やはり俺が吸血鬼なのは間違っている。 作:角刈りツインテール
時系列はかなり飛んで2年生3学期の2/14ですのでいろはすとも既に会っています。ハーレムじゃねぇか。
恐らく、今年のバレンタインは一味違う。はい、タイトル回収終了。
日本におけるバレンタインとは伝統的に「女性が男性にチョコレートを贈る日」とされてきている日であり、俺にとっては母と小町からチョコを頂ける日という認識しかない。本命は勿論義理さえ貰ったこともない俺は期待に胸を膨らませることもなく学校へ向かう。
それだけではない。本当のバレンタインとは西暦269年2月14日に処刑された、司祭ウァレンティヌス(あるいはヴァレンタイン)を祭る日だったといわれているのだが、それについてTwitterで『不謹慎じゃね?』と呟いたり小町に力説してウザがられたりと、そこらへんの陽キャに比べてかなり有意義な日々を送っていた。
だが今年は違う。
俺には彼女がいる。
俺には彼女がいる!(2回目)
しかも2人も。
2人である。
なんてこったい。
名前は雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣。
どちらも俺に似合わないほどの美人である。一方はおしとやかツンデレちゃん。もう一方は快活な阿保の団子頭ちゃんである。なんだか馬鹿にしているような感じになってしまったが別にそんな意図は微塵も無いとここに宣言しよう。
さて、それがどういうことを意味しているかお分かりだろうか。
そう。
今から最低でも学校で2つのチョコを貰うということ———!
♦︎♦︎♦︎
「お兄ちゃん、なんか今日は目が澄んでるね…?」
「そうか?いつも通りだと思うが」
「い〜や全然違う。違和感すごすぎて気持ち悪いもん」
「キモいよりも気持ち悪いのほうがダメージデカいの何なんだろうな…」
自転車の後ろに小町を乗せて進む通学路にての会話だ。俺はあくまで普段通りを装って答えたが実を言うと目の潤いには心当たりがある。
何度も言っているが本日は2月14日。世間一般におけるバレンタインである。
そして。
実は俺には彼女がいる。雪ノ下が自ら動こうとするかはさておき、由比ヶ浜は確実に作る。それを見た雪ノ下も負けじと作る———といったところだろうか。
あとはそうだな、戸塚から貰えたら嬉しいな…。
まぁそれはともかく、つまり毎年この日に『煮干の日煮干しの日wwwww』と連呼する俺とはもうおさらばなのだ。
別に味なんてどうでもいい。
貰えれば。
貰えればそれでいい。
そしてサイゼで材木座に自慢するのだ。———あんま嬉しくねぇな。むしろ成り下がった気がする。
「じゃー小町行ってくるからねー!チョコ貰ったら小町にも残しといてね!」
あざとい小町を中学校に送り届け、俺は自身の高校へ方向転換して走り出した。ちら、と時計を見るも制服の袖が邪魔をしてよく見えない…が、恐らくまだ余裕で間に合う時間であろう。もう少しペースを落とそう。…そう思ったのだがペダルを漕ぐ足は自然と早くなってしまい、到着したのはいつも学校に着く時間より10分前も早かった。我ながら恥ずかしい。
ただまぁ落ち着いて音楽を聴けるし別に悪いことではない。早起きは三文の徳と同じような感じだ。
そう思っていた。
———が、しかし。
「げ」
そのせいで俺は、
♦︎♦︎♦︎
「や、やっはろー」
「それはお前じゃねぇだろ」
あぁなんだ一色じゃなくて由比ヶ浜か———とはならない。
一色は後ろにチョコらしき箱を隠して頬に汗を流しながらもいつもの笑顔を浮かべた。
「…えぇっと先輩、今日は早いんですね?」
「あぁ、まぁな」
流石にその理由を言うつもりはないので本題に入る。
「何やってんの?」
「何って、先輩の靴箱にチョコを入れていますが」
開き直りやがった。
「いやそういう意味じゃなくて…あんまり知らんけどそれ好……気になってる人にやるやつだろうが…」
「別にそういうわけではありませんよ?ただ先輩にチョコを渡しているのを見られて女子にひそひそ噂されるのが嫌なだけで」
「お前の場合本当にあり得るから怖いよなぁ…」
面倒ですよねぇほんと、と一色。その面倒はお前のあざとさが運んでいるんですけどね。
「きっと教室の至る所から聞こえてくるんですよ『えぇ、いろは趣味悪…』」
「うるせぇな」
「実は葉山先輩は誰からもチョコを貰わないんですよ」俺のツッコミを無視して困ったような表情を浮かべた。「だから妥協案で先輩に、というわけです」
「妥協なのかよ…」
「…は!もしかして本命チョコとか期待していましたかごめんなさい流石にそこまでの思いは抱いていないというか気持ち悪いのでごめんなさい!」
「おい、初期の頃ばりに酷い振り方になってるぞ」
「そんな訳ですのではいこれどうぞ」
どんな訳だよ。
結局手渡されてしまったチョコレートがが言っている箱はハート型だった。だからあざといんだっての。
だが手作りチョコを渡されて悪い気になる人は女子にはいるだろうが確実に男子にはいない。いくら目が腐っていても男子は男子なのだ。これが嬉しくない筈がない。「ありがとな」と感謝の気持ちを最大限に伝えてからそそくさと逃げた。後ろから「待ってくださいよせんぱ〜い!」と聞こえるが聞かなかったことにする。
さて、まずは一つ頂いた。
まさか一色から貰えるとは予想外だったが…。
一体2人からはいつ貰えるのだろうか。
部室でだろうか。いやもしかしたらもう机の中に———なんて妄想を抱きつつ、俺は駆け足気味で教室へ向かった。
いろはすからチョコをもらったところで後編へ続く。バレンタインに投稿できなかったらごめんなさい!感想・評価などもお願いします!
それから一応続編のURLを再び貼っておきます。よろしければ。
https://syosetu.org/novel/278613/
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