ある日、唐突に世界の法則が変わってしまった。
事の発端は中国で《発光する赤児》が生まれたというニュースだった。
以後、各地で超常と呼ばれる現象が発見されて、原因も分からないまま時は流れで、超常はやがて日常に溶け込んだ。
世界人口の八割が特異体質を持つようになった現在、超常能力は個性と呼ばれるようになった。
その結果、世に蔓延るのは個性を用いた犯罪であり、通常の警察では対応できなくなった。
銃刀法違反の法律のある日本では尚の事、混乱渦巻く世の中で、強大な悪意の前に無力な民衆を守る為に立ち上がる者達が居た。
政府公認の武力治安職、自己犠牲の精神を持った勇敢なる者達を民衆は《ヒーロー》と、そう呼んだ。
しかし大体的な法改正が行われる以前、昔ながらの非公認なヒーロー活動を続ける者達も居る。
己が正義の番人だと、闇夜を紛れて暗躍する者達の事を《ヴィジランテ》と名付けられた。
◆
吐瀉物の撒き散らしたような酸っぱい臭いの路地裏にて、
中学生ほどの少女がナイフを片手に徘徊する。頰は赤く上気しており、息は荒い。その姿は発情しているようであり、にんまりと光悦とした笑みを浮かべている。彼女の名前は、渡我被身子。まだ指名手配も受けていない家出少女であり、獲物を求めて彷徨っているところであった。
喉が渇いた。ごくりと唾を飲み込んで、ギョロリと見開いた目を周囲を観察する。
この辺りは所謂、不良達の溜まり場であった。
違法の薬物の取引がされる事でも有名で、本番行為を用いた売春は勿論、異性に対する暴行事件も頻発している。
所謂、アングラと呼ばれる場所が此処であった。足を踏み入れる場合は自己責任、そこで不幸な目に遭ったとしても、あんな場所に足を踏み入れるから、と言われてしまうような場所である。
そんな場所を、彼女が自分の庭のように悠々自適に歩くことができるのは、端的に云って、恐れられている為だ。
手に持ったナイフで切り刻み、血を啜る彼女は吸血鬼と呼ばれ恐れられていた。
場違いな少女の鼻歌が聞こえて来たら一目散に逃げるべし。最早、この辺り一帯の彼女は有名人であり、ナイフを片手に誰彼構わず襲い掛かる彼女に住民は恐れ避けていた。
不思議なことに殺人事件にまではなっていない。
いや、不思議な事ではない。彼女は有象無象には興味がない。何故なら彼女は今、純情を極めた一途に恋する乙女である。それは彼女が家出をしたきっかけであり、ヴィランとして活動し続ける理由でもあった。見境なしの襲撃には意味がある。それはこの暗黒街の住民からすればとばっちりだった。警察の厄介になりたくない此処の住民であれば、幾ら痛め付けても犯罪歴にはならない。と打算の上での行動であり、こんなヤクに塗れた連中の血になんて興味はなかった。
彼女が標的に定めるのは、この辺り一帯で活動を続けるヒーロー。いや、ヴィジランテの血であった。
逃げ遅れた間抜けを見つけた。その瞬間に被身子は飛び出した。
本当に殺すつもりでナイフを振り被る。全力で逃げて、身を守る彼らが無作為な一撃では死なない事を被身子は知っていた。
死んでしまった時は仕方ない。でも殺す為に殺そうとしている訳ではなかった。
彼女は何時もタイミングが良い。
彼の喉元目掛けて突き立てたナイフ、その握る手を。上空から舞い降りた影によって掴まれる。
「……また、貴女なのね。被身子、貴女は早く復学なさい」
呆れ混じりの吐息、触れる肌、咎める声に胸がキュンと高鳴った。
「
「私はもう顔も見たくないんだけどねぇ……」
「そんな下衆の命も守ろうとする真純ちゃん、かっこいいです」
「本名で呼ぶのは、止めてくれないかなッ!」
掴まれた右手首、左手の袖に隠したナイフを彼女の眉間に突き立てる。
その瞬間に視界がぐるんと縦に回転する。何度も味わった不思議な感覚、彼女は合気を言っていた。何時もは地面に背中を叩きつけられる衝撃を思い出し、無理やりに身を捩って片足で着地する。驚きに目を見開く彼女、かあいい、と思いながら靴の爪先に付けた隠しナイフで彼女の喉元を狙った。
しかし掌底で足首を打たれて、横に払われる。パリィ、と呼ばれる技術。反撃を受ける前に一歩、二歩と遠のいて、仕切り直した。
このまま肌の触れ合いを堪能するのも良いけど、折角、彼女と再会したのだから恋人のように語らいたかった。
「この辺りに格安のホテルがあるのですが、一緒にどうですか?」
「……学生服の貴女と行ったら止められると思うのだけど?」
「大丈夫です。そういうのを目を瞑ってくれる場所なので、後で盗撮もののビデオとして出品されることもあるみたいですけど」
「絶対にやばいところじゃん」
