最初のオトモンは互いに認め合える、野に生きるモンスターにしたかったライダーの話。

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ラージャンってタマゴから普通に育ててもオトモンになってくれなさそうだったので


ラージャンをオトモンにする方法

 ライダーではあるが、自らがタマゴから育てたオトモンは居なかった。

 ライダーではあるが、並のハンターよりも遥かに高い狩りの能力を持っていた。

 クエストは一人で済ませられるものならそのまま一人で済ませてしまい、どうしてもモンスターの能力が必要なものならば、誰かが待機させているオトモンを借りて済ませていた。

 ライダーではあるが、他人から貰ったタマゴを孵化させてオトモンとする事も、竜の巣からタマゴを盗んでそれを自らのものとするのも好ましく思えなかった。

 ライダーは最初のオトモンはせめて、互いに認め合える、野に生きるモンスターにしたかった。

 それはタマゴから育てるよりも遥かに難しい事であったが、ライダーはそれをいつまで経っても譲らなかった。

 生まれたばかりのモンスターと絆石で絆を結ぶ事は、良く言えば刷り込みではあるが、悪く言ってしまえば洗脳に近い。最終的に成長し自我が芽生えさせたモンスターが真にライダーと絆を結べるかどうかはライダー次第だとしても、それをタマゴを盗んでまでやりたいだとは思わなかった。

 オトモン同士が番を為してタマゴを作ったりという事もあったが、それを譲られようとされるまでに年季と信頼を重ねた頃にはもう、ライダーはそんなモンスターをオトモンにする事にすっかり頑なになってしまっていた。

 

 ある日、そのライダーは一つのクエストを受注した。

 やや遠くの森の様子がおかしいから、見てきてくれと言うものだった。

 その位なら、とライダーはいつもの装備で、オトモもオトモンも連れずに一人で赴いていく。

 背中に担ぐのはネルスクラスター。殴りながらも睡眠毒を与えて、その内モンスターは眠ってしまうという、中々にえげつない効果を持つネルスキュラの素材を基に作られたハンマーであった。

 破壊力だけで言えば、もっと強い火力を持つものだってあったし、それを作るための素材だって沢山持っていた。

 だが、一人でクエストに赴く際にはいつだってこのハンマーを担いでいった。

 モンスターを殴り眠らせた後、こいつは自らのオトモン足りうるか? とじっくり考える事が出来るからだった。

 ……結局このハンマーで容易く眠らされてしまうようなモンスターなど、そのライダーの眼中には入らなかったのだが。

 

*

 

 森にまでやって来れば、ライダーはすぐに異様な静けさに包まれた。

 ……居る。

 余所者が。突出した強者が。

 そんな久々の感覚に強い警戒と、そして少しの高揚を抱いていた。未だ絆を結ぶ為に使った事のない、左腕の絆石が今日こそ使われるかもしれない。

 それは同時に身の危険が激しい事だと言えども、ライダーは口元が緩む程の高揚を抑える気はなかった。

 森の中を進んでいく。時折、モンスターの痕跡だけが見つかる。ふと木を見上げれば、トビカガチが見つからないようにと必死に身を縮こまらせているのが見えた。岩場の陰でアンジャナフさえもが身を伏せているのが見つかった。

 ライダーに見つかった事を分かりながらも、もうその場から動こうともしない。

 ……ごくり。

 唾を飲む。少なからずの恐怖心がこのライダーにも生まれ始めていた。暴れん坊のアンジャナフまでもがこうなるとは、正しく只者じゃない。

 ただ、胸の高鳴りはそれでも高揚から生まれるものばかりだった。

「オォォンッ!!」

 ジンオウガの雄叫びが遠くから聞こえてきた。

 小鳥が飛び立つ。雷光虫と共に放つ雷の音が僅かながらもここまで響いてくる。

 だが、それと相対する誰かの返しはいつまで経っても返ってこなかった。ハンターか、それとも他の何かか。

 小走りで向かう。

 ずずんっ、めぎめぎっ、ばりりっ!

