終盤、Dクラスの結果と、そこまでの流れに納得がいかなかったので、自己満足の為に書きました。クオリティーはお察しください。
平田ぁ、俺はお前なら止めてくれると思っていたよ。
「この特別試験の失敗は避けなければならない。退学者を出すことは絶対条件よ」
その堀北の言葉に、俺は即座に声を上げた。
「ちょっと待ってくれ」
綾小路も何やら言い出そうとしていたように見えたが、譲る気はなかった。
この女の言おうとしていることがあまりに度し難いと思ったからだ。
「そもそも誰も退学する必要のないはずの所で、ずっと賛成票を入れていた人間がいたから、そいつを退学にするという前提の下で、ここまでの話し合いは進められてきていたはずだ。お前の言おうとしていることは、それを信じたやつらに対する裏切りだぞ」
こんなことは、堀北であれば当然わかっていることだろうに。これは決して、軽んじて良い事などではないはずだ。
「次また同じようなことがあった時、もはや誰も『退学にならないようにするからこうしてくれ』という呼びかけに応じなくなる可能性について、お前は真剣に考えたのか」
その言葉に、堀北は毅然と答える。
「ええ、それでもよ。それに、櫛田さんを残す事にそれだけに意味があったのだと、結果で証明していくことで、完全にとは言えなくとも理解していって貰えると思っているわ」
なるほど、余程櫛田のことを買っているらしい。
だが、だからこそ俺は納得がいかない。
「結果で証明する?そもそも今この状況になっているのは、それが実行できていなかったからだろう。もし今後もそれができなければどうなる?もはや優等生の仮面をかぶる必要もなくなったこいつが何をしでかすか、わかったもんじゃない」
「それに関しては、信じてもらうしかないわ。けれど、今までとは彼女の置かれる状況が違う。素の自分が知れ渡り、退学にもならないのなら、彼女だって変わってくれる筈よ」
「そんなまともな人間なら、こんなバカなことやってないだろうが!」
確かに現状の能力で言えば、櫛田は優れたものを持っているのだろうが、信頼できない味方程厄介なものはない。それに――
「成長してきてるやつらの芽を摘んでまで、そいつを残す価値があるとは、俺には思えない」
この学校に入学して以来、能力的には勿論、人間的にも成長していない奴なんてまずいない。これからだって幾らでも成長していける筈なんだ。
現在クラスでOAA最下位の佐倉だって、今まさに成長しようとしている生徒だ。
勿論、俺のこの意見だって確証はない、ないが、同じ不確かならせめて、正しくある奴等を信じてやるべきだろう。ましてや、騙し討ちの様な形で、裏切り者の代わりに退学にするなんて、そんなやり方をする人間を、俺は信用できない。
「俺の言いたい事はそれだけだ。後は好きにやってくれ、クラスの総意には従う」
言いたい事は言った。もしそれでも櫛田以外の人間が退学に選ばれる様なら、今後の身の振り方を考える必要がありそうだ。
その後、堀北のあまりに身勝手な言い分に、強硬に反対する人間は現れず、寧ろ綾小路のアシストによって佐倉の退学が決まった。
平田、裏切り者を退学にする事を条件に渋々納得した筈のお前なら、もう少し反対してくれると思ったが、最近人間的に成長してきていると感じていた堀北と合わせて、俺の見込み違いだったらしい。
さて、他クラスに移動する方法を考えなければ。