いや、そういうところには行かないけどね。と彼女は真正面から突っ込んできた。
彼女との出会いは数年前、何時だったかもう忘れたけど、路地裏で血塗れになって倒れていたのを見つけた時だ。今にして思えば、誰かと戦闘した後だったのか全身を切り刻まれており、身動きが取れない状態でゴミのように捨て置かれていた。常識的に考えて、救急車を呼ぼうとスマホを取り出した私に、やめて欲しい、と彼女は呼び止めた。怪しい者じゃない。ヴィランの襲撃を受けて、なんとか逃げ出してきたところだと彼女は言った。
救急車は呼べない、警察も駄目。
とはいえ、常識的に考えて放っておくこともできない。そう考えた私は簡単に彼女の手当てをする事にした。
ハンカチを使って、傷口を綺麗に拭き取り、ペタペタと絆創膏を貼ったりした。
その時にふと、猫の親子が子猫の傷を舐めていたのを思い出した。
濃厚な血の香り、抑え切れない好奇心。くらりとくる甘美な誘惑に抗えず、これは手当ての一環だと免罪符を得て、彼女の傷口に舌を這わせた。それはもう甘美な味がした。身動ぎひとつも取れない彼女は格好の獲物であり、これは傷を治す為だから、と自分に言い聞かせて血を啜った。
この時、味わった彼女の味が忘れられず、小動物の血では満足できなくなってしまった。
自分の衝動を抑え切れず、家を飛び出して血を求める。他の人間も試してみたけども、彼女以上の味にはまだ出会えてない。彼女と同じくらいの年頃の少女を襲った事もある。こんな場所にいる人間よりも美味しかったけど、なにが違うのかよくわからなかったけど、それでも彼女の血の方が美味しいと感じてしまうのだ。
不思議だった、これが何なのか気になった。そして、この不思議な現象に名前を付けた。
これは恋なのだと、私は彼女に恋をしている事を自覚した。
彼女の血が欲しくて仕方ない。貴女の側に居れば、もっと美味しい想いが出来るのかな。
嗚呼、出来る事なら彼女と一緒になってしまいたかった。
「血をください! 寂しいけど、独りでも我慢しますので!」
「汚いからやめなさい! そんなことやってると何時か病気に掛かります!」
「貴女から貰えるものなら病気だって愛おしいのです!」
今日の彼女は怪我をしていない。ヴィランとは遭遇しなかったようだ。
何時もなら傷口にハンカチを当てたりして頂くのだけど、出来る時は口を付けて啜ったりもするけど、傷口がないのであれば新しく作れば良いのです。両手に持ったナイフを閃かせて、今日もまた彼女の血を頂く為に腕を振るった。
彼女は床に転がっていた鉄パイプで応戦する。そんなひと時もまた胸がウキウキして楽しかった。
◆
趣味はパルクール、ビルとビルの屋上を個性を使って飛び回るのが好きだった。
私の名前は、
この全身で風を切るのが堪らなく大好きだ。空中に身を放り出した時、遠くにある地上を見てヒュンとする感覚が好ましかった。
着地には受け身をしっかりと取り、立ち上がる瞬間と同時にレールを展開して再発進。
そうやって高いビルの隙間をひとつ、ふたつと飛び越える。
ある程度、走り切って足を止める。目深に被ったパーカーを外して、ビルの屋上からゴーグル越しの世界を見る。
世の中、糞だ。糞ではあるが、高い場所から眺める夕焼け空の景色は綺麗だった。
遠目に見慣れた衣装の男が空を飛んでいたから、個性を発動して彼の後を追い掛けた。
始まりは発光する赤児、超常蔓延る今の御時世。ヴィランと呼ばれる悪人が跋扈し、ヒーローと呼ばれる者達が跳梁する。
犯罪率は急上昇、今日も何処彼処で善悪の入り乱れた騒動が勃発しており、騒がしい事この上ない。この個人に発現した超常を、世間では《個性》と呼ぶ事で、個人を尊重する意思を見せている。しかし法は個性の使用を許さず、個人の個性を殺し、社会に隷属する事を強要する。
まあ、誰も彼もが己が欲望に従って、この超常を使ってしまえば、世の中が乱れることは分かる。
しかし、それこそ法で縛ってしまえば良いのだ。
人が集まる場所では個性の使用を制限したり、手を打てるはずであるにも関わらず、この日本という国では、一律で個性の使用を制限してしまっていた。まるで個性そのものが悪であるかのように、日本という国は個人を尊重せずに社会を尊重しようとする。
ちょっとした他者とのズレを許容してくれる社会ではなかった。
それが酷く居心地が悪くて、窮屈だった。
だから私は今日もビルの屋上を駆け回る。そして大好きなあの人の側へと全力でかっ飛ばした。背中に大きな翼を生やし、ビルの隙間を自在に飛び回る彼は10代で、ヒーロービルボードチャートJPトップ10に食い込んだウィングヒーロー・ホークス。人呼んで、速すぎる男だ。
