劇場版でも、やはり俺の戦車道は間違っている。   作:ボッチボール

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前作から数えて三度目の作戦会議パート、サブタイトルも順調に更新されていけてなによりです。


こうして大洗連合チームの作戦会議が始まる。

「もうみんな集まってると思うから」

 

西住の案内で作戦会議が行われる…要は作戦本部的な場所へと移動する。

 

まぁ作戦本部といえば聞こえは良いだろうが、要するに急ごしらえでテントを設置しただけのものである。提供は秋山だろうか?

 

「遅いっ!!」

 

「いや、そもそも声をかけられてなかったはずですが?」

 

テントに入るなり河嶋さんの激が飛んでくる。新戦車とそれに乗るメンバーでバタバタしてたせいか、だいぶ皆さんを待たせていたようだ。

 

「あら、あなたが居ないと始まらないと思ってたのだけど?」

 

「いや…むしろ場違いなのでは?」

 

「みんなあなたのお茶会に集まったのよ、ホストが居ないと始まるお茶会も始まらないわ」

 

そう言いながらダージリンさんは紅茶をズズズッ…と飲んでいる。現在進行形でお茶会やってるじゃないですかー。

 

狭いテントの中央、テーブルを囲んでずらりと各高校の隊長が座っている。この人達全員を待たせていたとなるとさすがに悪い気はする。

 

…特にちゃっかり姉住さんの後ろをキープしている大洗一般生徒のEさんとかね。さっきからめっちゃこっち睨んできてんだが。

 

というか今は隊長達が集まっての作戦会議なんで一般生徒の方はちょっと遠慮しませんか?いや、俺も別に隊長でもなんでもないので、なんならそれ言っちゃうと俺とこいつが仲良く閉め出されるかもしれないが。

 

「なによ?何か言いたそうね」

 

こちらの視線に気付いたのか、一般生徒Eさんが噛み付いてくる、何か言いたそうなのはそっちなんだよなぁ…。

 

「別に私が居ても構わないでしょ?プラウダだって二人来てるんだし」

 

「はい、エリカさんもよろしくお願いします!!」

 

「…ふん、いいからさっさと始めなさい」

 

西住に言われて少し居心地が悪いのか、一般生徒Eさんはプイッとそっぽを向いてしまった。相変わらず西住にはツンが強いな。まぁ俺にはトゲしかないんだが。

 

…一般生徒Eさんに言われるまであまりに自然すぎて気付かなかったがプラウダからはカチューシャさんとノンナさんが来ているな。

 

それをなんで気付かないんだよ。とか言われそうだが、なんならこの二人、ドッキング…もとい肩車してるんだもん、なんかそういうユニットかと思うじゃん。

 

てか、俺を待っている間もずっと肩車して待機してたの?悪い気が一気に罪悪感レベルになってくる。

 

「あー…カチューシャさん、良かったら椅子用意しますか?」

 

「いえ、このままで構いません」

 

…なんでカチューシャさんに聞いたのにノンナさんから返事が返ってくるの?ま、まぁ…とにかくこのままで良いらしい。

 

ノンナさん、椅子に座りながらずっとカチューシャさんを肩車してるんだがこの人の首筋どうなってんの?

 

「えぇっと…ではこれより作戦会議を始めます、まず部隊ですが」

 

西住がテーブルに地図を広げる、今回の試合会場は遊園地跡なんかも近くにはあるがスタート場所は平原だ。

 

「皆さんのおかげで戦力は整いました、部隊を三つに分けて、中央のチームを主力として側面をふたつのチームがそれを固めようと思います」

 

まぁ戦力が整ったといってもあくまで即席の混合チームだ、西住だって全員の面倒を見切るのは不可能だろう。

 

それなら部隊を別けて、各部隊にも中隊長を付けるのは当然だろう、向こうの大学選抜チームだってミミミ三姉妹が中隊長として有名だと秋山も言っていたしそれが定石なのだろう。

 

なんせ30両対30両の大規模な戦車戦になるのだから。

 

「………」

 

それを考えるとふと、少し嫌な予感がした。その予感がなんなのかはわからないが。

 

「大隊長はみほだな」

 

「それで主力部隊の内訳はどうするの?」

 

