劇場版でも、やはり俺の戦車道は間違っている。   作:ボッチボール

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新年明けましておめでとうございます!!今年度も【やはり俺の戦車道は間違っている。】シリーズをよろしくお願いします。

今年はどこまで進める事ができるのか…今から楽しみです!!(完結できるとは言っていない)。


こうして、比企谷 八幡はパイセンとなる。

茨城県はヤンキーが多い…という説を誰もが一度は耳にした事はないだろうか?

 

事実【全国ヤンキーの多そうな都道府県ランキング】では見事一位の座に輝いている。…輝いてるの?ナイフみたいに?

 

ちなみに二位はだいたい千葉である。千葉と言えば知波単、彼女達の特攻魂はここから来てるのでは?

 

そんなヤンキー県が利根川を挟んで隣接しているのだ。【チバラギヤンキー】と一緒くたにされる理由のたいていはこれ故にだろう。

 

【チバラギ】と聞くと一位の茨城よりなんか千葉の方がメインっぽく聞こえるし、そもそも茨城は【いばらぎ】じゃなくて【いばらき】と読むのが正しい。

 

もちろん茨城県民に【いばらぎ】は禁句である、もし茨城県の、特に大洗なんかに旅行に行く機会があるなら覚えておくと良いだろう。

 

ちなみに我等がマックスコーヒーさんはそこら辺もきちんと弁えていて【ちばらきコーヒー】として売り出している。さすがは天下のコッカ・コーラ、いやこれはもう国家・コーラなのでは?

 

そんなヤンキーの多い茨城県につい最近新しいヤンキーが誕生した…らしい。

 

「二人共!遅いわよ!!」

 

その夜、風紀委員の園さん達に呼び出された俺達はルノーの置いてある場所に集まった。

 

「今日は私達の不良第一歩の記念すべき日なんだから、遅刻は許さないわ!!」

 

…不良なのに遅刻して怒られるってどういう事?

 

「とりあえず反省文の提出と違反キップをーーー」

 

「そど子、それは風紀委員の仕事」

 

「やっぱりそど子、風紀委員が…」

 

「…ち、違うわ!私達は不良なんだから風紀なんて知ったこっちゃないのよ!!」

 

「あ、じゃあ遅刻も問題ないって事に…」

 

「なるわけないでしょ!遅刻は遅刻よ!!」

 

…風紀委員でも不良でもたいして変わらないんじゃねぇかな、この人。

 

そんな訳で闇落ちした風紀委員の三人は不良へとジョブチェンジをしたらしい、かんぽう薬の与えすぎでなつき度が足りなかったか。

 

「初日から遅刻とか、あなた達本当に不良になるつもりがあるの?」

 

…むしろこの人が不良になるつもりがあるのか?

 

「はい、誠心誠意、立派な不良になれるように精進いたします」

 

それ以上に五十鈴の返答が不良とはとても思えない。立派な不良ってなんだろう…。

 

「さすが五十鈴さんね!比企谷君も彼女を見習って立派な不良になれるように努力するのよ」

 

なにこの空間、矛盾しか発生しないの?

 

「…五十鈴」

 

「はい、わかってます、比企谷さん」

 

軽く合図を送ると五十鈴はやんわりと微笑んだ、うーん…不安だ。

 

風紀委員のまさかの不良宣言だが、それ以上にまさかの五十鈴の不良宣言。もちろん彼女も伊達や酔狂でそんな宣言をした訳ではない。

 

彼女には彼女の考えがあるのだ。まぁ遅刻の原因はその作戦会議もあってだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

「…んで、どうすんだ五十鈴」

 

「ふふっ、びっくりしましたか?」

 

風紀委員の不良宣言とそれに乗っかって不良になると宣言した五十鈴にだいぶ頭を痛めていた俺だが、彼女の方はそんな事はどこ吹く風とでも言いたげに悪戯っぽく微笑んでいた。

 

なんだよ、そんな微笑み一つで誤魔化されると思ってんの?

