核で一度滅んだ世界に転生した瞬間なんか死んだ件について   作:rikka

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久々にこっち書いたので繋ぎ回
まさか十年経ってこんなに追加コンテンツが出てくるとは思ってなかったわ

数年ぶりにプレイして初めてファーハーバーのメインクエストクリアした記念


017:ネクストステップ

 ゼラー軍と名乗る凶悪なレイダー集団は壊滅した。

 プレストン・ガービー率いるミニッツメンの精鋭による掃討作戦は成功し、その知らせは瞬く間にダイヤモンドシティ中に広がった。

 

「聞いたぞ、ロスト。セキュリティの仲間の仇を討ってくれたんだな」

「ああ。俺だって世話になってる大事な町の、大事な友人の危機だ。放置なんてできないさ」

 

 そして俺の動きもだ。

 

 あの後ゼラー軍の残党なんて厄介な火種を残すわけには行かないとプレストン達と協力して念入りに周囲の潜んでいた連中を片づけて、その途中で湧いて出た虫やスーパーミュータント、フェラルグールを徹底的に排除してついでに他のトレーダー狙いのレイダー集団を掃除した。

 

「おかげでこの街もかなり静かになった。ちょっと前まで、一週間に一回から二回はフェラルやらミュータント共が沸いていたんだが……」

「まぁ、それでも一時的な物だとは思う。近場のレイダーが使っていたタレットを無傷で鹵獲できたんで持って帰ったけど、アレは使い物になったか?」

「ああ、ゲート部に繋がる大きな道に設置させてもらったよ。起動も問題ない」

「良かった。この町が安全になるなら、それに越したことはない」

 

 結果として俺の名前は、流れのガンマンとしてますます有名な存在になった。

 出来る事ならば例の探偵――ニック・バレンタインに身の上の相談をするまでは有名になるのは避けたかったんだが……

 

(今回の一件はバンカーヒルの不手際が引き起こした被害だからな……)

 

 後でケスラーに色々押し通すためにも、仮とはいえ一応はバンカーヒルの人間である俺が始末付けた上で、少しはダイヤモンドシティに借りを返しておく必要がある。

 

(念入りに残党は排除した。バンカーヒルとの関与を口にする奴はもういないはずだが、万が一バレて関係悪化した時の材料を考えておかないと不味い)

 

 今後自分がどこにどう身を振るかはまだ不明だが、クリケット姐さんのキャラバンにくっついていて分かる事がある。

 バンカーヒルに所属するキャラバン隊は、この連邦の大動脈であると言う事だ。

 

 各地を回るキャラバンが、それぞれの商品と引き換えに大量の食料や水を手にして町として機能をもつ居住区を繋いでいる。

 

 ダイヤモンドシティも畑区画を作って自給自足体制を整えているけど、それだけで作物が足りている訳じゃない。

 

 各地で取引した成果を次の居住地へと持っていけるキャラバン隊と、それ以外の物の生産地である都市部が繋がっているから連邦はどうにか保っている。

 

(これでバンカーヒルと都市部や居住地が断絶でもしようもんなら各地の物資が一気に足りなくなって良くてレイダー化。最悪戦国時代に突入しかねない。少なくとも今、バンカーヒルの信用を無駄に落とすわけにいかない)

 

 …………。

 

 だってのにホントなんて事してくれてんだよケスラーの姉御!!

 せめてガンナーや傭兵と契約しろや、そういう方向なら戦力貸してくれんだろ!!

 ミニッツメン……そういや姉御はミニッツメン嫌いだったな。前に何かあったとか。

 

 にしても……まだどうにか出来ただろうに!

 

「タレットそのものをまた持ってくるのは確約できんが、部品や資材探し位なら格安で請け負ってやるから覚えておいてくれ」

「ああ、そう言ってくれると助かる。……改めて、ありがとうロスト」

 

 

 

 

 

「やれやれ、すっかりこの街の人気者になったねロスト」

「あぁ、びっくりしてるよ。パイパー」

 

 と、ダイヤモンドシティのダグアウト・インでパイパーと飲んでいたらセキュリティの面々から声をかけられる事かけられる事。

 

 グローリーとカーラは既にダイヤモンドシティを旅立った。

 グローリー曰くこの街とは相性が悪いらしく、Vault81へと向かうカーラに護衛がてら同行するということだ。

 

 そしてカーラだが、バンカーヒルに所属しているわけではないがあそこの関係者であるので一応相談した上で根回しをしておいた。

 俺があそこを離れる時には味方をしてくれるハズだ。

 仮に俺よりもバンカーヒル側に立って情報を漏らしたとしても、俺がバンカーヒルに対して疑念を抱いている事は伝わる。

 