「お姉ちゃ…西住まほ選手を隊長にプラウダ、それと大洗からはⅢ号とへッツァーで行きたいと思います」

 

「了解した」

 

なんとなく距離感を感じる言い方だが姉住さんの方も特に気にしていない辺り、試合ではそこら辺を割りきるのは西住流として当然なのだろう。

 

「うちが黒森峰やプラウダと同じ部隊とは光栄だねぇ」

 

会長が干しいもをタバコのように咥えながらぶらぶらと揺らしている。

 

「こちらこそ、決勝戦での履帯を狙った砲撃は見事だった、良い腕の砲手が居て心強い」

 

「だってさ、良かったねかーしま」

 

「か、会長!?そ、それは…」

 

この人、あくまでへッツァーの砲手は河嶋さんで通すつもりだよ…、まぁ外から見てるだけだと誰が撃ったかなんてわからないんだが。河嶋さんの砲手スキルはぶっちゃけ…。

 

「ちなみに前やったエキシビションで比企谷ちゃんを撃破したのもかーしまだよ」

 

…ぶっちゃけ、めっちゃ高いよね!!あんな撃ち方普通真似出来ないもん(褒めてる褒めてる)。

 

「あなたが比企谷を…ふっ、それは頼もしい、試合でもよろしく頼みたい」

 

「ま、ままま任せろ!!」

 

姉住さんが握手として差し出した手を河嶋さんが食いぎみで掴んで宣言する。…任せて大丈夫?この人の砲撃、基本的に俺にしか飛んでこない気がするんですが?

 

「…えーと八幡君、良いのかな?」

 

「良くはないが、嘘は何一つ言ってないのがあの人の酷い所なんだよなぁ…」

 

まぁ河嶋さんがへッツァーの(形式上の)砲手なのは事実だし。…俺が撃破されたのも事実なのが本当に酷い。

 

「私は良くないわよ!プラウダが西住流の下に付くなんて!!」

 

「隊長、やりたいんですか?」

 

「私がやらなくて誰がやるのよ!!」

 

「ふん、隊長は隊長がやるのが当たり前でしょう、あなたの出番はないわ」

 

納得のいってないカチューシャさんに一般生徒Eさんが噛み付いていく。本当こいつ、誰にでも噛み付くよね…。やはりわに、ついに来たわに。

 

つーかそもそも隊長は今は西住なんですがね、そこら辺わかってるの?

 

「あら言うじゃない。さすがその隊長が居なければ何も出来ない学校は言うことが違うわね」

 

「…なんですって?」

 

「カチューシャさんは副隊長をお願いします」

 

「まっ、しょうがないわね。やったげるわ」

 

険悪な雰囲気になりそうなのを西住も察してか、話を先に進める。まぁ、これでカチューシャさんの方は収まるだろう。

 

「…ッ!!」

 

こっちが収まるかは別の問題だろうが、そこは今やる事でもないだろうし。

 

「中心を黒森峰とプラウダの重戦車で固めた主力として」

 

まぁ主力となる部隊だ、それくらいの戦力投入は必要だろう。

 

「次に側面のチームですが一つは私を隊長に副隊長をダージリンさんにお願いしたいと思います」

 

「よろしくてよ」

 

「こちらは聖グロリアーナと大洗を中心にアンツィオや継続高校も含めた混成チームとはなりますが、よろしくお願いします」

 

「あぁ、任せてくれ!!」

 

アンチョビさんの元気な返事と、ミカさんからは返事の変わりにポロンとカンテレの音が聞こえてくる。

 

…それはOKって事で良いんですかね?さっきからこの人、一言も話してないんだけど。

 

まぁここは西住の直結部隊として、混合メンバーを主体に固めたのだろう、副隊長もダージリンさんならなにも問題はない。

 

だが、そうなると残る側面のもう一つの部隊は…。

 

「最後にケイさんを隊長、西さんを副隊長にしたサンダース、知波単を中心にしたチームです」

 

やっぱりそうなるんですよねー…。

 

「OK」

 

手でOKサインを作ってケイさんが快諾する、ケイさんは良い、なんせサンダースのシャーマン軍団を率いる隊長なのだから実績は充分だ。

 

「わかりました!誠心誠意、努力させて頂きます!!」

 