 

「びっくりしましたか?ね?比企谷さん」

 

いやいや、本当にまったく…しょうがないにゃあ…。

 

「本当に不良になるつもり…じゃないんだろ?」

 

「はい、もちろんです」

 

俺の問いに五十鈴はすぐに答える。…まぁそれはね、心配してなかったが。

 

いくらアクティブな事に憧れてて、時折タイマンやらぶっこみなんて妙な言葉が出てきて、実家が【ヤ】の付きそうな五十鈴でも不良になる…なんて事はないだろう。…無いと思いたいなぁ。

 

「ですが、風紀委員の方々をこのまま放って置く訳にもいきませんし」

 

「まぁ…そうだな、特に風紀委員の場合今までが真面目だった分質が悪い」

 

「…真面目なら急に不良になっても上手くいかないのでは?」

 

「いや、普段慣れない事を無理してやろうとするとたいていやり過ぎる事になる、日陰者がクラス会とかに頑張って馴染もうとして失敗するアレだよ」

 

「…どれでしょう?」

 

いや、だからアレだよ、必要以上にテンション高めちゃって周りに引かれるやつ。そんで二度と呼ばれないんだよなー。

 

かといって、何もしないで居ればそれはそれで「つまんない奴」のレッテルを貼り付けられて二度と呼ばれない。…え?なにこれ最初から詰んでない?

 

そんな自分にも周りにも何一つ利益を産み出さない悲しい時間をこれ以上出さない為にも、そういう行事には最初から行かないのが一番だ。え?そもそも誘われないって?

 

「風紀委員も普段は真面目な分、その反動でどんな行動に出るのか予想がつかん」

 

「なら、私が不良になったのはやはり正解でした、一緒に居れば風紀委員の皆さんの無茶は止められるはずです」

 

「…まぁ、知らない所で暴走されるよりは見える所に居た方が良いが」

 

五十鈴の作戦はこれだ、彼女達と一緒に不良になれば、目に見える所での風紀委員の監視と、いざという時の暴走を止める事が出来ると。

 

確かにあそこで何を言ってもそど子さんの意思は変えられないだろうし、そのまま野放しには出来なかったんだが。

 

「それでも…ふりとはいえ五十鈴が不良になる、となるとなぁ」

 

「何か問題がありますか?」

 

「いや、ここ大洗だし、五十鈴の実家も普通にあるだろ」

 

「そうですね」

 

「また新三郎さんとか、それ以上に母親にそんな姿見られたらまた問題になるだろ」

 

特に五十鈴の母親は娘が戦車道をやっていると聞いただけで卒倒したくらいだ、その上不良になったなんて知ったらどうなるか…。

 

「私は私のできる事をしただけで、何も恥じる事はありません」

 

「ってもなぁ、五十鈴が良くても周りがなんと言うか…」

 

「では、こうしましょう」

 

「…どうすんだ?」

 

「前に沙織さんがこう言っていました」

 

…その時点でなんかもう悪い気しかしないんだが?

 

「好きな人には合わせるタイプ…と、私も、その、そんな感じで不良に…とかはどうでしょうか?」

 

「止めろ」

 

五十鈴みたいな普段真面目でおしとやかな子が不良になっちゃう理由としては生々しくてNGとしかいえない。

 

「だいたいそれだと架空の不良相手登場させなきゃだろ…」

 

「…それもそうですね、ですがお母様や新三郎の事は心配ありません、何かあっても私がきちんと説明しますから」

 

「…まぁ、五十鈴がそれで良いなら問題はないが」

 

…問題はない、はずなんだが。

 

「…なんかちょっと拗ねてないか?」

 

そんなに自分の案にNGくらったのが不服だったのか、いや…でもさすがにその設定はガバガバすぎやしない?

 

「いえ、ところで比企谷さん」

 

「ん?」

 

「比企谷さんはご自分が思っているより真面目な生徒…ではないと思いますよ」

 

「なんでいきなりディスられてんの俺?」

 

こう見えて遅刻とかそんなしないし、授業とかサボっても誰もノート写させてくれないから真面目に出てきたんだけど?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

こうして五十鈴の不良宣言のお陰で上手く風紀委員と行動を共にする事ができた訳だが、ここからはわりとノープランだったりする。

 

「五十鈴さん、今日から私達と一緒に立派な不良になるわよ!!」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

「…いや、俺は?」

 

…別にいいんだけどね、なんかそど子さん、さっきから五十鈴にはやたら声かけてるんだけど俺には全く触れないんだが。

 

「何言ってるの、あなたはもう充分不良じゃないの」

 

「…えぇ」

 

風紀委員からの俺の扱いって…、冷泉関連はともかく、そこまでこの人達の厄介になった事は無かったんだが。

 

「その目は間違いなく不良だわ、悔しいけど不良に関してはあなたの方が先輩になるわね」

 

目で不良認定とか理不尽にも程がある、なに?メンチビームそんな強そうに見えんの?