 地響きが、木々が砕け折れる音が派手に鳴り響く。

「グゥ……ギャゥッ!!」

「ギャィンッ!! 〜〜ッ、オオン!!」

 どうやらジンオウガの方が劣勢なようで、聞こえてくるのはそのジンオウガの悲鳴ばかり。

 とうとうその場所まで近付いた時に眼前に木が倒れてきて、上がった土煙が晴れた頃。

 目の先では片方の角を折られ、口からはぼたぼたと血を垂らしながら、立ち上がるのもやっとなジンオウガ。そしてその前には全く傷を負っていないラージャンが居た。

 どくん、と一際強い胸の高鳴りをライダーは覚えた。

 のそり、のそりとジンオウガに歩いて行くラージャン。ジンオウガはもう逃げる事も出来ないようだった。

「グ、グ……」

 半ば死を覚悟したジンオウガが目を閉じれば、ラージャンは折れていないもう片方の角に手を掛け、いとも容易くボキリと音を立ててへし折る。

 そして次の瞬間。ライダーに振り向いたラージャンはそれを投げつけた。

「おわっ!」

 剛速で飛んできたそれを、驚きながらも難なく避けるライダー。

 後ろの木に深く突き刺さったジンオウガの角には目もくれずに、ライダーは折れた木を飛び越えた。

「ラージャンか、楽しそうだ!」

 超攻撃的生物、黄金の暴風雨、破壊の権化。そんな数多の悍ましい別称で呼ばれる古龍級生物。

 オトモンにしているライダーなど見た事もなく、幼体から育てた記録はあれど、とにかく懐かず、野に放す事も出来ずに殺すしか出来なかったというものもあった。

 そんな相手に、しかしライダーは目をキラキラとさせながらハンマーを担ぐ。

「さぁ来なよ! 私の目に適うか試してやる!」

「グオオオオオッ!!」

 矮小な人間に挑発されて、ラージャンは初めて吼えた。

 

 殴る、殴る、叩きつける。

 後ろに躱す、横に跳ぶ、絶好のポジションを取ったが地響きに膝を着く。

 掴みかかる、ぶつける、飛びかかる。

 転がる、飛び起きる、懐に潜り込み、脇腹にまず一発!

「ッ!」

 大した威力じゃない。構わず腕を振り回した。

 ジンオウガが逃げていく。振り向く目は果てしなく怯えを抱いていたが、それにはもうどちらも興味を失っていた。

 するり、ぬるり。ひょいっ、ドゴッ!

 避けられる。躱される。腕が、手が、届かない、届かない!

 脇腹に一撃、後ろ足に一撃。

 腹が立つ、腹が立つ!

 だが、それよりも。殴られた場所の感覚が鈍い事に気付く。

 攻撃に毒がある事を察した。

 一度距離を取る。

「どうしたどうした? 怖気づいたか?」

 軽い口調。また、挑発されている。

 誰だって何だって己を恐れてきたというのに! 飛び回る火竜も駆け回る雷狼竜も、翼と四肢を併せ持つ鋼龍だろうと、どれだけ己より体が大きかろうと己を見下すなどして来なかったのに!

 その事実、だが感覚が鈍くなっている殴られた部分が、寸でのところでラージャンを正気のままで保たさせた。

 ダンッ!!

 ひとっ飛びで大木の高みにしがみつく。そして次の瞬間、ラージャンはライダーに飛び掛かった。

 大木が折れようとする程に激しく揺れる。軌跡はほぼほぼ直線だった。

「おわっ!」

 叫びながら、ライダーはそれでも躱した。掠った腕がそれでも強く痺れた。弾けるように再度高く跳ねたラージャンが上空で腕を広げる。

 ……アッパーで迎えられたら。

 ライダーの僅かな、馬鹿げた逡巡。流石に回避に専念する。

 ドゴォッッ!!

 地面が砕けた。空気までもがティガレックスが咆哮した時のように震えた。

 そんな光景を見せられても、ライダーは僅かも恐怖を表に出さなかった。それどころか、すぐさま得物を振りかぶって頭に叩きつけようとしてくる。

 それに対してラージャンは思わず飛び退いた。

 ……初めての感覚。いや、まさか。

 

 ラージャンと戦う事は初めてであった。だが昔と違って、もうその生態は広くに知れ渡っている。

 数多の犠牲の上に、知見も積み重ねられたモンスターの一つとなっている。

 何を食し、何を好むのか。どのように活動し、またその攻撃性は如何ほどか。どのような攻撃をして来るのか、そしてどこが弱点なのか。

 知識としては知っていた。実際相見えた事はこれが初めてだとしても、ライダーはこれまで様々なモンスターと戦ってきていた。俊敏に死角から首を刈り取ろうとしてくるナルガクルガ。執拗に拳を叩きつけて爆殺してこようとするブラキディオス。苛烈さと身軽さを併せて攻め立ててくるジンオウガ。

 そのどれをも大した傷なく、オトモンの手助けさえもそう必要とせずに倒してきた。そんなハンター顔負けの実力を持つライダーにとっては、知識だけでももう互角以上に戦えるのも当然と言って等しかった。

 これは……これは……己がやってきた事なのか?

