問題児たちと(常識人の)幼馴染が異世界から来るそうですよ?   作:gobrin

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お久しぶりです。gobrinです。

…………いや本当にお久しぶりです、実に3年半振りの更新になります。

色々と話すことはありますが、それは後書きで。

魔王襲来のお知らせで作者が一番好きなあの娘の登場です。
では、どうぞ。


第七話 魔王の登場だそうですよ?

「あれが……魔王……!」

 

均は黒い″契約書類″が降ってくる上空を見上げ、″魔王″のことを捕捉していた。敵影は四。詳細まではわからない。

 

 

ザワッ……!!

 

 

十六夜達が座っている一角がにわかに騒がしくなる。

何事かと均がそちらを振り仰ぐと、白夜叉の様子に異変が生じていた。

 

「なっ――――!?」

 

白夜叉が黒い靄のようなものに包まれ、姿を覆い隠されてしまっている。

その靄はどんどん膨らむと、白夜叉を包んだままバルコニーにいる他の存在を弾き飛ばした。

 

「あれは……!?」

 

均はどう行動すべきかの判断材料が足りず、見ていることしかできなかった。

 

「均!!」

 

「春日部さん!」

 

「均さん、耀さん!」

 

″ノーネーム″の全員が舞台上に集まってくる。

十六夜は飛鳥を抱えて飛び降りて、ジンとレティシア、黒ウサギは駆けて集まった。

 

「魔王が現れたってことでいいんだな?」

 

十六夜の問いかけ。それを向けられた黒ウサギは、真剣な表情で頷く。

 

「なら、誰がどう動く?黒ウサギ、指示を」

 

「待て均、焦るな。まだ確認することはある。黒ウサギ、白夜叉の″主催者権限″が破られた様子は無いんだな?」

 

均が険しい声でそう言うのを遮り、十六夜は問いを重ねた。

そこで、均は冷静になれた。どうにも、気が急いていたらしい。

 

「ごめん十六夜、冷静じゃなかった」

 

「均にしては珍しかったな。ま、もう大丈夫だろ。それで、黒ウサギ?」

 

「十六夜さんが懸念していることはありません。黒ウサギがジャッジマスターを務めている以上、誤魔化しは利きませんから」

 

そこで十六夜は笑った。

 

「なら連中、ルールに則ってゲーム盤に現れているわけだ。期待を裏切らねえぜ」

 

会話が途切れたのを見て、黒ウサギが口を開く。

 

「均さんの先程の質問に答えると、やるべきことは3つあります。上空に見える敵影を止めること。″階層支配者″であるサンドラ様を捜すこと。そして、白夜叉様に会いに行って指示を仰ぐことです。役割を分けましょう」

 

「なら俺は上の奴らの相手をする」

 

いち早く反応したのは十六夜だ。その一言を残し、猛烈な速度で上空に跳び出した。

 

「あっ、十六夜さん!?……もうっ!迎撃に出てもらうつもりだったのでいいですけども!」

 

予断を許さない状況だからかその先は続かなかったが、黒ウサギはせめて指示を聞きなさい!と言いたかったに違いない。

 

「均さん、レティシア様は十六夜さんと同様敵の相手を!可能ならば避難誘導もお願い致します!」

 

「分かった。行こう、レティシア」

 

「うむ。了解したよ均」

 

均はフワリと舞い上がると、レティシアと共に落ちてくる敵影に向けて飛んで行った。

 

「黒ウサギがサンドラ様を捜しに行きます。先程、観客席の方へ飛ばされてしまったようですので。ジン坊っちゃん達は白夜叉様をお願いします」

 

「分かったよ」

 

ジンが頷く横で、飛鳥が不満そうに呟きを漏らした。

 

「ふん……また面白い場面を外されたわ」

 

「そう言わないでください、飛鳥さん。″契約書類″に書かれている白夜叉様がゲームマスターであるということの意味を確認しないと────」

 

「お待ちください。魔王を迎え撃つというなら我々″ウィル・オ・ウィスプ″も協力しましょう」

 

そのように声を掛けてきたのは、舞台会場に上がっていたジャックとアーシャだ。

堂々としているジャックとは違いアーシャは緊張していたが、それでも頷いた。

 

「では御二人は黒ウサギと一緒に!サンドラ様を捜して指示を仰ぎます!」

 

その場に残っていた全員は頷き合い、各々の役目のために走り出した。

 

 

 

 

 

均は、自分よりもさらに上空で十六夜が交戦を開始したのを見ていた。

 

 

「十六夜が止めたのは……黒服の男みたいだね。他には……斑模様のワンピースを着たちっちゃい女の子と白装束のケバい女。それに、変な陶器みたいなデカイやつか」

 

「均……言っていることに間違いはないが、その表現はどうなのだ……?あの中に魔王がいるのだが」

 

「言ってることが間違ってないならいいんだよ────ぐっ!?」

 

「うっ……!なんだこの音は……笛の音か!?」

 