 

「比企谷パイセン、チーッス」

 

「よ、よろしくお願いします」

 

「止めろ…」

 

てかゴモ代はともかくパゾ美の奴絶対楽しんでるだろ、この状況。

 

「ゴモ代!パゾ美!リーダーはもちろん私よ!!」

 

「でもそど子、比企谷パイセンの方が不良歴は長いんだし…」

 

「不良は上下関係が大事だって、そど子が言ってたから」

 

「…な!いきなり私より上にいくなんて、あなたどこ中よ!!」

 

「大洗中学なんだよなぁ…」

 

いくら中学時代がさんざんだったとはいえ、さすがに在籍してない扱いは止めて欲しい…。

 

「…まぁいいわ、確かにあなたの方が不良として先輩…いえ、パイセンになるものね」

 

「あの…そのパイセン、というのは?」

 

「知らないの?不良は先輩の事をパイセンと呼ぶのよ」

 

「そうなんですか?」

 

「いや…違うと思うが」

 

いや、確かにパイセン呼びのイメージはあるけど、実際そう呼んでるか知らないし…、てかなんか馬鹿にされてる響きがするのは俺だけ?

 

「ですが比企谷ぱいせん、これはチャンスでは?」

 

「なんのだよ…あとパイセン止めろ」

 

「ですが不良になると風紀委員の方に宣言した以上、皆様に習うべきかと」

 

真面目かよ、それで定着しちゃったらどうすんだよ、特にウサギチームの一年共とか悪ノリで呼んできそうだぞ、あいつら。

 

「風紀委員の方々が不良になるなら、比企谷ぱいせんが上手く誘導してしまえば」

 

「…そこまでの迷惑行為はしなくなる、か」

 

行動指針が自分達でしか無かった風紀委員なら暴走の可能性があっても、俺が上手く立ち回ればその危険性も無くなると。

 

「…わかったわ、じゃあ比企谷パイセン、不良として私達はまず何をするものなの?」

 

…とはいえ、別に俺だって不良という訳でもないし…俺の中でヤンキー知識となると。

 

「…とりあえずキ◯ィちゃんのサンダル履くとか?」

 

「なによそれ!ふざけてるの!?」

 

「いや、なんか知らんけどヤンキーってだいたいキテ◯ちゃんサンダル履いてるし」

 

※個人の感想です。

 

「…確かにそうかも」

 

※個人の感想です。

 

「そういえば…私もそういう人見た気がする」

 

※個人の感想です。

 

「だろ?上下スウェットかジャージで◯ティちゃんサンダル履けばそれだけでマジヤンキーだから」

 

※個人の感想…でもないんだよなぁ。

 

「…でも私、そんなサンダル持ってないわよ、ゴモ代とパゾ美は?」

 

「持ってる訳ないよ、そど子…」

 

「いや、心配しなくていい、そこでもう1つ、不良になる為に必要な事もできる」

 

「なによそれ?」

 

「キ◯ティちゃんサンダルはドンキに売ってるから、夜中にドンキに行けばもうだいたいみんなヤンキーだから」

 

キティ◯ちゃんサンダル×スウェット×深夜ドンキ=ヤンキー。その数式はマジで誰も異論は唱えられないだろう。

 

「…案外簡単なのね、不良になるのって」

 

「でもいいのそど子、こんな時間から出歩くなんて、本当に不良みたいよ…」

 

「今更なによゴモ代!私達は本当の不良なんだから!!」

 

…とりあえず、当面の暴走はこれで回避できた…と信じたい。

 

「…いや、今からどうやって行くんです?」

 

「もちろんルノーに乗るのよ、不良はバリバリ走るものだから」

 

…ドンキの駐車場に戦車、いや、コンビニに戦車で買い出しに行ってる時点で今更ではあるんだが。

 

「…なぁ五十鈴、お前だって今から買い物行くとかちょっとキツイだろ」

 

「…比企谷ぱいせん」

 

…だよな、五十鈴には無理して付き合って貰っているのだ、さすがに今からの外出となると。あといい加減ぱいせん止めてね。

 

「あんこうチームの皆さんの分も買ってもよろしいでしょうか?私、お揃いにしたいです!!」

 

ノリノリだよこのお嬢さん!深夜のお買い物とかテンション上がっちゃうよね、気持ちわっかるぅ…。

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