ただ問題は…、まぁ問題扱いしてしまうのもわざわざ応援に駆けつけてくれた彼女達には申し訳ないだろうが、こればかりは不安になるのも仕方ない。

 

知波単学園、俺が彼女達について知っている事は正直少ない。秋ペディア…秋山曰く、その主な戦術は突撃、突撃、また突撃。

 

一時はその戦法で戦車道全国大会のベスト4まで上り詰めたらしいが、それが余計に彼女達にそのやり方を定着させてしまったともいえる。

 

進歩の無い突撃一偏倒な戦術なんていくらでも対策して下さいと言っているようなものだ。そもそも知波単の保有戦車も九七式チハがメインで火力的にもとても突撃に適しているとは言い難い。

 

事実、エキシビションではその突撃によってほぼ全車両撃破された…らしい。らしいというのは俺がその突撃の場面は見てないからだ。

 

ただ、後から聞いた話だがその突撃のほとんど…てか、全てが堪え性のない気持ちが逸っての突撃、ぶっちゃけ命令違反での突撃だったらしい。世が世なら軍法会議ものだ。

 

【突撃して潔く散る】のが彼女達の美学らしいが…今回は大洗学園の命運がかかった試合だ。正直、自重して欲しいんだが、エキシビションを見ると西住の命令を聞かなかった実績がすでにあるんだよなぁ…。

 

まぁケイさんが隊長として手綱を握ってくれるなら…、握ってくれるといいなぁ、もういっそ令呪を持って命じてみたらどうだろうか?

 

「それと大洗からはM3」

 

と、西住がまだチームについて話していた。あぁ、M3リー、ウサギチームもこっちに入るのか。

 

まぁM3はアメリカ戦車だし、ケイさんが隊長のチームに入るのも納得だな。…ん?アメリカ戦車ってそういやもう一つあったような。

 

「…と、八幡君のシャーマン・イージエイト、キツネさんチーム、この編成でいきたいと思います」

 

…えーと、要するに?

 

「わおっ!エイトボールと同じチームなんて感激ね!!」

 

ケイさんが嬉しそうにぶんぶんと手を振っている、いや、すぐ近くにいるんだけどね…。まぁ可愛いからいっか(思考放棄)。

 

「比企谷さんと同じチームになれるとは光栄です!!」

 

そして敬礼する西、うーん、このチームか。…このチームかぁ。

 

「…西住?」

 

抗議の意を込めてチラッと西住を見ると彼女は苦笑いを浮かべた。

 

「八幡君、その…知波単学園の皆さんをお願いするね」

 

「いや何が?まぁ…名指しの時点でだいたいの意味はわかるんだが」

 

「ごめんね…でも、八幡君ならきっと大丈夫だと思うから」

 

…ずいぶんと信頼されたもんだが、相手は隊長の君の命令を聞かなかった突撃集団なんですよね?

 

「…まぁ、やれるだけやってみるけどな、あんま期待すんなよ」

 

「うん、期待してるね」

 

ニコニコと微笑む西住、圧が…圧が強い。こんな「やれ」に対しては「はい…」って答えるしかないじゃん…。

 

まぁ、西住になんでもかんでも押し付けるのも違うだろうからな…、なんとか知波単を制御する方法はないもんか…。

 

「そういえば比企谷さんはエキシビションでは我々の突撃はご覧に出来なかったと聞きました」

 

「…ん、まぁ、タイミング的に合わなかったってのもあるけどな」

 

「では、今度こそ粉骨砕身の突撃をお見せします!我等の知波単魂、特と目に焼き付けて頂ければ!!」

 

「あー…うん、ほどほどにな」

 

あ…こいつ、骨を粉にして身を砕く気満々だよ…。やる気はあるんだろうなぁ。

 

大学選抜戦、俺の初試合の初ミッション、対戦相手はなんなら知波単学園なまである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、部隊名はどうするのかしら?」

 

「そうですね、うちがたんぽぽ、ケイさんの所があさがお、西住まほ選手のチームがひまわり、でどうでしょう?」

 

「は!ずいぶんとお子様な名前ですこと…」

 

「いいだろう、それでいこう」

 

「え?隊長!?」

 

ところでこの一般生徒Eさん、なんならさっきから文句しか言っていないのでは?追い出す?追い出しちゃう?

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