ちょろ子さんはチョロくない   作:こびとのまち

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ちょろ子さんはチョロくない

「ねえ……瑞稀が昨日言っていたちょろ子の落とし方って、もしかしてこれのこと?」

 

 せやで、と胸を張ってうちは答える。

 

「昨日、瑞稀は言っていたよね? (ハート)を掴む為には、まずは体からって。だからわたし、今日は覚悟を決めてきたのに」

 

 まったくもってその通りである。うちは昨日、たしかにそう言った。

 

「せやから、ちゃんと実行してるやん。胃袋()を掴むために、ご馳走の準備をな」

「えぇえ……」

 

 ハルちゃんは、どうして拍子抜けしたような表情を浮かべているのだろうか。あっ、まさか。

 

「ハルちゃんって、結構ムッツリ?」

「……っ! もう知らない!」

 

 なるほど、なんとも分かりやすい反応。ハルちゃんはムッツリだったようだ。まあ知っていたけど。

 

 

 

 

「そんなわけで、今晩はチョロちゃんを招待したってわけ。さあ、身も心もうちらに委ねてええんやで?」

「な、なんて馬鹿正直な女なんだ……」

「ニシシッ、よく言われる」

 

 瑞稀の口から恥ずかしげもなく、そんなやりとりがあったことを教えられたボクは、ぐぬぬと唸りながら頭を抱えてしゃがみ込んだ。

 パジャマパーティを開きたいからと突然チャットで呼び出され、何も考えないで両親不在の風切家にのこのこと顔を出してしまったボクも、迂闊っちゃ迂闊だったんだけどもね? さすがにいきなりそんな企みを明かされても困るんだよ、ほんと。せめてボクにバレないようにやってくださいな。いや、それはそれで十分に困るな。

 

「まったく。これから一晩、どんな顔をして二人と過ごせば良いのさ」

「それはべつに今更じゃない? わたしたち、毎日のようにアプローチしているんだから」

「たしかにそうなんだけど」

「まぁまぁ。チョロちゃんは細かいこと気にせんでええから、うちらの手料理を思う存分に味わってや!」

 

 ……そうだね。何にせよボクが二人と付き合うなんてあり得ないんだから、変に気にする必要もないか。よし、それなら美少女二人の手料理を遠慮なくいただいちゃいましょう。ふっふっふっ、クラスの男子生徒諸君、羨んでくれて構わんよ。

 

 

 

 

「ケプッ……ふぅ、美味しかったぁ」

「ふふっ、ちょろ子が満足してくれたみたいでわたしも嬉しい」

 

 ご馳走に舌鼓を打ってお腹いっぱいになったボクは、幼馴染の晴香に膝枕をされながらリビングでだらしなくくつろいでいた。

 

「なぁ、食うてすぐ寝たら豚になってまうで」

「ふぁ〜い」

 

 苦笑い気味の表情を浮かべながら、瑞稀がまるで母親のような小言を口にする。

 食事の後の幸福感に浸り、すっかり思考力が鈍りまくりなボクといえば、気の抜けた生返事をしながら晴香の膝上で甘え続ける。

 

「ちょろ子、試しにブウブウって鳴いてみて?」

「いいよ。ええっと……ぶうぶう。これで良い?」

 

 ボクは深く考えずに晴香のリクエストに応えてみせた。今晩はご馳走してもらったからね、そのくらいのサービスはしてあげますよっと。

 

「あぁん、なにそれ可愛すぎる。ちょろ子ってば、豚の鳴き真似ですら可愛いだなんて反則よ。好きぃ」

「あかん。チョロちゃんもハルちゃんも頭の中がすっかりお花畑モードや」

 

 むっ、なんだか失礼なことを言われた気がする。

 まあいいか、人は満腹になれば細かいことなんて気にならなくなるからね。きっと世界中の皆がお腹いっぱいになれば、この世から争いは無くなると思うんだ、ボクは。

 

「せや、今なら上手くいくかもしれん……」

 