「それで、今日の戦果は?」

「北西側の校外から街の中に侵入しようとしていたデスクローが二匹いたから仕留めて来た。その帰りにミュータントの気配を感じたんだけど、さすがに弾が心許なかったから射線を遮るように逃げ帰って来たよ」

「……さすがガンマン。デスクロー相手でも一人で戦えるんだね。弾分のキャップは大丈夫かい?」

「ポリーがデスクローの肉を高値で買い取ってくれてね。爪と皮はマーナ……の、ロボットが買い取ってくれた。補充分と食べる分には事足りるさ」

 

 強すぎるために人間じゃない、と人造人間判定を受けたらしい俺は彼女の店を使おうとすると露骨に拒否されてしまう。

 実際合っている。

 俺はまごうごと無き人造人間だ。

 いやまぁ、彼女はあの街の住人の9割を人造人間と見て疑っているからアレなんだけど……。

 

 かといって、雑貨店は俺にとっても必須の店なのでバディム経由で頼み込んで、彼女が部屋に戻って休む時の丸っぽくてジェットでフワフワしてる代理ロボット――Mr.ハンディだったか。彼が店番している時に取引をしている。

 

 まぁ、確かに弾には不安があるからパイパーの所にコンバットライフルと弾を預けて、今はレイダーから鹵獲したパイプライフルを改造してメインウェポンにしているが……。

 

「ついでに帰り道で拾ったアレコレも売ってきたから、それなりに財布は重くなっているさ」

「セキュリティはアンタに報奨金でも払うべきだと思うんだけどね」

「まぁ、探偵が帰ってくるまではノンビリ掃除(・・)でもしながら今後の計画を立てるさ」

 

 そう、考える事は山ほどある。

 

「独立かい?」

 

 バンカーヒルを離れた後の俺の住処だ。

 カーラから購入した連邦の簡単なを広げて、さっきからずっと睨みつけている。

 

「ああ。どうもカーラやクリケット姐さんは、俺に主だった居住地とは違う所に拠点を持ってほしいみたいだからな」

 

 実際、あちこちに隠れた拠点を持つ商人はアチコチにいる。

 例えばトンネル横の隙間、例えば橋の下、外付けの非常階段の上。

 

 そう言う所に密かに隠れ住んで、小さな商売をして食い凌ぐ者は珍しくない。

 もっともそういう者は品揃えがピンキリなために売上が当然少なく、しかも運が悪ければあっさりとレイダーや変異生物に襲われて死ぬ。

 ダイヤモンドシティ周辺の掃除をしている中で、何度そういった死体を目にしたことか。

 

 持ち物や残された商品はありがたく回収させてもらったけど。

 

 とにかく。隠れ住む個人がいるのと同じく、隠れ住んでいるレイダーは山ほどいる。

 いっそダイヤモンドシティ周りが更地だったらもうちょいマシだったのだろうが、なまじ戦前の街並みが残っているために危険な地帯が多くある。

 

 ナットやパイパーらの事を考えるとここも掃除するべきなんだが、単独での屋内戦かつ対多数は無理がある。

 頭数と同じく弾が絶対に足りない。

 

 そんなことを考えていると、カウンターに座っている俺達の後ろからドアが開く音がする。

 新しい客か。

 

「やぁロスト。ここにいると思ってたよ」

「プレストン。アンソニーにエマ、ジョッシュ達も。今日のパトロールは終わりかい?」

「ああ、パイパー。見ての通り、全員無事帰還だ」

 

 旅立った女性陣二人と違い、ミニッツメンの三人はしばらくここを拠点に活動するそうだ。

 なんでも南部にスーパーミュータントの一大拠点があるらしく、攻めるには戦力が足りないが北上してダイヤモンドシティやそこを目指すキャラバンに何かあってはならないと守りを固めているそうだ。

 

「四人ともお疲れ様だ。で、どうだった? 今日は南のマスパイク・トンネル方面を見て来たんだろう?」

「想定通り、やはりスーパーミュータントの部隊が動いている。大体3~4体で、周辺の人間を襲おうとうろついていたので排除してきた」

「……まずはレイダーあたりと衝突しそうだな」

「もうおっぱじめてる奴らもいたぜ。ヘイ、バディム。エールを四つ頼む」

 

 三人の部下の中で一番お調子者のアンソニーが酒を頼むと、同じようにお調子者のバーテンダーに酒を注文する。

 バーテンダーのバディムも馬が合うのだろう。くだらないジョークを飛ばしながら、最初から分かっていたように手早く注文の品を取り出す。

 

