テイルズ オブ デスティニー2 ~疾空の刃~   作:トカGE

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 とりあえず、書けるところまで書こうということで。ちょっと短いのはご容赦を。


1-27:それぞれの思うこと ~カイルとロニ~

 ロニが帰った後、カイルは目を閉じ、バルバトスとの戦いを思い出していた。圧倒的格上相手に、仲間の力を借り、ギリギリの賭けに勝ち、それでも足りず、最後には想定外の助けによってギリギリ凌ぎ切った。そんな戦いだった。そうして誰一人欠けることなかった事実に安堵しつつも、カイルは自分の未熟さを痛感し、こぶしを握っていた。

 

(ギリギリ、そう、ギリギリだった)

 

 何か一つずれれば、誰かが死んでいてもおかしくなかった。様々なIFが頭に浮かんでは消えていく。もし、ロニかジューダスのどちらかが動くことができないくらいのダメージを追っていたら。もし、リアラが助けてくれなかったら。もし、最後に誰かの横やりが入らなかったら。もし……。

 

(もっと、もっと強くならないと。バルバトスにも誰にも負けないくらいに)

 

 でないと、誰も守れない。何も守れない。守らなければ。救わなければ。でなければ

 

 ―そんな自分に価値はない。そんな自分を救ってくれた父さんの死が無駄になる。それは絶対に許されない―

 

 ……一瞬、思考にできた空白を無視し、カイルはより強くなることを誓って眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 次の日にはある程度歩けるようになった(傷自体は晶術と薬で昨日の時点でふさがっていた)カイルは、さっそくフィリアの部屋を訪ねることにした。無事だったとは聞いたが、フィリアの様子が気になったからだ。何せ彼はフィリアはバルバトスにやられた後、倒れていたところしか見てないのだから仕方ないと言えばそうだろう。

 また、リアラに聞きたいこともあった。何故レンズから現れたのか。何故エルレインに呼ばれたのか。そういった疑問を浮かべながら、カイルがフィリアの部屋のドアを開けようとすると、内側からドアが開き、カイルはそれに顔を強かに打ち付ける羽目になった。

 

「いってえ!」

「ご、ごめんなさい!って、カイルじゃない!もう大丈夫なの!?」

 

 部屋の中から現れたのはリアラだった。彼女はうずくまるカイルの姿を見て、慌てて駆け寄った。

 

「うん、もう歩くくらいは平気だよ。昔から頑丈さだけは取柄だから。いてて……」

「あああ、ごめんなさい!今ヒールをかけるから……」

「いいよいいよ、これくらいつばつけとけば治るって」

「あら、カイル君がいらっしゃったんですか?よろしければ中にどうぞ」

「あ、フィリアさん。お邪魔します」

 

 そういって、カイルはリアラと一緒にフィリアの部屋に入っていった。部屋の中を見渡すと、熊のぬいぐるみなど女性らしいものが多く見られ、自分の母親のルーティの部屋とは大分違うと感じられる。あっちはよくも悪くも余計なものが無い部屋だ。最も、そういった小物を買う余裕がなかっただけなのかもしれないが。

 

「フィリアさん、お元気そうでよかったです。あの時、かなり傷が深かったように見えたから……」

「リアラさんのおかげですよ。彼女の晶術の腕前がかなりのものだったおかげで、もうほとんど傷跡も目立たなくなりましたし」

「そんな!私なんてまだまだで……」

「リアラさん、謙遜は美徳ですが、自信を持つのも大事ですよ?本当だったらまだ私はこうして話すことすら難しかったはずです」

 

 ぶんぶんを首を振るリアラにやさしく語り掛けるフィリア。それを見てカイルもうんうんと首を振る。

 

「そうだよ!それにバルバトスと戦ってた時だって、リアラの助けがなかったらみんな危なかったんだし!」

「あ、あの時は無我夢中だったから……」

 

 その後は照れるリアラを褒める二人という光景がしばらく続いた。途中からカイルとフィリアがちょっと面白くなってきていることを感じ取ったリアラが少し拗ねたりもしたが。

 その後は、ルーティや孤児院の近況などの雑談をして、カイルは部屋を出た。まだフィリアは病み上がりであり、エルレイン達についての話はもう少し体力が戻ってからのほうがいいだろうと判断してのことだった。

 ……のだが、

 

(あ、結局リアラについて、なんにも聞けてなかった)

 

 と、ドアに顔をぶつけた拍子にすっかりリアラへの疑問が抜け落ちていたカイルが、ベッドで頭を抱えるのはまた別の話である。

 

 

 

――――――――――――――――

(そうだ、もっと強くならねえと)

 

 

 カイルがフィリア達と話していたころ、アタモニ騎士団の訓練場にロニはいた。ロニは一心不乱にハルバードを振り回している。カイルほどではないとは言え、ロニの怪我もそう軽いものではない。当然全身を痛みが襲う。だが、それでも彼は腕を止めなかった。

 

(結局あの戦いで俺はバルバトスにいいように吹っ飛ばされてただけだった。情けねぇ!)

 

 有効打も与えられず、それこそボールか何かのように飛ばされていただけだった、とロニは自分の不甲斐なさに怒りがわいてくる。

 

(今よりも強くならねえとな。でないと、カイル達も守れねえし、アガレスさんを助けることもできねえ!)

 

 そのためにも、もっと技を鍛え上げないとならない。騎士団でのアガレスとの訓練を思い出しながら、一振り、また一振りハルバードを振るう。派手さはないが、実直な型だ。そのスピードは徐々に上がっていく。

 思い出すのは、カイルが自分をかばう後ろ姿。

 

「それに、弟分にかばわれるようじゃ兄貴として面目が立たねえしなあ!」

 

 叫びと共に放たれたクリティカルブレードは、見事に訓練用においてある丸太を両断し、

 

「あ、やべ」

 

 ……大神殿の壁に大きな傷をつけていた。

 

 

 

 

 

 

 

「困りますよ、ロニさん」

「面目ないです」

 

 次の日、騎士団の同僚に怒られながら、壁の修理をしているロニの姿が見られたそうな。




次回はジューダスとリアラ編になるのかなぁ。
なお、ここのロニは神団や騎士団の女性から決して好意を抱かれないわけではないです。
本人が自分がフラレマンだと思い込みすぎてて気づかないだけで。
で、そのうち諦められて以下無限ループ。
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