 なにやら閃いた様子の瑞稀が、暫く独り言を呟いた後にボクの耳元へとやってきた。

 

「チョロちゃん。せっかく一緒に泊まるんやし、一晩だけお試しってことで三人で恋人ごっこせえへん?」

「あぁうん、いいよ」

「……えっ、いいの!?」

 

 世界平和の実現方法について考え込んでいたボクは、瑞稀が耳元で囁いた提案に対して深く考えずに返事する。一方、ボクに膝を貸していた晴香は何やら動揺している様子。

 ところで、コイビトゴッコってなんだろう。コイビト……恋人、ごっこ。あぁ、恋人ごっこかぁ。うんうん……うん?

 

「ちょ、ちょっと待って!? ボクは今、一体何を受け入れた?」

 

 一拍置いてようやく冷静になったものの、既に手遅れ。目の前で瑞稀がニヤニヤと頬を緩めている。こ、こいつ、ボクが適当に返事するのを分かっていて嵌めたな!?

 

「不意打ちはズルい……」

「すまんすまん。せやけど、チョロちゃんは一度決めたことから逃げたりなんてせえへんもんな?」

 

 ぐぬぬぬぬ。この親友、すっかりボクの性格を熟知してやがる。前世で男だった影響がしょうもない部分にだけ残っているボクは、瑞稀の思惑通り渋々とそれを認めるしかなかった。所謂、男の意地ってやつである。こうなったら、この状態を逆手に取ってやろうじゃないか。

 

「男……いや、女に二言はないからね。わかった、いいよ。一晩くらい付き合ってあげようじゃないか。そんでもって、恋人ごっこくらいではボクはちっとも靡かないってこと、認めさせてあげるから」

 

 瑞稀と晴香がやり切った顔で熱い握手を交わしている中、ボクは必死に強がるのだった。

 

 

 

 

「ふふっ、どないしたん? チョロちゃんが靡かないってこと、うちらに理解させてくれるんちゃうん?」

「ちょろ子ったら初心で可愛い。けど、恋人同士ならお風呂に一緒に浸かるくらいは普通でしょ?」

 

 面白がっている二人の声が、前と後ろの両方から風呂場に響く。恋人ごっこを受け入れたボクは、さっそく風呂場へと連れ込まれていた。そして今、ボクは狭い浴槽で二人の間に挟まれている。というか、耳元であれこれ囁かれながら揉みくちゃにされている。

 ねえ晴香、これって本当に普通なの? いや、絶対違うよね? そんな風に頭の中で喚きつつ、ボクは何とか言葉を返した。

 

「このくらい全然平気だし? ま、まあ、ボクの性別が女だから致命傷で済んでいるけど、もし男に生まれていたらヤバかったかもね!?」

「……チョロちゃん、致命傷はちっとも平気やないんとちゃう?」

「今にも倒れそうなほど顔が真っ赤になっているんだけど、それで平気って言い張るのは流石に無理があるんじゃない?」

 

 二人揃って、こんなときにばかり正論を吐くのはやめてほしい。こんな状況に陥って平気でいられるわけがないじゃないか。ボクはこの場から逃げ出したい一心で、風呂から上がろうと試みる。

 

「まあまあチョロちゃん落ち着いて。せや、肩……はチョロちゃん凝らなさそうだし、二の腕をマッサージしてあげようか」

「いや、マッサージなんてしなくていいから。というか、ボクが肩凝りしないってどこを見て判断したのかな。ねえ、怒らないから教えてごらん?」

「げっ。あはは、なんとなくや、なんとなく」

 

 露骨に視線を逸らす瑞稀。だけど、目を逸らす直前にボクの胸元をチラッと見たの、しっかり把握しているからね?