「相手はグリムグリモワール・ハーメルン……てことは、今のが本物の″ネズミ捕り道化″か……!」

 

均が耳を押さえながら上空を仰ぎ見ると、白装束の女が笛を吹いている。

奴が、″ネズミ捕り道化″ということだろう。

 

レティシアは頭を振り魔笛の音色を振り払う。

そして、心配そうに均に声を掛けた。

 

「均、大丈夫か!?十六夜ならば兎も角、均にはこれは……!」

 

「大、丈夫……少しだけ、待って……くれれば……」

 

均は苦しそうにしながらも、じっと佇む。

数秒後、目を開けた時には均は平然としていた。

 

「均……?何をしたんだ?」

 

「秘密。さてレティシア、来るよ」

 

「あら。あなた達が私の相手をしてくれるの?」

 

空中で佇んでいた均とレティシアの前に、斑模様の服を着た少女が降りてきて口を開く。

わざわざこんなところに留まっている連中、迎撃に出てきた者だと判断したのだろう。

 

「マスタぁ〜、待ってくださいよぉ〜」

 

笛を持った白装束の女も近づいてきて、斑模様の少女に声をかけた。

その言い方からして、少女の方が立場は上のようだ。

そういえば、魔笛の音色が止んでいる。さっきの演奏が何の目的だったのか、均とレティシアには判断材料が少なすぎてわからなかった。

 

「ラッテン、遅いわよ。私はこの吸血鬼さんを見定めるから、貴女は他で仕事をしてちょうだい」

 

「はぁ〜い。シュトロムは要らないので、置いていきますね。では、また後ほど」

 

「行かせると思うか?」

 

レティシアから強気な発言が飛び出す。

戦意を高めていくレティシアを前に、斑模様の少女は余裕の表情を崩さない。

 

「逆に訊きたいのだけど、邪魔をさせると思う?」

 

「君がどう思っていようと、邪魔させてもらうよ」

 

そこで、均が会話に割り込んだ。

明らかに少女の眼中になかった均が、強烈な回し蹴りを少女の顔面に容赦なく叩き込む。

 

パァン!と、小気味いい音が鳴って。

 

「…………貴方、不愉快だわ。死にたいの?」

 

「……はは、ダメージなしか。こりゃ、一筋縄ではいかなさそうだね。流石は魔王様ってところかな」

 

一切ダメージを受けていない、冷めた表情が均を至近距離から見つめる。

仕方なく距離を取った均は、隣のレティシアに問いかけた。

 

「レティシア、あのケバい女を止める余裕、ありそう?」

 

「すまないが、そんな余裕はなさそうだ」

 

「だよね。あのケバい女は諦めるか……」

 

そのやり取りに、白装束の女がぶち切れる。

 

「ぐぉら貴様ァ!!聞こえてるわよ!!ケバいケバいうるっさいわね!!喧嘩売ってるのかしら!?」

 

喧嘩を売るもなにも、敵対している者同士、何があってもおかしくないと思うのだが。

実際、均は聞かせるつもりで言ったのだし。

事実、斑模様の少女はそんなことを気にした様子ではなく。

 

「はぁ、ラッテン。あまり私を怒らせないで。早く行って仕事をしなさい」

 

「ぐぐぐ…………もぅ、マスター!そいつら、ケチョンケチョンにしちゃってくださいね!」

 

そのまま飛び去ろうとする背中に聞かせるために、均は大きめの声で呟いた。

 

「ケチョンケチョンとかいう表現がもう年寄り臭いよね」

 

「だあああもうクソガキぃぃぃいいいい!!今度会ったらぶっ殺してやるからね!覚悟しなさいよこのぉ!!」

 

「…………ラッテン」

 

「あああああもおおおおおお仕事よ仕事おおおおおお死ねええええええクソガキぃぃぃいい!!」

 

情緒不安定な状態に陥った白装束の女は飛んでいってしまったが、それを止める術を均もレティシアも持ち合わせてはいなかった。

 

 

「……厳しいな」

 

状況を冷静に見たレティシアの言葉。

均も同意を込めて頷く。

 

「敵一人が野放しになるっていうのがよくないよね」

 

「……そんなことを再確認するくらいなら今後の相談でもしていた方がよかったんじゃない?さて、行くわよ」

 

「あ、ちょっと待った」

 

律儀に攻撃を宣言してきた斑模様の少女に待ったをかける均。

 

「……なに?」

 

向こうにそれを聞く義理はなかったが、何か目的があるのか。会話に付き合ってくれるつもりのようだ。均はせっかくの機会を有効に活用する。

 

