 優花里はサバイバル術を伝授する。

「では、この辺りを宿営地としましょうか」

 

「宿営地って何…?」

 

「たぶんキャンプ場の事だよ」

 

ここをキャンプ地とする!!と秋山が俺とうさぎチームの面々を案内してやって来たのは近くに川がある所だった。

 

「つーか、一切の迷いなくここまで連れて来られた訳だが…、何?最初から場所決まってたの?」

 

ここまでの道中、秋山がキャンプに適した場所を探す素振りも見せずまっすぐにここに俺達を連れて来た事を思い出す。

 

「希望者はテントでの生活が出来ると聞いていたので、あらかじめ周辺の探索は済ませておきました。私達あんこうチームが使っている場所もそうですが、キャンプができそうな所をいくつかピックアップしておいたんですよ」

 

あぁ、あんこうチームの奴等やけに手際よくテント生活を始めたなーとは思っていたが秋山が下準備してたのか。

 

つまりここもキャンプ地候補の一つだったのだろう、しかしそうなると秋山は初日からここいら周辺を散策していたという事になる。

 

「手際が良いな…」

 

「下準備は戦いの基本、ですから」

 

何と戦うんだ、何と。

 

「ではテントを設営しましょう」

 

ごそごそと秋山がリュックからテント道具一式を取り出す。

 

「それ、私物か?」

 

生徒会も一応テントの貸し出しはしていたはずだが、秋山の取り出したテントはいかにもミリタリーな迷彩柄が施されている。

 

「軍用テントです、こんな事もあろうかとあらかじめ用意しておきました」

 

「マジ手際良いな…」

 

てか、こんな事もあろうかとって、どんな事を予想していたんですかね…。

 

「これ、軍用って事は軍隊が使っているって事ですか?」

 

「普通のテントとは違うんですかぁ?」

 

「うん、軍用テントは軍隊が実際の野外活動に使う為に、普通のテントより耐久性が上だったりするからね」

 

まぁ今回は日帰りのキャンプという訳ではない、転校先が決まるまでの生活するとなるとそれなりの長期戦も覚悟しなければならないだろう。

 

…てか、本当に転校先決まるの?今はまだ夏だから良いけど冬になったら普通に死ぬよ?てか、そもそも俺とか来年受験生なんだが。

 

と、愚痴りたくなったが俺よりも絶賛受験生真っ只中の生徒会をはじめ、三年生メンバーも普通にこの生活を強いられている辺り文科省の狂いっぷりがわかるものだ。…特に誰とは言わないけど、河嶋先輩とかマジヤバくね?

 

「行軍の野営は速やかな準備が必要だから設営も簡単!特にこれはボタンをこうかけて…」

 

しかし秋山の方はウキウキで一年共に手本を見せている、なんかまぁ…イキイキとしてんなぁ。

 

「比企谷殿もご一緒にどうですか?」

 

「ん、まぁ…そうだな」

 

このままボケッと突っ立ったままテントの完成を見守るのも居心地が悪いく、誘われたまま秋山の隣に座り込む。

 

「そういやこれ、前回秋山が使ってたテントとはまた別のやつだな」

 

戦車道全国大会の決勝前に秋山がキャンプをやっていたのを思い出したが今回用意してきたテントはまた違うもののようだ。

 

「当然です、その場所の環境や状況によって使い分けできるようにいくつか用意するのは基本ですから」

 

「基本なぁ…、ちなみにこれ、何回使ってんの?」

 

「今回が初めてですね…」

 

「だよなぁ」

 

どう見ても新品未開封だったりする、こういうの買っちゃうからお金無いんだよね、でも買っちゃう辺りが悲しいオタクの性なのか。

 

「でもほら!何事も備えあれば憂いなし、ともいいますし」

 

「何に備えてるんだよ…」

 

なに?人類滅亡に向けて備えたりしてるの?まぁ…今回はそれで実際助けにはなってる訳だが。

 

秋山の解説もあってテント設営は順調に、最後はペグを打ち込んでひとまず完成といえるだろう。

 

「かんせーい!!」

 

「私達、今日からここで寝るんだ」

 

「なんかワクワクする!!」

 

一年共は完全したテントにばんざーいとやりきった感全開だ、実際俺も炎天下での作業でなかなか汗をかいてしまった。

 

前回といい、今回といい、最近ちょっと太陽にあたりすぎているのでは?やだ…八幡溶けちゃう。

 

