ふと布団の中で思いついたアイデア。
どう見ても文章がスパイク・チュンソフトのあれに寄ってるのは許して。
―――その日はボクにとって、単なる365日のうちの一日なんかじゃなくて、もっと特別な意味を持った一日だった。
東京の府中市。
東京の中心とも言える場所に大きくそびえ立つ、巨大な学園―――『日本ウマ娘トレーニングセンター学園』。
人にはない耳と尻尾を持ち、超人的な身体能力を持った、人間とは少し違った生物―――『ウマ娘』。
ここトレーニングセンター学園―――長いからこれからは『トレセン学園』って呼ぶけど―――はおよそ150年前からあるという伝統的な学校で、レースに関する有名なウマ娘を多数排出した経歴もある。ウマ娘ココを無事卒業できればスターになることが確約されたような、そんな世界。
そんな歴史ある学校の校門の前に、ボクは立っていた。
……おっと、その前にまずは、自己紹介をしなくっちゃ。
ボクの名前は『トウカイテイオー』。言い方が悪いようにも聞こえるけど、レースありきのこの学校において、唯一と言っても良いかもしれないくらいに、ボクには走りのやる気がない。ただの一般通過ウマ娘みたいな存在だ。
でも、ボクにはまた別の才能があるんだ。それこそが『超中学級のゲーマー』。
超中学級なんて言葉に聞き馴染みはなくても、『超高校級の〜〜』なんて言葉自体は聞いたことがあるかもしれない。だってボクのそれも、超高校級をもじったようなものだし。
でも才能の中身としては、超高校級とさほど変わらないものだって思ってもらって構わない。
ゲームなら大抵のジャンルはオールOK、見たことがないゲームでも数分触るだけでたちまちプロ級の腕前に。なんなら、『ゲーム』と名付けられたものなら殆どがクリア可能になる―――それがボクの才能だったりする。
確かに、昔のボクは走ることが大好きだったさ。だってその頃なら、勝ち負けなんて気にしなくても良かったからね。
でも今はどうだろう。戦略がどうとか、走法がどうのこうの、それに加えて、『ウイニングライブ』とかいう物の練習まで……。正直言って、とても面倒くさい。
この性格は年齢が上に上がるに連れて顕著になっていって、昔は両親だって少しは走ることを勧めてくれていたのが、今となっては全くの無関心。悲しすぎて涙が出そうだよ。ま、嘘だけどね。
そうして怠惰な時間を過ごしていたとき、ボクはあるものと出会ったんだ。
ま、みんなも察してはいると思うけど、それこそが『ゲーム』だったんだ。
それからというものの、ボクはすっかり変わってしまった。
今まで、放課後の時間をランニングや友達との追いかけっこで過ごしていたボクは、その時間をすべてゲームのプレイに費やすようになってしまった。
その頃からだっけ、『超小学生級のゲームの時間』なんて周りから呼ばれ始めたの。正直言って当時のボクにはその称号は鬱陶しくて仕方なかったが、これはこれで有名になった犠牲だ、なんて考えて過ごしてた。
そんなこんなで迎えた小学六年生の夏、ボクの家に一通の封筒が届いた。
宛名はトレセン学園の事務局。中身の紙には、ご丁寧に『合格通知』の文字が。
不思議に思って両親に聞いてみると、『テイオーには走りの才能があるんだから、それを活かさないのはもったいない』って、勝手に書類とかを送っていたみたいだった。(あとから聞いた話だと、走っている様子を写した映像も必要だったみたいだけど、二年前のボクのランニングの映像を送ったらしい。……はっきり言って違法だと思う)
普通に近場の中学校に進学すようかな、なんて考えていたボクからしたら、当然寝耳に水で。
三日三晩の協議―――もとい喧嘩を経て、トレセン行きを決定し、今に至る、というわけだったりする。
……さて、いつまでも校舎を見上げているわけにも行かないし、いい加減に中に入るとしよう。
ボクはポケットからメガネを取り出すと、それを装着する。別に目が悪い、というわけでもない。これはただ単に、ブルーライトカット加工の施された伊達メガネだったりする。ただ、一年前くらいにプレイした某オサレゲーの番長達のようになれた気がして。少しだけ気は引き締まった。
足を一歩、敷地内へと踏み入れる。
―――それと同時に、ボクの身体に沸き起こる、違和感。
あれ、なんだ、これ―――。
視界はグルグルと、グルグル、グルグル、グルグル、グルグル回って―――、
唐突に、幕が切れたように視界は闇へと堕ちて行った―――。
そして次に目が覚めたときには―――。
「貧血ですね、それもストレス性の」
知ってたよ。
だって最後に家族以外と話したの、一年以上前だし。
そう心の中で抗議してみるも、口から漏れるのは「えー……」だの、「あっ……」だの情けないうめき声だけ。
どうやら校門の前で倒れてしまったらしいボクは、緑の服を着たお姉さんに運ばれて、保健室で眠っていたようだった。……今度お礼言わなきゃ。
それにしても、久々の外出でいきなり倒れるなんて、ボクの精神力弱すぎ……!?
やっぱり元・半ヒキニートのゲーマーにいきなりお外は辛かったんだ……。
ボソボソとした声で養護の先生にお礼を告げながら、保健室をあとにする。
入学式を行っている最中のためか、一切音がしない廊下を唯独り歩きながら、ボクは考える。
これから先、ボクはどんな人生を歩んでいくのだろう、と。
中庭に繋がる扉を潜り抜け、桜の花びらが舞い散る外をゆっくりと歩く。
ふと、目の前を桜の花弁が横切った。
なかなか奇妙なバランスでボクの鼻の上に鎮座したそれを手で払いながら、目を上へと向けてみる。
そこに居たのは、三人のウマ娘たちを模った像―――『三女神像』だった。
……なんだろう。なぜか、その像から目が離せない、離してはいけない気がする。
なにか熱に浮かされたかのように、ボクの身体は三女神像へと吸い寄せられていく。
「……これは……?」
サアァッ……と、軽い音を立てながら桜のカーテンが辺りを舞い落ちていく。
そして、ボクはその時、目にしたんだ。
一生かかっても忘れることなんてできない、いや、できそうになんてない、その光景を。
「……おや、新入生はてっきり講堂に集まっているものだと思っていたが―――」
―――その日はボクにとって、単なる365日のうちの一日なんかじゃなくて、もっと特別な意味を持った一日だった。
でもその一日は、
―――その日、ボクは運命と出会った―――。
正直設定も練ってないまま書いたものだったりする。
もうちょっと他作品の語録も混ぜたほうが良かったかも。
他にはペルソナ5の舞台をトレセン学園にするとか良さそう。
主人公はテイオーとかそのへんのネームドウマ娘にして。誰か書いて(他力本願)