「さっきの、ラッテンって言ってたね。そして、そのデカイやつがシュトロム。″ネズミ捕りの道化(ラッテンフェンガー)″に″(シュトロム)″か。それに()()()()は、ヴェーザーらしいね。″ヴェーザー河の化身″までいるなら、簡単だ。君たちは、ハーメルンの笛吹きの伝承から産まれた悪魔。一三〇人の子供たちの殺し方を霊格化したものだ。あの伝承は、人攫いに神隠し、果ては天災まで色々な考察があるから。″契約書類″にあった『偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ』というのは、ハーメルンの伝承の謎を解けっていうことだと推察できる。じゃあ、ここで魔王様に質問だ。君は、何の魔王なのかな?無知な僕に、教えてよ」

 

「……いいわ。教えてあげる」

 

均の話を聞いて、斑模様の少女はニコリと微笑んだ。

ヒトの本能が警鐘を鳴らす、冷徹な微笑み。

 

少女は漆黒の風を吹かせながら、堂々と名乗りを上げた。

 

「初めまして。私は、″黒死斑の魔王(ブラックパーチャー)″。ハーメルンの悪魔を率いる、しがない魔王の端くれよ。よろしくね、人間さんと吸血鬼さん?」

 

「……なるほど、やっぱりね。そういうこと」

 

その均の呟きは、隣にいるレティシアだけが聞き取ることができた。

 

「均……?」

 

「取り敢えず、この風を何とかしないと────ッ!?」

 

均が風を散らそうと踏み出す寸前、″黒死斑の魔王″の後方から炎の渦が飛んできて風を飲み込んだ。

ついでとばかりにシュトロムを溶かして粉砕する。

 

″黒死斑の魔王″が、嬉しそうな声音で振り向いた。

 

「あら……そっちから出向いてくれるなんて光栄ね、″サラマンドラ″の火龍、サンドラ」

 

「ハーメルンの魔王……貴女の好きにはさせません!」

 

屹然と言い放ったサンドラに対し、魔王の少女は嘲笑って答えた。

 

「それは大層ご立派ね、″階層支配者(フロアマスター)″?でも残念、私たちは、貴女の許可なんてなくても勝手に始めるの。蹂躙劇という名の、パーティーをね」

 

その隙に背後から蹴りを叩きつけようとした均だが、振り向いた魔王の袖に食い止められる。

 

「僕らがいることも忘れないで欲しいな、″黒死斑の魔王(ブラックパーチャー)″。それとも、黒死病(ペスト)ちゃんとでも呼ぼうか?」

 

一瞬、魔王の少女は目を見開いたが、すぐに顔を顰めた。余程嫌な呼ばれ方だったらしい。恐らく、ちゃん付けが。

 

「やめて。虫酸が走る。殺すわよ?」

 

「ははっ、おっかない。殺されるのは嫌だから、おとなしくペストちゃんって呼ぶことにするよ」

 

少女の額に青筋が浮かぶ。

 

「………………そう、わかった。死にたいのね?なら死になさい」

 

目からハイライトが完璧に消えた″黒死斑の魔王″から吹き荒れる風を回避しながら、均はレティシアと共に攻撃の機会を窺う。

 

「こら、均!不用意に激昂させてどうするんだ!?それに、私たちでは火力が足りない!」

 

「そこは、サンドラに頑張ってもらおう……んッ、この音!」

 

いち早くその音を捉えたのは、均だった。

耳の奥に侵入してくるかのような、不快な甲高い音色。

それは、人とネズミをいいように操る、魔性の笛の音。

 

「あのケバい女ぁ!!」

 

どこかから、「黙れクソガキぃぃい、だぁれがケバいってぇええ!?」という声が、均の耳に届いた気がした。

 

 

 

 

 

笛の音に操られた影響でそこらで同士討ちが始まるのを目にしつつも、対処のしようがない均とレティシアが″黒死斑の魔王″の相手をサンドラと協力して続けていた時。

空に、雷鳴が轟いた。

 

「……今の音は」

 

その音を聞き、魔王が動きを止める。

レティシアもハッとした様子で、ある方向を見つめた。

均もそれに釣られ、同じ方向を見やる。

 

そこには────。

 

「″審判権限(ジャッジマスター)″の発動が受理されました!これにより、ギフトゲーム″The PIED PIPER of HAMELIN″は一時中断し、審議決議を執り行います!プレイヤー側、ホスト側は、共に交戦を中止し、速やかに交渉テーブルの準備に移行してください!繰り返します────」

 

その宣言を聞き、この場の戦闘を有利に進めていた斑模様の少女は、()()()()

均の目が細められる。

 

(……まるで、狙っていたかのようだね)

 

「あら。残念、止められてしまったわ。このままあなた達を倒して、ギフトゲームに勝利してしまおうと思っていたのに」

 

「あ、待ってペストちゃん」

 

「………………その呼び方はやめなさいと言ったはずよ。死にたいの?」

 

「たった今黒ウサギが言ったことを聞いていなかったの?交戦は、中止なんだよ」

 

「…………」

 

ただ煽られただけだと判断した″黒死斑の魔王″は、こちらに向かってきたラッテンの下へ行こうとする。

実際に話があった均は、慌てて呼び止めた。

 