 

「ちょろ子って普段はどこか男の子っぽい雰囲気すら漂わせているのに、胸の()()()は割と本気で気にしているよね」

 

 晴香はもう少し言葉を選んでほしい。ボクの胸はまだ発展途上なだけなんだよ。それに、ボクが胸のサイズを気にしてしまう原因は、親友二人が揃いも揃ってたぷんたぷんな所為でもあるんだからね。一緒にいると、否が応でも格差を意識させられてしまうのだ。揶揄われそうだから絶対そんなこと言わないけど。

 

「そんなに気になっているんなら、わたしたちが揉んで大きくしてあげようか?」

「うわぁ、発想があまりにもオヤジ臭い」

 

 普通にセクハラな発言をかます晴香にドン引きしながらさりげなく距離を取ろうとする。が、反対側には瑞稀が構えているわけで……。

 

「なんやなんや、うちに揉んでほしいんか? よっしゃ、うちのテクニックに任せとき」

「ちょっ、テクニックって……うひゃあ!?」

「瑞稀、ズルい。わたしもぉ」

 

 飛んで火に入る夏の虫。一緒にお風呂に入った時点でこうなることは避けられない運命だったのだろう。抵抗虚しくも、ボクはまんまと二人の餌食にされてしまったのである。

 

 

 

 

「ぐすん、もうお嫁にいけない……」

「それについては安心してね。わたしたちが責任を取ってちょろ子を嫁に貰うから」

「チョロちゃんのご両親にも挨拶せんとな」

 

 ほんと揺るがないね、二人とも……。そもそも嫁にいくつもりなんてないから、ちょっとした冗談にすぎないんだけど。

 

 お風呂から上がって1時間以上経つにも関わらず、ボクは今だに赤面したまま。そんなボクは、いじけるように布団の中へと潜り込んでいた。まあ本当は、ただ単にお風呂で身体が温まって眠たくなってきただけなんだけどね。なんたってボクは、毎晩21時には布団に入る健康優良児だから。

 どこか遠くから、小学生かよってツッコミが聞こえてきた気がしないでもないけど……うん、気のせいだろう。要するに、ボクはそれほどいじけていない。

 ちなみに布団は何故か一枚だけしか敷かれていなかったけれど、とりあえず深くは考えないことにした。これは気にしたら負けってやつだ。

 

「せやけど、うちらのマッサージテクはなかなかのものやったやろ?」

「それは、まあ……たしかに気持ち良かったけど」

 

 そうなのだ。最初こそおふざけから始まったマッサージだった割に、なんだかんだでがっつり全身の凝りを揉みほぐされたんだよね。おかげでボクの身体はすっかりコンディション絶好調という。

 

「大体、そんなテクニックどこで覚えてきたの?」

「いつもストレスを溜めてそうなちょろ子のために、こんな日が来ると信じて二人で練習していたのよ」

 

 ストレスの原因は大体二人にあるんだけどね。まったく、これじゃとんだマッチポンプだ。

 それはそうと、互いにマッサージし合いながら練習している光景はちょっと見てみたかったかも。こんな目にあったばかりでも百合愛好家としての血は騒いでしまうのだから、ボクも大概業が深い。

 

「こんなの味わって癖になっちゃったらどうしてくれるのさ、まったく」

「ふふっ、恋人になったら毎日でもマッサージしてあげるから大丈夫よ」

「そんなわけでうちらと付き合ってみようや。な?」

「な? じゃないから。馬鹿っ」

 

 突き放すようにそう言うと、何を思ったのか二人揃ってボクの寝ている布団の中に侵入してきた。あっという間に、またもや挟まれてしまうボク……。それはそれとして、二人の体温で布団の中の温もりが増して実は意外と心地良い。

 そのまま数分、二人は静かにボクの身体に抱き着いていた。こんな状況でもいやらしい気持ちにはならないのだから、ボクも立派な女の子になったものだとしみじみ思う。もっとも、他の二人がどんな気持ちでボクに抱き着いているのかまでは分からないけれど。

 

「……ねえ智代子。わたしたちとこんな風に付き合うの、本当に嫌?」

 

