上に跳躍、そのままスバルが出してくる右の拳を避け、お留守になってた左腕を絡めとり右足は首へ、左足は脇の下を通して思いっきり腕を引っ張ってやる。
飛びつきの腕十字である。もちろんスバルはバランスを崩して後ろに倒れこむ。このまま決め続けたいが体制的になんか後で色々言われそうなのでさっさと止めを入れる。
9㎜拳銃に魔力を通して魔力弾を大量に生成、自分の足には当たらない様にスバルに打ち込む。フィールドだろうがプロテクションだが関係ない、魔力切れになるまで飽和攻撃を続ける。
30秒程経っただろうか、スバルがタップしてきた。これで模擬戦終了である。さっさと解いてスバルを引き起こす。顔が赤くなってるが気にしない、気にしてはいけない。
丁度ひざ裏の辺りに感じたやわこい感触とか覚えてませんから。見た目より大きいなーとか思ってませんからやめて下さいその拳引っ込めてまだナックルついたまんまだから!
「あーその、なんや、セクハラはいかんなセクハラは。」
模擬戦後のAAR(After Aaction Review)は八神部隊長のこの一言から始まった。
その一言でスバルは涙目になって顔真っ赤にするし、ティアナはジト目で睨んでくるし、ライトニングコンビは固まっちゃうし、なのはちゃんとフェイトちゃんは笑顔がすごく怖い。
だが俺は悪びれずにこう返す。
「戦闘で勝つために一番かけ易く効果的な技を選んだだけです。他の意図は全く挿む余地がありませんがいかがでしょうか。」
「他にやり方はなかったのかな、射砲撃とか他の近接格闘とか…」
「射砲撃だけではダメージが通らず、他手段の近接格闘では勝てないと踏んだからアレをやったんです。そもそも実際の戦闘でそんな事考えながら戦います?相手が女性だから密着系の関節技を使わずに戦闘とか聞いたことないですが?」
フェイトちゃんの質問にも即答、反則技ではあるが質問で返してみる。この手の質問は答えは基本的に否である。戦闘なら目指すは勝利。手段は非合理的なものを除きなんでも使う。それが作戦とか策略とか言われる部分である。まぁ身内との模擬戦でやるかと言われると賛否両論あるだろうが、俺は基本的にやるタイプである。
「まぁまぁ、まだ魔法を本格的に運用できない初心者に見習いとはいえみっちり訓練してるFW相手に手段を選んでいられないのはしょうがないよ。その選択肢を増やしていくのがこれからの訓練の指針になるかな。あれだけの手段でうちのFW前衛突破してるし。あとは分隊戦闘の指揮にも慣れてもらわないとねー。スケジュール頑張って組むからね!」
なのはちゃんは目を輝かせながらすでにモニタをいくつか操作して訓練計画を立て始めているらしい。
「そうそう、ちょいと気づいた事が何点かあるんだが。まずエリオ君だが君は武器に頼り過ぎだな。もう少し体術も使ってみるといい。槍ってのはゼロレンジには弱いからな。スバルは・・・そうだな、興味があるなら関節系とか投げ系の技をいくつか教えてもいい。自分に不利な攻撃を知れば対処もわかるし。」
本来のAARで伝えるべき内容をとりあえず伝える。槍って武器は突くか払うかしかない。懐に潜り込むと突く事は出来なくなる使い手の方が多い。その対処としては距離を取るか、武器を使わずに体術で自分の苦手の領域を潰すことのどちらかである。エリオとスバルは前向きな返事をしてくれた。うん、若いっていいねぇ。
「ん、まぁちゃんとやるべきこともやってたようやし、今後はもーちょい気を付けてや?それと十六夜3曹のデバイスやけど・・・」
「あ、その件なんですが、こんなのがいいなーってイメージがあるんで作る人と直接相談したいんですが」
デバイスに関しては今日の戦闘でいくつか案として思いついたのがある。まぁほとんどがアニメとか漫画に出てくる武器そっくりそのままなんだが。出来ないって言われたら諦めるけどね。
「お、あの模擬戦だけでイメージ作れたん?ならええけどな。そしたら明日紹介ついでに相談してみるとええよ。」
さくっと快諾してくれた。話の分かる上司がいると助かる。その点ではこの部隊は良い部隊なんだろう。平均年齢と男女比率が若干おかしくなってるが。
かなりご無沙汰してしまいました。
ずっと艦これに張り付いていたり、リアルのお仕事で訓練があったりとちょっと執筆作業が止まってしまいました。申し訳ない。
E-6撃破したかったなぁ・・・(遠い目
とりあえず勤務中に頭の中で時折ここの話はあーしようこーしようと考えてはいるんですが、どうやら最初に組んだ設定を少し改変するかもしれません。
今後もゆっくりと更新、編集していきますのでよろしくお願いします。