「ああ、ごめんごめん。ペスト、ちょっと待って。言いたいことがあるのは本当なんだ。からかってごめん。少しだけ、聞いてくれないかな」

 

″黒死斑の魔王″は呆れを多分に含んだ視線を均に向ける。

 

「あのね。貴方と私は敵なの。わかる?話を聞いてあげる義理はないわ」

 

そのまま去ろうとした少女の背中に、均は言葉を投げかけた。

 

「────聞かずに行ったら、後悔するよ」

 

ピタリと。魔王の少女が動きを止める。

 

「マスタぁー、一緒に向かいましょうー。……マスター?」

 

ラッテンがその顔を不安そうに見つめる。

背を向けられていた均には、その表情はわからない。

彼女がどんな表情をしていたのか。それは、ラッテンにしかわからないのだ。

 

「……いいわ、聞いてあげる。早く言いなさい?」

 

「均?一体何を」

 

レティシアやサンドラも訝しむ中、均は柔らかい微笑みをたたえて言った。

 

「君達は恐らく、この後こちらに不利な条件を付けてくるよね」

 

「…………」

 

「なっ!?」

 

サンドラが驚きで声を漏らす中、少女は黙して答えない。

均も答えを求めてはいなかった。

 

「まあ、それはいいんだ。こっちでも仲間に忠告はするしね。

大事なのは、この先。ねぇ、ペスト。僕は────」

 

ゴクリと、誰かが唾を飲み込む。

均の真剣な気配に、中てられたのか。

この場にいる誰もが静かに均の次の言葉を待つ──。

 

「僕は必ず、″黒死斑()の魔王()″を隷属させる。だから、そのつもりでいてね」

 

「「「「…………は?」」」」

 

敵と味方、四人の女性の心が一つになった、最初で最後の瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、十六夜」

 

「お、均か」

 

均は、前方を歩いている十六夜の背中に声をかける。

均に気がついた十六夜が少し歩くペースを緩め、二人で並んで歩く。

 

「審議決議って言っていたね」

 

「だな」

 

「如何やって魔王がこの区画内で″主催者権限″を使ったのか。そこに不正はないかってところかな」

 

「ああ」

 

「それなんだけどね、十六夜。たぶん、向こうは不正は一切してないよ」

 

「────ほう?」

 

十六夜の目がスッと細められる。

自らを良く知る均の前で笑っている必要はないということだろうか、その口元の笑みも消えている。

 

「あの魔王の少女の態度から考えるとね。僕にも、方法の仮説はある」

 

「へえ?」

 

「ただ、仮説の域を出ないから口にしたくない。僕、この後そこらを見て回って考えを固めるよ。十六夜の考察も済んだら、答え合わせといこう」

 

「ヤハハ、了解だ」

 

「というわけで、審議決議は任せるね。変な条件付けられないでよ?」

 

「任せとけ」

 

二人が角を曲がると、前方の部屋の前でマンドラが指示を出していた。

会場の設営は″サラマンドラ″が仕切っているのだろう。ホームでもあるし、当然か。

 

均と十六夜は同時に壁際に寄りかかる。

お互いの雰囲気で、まだ話があると察しているのだ。

 

十六夜が先を譲る気配を発しているので、均から話しかける。

 

「ヴェーザー、如何だった?」

 

「あん?お前、アレが″ヴェーザー河の化身″だってわかってたのか」

 

十六夜が驚きの表情を浮かべる。

均はまだ確信には至っていないと考えていたのだろう。

 

「うん。()()()()()()。それで?」

 

「…………まあ、悪魔って名乗るだけあって弱くはなかったな。俺の敵じゃねぇけど」

 

十六夜は均の表現に違和感を覚えたようだったが、それについては言及せず話を進める。

 

「ふぅん。なら、そっちは十六夜に任せて大丈夫そうだね」

 

「ああ。さっさと片付けて他の加勢に向かうぜ。そっちは?」

 

「シュトロムは倒した。けどサンドラの火炎で一撃だったのが少し気になるかな。流石に脆すぎる気がする」

 

十六夜は腕を組んだまま反応しない。

話を続けろ、ということだろう。

 

「ラッテンだけど、笛の音が厄介すぎる。アレによる同士討ちが一番の懸念材料だと思う。あのケバおばさんを如何やって止めるか……」

 

何処かから、「どぅぁぁぁぁぁぁあるぇがぁぁぁぁああああああ!!ケェバおばさんですっとぅぇぇぇぇえええええ!!!?」という謎の怒声が聞こえてくる。

十六夜は怒声が聞こえてきた方角に視線をやって首を傾げつつ、「そうだな」と均に同意する。

均は謎の怒声には一切反応しなかった。

 

「最後に魔王の()だけど、如何にもならないわけじゃない。サンドラなら相手の風の攻撃を散らすことはできる」

 

ギロリと、たまたま通りがかったマンドラに睨みつけられる。均はそちらを一瞥して、話を続けた。

 