 おもむろに身体を起き上がらせた晴香の口から、久方ぶりにボクの名前が飛び出した。これまでにだって似たような話題は散々ぶつけられてきたけれど、そのときのような冗談めかした雰囲気は感じられない。

 ふと、彼女の身体が小さく震えていることに気づいた。まさか緊張しているのだろうか。だからというわけではないけれど、ボクもいつものようにはぐらかそうとせず、正直に答えてみることにした。

 

「嫌ってわけじゃ……ないよ」

「それなら……っ」

 

 これは嘘偽りないボクの本心。だって、二人と一緒に過ごす時間が嫌なわけないじゃないか。二人のことは、当然ボクだって大好きだ。じゃなきゃ今日だってこの場にいない。ただ、それはそれ、これはこれ。ボクは二人(百合)の間に挟まるわけにはいかないから。

 晴香に加勢するように、瑞稀も口を開く。

 

「うちはな、チョロちゃんともっと一緒にいたいんや。そのために、もう一歩踏み込んだ関係になりたいって願っている。ただそれだけのことなんや」

「う、うん」

 

 もっと一緒にいるために。ただそれだけ。滅多にない真面目な雰囲気に影響されて、耳元で囁く瑞稀の言葉がすっと頭に入ってくる。

 もしかすると、ボクは創作物としての百合の理想系に囚われるあまり、付き合うという行為を深く考えすぎていたのではないだろうか。そんでもって、目の前にいる二人の想いを無視して、勝手に百合という型に嵌め込んでしまっていたのではないだろか。そんな考えが頭を過ぎる。

 

「わたしは正直、今の状況は智代子だけ一線を引いているみたいで寂しい。こんなことになるなら、瑞稀とだって付き合うべきじゃなかったのかもって、そんなことすら考えてしまうときがあるの。もちろん瑞稀のことだって大切だから、本当に一瞬そんな考えが過ぎってしまうだけなんだけどね」

「晴香……」

 

 違うんだ、ボクはそんな風に考えてほしくて一線を引いていたわけじゃない。まさかボクの行動が逆効果になるだなんて、そんなこと想像だにすらしていなかった。たしかに、いつもそれっぽいことは言っていたけど、ぶっちゃけ揶揄われているだけなんだと思っていたし。だって、相手はこのボクだよ?

 ……いや、突然距離を取られた幼馴染の気持ちをちゃんと考えていれば、そのくらい想像できてもおかしくはなかったのかもしれない。つまり、ボクは百合愛好家としての自分や貧相な身体を言い訳にして、彼女たちの本心と向き合うことから逃げていただけ?

 

 なら、ボクが二人の想いを拒む理由はどこにあるのか。ボクは二人のことが大好きだし、二人もボクに対してこんなにも愛を囁いてくれているのに。

 

「お願い。もう一度だけ、告白させて。それでダメなら、もう今晩は諦めるから」

「なら……うちも。まあ、ハルちゃんと違ってうちは何ひとつ諦めるつもりないんやけどな」

 

 そう言って、ボクの目をじっと見つめてくる晴香と瑞稀。まるで一世一代の覚悟を決めたような空気になっているけれど、よく考えてみれば晴香が諦めると言っているのは今晩に限った話である。瑞稀に至っては、この場の流れにしれっと便乗しているだけだし。ここにきて、このやりとりも二人の策略の内なのだろうということに気がついた。

 それなのに……ボクの鼓動が今までになく早く激しくなっている。顔も熱くて熱くて堪らない。これはつまり、()()()()()()なんだろうね。

 

「智代子のこと心の底から愛しているわ。だからわたし()()と付き合って」

「チョロちゃん、うち()と幸せになろうや……!」

 

 どこまでもブレない二人からの告白。頭を掻いて小さく苦笑いしながら、ボクは答える。

 

「じゃあ、二人の邪魔にならない程度に……よろしく、お願いします?」

 

 緊張しすぎて意味もなく疑問形になってしまった。ううっ、これは思いのほか恥ずかしいぞ。顔から湯気が上りそうな気分。

 