路地裏に入った彼を見て、躊躇することなく飛び込めば、その彼の剛翼に捕われて優しく受け止められる。
「おいおい、またアンタかよ」
苦虫を噛み潰した顔もまた素敵、そのまま私は優しく地面に下ろされる。
「今は職務中だ、あんまり厄介ごとを起こさないで欲しいな」
「不良の女子学生に正しく指導をする事もお勤めだと思いますが?」
「アンタは不良じゃなくて、追っ掛けというんだ。いや、今もサボってるから不良なのは合ってるのか」
補導しちゃうよ? と手錠を取り出す彼に、そういうプレイですか? と私は両手を差し出した。
すると彼はボリボリと頭を掻いて「個性の無断使用の常習犯だからだよ」と手錠の輪に指を入れて、グルグルと回転させる。
「これでも潔癖のヒーローで通ってるんでね、スキャンダルは御免なんだ」
そう云うと彼は何時ものように真っ赤な羽を隠蓑に飛び去ってしまった。
速すぎる男は、去る時も華麗で速かった。今からでも追いかけようと思えば、追い掛けられる。でも彼の仕事の邪魔をするのは私の本意ではないし、それで彼が愛するこの街にヴィランをのさぼらせてしまえば元も子もない。
まあ、正直、こんな街に愛着なんて欠片もないのだけど……
そのまま床に手を当てレールを敷き、路地裏を高速移動する。
かっ飛ばせば、数十キロメートルなんて目と鼻の先だ。レールが敷けるのは視界内まで、レールが途切れる度に床に手を触れて、新たにレールを敷くことで距離を伸ばすことができる。隙間を縫って翔けるのは、ビルの屋上を飛び渡るのとは違った面白さがあった。
今日も全速全開で路地裏を駆け抜けていた時、ズン、と角の先からコスチュームを来た男が吹っ飛んできた。
全身に切り刻まれた後がある。
そして頭上には人の影、赤いマフラーにバンダナ、ボロボロの包帯で目元を隠す如何にもヴィラン然とした男が抜いた刀で男を突き刺そうとしていた。私の個性には制限がある。先ずは一度にひとつのモノしか運べない。運べるのは私自分か、私が肌で触れているモノ。レールの横幅は最大で私が両足を目一杯に開いた時と同じ程度、それを超えると床との摩擦で速度が落ちるし、はみ出た場所が地面で削れる。
あからさまにヤバい奴、逃げの一手が常套手段。
でも、ヒーローが飛び込んできた時に視線が合った。
怯えた顔をしていた。
だから私は、敷いたレールの使用権を彼に譲った。
片手でトンと押し出せば、それだけでかっとビングだ。目測を見誤ったヴィランが刀を床に突き立てるのを見やり、一歩、二歩と距離を取りながら手持ちの防犯ブザーを取り出して鳴らした。
……誰だ、此奴? 明らかにヤバい奴である事は確かだ。
「……どうして助けた? お前は一般人のはずだろう?」
その問いに、私は時間を稼ぐことも含めて答える。
「目の前に自分よりもヤバい奴がいる、なら手を貸して当たり前じゃねぇか。一般教養学んで来なかったのかよ」
中指を立て、挑発する。
視界の奥にいるヒーロー、どういう訳か身動きを取れていなかった。
なら、私が囮になるしかないじゃないか。
逃げ切れるか? 大丈夫、私の個性であれば逃げられる。
「……か、かかって来いよ、ヴィラン! 私を捕まえてみなッ!!」
「いや、お前は粛清対象ではない……」
奴は、私を無視して、奥で倒れているヒーローを狙いに行った。
「……クソッ!」
床に手を当て、レールを敷いた。その腕にナイフが突き刺さる。投擲か? 痛みを堪えて、個性を発動。彼よりも遥かに速い速度で接近する、回り道をしている余裕なんてない。彼の脇を潜り抜けようとして、顎を蹴り上げられる。霞む視界、揺れる脳、空に打ち上げられた視界の端で、血飛沫が上がるのを見た。
「……速すぎる男の名が廃るな」
倒れそうになる体を、優しく受け止めてくれる。
真っ赤な羽に身を包まれて、意識を落とした。
次に目覚めたのは病院で、数日の入院が言い渡された。
両親は、居ない。一人暮らしを続けている。
一人きり、窓の外を眺めると、赤い羽が視界の端に映った。
隣のベッドの人がテレビを見ている。
ヒーロー殺しが九州に出没し、今なおも逃走中。
犠牲者二名、死者一名。
ベッドから起き上がって、なんとなしに屋上に出れば、彼は居た。
ヨッ、と片手を上げた気さくな笑顔で私を出迎える。
フェンス越し、彼の隣に立って、呟いた。
「死んじゃったんだってね」
「……アンタの気にする事じゃない」
「気にするよ。あの場に居合わせたんだし」
ふうっと息を吐いて、空を見上げた。今は届かぬなにかに手を伸ばす。
