魔弾が打ち砕くは 作:キルシュトルテ
「ロドス……?」
聞いたことない国かなにかだと思ったけど、イーノが知っていた。
「えっと、製薬会社、だったかな。僕も少しだけ、家だった場所の人たちの話を聞いただけだから、よく知らないけど……」
「薬屋さん?なのに、あなたほど強い人がいるの?分からないわ」
警戒しながら、フェリーンの女性……ブレイズさんに疑問を投げてみる。
すると、ブレイズさんは頷いた。
「ええ。感染者の権利のためにも、暴動を解決する事もあるの。そういうわけで、私はここに来たの。感染者を保護する為にもね。もちろん、君達も」
ブレイズさんは、曇りのない目でそう言った。けども、簡単に信じることは出来なかった。
特に、大人というものは。私はともかくとして、サーシャとイーノは、私以上に警戒していた。
「……簡単に信じられないよね。でも、私は君達の味方──」
「いたぞ!感染者だ!!」
兵士達の追加が、ぞろぞろとやってきた。
それを見るや、ブレイズさんはひとつ息をついてこういった。
「少し下がってて。大丈夫、私が守るから!」
その光景は、圧倒の一言に尽きると思う。ブレイズさんはチェーンソウを持ち、1人で数十人をバッタバッタとなぎ倒して行った。
カップラーメンを作るよりも早く、決着はついた。
「ふう。こんなものかな?ケガはない?」
「う、うん。僕達には、ないけど」
「良かった!それじゃあ、君達、身内は……」
「居ないよ、私達に家族はいない。強いて言うなら、私には2人が家族だから」
「そういう……変な事聞いちゃってゴメンね。行く宛ては」
「無い。俺達は、ここに来たばかりだから。家もない」
ほんの少しだけ、2人は警戒を解いた様子だった。ほんの少しだけだけど。
ブレイズさんは数秒悩んだ後、閃いたと言う感じの表情をした。
「そうだ。3人とも、ロドスに来ない?」
「「「?」」」
「君達なら、ロドスでもやっていけるよ。君達の素質は、いいものだと思うからね。オペレーターになるにしても、戦闘以外のポジションもあるよ?……あ、ちょっとゴメンね」
そう言うと、ブレイズさんは端末を取り出して話し出した。通信機器なんだと思う。見た目がトランシーバーみたいなやつだし。
「……うん、終わったよ。救援を……それと……いい?……分かった。それじゃあ、今から連れていくね」
通信を切ったブレイズさんはこちらへ向き直した。
「それじゃ、行こっか!」
「ど、どこに?」
「勿論、ロドスに。行くところ、ないんでしょ?どちらにせよ、君達には来てもらわなきゃね」
「まって、話が見えないんだけど」
「悪いようにはしないからさ。私もOK貰っちゃったし、ね?お願い!」
どうしようか。どうする?簡単に信用はできないな。でも、今はついて行った方がいいかもしれない。いやでも………
そんな感じにこそこそと相談する。少し話した後、結論が出た。私が1歩前に出て、ブレイズさんに言う。
「わかった。わかりました。今はついて行きます。けど、もし2人になにかしようとしたら、私はあなたを溶かしますから!」
「返事よし!それじゃ、行こっか。ついてきて!!」