「……っ!」

「ええっと……要するに、満を持して告白成功したってことでええんやんな?」

「う、うん」

 

 ボクは小さく頷く。

 

「あぁん、やっぱり可愛すぎ! もう一生……いいえ、死んでも絶対に離さないから」

「えっ、それはちょっと重いかも」

 

 急にヤンデレ感を出さないでほしい。告白を受け入れたこと、さっそく後悔しそうになったじゃないか。

 

「それにしても、邪魔にならない程度にって……。チョロちゃんは、ほんまブレへんなぁ」

「そんな心配しなくても、ちょろ子が邪魔になることなんてあるわけないのにね」

 

 いやいや、百合を愛するものとして、それだけは譲れない一線なのだ。

 

「さぁて、今夜は寝かせへんで」

 

 ……ん? 寝かせないって、何で? ボクもうだいぶ眠たいんだけど。睡眠は大事だよ?

 うーん、どうにも雲行きが怪しくなってきた。嫌な予感がプンプンする。

 

「ふふっ、遂に念願の3ピ「言わせないよ!?」

 

 たしかに告白は受け入れた。それを覆すつもりはない。だけど、そういった類の行為となれば話が別だ。というか、絶対にするつもりないからね! 心の準備だってできてないし……って、違う違う。

 

「なるほど、所謂『押すなよ、絶対に押すなよ』ってやつやな? うち、そういうの詳しいねん」

「……絶対分かっていないでしょ。当たり前だけど、フリじゃないからね? 恋人ならボクの気持ちも尊重してよ。そんなわけで、ボクはもう寝るからっ」

 

 身の危険を感じたボクは、恋人になったばかりの二人を躊躇なく布団から蹴り出した。いつまでもやられっぱなしのボクではないのだ。

 

 

 

 

「おはよ……あっ!」

 

 目が覚めるや否や、ボクは自分の身に何も起きていないことを確かめる。布団の枚数が増えていない点から判断するに、結局三人で寝たっぽいし。

 パジャマはどこも乱れていない。身体にも特に違和感なし。……うん、大丈夫。流石の二人も自重してくれたようだ。ボクはホッとして息を吐いた。

 

「おはよう、愛しのチョロちゃん!」

「ふふっ、寝起きのちょろ子も可愛い」

 

 ボクより先に目を覚まして既に着替えも終えている様子の二人が、ボクの顔を見てニコニコと微笑んでいる。もしかすると、ボクが眠っているときからずっと観察していたのだろうか。まあ、べつにそのくらいは許すけど。

 

「それにしても……わたしと瑞稀、そしてちょろ子が恋人かぁ。なんだか夢みたい」

 

 それにはボクも同意する。まさかこんなことになるだなんて、今だに少し信じられないし。それも、あんなにあっさりと。

 

「やっぱりちょろ子はチョロかったね」

「チョロちゃん、ほんまチョロチョロやで」

 

 そうなのかも、とほんの一瞬納得しかけたものの、すぐさま思い直して首を大きく横に振る。

 

「それは違うよ。ボクは、その……大好きな二人が相手だから告白を受け入れたんだもんっ」

 

 そう。だからボクは、絶対の絶対にチョロくなんてないのだ。

 

「……そういうところがチョロいんだけどねぇ」

「ニシシッ、せやな」

 

 ちょうど布団を畳んでいた所為で二人の囁きを聞き取れなかったボクは振り向いて尋ねる。

 

「ねぇ、今なんて言ったの?」

「ううん、べつになんでもないよ。好きぃ」

「チョロちゃん愛してるでって囁いただけやで」

「むぅ……」

 

 まったく。寝起き早々に調子の良い台詞ばかり飛び出すんだから、この二人は。

 自然とニヤケてしまいそうになる表情を抑え込みながら、ボクは恋人たちのもとへと歩み出した。

 




ちょろ子さんはチョロくない(本人談)

そんなこんなで、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
感想評価などいただけますと、作者がぴょんぴょん跳ねながら喜びます。何卒!
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