「なんというか、現実を見せつけられた気分だよ」
嫌んなっちゃうね、と強気に笑ってみせる。
「……此処じゃ誰も見ないよ」
「好きな人の前で泣けるとでも?」
「ああ、そうか」
そう云うと彼は真っ赤な翼を大きく広げて、そのまま何処ぞへと飛び去ってしまった。
……どうにも私は弱いらしい。手元に落ちた一枚の赤い羽を握り締める。
両親は死んだ。ヴィランが起こした騒動に巻き込まれて、それから独りで暮らしている。
学校で、腫れ物を扱うような視線が耐えきれなくて、今は家で勉学に励んでいる。
我儘を押し通せるだけの力が欲しい。もう、誰かが死ぬところは見たくない。
見て見ぬふりが出来ないなら、せめて、それに抗えるだけの力が欲しかった。
……。
…………。
………………。
「ええ、はい。彼女は公安に向かないでしょう。なんせ、人が死ぬところが見たくない。ですよ? ええ、そうです、ええ。なので、手を引いた方がいいですよ。公安の手足としては使い物になりませんからね」
◆
右手が兎、左手が狐。手の平で触れると兎か狐の印が付けられる。
兎印を付けたモノを右手まで転移させて、逆に右手で触れたモノを兎印の場所まで転移できる。
狐印は、印を付けたモノと左手に触れたモノを入れ替える事ができる。
私、
野球の軟式ボールを右手に持って、放り投げた後、自分の身体をボールまで転移させてやれば、手頃な移動手段としても使用可能だ。
その際に右手でボールを掴んでやれば、連続の瞬間移動として使える。
とはいえだ、兎と狐。印を付けられるのは、同時にひとつずつまで。
これが私に与えられた武器である。
きっかけは、傍迷惑な動画投稿者。ジェントル・クリミナルと名乗るヴィランが近所のスーパーに襲撃を仕掛けようという所に出会した時だ。見知った顔に私も目を光らせて、後を付けた。
レジの店員にナイフを取り出して脅した瞬間、気付けば、体が動いていた。
野球ボールを相手の頭上に放り投げての瞬間移動。ジェントルの頭を左手でタッチした後、そのまま距離を取る。
急なことに驚き、私を見つめるジェントルを睨みつけて、近場にあった西瓜に手を触れた。
「君は……ッ!?」
「私は! 君を退治する者だッ!」
そして西瓜とジェントルの位置を交換する。
「なんと……!?」
「狐にでも化かされたのかな?」
「ジェ、ジェントリーリバ……ッ!!」
唐突な瞬間移動に驚愕の表情を浮かべるジェントル。
にんまりと笑みを浮かべて、奴が何かをする前に!
その横っ面に目掛けて、渾身の飛び蹴りを打ち込んだ。
……この後、ジェントルには逃げられてしまった。
付けた印が使えるのは一度きり、何度も連続で使用できるはずもなく、弾性のあるもので下敷きにされたのだ。瞬間移動に使えるものも用意できず、敢えなく撃沈。潰れた蛙のような姿で数十分、晒され続けた私の乙女心は粉々だ。
ジェントル・クリミナル、許すまじ!
以後、私は彼の動向を追い掛けることになる。
彼の動きは読みやすい。計画は綿密だけど、企画は突発的で法則性がある。テレビのニュースで報道されるチャチな犯罪、蝋燭の灯火のように吹いて消え去る事件に対して、社会に警鐘を鳴らす、という大義名分の下で再び事件を引き起こしてしまうのだ。
それっぽい事件が報道されてから24時間以内、彼は必ず動画を投稿する。
結構時期は不明だけど、彼を追いかけている内に大体、どれくらいの準備期間を要するのか把握できている。
そして何よりも特徴的な事は、彼は企画を実行するまでは逃げたりしない。計画が破綻した時、彼は逃げ出す事もあるが、企画そのものを放り投げる事はない。
故に私は彼を待ち受ける。御手製のヒーロースーツを着込んで、近場で美味しい紅茶を出してくれる店を探すのだ。すると居る、大体、事件が発生する前に見つけられる。最近では小さい女の子も連れ回すようになった。ロリコンである、最低である。この世に存在してはならない悪である。
故に、私が成敗してくれる!
店前で待ち構える事、数十分!
彼がレジで支払いを終えた後、けたたましく鳴る防犯ブザーの音が開戦の合図だ!
「見つけたぞ、ジェントル・クリミナル!!」
「また君かねッ!? ヒーローでもない身で……君のやっている事はヴィランと一緒だぞッ!?」
「貴方の悪事を止める! それが私に出来る最っ高の仕返しだっ!」
「くぅ……厄介な追っかけが出来てしまったものだ……! ラブラバ、カメラを回せ!」
「ここで会ったが百年目ェーッ!」
キエアーッ!! とジェントルに向けて飛び掛かる。
さあ私の戦いはこれからだ!
私、大兎転狐の次回にご期待くださいッ!!