「ただ、サンドラの攻撃だと相手の守りを崩せていなかった。僕やレティシアの攻撃はもちろん防がれてたし。攻撃では役立たずだったけど、僕らのフォローがないと若干キツそうな戦いぶりだったから、もう一人あの娘に痛手を与えられる人がいるといい感じかな。相手の風を散らすのは、耀が適任だと思う」

 

マンドラの圧を丸々無視して、サンドラの呼び方を変えずに言い切った均。マンドラのことを嫌いすぎである。

十六夜は均のまとめを聞いて、納得したように頷く。

 

「なるほどな。じゃあ俺はヴェーザーを倒したら魔王の加勢に行く感じかね」

 

「たぶんね。ケバさんの対処法はないこともないんだけど、ちょっと非人道的な方法なんだよねぇ……」

 

何処かから、「せめて略さずに言えやぁぁぁぁああああ!!あんのクソガキャァァァァアアアアアアアア!!」という怒号が聞こえてくる。

さらに「おいラッテン!!さっきから五月蝿えぞ!!何なんだ急に!!」「聞いてよヴェーザー!!何処ぞのクソガキがね、私のことをケバいおばさんとか言ってくるのよ!」「は?んなこと知るかよ。つか事実だろうが」「はあああああああああ!?」などという怒鳴り合いも聞こえてきたが、均と十六夜は無視する。

 

「まあその辺りは、再開のルールが決まったらだな」

 

「そうだね」

 

均と十六夜がひとまず会話を終えると、ちょうど会場の設営も終わったようだった。

再び均達の前を通って会場の方へ戻っていったマンドラが声を張り上げる。

 

「審議決議はこの部屋で執り行う!!ホスト側、プレイヤー側の代表はこの部屋に集まるように!!」

 

十六夜は部屋の方へ。均はその逆側へ。それぞれ歩き出す。

 

「じゃ、伝えることは伝えたから。そっちは任せた」

 

「おう、任された」

 

パァン!と、ハイタッチの小気味良い音が高らかに鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ん、耀だ)

 

これから考察のために街中に出ようとしていた均は、耀の姿を見つける。

彼女はアーシャ=イグニファトゥスやジャック・オー・ランタンと協力して、負傷者の手当てをしていた。

 

わざわざ声をかける必要はないか、と考えた均がその場を通り抜けようとすると、均に気がついた耀が駆け寄ってくる。

 

「均」

 

「うん?耀、どうしたの?」

 

「訊きたいことがある。飛鳥を見てない?」

 

「飛鳥?いや、見てないけど」

 

そういえば舞台の上で別れた面々の中で、飛鳥の姿だけ見ていない。

飛鳥は、ジンや耀と共に白夜叉の下に向かったはずだ。

一緒にいたはずの耀がそれを訊いてくることに均が嫌な予感を募らせていると、耀が均に一歩近づいてくる。

 

「あの…………お願いが、ある」

 

「お願い?」

 

「うん。飛鳥を、捜してきてほしい」

 

正直、均は驚いていた。

今日、″造物主達の決闘″でお節介をしまくった均に耀が頼みごとをしてくるとは。

背に腹は替えられないほどに飛鳥が心配なのか、それとも────。

 

「わかった」

 

内心の驚きはおくびにも出さず、均はすぐに承諾する。

 

「……いいの?」

 

「そんな不安そうな顔しないの。仲間が頼ってきたんだ。手伝うのは当然だよ」

 

ひどく不安そうな表情を浮かべる耀に、均が微笑みかける。

 

「でも……私、均にキツいこと言ったし」

 

「耀。そこで、余計なことを言う必要はない。言うべき言葉は一つだけだよ」

 

「…………ありがとう、均」

 

「うん、それでいい。じゃあ、僕は少し出てくる。耀は?」

 

「わたしは、手当ての手伝いを続ける。だから、この辺りにいると思う」

 

「わかった。また後で」

 

「うん」

 

均は耀と別れ、″ヘルメスの靴″の効果で飛翔しながら街へ飛び出した。

考えをまとめるために散策しながらも、飛鳥の捜索だ。

まずは────飛鳥達が向かったはずの、白夜叉に話を訊くべきだろう。

 

均はバルコニーに進路を定めて飛翔する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「白夜叉様」

 

「ん、おお、均か。どうした?」

 

「飛鳥がどこに行ったのか、ご存知ありませんか?」

 

その質問に、白夜叉は微妙な表情を浮かべる。

その意味がよくわからずに均が首を傾げると、白夜叉はため息をついた。

 

「はぁ……わざわざここまで来て何を訊いてくるかと思えば……。あの娘なら、あの白装束の女に気絶させられ連れていかれた。今は休戦中だからの。捜しても無駄だと思うぞ」

 

「ご忠告、感謝します。しかし、そうですか……あのケバあに」

 

何処かから「もうババア扱いじゃないのよぉ!!本当にぶっ殺すわよクソガキィィィィィイイ!!」という声が聞こえてくる。

というか、連中は今は審議決議の最中ではないだろうか。会場で叫んでいるのだとしたら、迷惑もいいところである。

 

