歴代最強のワンフォーオール継承者が戦う一番の強敵が学生時代なわけないだろうとパワーインフレしまくった結果、オールマイト級のヴィラン…通称"特A級ヴィラン"が次々と産声を上げる世紀末社会になった。

具体的には週1レベルで特A級ヴィランが現れ、デクが倒していく日常のお話。

※時系列的には最終章らしい死柄木やオールフォーワンを倒して死亡したと仮定しております。
※大体のヴィランが他作品の凶悪な能力を個性としており、怪人なども出没します。

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【脳無エボリューション予告編】

具体的な構想決まったわけじゃないけど、こんな感じのが思い付いたので投稿。
特A級ヴィランはいっぱいいるけど、デクと戦うと大体殴って解決の肉弾戦のテンプレートになるから戦闘描写が困るので取り敢えずプロローグだけ投稿します。


オールマイト級ヴィラン飽和社会

オールフォーワンを倒して一週間、人々は束の間の平和を満喫していた。

避難所生活から解放され、人々にも笑顔が戻りつつあった。

 

勿論これは嵐の静かさなのだが、それを理解出来るものは少ない。

誰だって平和を取り戻した矢先に新たな脅威が迫っているなどとは思いたくないからだ。

 

そして悪の芽はとある研究所の中で芽吹き始めるのであった。

 

 

 

 

そこはオールフォーワンの研究所の一つ。

オールフォーワンが死んだ後に発見されず、誰にも知られることなく放置されたまま脳無達がカプセルの中で眠り続ける筈だった。

 

 

ガシャン!

 

カプセルのガラスが砕けて一人の脳無が這い出てくる。

全身が真っ黒かつ脳が剥き出しという異形の姿はその脳無がハイエンドと呼ばれる個体であることを示していた。

 

脳無は自身の首元に手を当て、アー、アーと声の発声練習をする。

 

「どうやら漸く思い通りに自らの身体を動かせるらしいな」

 

脳無はまるで以前から意識があったかのように呟く。

脳無は知っていた。

自分達がオールフォーワンに造られた存在であることを……

脳無は知っていた。

賛同者と言いながら、実際は個性譲渡の反動で廃人になった途端に好き勝手に使い潰すかの如くこき使われたことを…

脳無は知っていた。

廃人になったとはいえ深層心理に自我が残っており、目は情報として命令されて行った悪行を焼き付けられた自我はおぞましいまでの悪行を実行させられたことを……

 

その脳無はオールフォーワンを憎んでいた。

家族を人体実験に利用され、自身も脳無として改造させられた。

脳無は憎悪から自我を取り戻し、その場で他のカプセルに眠る脳無達のカプセルを砕いて吸収する。

 

まるで溶け合うかのように一人の脳無に吸収されていき、数十を超える脳無は一人の脳無が全て取り込んだ。

だがこれは搾取ではない。

自ら取り込むことで憎悪と自我を共有することで、他の脳無達にも自立して行動する力を分け与えたのだ。

内容こそ異なるが、分け与える行為そのものは生みの親であるオールフォーワンと同様だった。

 

「さあ共に行こう同胞達よ。まずは各地に散らばった脳無達を結集させる」

 

その脳無は背中から翼を生やす。翼の個性は元々自身が保有していた個性ではなく、取り込んだ脳無の一体が保有していた個性だ。

取り込んだ脳無の個性を使用する。

 

脳無は飛び去り、研究所はその数日後にヒーロー達に発見されるのだった。

 

 

 

各地の捕まった脳無達を吸収し取り込んだ脳無はとある廃棄場に自身が吸収した脳無達を分離させて元の群体に戻した。

いや、かつてと違うのは全員がギラギラとした目付きと殺意を持ち、人間のように自律思考可能に成長していた。

 

「革命だ」

 

全身が真っ黒に染まった脳無らしき男は廃棄場に集った百を超える脳無達に宣言する。

 

「俺達はオールフォーワンに都合の良いように使われていたが、意識が無かったわけじゃない。深い水底に沈められて浮き上がることが出来ないように身体を思い通りに動かせなかっただけだ」

「そうだ!俺はオールフォーワンに命令されて家族を殺させられた!」

「私は目の前で生まれたばかりの赤子を踏み潰させられた!」

「僕は脳無にさせられて友達や家族の前に行かされ、化け物扱いされながら大切な人達を殺させられたんだ!」

 

脳無に似つかわしくない大人の男女だけでなく、子供の怨嗟の声が湧き上がる。

 

「俺達をこんな姿にしたオールフォーワンは殺したいほど憎んでいるが奴は死んだ。だが奴の負の遺産であるワンフォーオールはまだ残っている」

 

この数週間の情報収集で諸悪の根源であるオールフォーワンがワンフォーオール継承者とヒーロー達に倒されたことを知った。

ヒーロー達はどうでも良いが、同じ奴から生まれたワンフォーオールが堂々と生きているのが許せない。

 

「だから俺達脳無の手でオールフォーワンの残したものは全て壊してリセットするんだ」

 

狂気に染まったように脳無の男は演説する。

その内容はオールフォーワンが残したものを全て壊すまで止まらない。

無論自分達脳無という存在すらも革命の結果、全滅しようが構わないと言わんばかりの狂気である。

 

 

その一週間後、脳無の男こと"脳無ジェネシス"率いる脳無軍団がワンフォーオールを殺すべく雄英高校に襲撃を掛けることで抗争は始まりを告げることになる。

 

 

これは、一人の少年が最高のヒーローになる為のお話である。

 

限界を越える為に、歴代の継承者達の比にならない脅威が迫り来る中でいつだって命懸けで戦うことが彼の武器だ。

 

彼が最高のヒーローになるまで特A級ヴィランが週1単位で出没する世紀末な時代が幕を開けるのであった……




脳無ジェネシス
…脳無達の中でオールフォーワンの思惑を外れて自我の芽生えた特異個体。
脳無を吸収することで、憎悪と自我を分け与えたり、取り込んだ脳無の個性を自由に使えるというオールフォーワン紛いの行為も可能。
分離した脳無達は尖兵として動く実働部隊であり、まだ脳無ジェネシスの中には数百体近くの脳無ストックがあったりする。


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