◆
森の中に異形型のヴィランが居るのだと云う。
その噂の真相を確かめる為に駆り出されたのが私、ラビットヒーローミルコ。正直、私の出る幕か? ってのはあるんだが、他のヒーローはノロマ過ぎて忙しいようで、それなら仕方ねえ、といち早く仕事を終わらせた私にお鉢が回ってきた訳だ。
兎の個性を全力稼働して、森の中を駆け回る。兎耳をピクピクと動かして、動物的な勘を用いて居場所を限定する。
この森の動物は、妙に統率が取れていた。その事から、この森には長が居ることを察する。ここまで来れば、見つけるのは簡単なものであり、其奴を発見するまでさほど時間は掛からなかった。鬼が出るのか蛇が出るか、私の前に姿を現したのは獰猛な小娘だった。彼女の背中には人よりも大きな狼がおり、それを庇うように彼女は立ち塞がっていた。服は着ていないが、股や胸を覆い隠すように分厚い毛が生えており、良い子に見えても良い感じに隠されている。
其奴は獣のような唸り声を上げるばかりで、人語を一切介さなかった。
それどころか剥き出しの牙と爪で襲い掛かって来やがった。
だから自然の摂理として力で分らせてやったのだ。
今、ソイツは私の家に居る。
仕事を終えた後、家に帰るとソイツは玄関で上目遣いに睨みつけてくる。その目が好きで「生意気だな」と頭を撫でてやってから家に入る。家の中は何時も綺麗だ、家事全般はコイツがやってくれている。机の上には手作りの料理が置いてあり、それを電子レンジでチンしてから頂いた。必ず、人参をメインにした料理を一品入れてくれるのが最高だ。
食事を終えた後は、沸かしてある風呂にゆっくりと浸かる。
アイツは、名を
DNA診断から身元は判明したが、既に両親は死んでおり、親戚は居るが、完全に野生化しているせいで受け渡せる状態になかった。なので私が引き取り、先ずは力で躾けた。躾けた後は、兎に角、話しかけた。絵本を渡したこともあれば、テレビの教育番組を飽きるまで見せた。飽きても見せつけ続けた。反抗的になる事もあったが、人を傷付けてはいけません。と身を以て思い知らせた。勉学にはドリルを押し付けた。
そんな私には教育の才能があったのだろう。躾に三日、人語を介するまで一年、人並みの常識を身につけるまでに更に一年の歳月で彼女に人としての知性を取り戻させることに成功した。
食事を終えて、風呂にも入った。
なら次にする事は訓練だ。私が風呂から上がれば、影狼は嫌そうに私から距離を取るので、その首根っこを掴んで地下室に放り込んだ。生きる為には力が居る。そして、強大な力を持つ者は、その正しい力の使い方を知っておかなくてはならない。だから私は彼女を鍛え上げる。
影狼は嫌々構えを取り、全身を体毛で覆った。骨格そのものを変形させる。
コイツの個性は人狼。自身を狼の姿に変える事ができる能力であり、その変身の割合は操作することが出来る。
例えば、耳だけを生やしてみたり、全身を体毛で覆ってみたり、骨格そのものを狼に変えてみたり、と云った具合に。単なる異形系よりも余程、使い勝手の良い能力を彼女は持っていた。
彼女の力は有能であり、それ故に万が一の事故も起こさせてはならない。
だから今の内から分からせる。
徹底的にボコった後、気絶する彼女を風呂に連れ込んでシャワーを浴びさせる。
コイツは頑丈だ。打撲程度だと翌日には、コロッと元気になっている。だから幾ら痛めつけても大丈夫、ちょっとした拍子で誰かを殺めてしまうかも知れない個性だからこそ、早急に鍛え上げる必要があった。
ベッドで眠る時は一緒、キングサイズのベッドは場所が広いので二人で寝ても充分な広さがある。
手足を畳んで寝るのは性に合わない。
◇
ボクの名前は為人影狼と云うらしい。
気付いた時には森の中、母親と暮らして数年が経った頃、急にコイツがやって来てボコられて連れ去られた。世間では、そういうのを誘拐というらしいが、コイツは一向に捕まる気配はない。ボクを親元から引き離した兎耳の女は、ボクの事を地下室に閉じ込めて、殴る蹴るの暴行を加えた事は今でも恨んでいる。
とはいえだ。自然の掟は弱肉強食、強い者が偉いのは当然なので負けている間は従順でいる。
だからだろうか。炊事に洗濯といった家事全般を任されている。
最初は何度も殴られて、叩き込まれた。掃除なんかは少しでも手を抜くと、すぐにバレるので徹底しなくてはならない。ゴミ出しはボク、料理もボク。気紛れに呼び出されては、膝の上に乗っけられて、映画を見せられる事もある。見た目、ゴリゴリのマッチョな癖して、見る映画は恋愛ものが意外と多い。あとゾンビ、B級映画でバカ笑いする事もあった。映画を見る時はポップコーンとコーラが欠かせないと良い、押し付けてくる。
そんな生活を数年間、送った後、急に学校に通わされる事になった。
知能指数の低いボクが通える学校は底辺であり、校舎の窓が全て割れているような場所だ。
清掃しても切りがないのか、何処も彼処もゴミだらけ。潔癖症なアイツの影響を受けたのか、その光景を見るだけで苛々した。授業中も喋り倒すは、堂々とスマホを弄り、ゲームをしてたりで騒がしくて仕方ない。その上、真面目に授業を受けているボクに対してもちょっかいを掛けてくるのだから救いがなかった。手は出すな、と言われている。だから最初は黙っていた。屋上に来い、とか、校舎裏に呼び出されたり、体育館倉庫で待ってると言われたり、面倒だからと無視すれば、ボクの胸ぐらを掴んで男子トイレに連れ込もうとした奴もいた。