「周囲への迷惑を考えろよ、ババア」

 

均がボソリと呟いた言葉。

それを受けてか「もうせめてケバいは付けろぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!耳がそれで慣れちゃってるのにぃぃぃいいいいいい!!」という怒号が追加される。

 

均は無視した。

完全にラッテンを振り回している。

 

「ところで白夜叉様。先ほどのため息はどの様な意味だったのですか?少し考えてみたのですがわからなくて」

 

「おんしの質問内容に呆れていたのだ。普通、私の封印方法などについて訊ねに来たと考えるであろ?」

 

「ああ」

 

言いたいことは理解できた。ただ、納得はできない。

 

「それはあり得ませんね。謎は自分で解いてこそのギフトゲームです。というより、白夜叉様の封印方法は確信できているので、既に謎でも何でもないです」

 

「ほう、そうなのか。均の考察を聞いてみたい気もするが────」

 

「だから、言いませんって。白夜叉様の言うように飛鳥の捜索は無駄に終わるとは思いますが、少し捜してみます。ギフトゲームの謎の考察をしながら。僕は行きますけど……」

 

均が飛び立つ前に白夜叉をチラリと見ると、白夜叉は潤んだ瞳で均を見つめている。

 

「…………暇なんですか?」

 

「そうなのだ!暇で暇でしょうがない!!私の相手をしてくれぇ〜!」

 

「……はぁ」

 

駄々をこねてジタバタする白夜叉を見て、深いため息を吐く均。

それでいいのか東側最強の″階層支配者″。

 

「わかりましたよ、時間を見つけて話相手になりに来ます。ただし、ゲームに関することは話しませんからね。白夜叉様はプレイヤー側のゲームマスターなので、話すこと自体に問題はありませんが、やはりそれは面白くないので。雑談になら応じます」

 

「うむ、それでよい。迷惑をかけるが、頼めるか」

 

「他ならぬ白夜叉様のためですからね。なるべく多く時間を作ります。ただ、今はお暇させてください」

 

「うむ、わかった。あの娘を捜すことが無駄だと決まったわけでもない。私も心配しているのだ。均が見つけてくれることを祈っておるぞ」

 

均は頷き、少し飛び立って白夜叉に向き直る。

 

「はい、頑張ります。では、行ってまいります」

 

「うむ」

 

白夜叉の「なるべくたくさん話相手になりに来るのだぞ〜」という言葉を背に受けながら、均は街の探索を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三〇分後。

均は探索を終え、考察を一人で終わらせた。

 

(やっぱり、僕の考え方で正しかったみたいだ。うーん、ジンや十六夜に僕の考察を伝えるべきなんだろうけど…………)

 

同じコミュニティの同志として、ゲームクリアのために情報を共有するのは大切なことだ。

均も率先して情報共有すべきなのだろうが────。

 

(僕の考えを伝えるのはいい。でもそれをするのは、ジン達にも考えてもらってからだ。複数の視点で物事を考えることは本当に重要なことだし……すぐに教えちゃったらジンの力にもならない。僕と十六夜がいつも助言できるわけじゃないんだ。″ノーネーム″の長として、ジンには学ぶ義務がある)

 

故に、均にはすぐに考察を披露するつもりがない。まあ、今回のゲームでは、だが。

均は、今回のゲームが再開するのは二週間程度経ってからだと予想している。

再開後はかなり厳しい戦いになるだろうが、やるしかない。

 

そう覚悟を決めて戻ってきた均が最初に出会ったのは、見覚えのある二人組と見知らぬ男だった。

 

「あ、ペスト」

 

「あら、また会ったわね。人間」

 

「あっ、クソガキ!!ここで会ったが一〇〇年目ぇぇぇええええ!!」

 

「おいラッテン、落ち着け。今、ゲームは休止中。戦いは御法度だ」

 

「ぐぎぎぎぎぎ」

 

「お前やべえ顔してんぞ」

 

飛んできた魔王団体御一行様だ。恐らく、城壁の上に行こうとしているのだろう。

ペストにラッテン、ということはつまりこの男が────。

 

「ヴェーザー、ってわけね」

 

「あのクソガキに聞いたのか?次は殺すって伝えといてくれ」

 

「物騒なことを言いますね。一応伝えておきますけど、十六夜の返答は予想が付くので今のうちにお返ししておきます。『ハッ、やれるもんならやってみな』」

 

「ククッ、あのガキが言いそうなことだな」

 

初対面とは思えないやり取りを均とヴェーザーがしていると、ペストが目を丸くしていた。

それに気がついた均が声をかける。

 

「どうかした?ペスト」

 

「いえ……ヴェーザー、貴方の言うクソガキって、あの金髪の男のことよね?」

 

「そうだぜマスター。だが、それがどうした?」

 