「中は結構広いんだ」

 

「うん、これならみんなで眠れそう」

 

ま、これなら問題はないだろう、ひとまず依頼も完了だ、前回と違ってすぐに片付いてなによりである。

 

「あとは食料の確保が必要ですね」

 

…とはもちろんいきませんよね、一年共の今回の依頼はあくまでも自給自足生活に向けての基盤作りだ。

 

生活の基盤といえば衣食住が基本だが、その内のまだ住が整ったに過ぎない。

 

衣の方は…まぁ制服あるし。なんかずっと制服着てる気がするけど、ちゃんと洗濯してるからね?そこら辺勘違いしないように。

 

「食料と聞くと…やっぱ農業か」

 

「確かに農作業は安定はしますけど…今から種をまくのは」

 

「てか、比企谷先輩、なんでやたらと私達に農家をやりさせだかるんですか…?」

 

そりゃアイドルグループと農業は切っても切れない関係があるからね、え?別にアイドルグループでもない?

 

「でも、他に食糧を確保する方法ってあるのかな?」

 

「大丈夫、その為にここをキャンプ地にしたから、近くに川があるから魚が釣れるはずだよ」

 

あぁ、あのアイドルグループ、漁師やってる時あるしね、農家もやって漁師もやって、アイドルって大変だなぁ…。

 

「てかそれ、勝手に釣って食べて良いのか?つーかそもそも食えんの?」

 

「許可は貰いましたから、食べられる魚かどうかは私が解説しますし」

 

「本当に用意が良いな…」

 

最早一家に一人秋山が必需なレベルでサバイバル能力が高すぎる…。

 

「おー、釣りですか!!」

 

「いよいよ本格的な自給自足って感じだね」

 

一年共はヤル気満々のようだが、その成果に日々の食事の内容が左右される重要性を理解しているのか?

 

「私、ハゼ釣りたい!!」

 

「じゃあ私はあんこう釣る!!」

 

…いや、絶対理解してないなこれ、仮にあんこうが釣れたとしてちゃんと捌けるの?

 

「じゃあはい、これ釣竿ね」

 

「「「「「はーい」」」」」

 

秋山が一年共に釣竿を配る、それもどこから用意したのかは突っ込まない方が良いんだろうか…。

 

「ん、お前は釣竿持たないのか?」

 

だが秋山本人は釣竿を持っていない。正直、今日の晩飯は秋山にかかっているんだが…。

 

「はい、今回はうさぎさんチームの皆さんの自給自足の為の釣りですから」

 

「あー…まぁ、そうだったな」

 

魚を釣ってそれを渡す事は簡単だろうが、それは今回の依頼であるうさぎチームの自給自足を助ける…という事には繋がらない。

 

「こんな格言を知っていて?飢えた人に魚を釣ってやるか、魚の釣りかたを教えてやるか」

 

「はぁ…ダージリン殿の真似ですか?」

 

ちょっとー、今のはファン感涙物のダージリンさんとのある意味最高のコラボなんですがー?

 

「えっと…じゃあお魚が釣れなかったら」

 

「ご飯は飯ごうで作れるけど今日の晩御飯のおかずは無し、ですね」

 

「ひえぇ…」

 

「秋山先輩、意外とスパルタだぁ」

 

「ふっふっふ、鬼教官、と呼んでくれてもいいんですよ?」

 

「じゃあハートマン教官で」

 

「あ、あの…それはちょっと」

 

なんとも微妙な表情、まぁあの教官有名は有名だけど口汚さもなかなか有名だしね。

 

「そうなると俺も釣りはしない方がいいか…悪いな、手伝える事がない」

 

「あー、比企谷先輩は別に…」

 

「ねー」

 

ちょっとー、なにその「もともと期待してなかったから大丈夫ッス」みたいなニュアンス。

 

「では我々は釣りに行きましょうか、比企谷殿はどうします?」

 

「いや、俺はいい、行ってもやる事が無さそうだし、誰かはテントやら荷物とか見てなきゃだしな」

 

解説役の秋山はともかく、釣りをしないなら俺が付いていった所でやる事もないだろうし、晩飯は一年共に任せるしかない。

 

まぁここに残っていてもやる事が無いのには変わりないんだが、同じやる事がなくてもなんとなくこっちの方が仕事してる雰囲気は出せるだろう。

 