ボクは常識を学んでいる。嫌と云うほどに叩き込まれた。文字通り、拳を使って叩き込まれている。
なので、これはいけないことだと分かったので、ボクも拳を使って分からせる事にした。
とりあえず男子トイレに居た四人を程々に殴り倒した後、ボクは授業を受ける為に身なりを整えてから教室に戻る。その数日後、校舎裏まで呼び出された。今までは無視できたが、今回ばかりは強引で力尽くで引っ張って行こうとし、挙句には泣き落としまでしてきたので、とりあえず殴ってから校舎裏まで足を運んでみた。十人を超える不良共が待ち構えていた。
なので殴って分からせた。言葉が通じない相手には、痛みを以て分からせるしかない。とアイツが言っていたので、これが正解なのだと思う。もし仮に違っていたとしても、そうやって私を殴り続けたアイツが悪い。
チリも積もれば山となる。
気付けば、30人近くまで膨れ上がっていた人の山、その頂点で胡座を組んだ私は受け売りの言葉を綴る。
「……あー、つまり……自分がされて嫌な事はやめましょう。相手に思いやる気持ちが大事だって、少なくともボクはそう教わって来た」
次、同じことをしたらまたボコるよ? と吐き捨て、その場を後にした。
その数週間後、平穏に授業を受けていたボクの視界の端で、イジメの現場を見た。ボクの代わりに違う標的を見つけたのか。とりあえず殴った。商店街で万引きしているところを見た。ので、殴って謝らせた。ボクの名前を出して、恐喝するイジメられっ子の姿があった。迷わずに殴った。殴って、殴って、殴り続けて、気付けば、学校内に居た輩を全員、一度は殴って黙らせてしまう結果になり、誰も彼もがボクに平伏す結果となった。
やはり狼という習性を持っている為か、群を作り、頂点に立つのは気分が良かった。
授業は受けられるし、休憩時間に絡まれる事もない。ゴミも捨てない、学校は清潔に保たれている。
実に居心地が良い環境になったものである。
「おい、お前、何をやってるんだ?」
悠々自適な学校生活を送っているとアイツが学校まで来た。
そして殴られた。ブチ切れ状態のアイツは問答無用でボクの事を殴って来やがった。良い事をしていたはずなのに殴られて、カッと来たから全力で殴り返したら全力で殴り返された。殴って、殴られて、殴って、殴り返されて、何時も避けられるか、受け止められていた拳は、何故だか今日は、あの憎たらしい面に綺麗に入った。一発、殴れば、一発、殴られる。そんな事を繰り返している内に力尽きるのはボクの方で、アイツは鼻から血を流しながらもケロッとしていた。
自分のケツは自分で拭きやがれ、そんな事を言い残して、勝手に去って行った。
そうだ、アイツは何時も勝手な奴なんだ。
後ろを振り返れば、複雑そうな顔でボクを見る奴らばっかりで、なんだか居心地が悪くて今日は早退した。
思い出す顔は、恐怖に歪んだ顔ばかり。悪い奴を分からせて、何が悪いっていうんだ。
数日間、怪我を理由に学校をサボった。
それからボクは何もしていない。
少々教室が騒がしくなっても睨んで黙らせたりしないし、トイレでタバコを吸ってる連中も見逃すようになった。多少の喧嘩は見て見ぬふりをする。とはいえ、見過ごす事もできない事はあって、誰かが虐めを受けていた時なんかは止めに入った。大人しくしていると調子に乗る輩も居たので、手や肩を掴んだ後に握力で黙らせた。
入学当初に比べて、幾分か過ごしやすくなった学校にて、独り、無気力に物思いに耽る
アイツの職業はヒーローだ、悪い奴を懲らしめる奴の事を云う。
では、よく殴られるボクは悪い子なのか。アイツはボクの事を出来が悪いとよく言った。飽きる程に悪戯し、呆れる程に襲撃し、困らせる事は何度もやってきた。そんなボクは、きっと悪い奴に違いない。ボクみたいな奴を倒すのがヒーローの仕事だから、あいつは学校にやってきてまでボクを退治したのだ。
しかし、テレビやアニメで観るヒーローは懲らしめて終わりだった。
悪い奴が居た。悪党の親玉みたいな奴がいる。何度も、何度でも、繰り返し、退治しても、執拗に復活してくる。きっとソイツはボクのような奴の事であり、飽きず、懲りず、何度も悪い事を繰り返す。いっそ殺してしまえば、楽なのに、見捨ててしまえば、楽なのに、それをせずに彼女は何度も、何度も、懲りずに殴ってくる。
そんなボクを何時だって、彼女は傍に置いている。
なんだか、よく分らなくなってしまった。
考え込んでいる内に夜が更け、帰るのも面倒になってしまったので、この日は野宿する事に決める。
昔は、これが当たり前だった。
思えば、別に、あの家に帰る理由もなかった。
◇
アイツが、居なくなった。
ヒーロー稼業から帰ると、アイツは家には居らず、そんな時もあるだろうと思って、翌日の朝まで待っても帰って来なかった。
ずっと映画を観ながら待っていたので、若干眠くて、苛々する。
一体、何処をほっつき歩いてやがるんだ!
