劇場版でも、やはり俺の戦車道は間違っている。   作:ボッチボール

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新年明けましておめでとうございます!今年もまたよろしくお願いします!!

やはり俺の戦車道は間違っている、を書き始めて何度目のお正月だろうか(笑)


やはり、知波単学園は突撃をする。

「囲まれた…」

 

旋回はもちろん、砲塔すら満足に回せない狭い道を後退し続け、前後に迫るクルセイダー。

 

このままだと挟撃される…、だったら。

 

「華さん、前方のクルセイダーを!!」

 

「わかりました」

 

まずは前、私達を追ってきているクルセイダー。これは大丈夫…砲身も向こうを向いている。

 

「撃てッ!!」

 

相手の砲撃をかわした瞬間を狙って撃破する、これで前後から狙われる事はなくなった。けど…。

 

「西住殿!後ろからクルセイダーが!!」

 

「速い、追い付かれちゃうよ!!」

 

問題は後ろです。このままだと、私達の背後に迫るクルセイダーを迎え撃つ手段がありません。

 

この狭い道だと、旋回は出来ないし砲塔は回せない。

 

前に居るクルセイダーは撃破した事で白旗を上げ、今度は道を塞ぐ障害物となりました。押し退ける事はできるけど、時間をかければ後ろのクルセイダーに追い付かれる。

 

全国大会の決勝戦でも思ったけど、八幡君、こういう戦略が得意というか、好きなのかな?

 

…八幡君が道を塞ぐなら、私達は道を作る。

 

「麻子さん、ギリギリまで右端に寄って、合図と共に…」

 

「わかった、少しキツめにいくぞ」

 

「優花里さんも華さんもお願いします」

 

「もちろんです!!」

 

「必ず仕留めてみせます」

 

狙うのはクルセイダーが私達Ⅳ号に向けて砲撃を放った瞬間。

 

…そのタイミングさえ合わせれば。

 

「今っ!砲塔を回転させて!!」

 

麻子さんの操縦で右端に寄っていたⅣ号が砲撃をかわし、砲撃は塀に直撃して壁を崩します。

 

壁が崩れれば…砲塔を回転させるには充分のスペースが生まれる。

 

「撃てッ!!」

 

これで残るクルセイダーはあと1両。…八幡君だ。

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

前回のあらすじ、あんこうチームが不死身。

 

「ダージリン様からお預かりした大切な戦車達が…」

 

裏路地に突入したクルセイダー3両の撃破報告と、目の前に出てきたⅣ号戦車。

 

…全滅。え?マジで全滅?あの局面わりと詰ませてたまであると思ったんだが。

 

初見殺しで道塞いで狭道に誘導して挟み撃ちまでして生き残られるとか、ちょっとあんこうチーム不死身すぎない!?主人公補正たっけぇ…。

 

って、んな事考えてる場合じゃない!なんなら砲身がこっち向いてるまである!?

 

「全速逃亡!とにかく逃げる!!」

 

「はいですの!!」

 

Ⅳ号から放たれた砲撃が急発進したクルセイダーの車体を掠めたのが感じられた。…っべー、マジっべーわ。

 

引き連れていたクルセイダー部隊は俺達以外全滅、こうなるとさすがに逃げの一手を打つしかない、こういう時、クルセイダーの足の速さはありがたい。

 

まったく、人があれやこれやと一生懸命考えた作戦をこうもあっさり看破して突破してくるんだから堪ったもんじゃない。西住ってそういう所あるよね…。

 

「これからどうするんですの?」

 

どうするって?そりゃ決まってる、むしろ聞くまでもない。

 

「逃げる、プラウダ待つ、助けて貰う」

 

ざっくりと、指を三本使い簡潔に答えた。

 

「…な、情けない」

 

砲手子ちゃんの漏れてきた本音が聞こえて泣きたくなるまであるが、何も意地をはり続けてやられる事もない。

 

確かにクルセイダー部隊は俺達を除いて全滅したが、時間稼ぎには充分なっていたはずだ。

 

「そんな訳でカチューシャさん、そっちどうですか?」

 

『そんなの決まってるでしょ!OY戦線は私達プラウダの勝ちよ!!』

 

俺は無線をプラウダに繋ぐと彼女達は開口一番、勝利宣言を上げていた。

 

プラウダが防衛戦に勝利した報告を俺が聞いているという事はだ、今頃西住も大洗が防衛戦を突破された報告を受けているはずだ。

 

ありがたい、これでⅣ号も俺達を追撃し続ける余裕は無くなっただろう。

 

「思ったより速くて助かりました」

 

プラウダの火力なら突破自体はそこまで難しくないだろうが、それでも思っていたよりずっと速い。

 

『やはりポルシェティーガーが要だったようですね』

 

『ノンナが撃破したんだから』

 

ふふん♪︎と、まるで自分の事のようにカチューシャさんが誇らしげに微笑んでいるのがわかる。

 

ポルシェティーガー…、あのレオポンチームをこうもあっさりと倒しちゃうかぁこの人。

 

『それと、チハが突撃して来た事も良いきっかけとなりました』

 

「…またかー」

 

いや、本当に何してんだ知波単の連中…。

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

「比企谷さん!!」

 

「おわっ!」

 

試合前、突然声をかけられて何事かと思えば知波単学園勢揃いである。え?なにこれ怖…。

 

まぁ勢揃いと言っても、隊長である西以外は遠巻きにこちらを見ているというか。

 

「くっ、男性の方にはどう突撃すればいいものか…」

 

「お、おい玉田、いつもの勇猛果敢な精神はどうした?」

 

「し、しかしだ細見、私にも心の準備というものがだな」

 

…まぁなんだろうか?知波単学園はあれでバリバリのお嬢様学校らしいし、男慣れしてないのだろう。

 

「えーと、何か用か?」

 

「はい、試合前の挨拶に参りました!本日はよろしくお願いします!!」

 

「「「「「「お、お願いします」」」」」」

 

西がそう言いながら頭を下げるとそれに習って後ろの知波単の生徒達もおずおずと頭を下げてくる。

 

「あぁ…まぁその、こちらこそ?」

 

…正直やりづらい。それとは言うとこの西というか、知波単の連中はなんとなく苦手なのだ、真っ直ぐ過ぎてどう相手していいか戸惑ってしまう。

 

「…悪いな。なんやかんやで敵チームになっちまって」

 

だがこのエキシビションマッチ、そもそも知波単学園に声をかけたのが俺である。しかもその本人が敵になるとか、どうなんだこれ?