「あの男、ジンの同志よね。ということは……貴方も、″ノーネーム″?」

 

「そうだけど。それが何か?」

 

その瞬間、ペストの表情が変わった。

 

「へぇ……貴方、″ノーネーム″のくせに私にあんな啖呵を切ったのね」

 

ペストが楽しそうにクスクスと笑う。

均は、言葉を発さない。

 

「ふふ、決めたわ。このゲームが終わったら、ジン同様貴方も私のおもちゃにする。感謝しなさい?人間」

 

見下すような表情と共に、この発言。

均はそれを、鼻で笑った。

ペストの形のいい眉が顰められる。その行為は彼女の不愉快さを如実に表している。

 

「その人間って呼ぶのやめてくれないかな?僕は(たいら)(なお)だ」

 

「へえ、そうなの。覚えておくわ、()()

 

均の雰囲気が、僅かに変わる。

 

「……中々いい性格をしているね、ペスト()()()

 

ペストの額に青筋が浮かぶ。

 

「ええ、おかげさまで。…………絶対に吠え面をかかせてやるわ、覚悟しなさい」

 

「必ず君を(ひざまず)かせる。楽しみにしててね?」

 

均とペストの背後に黒いオーラが幻視できるような光景だった。

と、そこで均がペストから視線を外す。移る先はラッテン。

 

「そうだ、ちょうどいいから聞いちゃおう。ねえ、おば」

 

「殺すぅ!!!!」

 

均が言い終えるよりも先に、ラッテンが切れる。

笛を手に飛び出したラッテンを、ヴェーザーが必死に羽交い締めにする。

 

「おいだからラッテン!!待てって!!今は戦闘行為が禁止されてるんだぞ!!って、力強っ……!?」

 

「止めないでヴェーザー!!私はここで失格になってゲームの参加権を失ってでもこのガキを殺さなきゃならないのぉ!!はぁーなぁーせぇー!!」

 

「んなこと許容できるかァ!!?おいマスターも何か言ってやれ!!」

 

ペストはヴェーザーの必死の訴えに頷き、口を開く。

 

「ラッテン。殺っちゃいなさい。私が許可する」

 

「しゃああああああ許可きたぁぁぁあああああ!!」

 

「そうじゃねえ止めろ阿呆マスタァァァアアアアア!!」

 

「冗談よ。止めなさい、ラッテン。勝手なことは許さないわ」

 

そう言われてもじたばた暴れていたラッテンだったが、ペストの命令には逆らわないことにしているのか、次第に力を弱めていった。

 

「グルルルルル……クソガキ……コロス……ゼッタイ……ヤツザキニスル……」

 

代わりに、言語中枢の機能を停止させていた。

 

「ぜはー、ぜはー、げほっげほっ。ら、ラッテンの野郎、何処にこんな馬鹿力が……げぇっほ!」

 

ヴェーザーは死にそうだった。火事場の馬鹿力的な何かで、ラッテンは相当強化されていたようだ。

息も絶え絶えなヴェーザーが、均に視線を向ける。

 

「おい、ガキ、あんまり、ラッテンを、刺激するな……げほっ。こいつさっきから時々叫び出して大変なんだ。頼むから、止めてくれないか……」

 

「仕方ないですね。じゃあ、ラッテン。訊きたいことがあるんだけど」

 

仕方ないと偉そうに言っているが、全ての元凶はこの鬼畜である。

 

「イノチ乞イサセテヤル……産マレテキタコトヲ後悔サセ…………何よ」

 

言語中枢のスイッチを入れ直したようで、普通の会話を始めたラッテン。

均は訊きたいこととやらを口にする。

 

「僕らの同志である飛鳥を……ああ、赤いドレスを着た子ね。連れ去ったって聞いたんだけど、何処にいるの?」

 

「いや答えるわけないでしょう」

 

真顔のラッテン。まあ言っていることはド正論だ。

 

「…………ラッテンは、飛鳥の力を見た?」

 

「ええ。見たというより、受けた、だけどね。一瞬、動きを止められてしまったわ。すぐに弾いたけど。それが何?」

 

「……その力と、対決してみたくない?」

 

「……どういう意味かしら」

 

実際に飛鳥と対峙したらしいラッテン以外の二人は、何が何やらわからないのか沈黙を守っている。

とはいえ、当のラッテンも訝しむような表情を浮かべている。

 

「飛鳥を返してくれれば、僕が飛鳥を鍛える。そして、ギフトゲームが再開されたら飛鳥を君の前に連れて行く。強くなったあの力と、ラッテンの支配の力。どちらが上なのか、試してみたい気持ちはない?」

 

ラッテンは一瞬目を閉じて考える素振りを見せる。

 

「その気持ちがないといえば嘘になるけど、その提案はなしね。私達にメリットがない」

 

均はわかっていたように頷く。

 

「……ま、そうだよね。乗ってくれたら奇跡、って気持ちで話してたし。仕方ない」

 

均はそこで話を切り上げた。

 