そう叫んだ時、ケースの山が崩れ落ちた。
大脱走というタイトルの映画を見て、あれ、これって家出じゃね? と思い至る。
スマホが鳴った、このコール音は仕事の依頼だ。
『あ、ミルコさん。良かったです、直ぐに出動して欲しいのですが……』
「ああ、わかっ……」
二つ返事で受けようとして、暫し思い悩んで、バリボリと頭を引っ掻いた。
「あ〜、ん〜……悪い、今回はパスだ」
『えっ、どうしてですか?』
「緊急事態だ」
有無を言わさず、電源を切り、それから軽くストレッチをして身体を解した。
トントンと跳んだ後、何処から探そうか、と考えて、何処も思い付かない事に気付く。アイツって普段、何をやってるんだっけ? と、罰が悪くって、情けない呻き声を零す。
とりあえず、見つけてからぶん殴る。
そう決めて家のベランダから飛び出した。この日に限ってはヒーロースーツじゃなくて私服、もとい部屋着で街中全てを回ってやる勢いで全力疾走した。
そして街中全てを探してもアイツは見つからなかった。
その間、思い返す記憶は、殴っているところばかりだった。
そもそもだ。アイツってどんな顔で笑うんだ?
◇
手頃な洞窟を見つけて、そこで一晩を明かす。
ほとんど寝付けなかった。
昔の基準で云うと居心地の良い寝床だったはずなのだった。
しかし今は不便で仕方ない。
先ず真っ暗闇で光がないのが大変で、寝心地も枯れ草を敷いただけでは焼け石に水だ。
水もなければ、火も出せない。
食事の調達も面倒極まりなかった。
どうやらボクは思っていた以上に人間の暮らしに慣れてしまったようだ。
洞窟の中で身を寄せ合って生きていたあの頃を懐かしむ事はあったけど、恋しく想うのは憎たらしいアイツがいる部屋だった。よくアイツと入るバスルーム、ふかふかのベッド。美味しいご飯だった。
……戻ろうか。なんだか負けた気がするけど、もう昔の生活に戻れる気はしなかった。
胡座を組んだアイツの膝の上で食べるポップコーンとコーラが、今は恋しくて仕方ない。昔は寂しくて仕方なかった。アイツに連れ去られた時、寂しくて暴れまくった記憶がある。でも何時からだったか、寂しく想う気持ちはなくなっていた。あの映画のシリーズの続きが観たいな。そんな軽い気持ちで戻る決意を固める。
アイツの家に戻る道中、色々な事を考えた。
殴られた記憶ばかりだけど、それは、なんというか一言で済ませられる事だった。
風呂に入れられた、初めて浴びるお湯には驚いた。暴れる私を押さえ込まれて、全身を隅々まで洗われた。料理は美味しかった、お腹が空いた記憶はない。絵本を読み聞かせられた、映画を観せられた。掃除をした、料理をした。憮然とした態度を取る私に、アイツは何時も笑っていた。買い物に行った、服も買った。たくさん着せ替えさせられて、悩んだ結果、アイツは全部買ってしまった。初めて食べるアイスクリームは冷たくて、甘いっていう事を知った。美味しいものは二人で共有し、苦いも不味いも大体、二人で味わった。寝る時は一緒のベッド、アイツは寝相が悪くってボクのことを抱き枕にしてくる。力が強くって抜け出せない、熱苦しくて仕方ない。……これは嘘だ。あんだけ筋肉ばっかりの癖して、意外と抱かれ心地は良かったりする。学生服を着たボクの姿を、何度も写真に撮っていたのは記憶に新しい。
アイツは、何時も、全力だったような気がする。
気付けば、家の前まで戻って来た。
チャイムを鳴らしても返事はない、窓は開けっ放しだ。アイツの気配はない。靴を脱いで、部屋に上がる。
アイツの匂いがした。
アイツの居ない、この部屋が、なんだか妙に広く感じられる。
なんだか、ちょっと、寂しかった。
部屋のソファーに座り、待つこと数十分、居心地の良さに意識が落ちる。
少し、夢を見た。
夢で家族と会った。森の中、三匹の狼。母親がボクの事を見つめていた。
黙ったまま、どれだけの時が過ぎたか。
近寄らず、近寄れず、一定の距離を保ったまま、ボクと家族達は見えない隔たる壁を挟んで、見つめ合っていた。
ふと家族達は身動ぎし、そして空高くに向けて大きな遠吠えを上げる。
そして、そのままボクを置いて、森の中に帰ってしまった。
取り残されたボクに、動揺はなかった。
うん、そうだね。と胸にストンと落ちるような納得感があった。