 

「いえ、相手が誰であろうと、我々は我々の突撃を見せるだけです!!」

 

「…突撃すんの?」

 

いや、そりゃ突撃するんでしょうが、知波単だし。

 

知波単学園の試合は全国大会の一回戦で見たくらいだが、そりゃ見事に突撃していた。

 

…あの黒森峰相手にだ。結果はもちろん突撃粉砕、まさに一蹴だ。

 

うーん、今さらだが西住はこいつらを上手くまとめる事が出来るんだろうか?

 

ちなみにこいつら知波単学園に声をかけた奴はなんかいろいろ放ったらかして相手の聖グロ・プラウダチームに行っちゃっうらしい。…さすがにちょっと最低ムーヴがすぎる。

 

「…あの、やはり比企谷さんは突撃は嫌いでしたか?」

 

俺がそんな自己嫌悪におちていると西が心配したように声をかけてくれる、なにその斜め右な心配のしかた?

 

「むしろ突撃に好き嫌いの概念がある事すら知らなかったんだが…」

 

「それは良かった!実はこう見えて私達、突撃が大好きなんです!!」

 

…どう見ても突撃が好きにしか見えないんだが、そこは突っ込まない方が良いんだろう。

 

それよりも突っ込みたいのは先ほどは西の発言だ。

 

「…やはりって?俺が突撃嫌いだと思ってんのか?」

 

「えぇと、その…比企谷さんの話は西住さんから伺いました、作戦を考えているとは聞きましたが突撃作戦を立てた事は無いと」

 

…まぁ負け前提で突撃かました事はあったんだが、それを言わないのは西住の優しさか。

 

しかし、突撃作戦を立てた事が無いから突撃嫌いとは心外な、俺だって別に突撃系の作戦は嫌いじゃない。

 

戦車が勇猛果敢に突撃する様には心引かれるものがあるし、浪漫にも溢れてある、見る分にはカッコいい。

 

「別に突撃を否定した事はないし、やり方次第じゃ強力な戦術だ、現に黒森峰とか全車で突撃して来たら勝てる学校多分無いだろうし」

 

ゴリゴリの力押しはそのゴリゴリが故に対処が難しい。まさにゴリラ・ゴリラ・ゴリラ、つまりゴリラが揃ってる事が大前提だ。

 

「ただ単純な突撃での力押しとなると強力な戦車が揃っている事が前提だから、作戦ってなるとーーー」

 

言いにくいけど、大洗も知波単も保有戦車は強力とは言えないのだから、雑な突撃作戦なんて夢のまた夢なのだ。

 

「ですよね!やはり突撃は素晴らしいです!!」

 

「え?お、おう…?」

 

だがその続きを言おうとする前に、西には敬礼をビシッと決められた。

 

「比企谷さん、こうして敵となってしまった以上…残念ですが私達知波単学園はあなたにも突撃をしなくてはいけません!!」

 

「…突撃には相当自信があるんだな」

 

知波単学園は突撃一辺倒な戦い方は置いといて。生徒の練度や士気の高さでいえばかなりのものだと、秋山からは聞いている。

 

「もちろんです!我々の知波単魂、試合にて存分に見せつけましょうぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

「…あー、もしかしてアレですか?」

 

なんだろ、今空を見上げれば、きっと西が敬礼している姿が見えるまでありそうだ。無茶しやがって…。

 

「…これで知波単、全滅しました?」

 

ゴルフ場で大半の知波単車両が突撃して散っていた報告は聞いている。

 

そして今回の防衛線では隊長である西も単身(謎の)突撃をかましてきたらしい、結果はもちろん散っていったが。

 

…知波単名物らしい突撃だが、結局俺は報告を受けているだけで一度も目にする事なく終わってしまったのである。残念なような…これで良かったような。

 

しかし、それにしたってあんまりでは?え?本当に知波単これで終わりなの?

 

『いえ、1両まだ残っていますよ、八九式に突撃を防がれて無理矢理連れられた九五式軽戦車が』

 

八九式…バレー部の連中か、とりあえずこれで知波単学園の残る戦車は1両。だが大洗の戦車はまだかなりの数が残っている。

 

こちらはまだプラウダの主力は残ってはいるが、それも先ほどの防衛線でT-34がいくつかやられているし、戦力的にそこまで大きな差はないのかもしれない。

 

特に聖グロリアーナはゴルフ場でマチルダ部隊が、そしてたった今3両のクルセイダーがまとめて撃破された所だ。

 

えぇっと、今聖グロリアーナ側で残ってるのって、ダージリンさんのチャーチルと、俺達のクルセイダーと…。

 

『ならばその八九式と九五式!私がまとめて撃破して見せましょう!!』

 

そ、その声は!?

 

「…誰?」

 

『マチルダのルクリリよ!試合前にも話したでしょう!?』

 

いや、知らない人は本当に知らないと思うから、一応…ね?

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