「じゃあ、僕はもう行くよ。ペスト、君は必ず隷属させる。また今度」

 

三人とすれ違いながら、言葉を残して去っていく。

残された三人は、少ししてから移動を開始する。

そもそも、城壁の上に戻る途中だったのだ。

 

地上の人間どもに言葉を聞かれることはあり得ないだろうという高さまで来てから、ラッテンが呟いた。

 

「…………よくよく考えてみれば、なんで私、あんな真面目に答えたんでしょう……?」

 

その小さな呟きに、ペストがハッとする。ヴェーザーは何事かを考え込んでいる。

 

「そういえば、そうね……ラッテンが自然に話していたものだから、気がつかなかった。おかしいわよね……」

 

「まさか、何か″恩恵″を使われて!?」

 

「いや、違う」

 

そう断言するのは、ヴェーザー。

ペストとラッテンはヴェーザーの方を向き、その言葉の真意を待つ。

 

「今そういうことをするのは″契約書類″で禁じられている。奴が″恩恵″を使って俺達に何かしていたのなら、何かしらのペナルティがあったはすだ。奴は恐らく、会話で相手の懐に違和感なく潜り込むのが極端に上手い……それだけだろう。問題は、他にある」

 

「「問題……?」」

 

ペストとラッテンが揃って首を傾げる。

二人には思い当たることがない。

ヴェーザーは、深刻な声音で告げる。

 

「あのガキは、()()()()()戻ってきていた。こんな状況なのにだぞ?いつ審議決議が終わって、ゲームが再開するかもわからない。俺達が疑われたことに腹を立て、あの場でゲーム再開を宣言して戦闘が始まることだってあり得ないわけじゃないはずだ。その可能性を、奴は考えてすらいなかった。つまり、俺達の考えを読み切っていたってことだ」

 

「「……!」」

 

ヴェーザーに言われて、その異常性に気がついたのか。

ペストとラッテンが目を丸くする。

 

「しかもあのガキ、あの場にいなかったからマスターの正体を聞いてねえはずだよな?なのに、奴はマスターのことをペストだと()()した。マスターと戦闘していたようだが……それだけで断言できる程の情報は得られないはず。奴の洞察力と考察力は相当なもんだ。こりゃ、俺達のゲームの謎も解かれるかもしれねえぞ」

 

「あのクソガキも頭が回っていたしな……」と、小さく付け加えるヴェーザー。

ラッテンも状況を認識したのか、険しい表情を浮かべる。

 

「…………それがどうしたの」

 

そんな中、ペストは冷静に言葉を発した。

ラッテンとヴェーザーの視線が言葉の主に集まる。

 

「謎が解かれても関係ない。私達は全てを蹂躙して勝つ……。そうでしょう?」

 

その言葉に、二人の悪魔は小さく笑った。

 

「ええ、そうですね」

 

「そうだな、マスター。いけねえな、ちょっと弱気になってたか」

 

ペストは口元に袖を寄せ、勝気な笑みを浮かべる。

 

「改めて、この場で宣言するわ。…………勝つのは、私達よ。あなた達も、力を貸しなさい」

 

「「イエス、マイマスター」」

 

 

ギフトゲーム″The PIED PIPER of HAMELIN″。魔王が展開するゲーム。

その舞台でそれぞれの意地と覚悟がぶつかり合うのは、もう少し先のこと。

その時を見据えて、各々が自分にできることとすべきことを考えていた────。

 

 




改めまして、お久しぶりです。
gobrinです。
いつの間にか更新せずに3年半。時間経ちすぎですね、すみません。

お気に入り登録は100件以上してもらえてますが、しっかり更新していた時に読んでくれていた人たちは今もハーメルンで作品を読んでいるのでしょうか?
もしそういう方がいて、「おっ、久しぶりに見たなこの名前と作品!」となってもらえていたら嬉しいです。
本当にお待たせしました。
新規の方がいたら読んでくれてありがとうございます。気に入ったらお気に入り登録なり感想なり残していって頂けると幸いです。

さて、こんなに時間が経った原因ですが、ぶっちゃけただの怠慢です。
書きたいシーンは色々あります。何なら均がアジ・ダカーハと戦うシーンすら頭の中にイメージがあります。
ただ、SSを書くのを他の趣味と比べて後回しにしてしまって……最近はリアルも忙しく、たくさんある趣味の全てに十全な時間を割くことができません。
なので、これからも更新頻度がかなり空いてしまうことはあると思います。
ですが、過去に前書きや後書きで書いたかどうか覚えていませんが、書くことをやめることはしません。
自分の書きたいところまで、絶対に書き切ります。

まあ、そんな決意だけはあるので、もしこの作品を少しでも面白いと思って頂ける人がいれば、たまに更新が来た時に読んでやるか、くらいの軽い気持ちで待って頂けると嬉しいです。

とても長い後書きになりました。
いつになるかはわかりませんが、次に更新する時にお会いしましょう。

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