目を開ける。
アイツがボクの顔を覗き込んでいるところで、急に顔を真っ赤にして飛び退いた。汗の臭いがする、よく見ると息を切らしていた。全身も泥で汚れてしまっている
洗濯するのは一体、誰なのかと。
ふん、と不機嫌に鼻息を立てるボクに、アイツは複雑そうに顔を顰めてみせた。開口一番に殴られると思ったけど、どうやら今は殴るつもりはないようだ。
……部屋にアイツが居る。
何処かほっとした気持ちがあった。
此処はボクの居場所じゃない、彼処はもうボクの居場所じゃなくなった。
だから、とボクは口を開いた。
「ただいま」
と。アイツの居る、この場所だから、きっとボクが帰れる場所なのだろう。
アイツは殴らず、気恥ずかしそうに頬を掻いた後で、ポスン、ボクの頭に手を乗っける。
何も言わず、察しろと。そんな意思が彼女の目から読み取れる。
それが不思議とおかしくって、頬が緩んだ。
――あ、笑った。
そんな声が、聞こえた気がした。
◆
20人の雄英、新たなる4人の参戦。足して24人の有精卵。
本来、存在しないはずの者達の参戦により、歴史は捻れて混ざって変化する。
歴史のifを考えるのは無粋であると誰かは言った。しかし歴史のifは浪漫であると声を大にして告げる。
これは緑谷出久が最高のヒーローになるまでの物語――――
『ハイ、スタート』
雄英学園、ヒーロー科。実技試験会場。
そんな気の抜けた合図と同時に四人の少女が駆け出した。
心根真純は持ち前の判断力と決断力の早さによって、
橋渡翔子は速すぎる男に対するリスペクトよって、
大兎転狐はジェントル・クリミナルとの激戦によって、
為人影狼は同居人からの助言によって、
四者が、それぞれの理由を以て、スタートダッシュに成功する。
颯爽と獲物を掻っ攫う四人に慌てて、他の生徒達も駆け出す。
その集団の中に緑色の少年も混じっていた。
――そんな彼の裏で、4人の主人公が足掻き苦しんで己がヒーロー像を剥き出しの魂でぶつけ合うような泥臭い物語である。
構想段階で止まっていたものを吐き出してみました。
続きは、反応が良かったら考えます。
・心根真純(こころね ますみ)
仮ヒーローネーム:メンタリティ
仮ヒーロースーツ:焦げ茶のダッフルコートにメンズハットを被る。ダッフルコートの裏には収納用のポケットが沢山あり、自身にも武装を収納できるベルトをたくさん巻き付けている。皮手袋。
個性:鋼精神
自己申告によって認定された個性、絶対に折れない精神。
如何なる精神的苦痛にも頑張って耐え切れる。
強靭な精神性により、精神汚染に対する耐性を持っている。
使い過ぎると精神が磨耗する。
・橋渡翔子(はしわたし しょうこ)
仮ヒーローネーム:ストーク
仮ヒーロースーツ:ライダースーツに上着、目を保護する為のゴーグル。バイクグローブ。
個性:線路
手で触れた場所から誘導灯を模したレールを敷く事ができる。
自分自身の他、手で触れて押した物質をレール上で高速移動させる。
横幅は両足を大きく広げた時と同程度、一度に動かせる物質はひとつまで。
横幅を超えた物質を動かそうとすると地面との摩擦で削れ、その抵抗の分だけ遅くなる。
使い過ぎると乗り物酔いする。
・大兎転狐(おおと てんこ)
仮ヒーローネーム:Ms.シャンブルズ
仮ヒーロースーツ:英国紳士風にマジシャンの風味を合わせたもの、先端の球を取り外せる杖を持っている。
個性:転移
手に触れた物に印を付けられる。
右手が兎、左手が狐。一度に付けられる印は左右で一つずつ。
兎マークは、その場所まで自分が移動できる。もしくは右手まで転移させられる。
狐マークは、彼女が左手で触れているものと入れ替えることができる。
付けたマークは使用するか、一定時間の経過で消滅する。
使い過ぎると精度が落ちて、壁に埋まる。
・為人影狼(ひととなり かげろう)
仮ヒーローネーム:牙狼
仮ヒーロースーツ:長ズボンにブーツ、スポーツブラ。腰に上着を巻いている、偶に羽織る。指抜きグローブ。
個性:人狼
狼に変身することができる。
人の姿のままでも耳や尻尾、牙や爪を生やしたりできる。
その場合、狼っぽいことができるようになる。
変身した後、毛深くなる。お手入れが大変。