「……お疲れのようだな」

「ええ。幸い開けた場所での戦いだったので、離れた所から狙い撃ち出来たのだけど……」

 

 紅一点であるエマが、本当に疲れたといった様子で栓の空いたエールの瓶を口にしている。

 ミニッツメンの武器であるレーザーマスケットは俺も使わせてもらったが、離れている内に仕留めないと危険だからなぁ。

 数が揃って弾幕貼れるか、あるいはしっかり障害物があって一方的に撃てる状況じゃないと心臓に悪い。

 

 特に、スーパーミュータントというレーザー食らいながら金属製のデカいハンマー担いで走って来る馬鹿デカゴリラ相手だと。

 

 威力を高める事が出来るし悪くはないんだが……俺には合わないな。

 狙撃用には最適かもしれんがチャージしたエネルギーの光でバレるし、使うとしたら色々と鈍感な対スーパーミュータント用か。

 

 …………。

 

 よほどの数がいない限り、姐さん特性のマグナム持って突っ込んだ方が早いな。

 ファリスを助けたあの戦いでも思ったが、足さえ潰せばどうにかなる。

 

「ミニッツメンも、部隊の集結が完了すれば南部での活動に集中する事が決定している」

「ミュータント狩りか?」

「ああ。いくつか拠点を確保しながら、とりあえずクインシーまでのルート確保を行うつもりだ」

 

 クインシー。

 確か、クリケット姐さんがこの前行ってきた所だっけか。

 結構いい居住地だって言う話だけど、今は南部は物騒だからな。

 一度足を運んでみたくはあるけど、今じゃない。

 

「それじゃあロスト、アンタも南に拠点を作ったらどうだい?」

「却下だ、パイパー。もうちょいアチコチとパイプ太ければそれも考えたが、今の俺に必要なのはある程度安定して他の居住地と繋がれる拠点だ」

 

 正直、単純な独立だけならばこのまま金貯めてダイヤモンドシティに家を買うのがベストなんだ。

 自分が人造人間でなければ、悩む必要なく各店主に仕事の有無を聞いてキャップを貯めながらジェネバさんに相談している。

 

「なんだロスト。自立を考えているのか?」

「ああ」

「ヘイ、ガンマン。このままミニッツメンに入るのはどうだ? お前さんの腕なら大歓迎だ。外に散らばっていたゼラー軍をあっという間に潰した時なんざ鳥肌が立ったぜ」

「サンキュー、アンソニー。まぁ、そいつも悪くはないとは考えているんだが……」

 

 軍隊や傭兵ではなく、各地を見回りながら要請があったら駆け付ける民兵集団。

 もし正体を隠したまま生きるのならば、いざという時に雲隠れしやすそうだし候補といえば候補だ。

 

「どうもキャラバン隊の人達からも、俺の拠点ってのは注目されているらしくてね」

「? ……あぁ、なるほど。安全な場所を増やしてくれという事か」

「だろうな。ミュータントや変異生物もそうだけど、レイダーもここ最近は数が増えている」

 

 南側でミュータントが活発になっているように北部ではレイダーが活発だ。

 今でこそ4,5人程度の集まりがほとんどだが、徐々に組織化する可能性だって十分にある。

 それこそゼラー軍はその走りだった。

 

「……あくまでミニッツメンとして……つまり、各地を巡回してきた人間の意見としては、だ」

 

 出されたエールをチビチビと、生真面目な性格が透けて見えるような飲み方をしているプレストンが広げていた地図を覗き込んでしばし考え――

 

「このエリアのどこかに、安全な中継拠点があればかなり助かるな」

 

 地図の一点を指す。

 連邦の中心に位置するダイヤモンドシティより更に北。

 チャールズ川にかかる橋を越えて、ケンブリッジと呼ばれるエリアを更に北へと超えた地域。

 

 当時の一大車工場や、その下に広がる大きな街の跡地が今も残る、多くのレイダーとフェラルがひしめく危険地帯。

 

「……レキシントンエリア、かぁ」

 

 ジャレドの所のレイダーグループが集まってる所じゃん。

 多分、今連邦にいるレイダーグループの中では最大勢力。

 さすがにアレを排除するのは骨が折れるし、レイダーだけじゃなくフェラルも相当いるって話だ……。

 

 う~~~~~~~む。

 西にすぐ行った所にダイナー跡地で商売している商人がいて、更に東に少し歩けばこの前話題になったコベナントがある。

 少し離れている所で言えば、ダイナーの更に西にはアバナシー一家が運営する農場があり、北のテンパインズにも畑を開いている居住地がある。

 

 立地だけ言うなら……悪くない。

 悪くない……が……。

 

 う~~~~~~~~~~~~~~~~む。

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