なんならテントの中でゴロゴロしてていいし、映画鑑賞用に持ってきていたDVDプレーヤーで適当に映画を流すのもありだ。

 

「比企谷殿ならそういうと思ってました」

 

ほう、秋山のやつだいぶわかってるじゃないか。いや、だからこそわざわざどうします?と聞いてくれたのだろう。

 

「なのでこちらをどうぞ」

 

「…なにこれ?」

 

「火の起こし方を書いたメモです、飯ごうでご飯を炊くにも、魚を調理するのにも、火はキャンプの必需品ですから」

 

「…つまり、火を起こしとけと」

 

「はい、教官命令です」

 

…鬼教官や、鬼教官がおる。

 

「………」

 

「ん、どうしたの梓?」

 

「早く釣りに行こーよ」

 

「うーん…みんな、ちょっと良い?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

「…こうやって一人で黙々と木を組み合わせていくのってジェンガみたいだな」

 

「え?ジェンガって一人でも遊べるんですか?」

 

え?むしろ一人で遊ぶ為のお一人様ゲームじゃないの?あれ。

 

「…そっちはどうだ澤、集まったか?」

 

「あ、はい、秋山先輩に貰ったメモの物は見つけてきました」

 

火起こしの着火材としては松ぼっくりが定番だろうが、生憎と季節柄そう都合良く落ちていない。

 

そこで澤には着火材になりそうな物をいくつか集めて貰っていた、手頃な木の枝や新聞紙とかそこら辺だ。

 

「ちなみに秋山メモにはこの火起こしのやり方は西岡流って書かれてるんだが…」

 

「西住隊長の西住流の親戚ですかね?」

 

いや、絶対違うと思う。…とは断言出来ないんだよなぁ、メモ書いたの秋山だし。

 

とりあえずメモに書かれた通りに新聞紙を破いてねじりを加えて丸めていく。

 

俺もキャンプはよく知らないがこういうのって着火材を使うイメージがあるので、本当にこれだけで火が起こせるんだろうか?

 

大元の火はさすがにライターを使うとして、火は思ったより早く燃え広がってくれた。

 

「おぉ…ついたな」

 

「これが西岡流…」

 

いやわかるけど、そう言いたくなる気持ちはわかるけど。たぶん絶対西住流関係無いから…。

 

「…あとは火が消えない程度に足しながら釣りの結果待ちか」

 

「ですね…」

 

「………」

 

「………」

 

澤と二人でパチパチと燃え始めた火を座り込んで見つめる。…しかし、改めて考えてみるとわりと気まずいというか。

 

うさぎチームの連中と話す事はあったが、こうして澤と二人きり…という状況は思えば初めてだろう。

 

「そういや、お前は釣りに行かなくても良かったのか?」

 

「あ、はい、火の起こし方も覚えた方が良いかなって」

 

うーん…真面目だ、うさぎチームのメンバーは基本的にキャラが濃い分、この子の苦労が伺える。

 

まぁ…言い方を変えれば地味なんだけどね。しかし、だからこそ車長としてうさぎチームのリーダーが出来てるのかもしれない。

 

「で、結局何で急に自給自足生活なんだ?」

 

「えっと…私達、なんだかんだずっと先輩達には甘えて来てましたから」

 

「実感があったのか、良いことだな」

 

「あの…そこは否定してくれても良いんじゃ」

 

これでも一応誉めたつもりなんだが…。

 

「でも、転校してバラバラになってしまったら、もう今までみたいに先輩に頼ったりも出来ませんから、自分達に出来る事は自分達でしようって」

 

「…その口振りだと、転校しても戦車道は続けるつもりなんだな」

 

「え?そうですけど」

 

俺の言った事がよっぽど不思議に思われたのか、澤はハテナと首を傾げさえした。

 

「あの…比企谷先輩、どうしたんです?」

 

「いや…なんでもない」

 

戦車道を始めた時は戦車のせの字も知らなかった一年共が、こうして大洗が無くなっても、転校先で戦車道を続けるのが当然と、答えたのだ。

 

「さすが、大洗の次期副隊長候補だな…と思っただけだ」

 

「…はぁ」

 

澤は一度よくわからない…と言いたげに曖昧に返事をして。

 

「え?えぇえー!?」

 

その後、驚きの声を大きくあげた。…え?ここそんな驚く所なの?

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