 ラージャンはふと、気付く。

 この小さい肉体はコンプレックスだった頃もあった。ただ、その代わりにこの体は誰よりも小回りが効いた。この拳はどんな相手もぶん殴れば肉が潰れ骨が砕ける感触を届けてくれた。

 快感だった。快感だった。

 それを今、この己がやられている? そんな馬鹿な。

 ラージャンは正しく戸惑っていた。

「まだこんなもんじゃないだろう!?」

 見るからに満面の笑みを浮かべ、得物を掲げてライダーが迫ってくる。

 少なからず目の前の相手に恐怖を抱いている事。それはもう、否定出来なかった。

 だが。

 ラージャンはそれでも駆ける、殴り掛かる。ハンマーで顔面を殴られる事も厭わずに拳を振り抜いた。

「があああっ!?」

 それだけで人間は面白いように吹っ飛んだ。

 鼻血が出る。額が痛む。それだけだ。

 恐れる事など無かったじゃないか。小さいのだから、こうして一発入れてしまえばもう動かないだろう。

 経験から来る、間違いのない判断だった。

 終わってみれば呆気ないものだったが、これで勝利だ。

 だが。

 そのライダーはハンマーを手から放していなかった。

 それどころか、普通に起き上がってくる。

「げぼっ、がふっ。良いね、内臓が破裂しかけたぞ!」

 血を吐いて、けれど何事もなかったようにまた得物を掲げて走ってきた。

 は? は??

 訳が分からない。人間にとって胴体程あるこの拳は、防具越しに骨を砕く感触を伝えてきたはずだ!

 それなのに、それなのに何事も無かったかのように走ってくる。

 それなら……それなら……肉塊になるまで殴るだけだ!

「ゴアアアアッ!!」

 再び吼えて、掴みかかる。

「もう見たぞそれは!」

 ぺきゃっ。

 的確に振り下ろされたハンマーはラージャンの指を数本へし折った。

「ガアアッ!?」

 痛みに叫びながらも、更に拳を振り回した時、屈んで躱したライダーはラージャンの顎の下に居た。

 ガコォッ!!

「カッ……」

「クリーンヒットォッ!」

 膝から力が抜けていく。腕がだらりと落ちる。体が動かない。

 あっ……。

 初めて目前に訪れた死は、余りにも唐突だった。

 しかしライダーはその好機に対して、頭でも胸でもなく腹に渾身の一撃を叩き込んだ。

「ゲボォッッ!!??」

 後ろに倒れながら、血混じりの胃液が一気に弾け飛ぶ。

 だが……だが……。

「角は折らない。致命傷も与えない。だが、倒れるまで殴り続けさせて貰う。だから……簡単に倒れてくれるなよ?」

 手加減された。

 その事実はとうとうラージャンを怒りの有頂天に誘った。

 

 転がり、口からだらだらと胃液を吐き出しながらもラージャンは吼えた。

 それと同時に全身が一気に金色に染まっていく。

「お、これが闘気硬化ってやつか!」

 殺してやる、殺してやる! 正気を失う程に怒りを抱きながらも、最後の最後でそれを保っていた。

 今まで戦って来た何よりも強い。それも理解していたから。怒りに任せて殴りかかったところで勝てない相手だと悟っていたから。

 だんっ!!

 ラージャンは再び跳び上がった。木にしがみつく事もなく、ライダー目掛けて片腕を振り下ろす!

 赤く怒張した腕は、片方だけでも先程と同じ程のクレーターを生み出す。避けられたが、間髪入れずに更にライダーへと飛びかかる。

 ライダーは今度、転がって避けた。立ち上がろうとするところに更に肩を叩きつけた。

「ぐうっ!!」

 再び吹き飛ぶライダー。そして、ラージャンはライダーが起き上がると同時に取り出した何かを口に入れたのを見た。

 そしてまた何事も無かったように立ち上がって来る。

 ……それか。

 先程よりも更に素早く、苛烈に攻め立てる。

 だが、やはりと言うべきか、更なる追撃には当たってくれない。

 口に含んだのはアオアシラの蜂蜜みたいなものだろう。それよりも遥かに傷を癒やすようだが。

 数に限りもあるだろうが、それを尽きさせる程悠長に戦ってはいられない。

 だが、一撃で本当にぶち殺してしまえば良い事だ。

 流石に掴ませてはくれないだろう。大きな一撃にこれ以上当たってくれるとも思わない。

 それでも、ラージャンは勝機を既に思い描いていた。

 何度も何度も腕を振り下ろす。動いて飛び掛かって手を伸ばす。

 腹を、足を、腕をガンガン殴られながらも、分かった事もあった。

 小回りが効こうとも人間は己ほど素早く動けない。だから、大きな一撃を当てられなくとも掠る。引っかかる。

 そして、もう一つ。やはり人間は人間だ。

 しっかりと溜められてない攻撃は、急所に当たらなければ恐れる事もない!

 もう既に地形は変わり果てている。木々は数多に砕けて周りから生き物の気配は完全に消えて久しい。

 ライダーの顔からも流石に笑みは消えていた。怒りながらも研ぎ澄まされている殺意を感じ取れない程鈍い人間であるはずもなかった。

 片手の指を幾つかへし折っているが、その程度ではラージャンの拳は全く壊れない。

 回り込んだ。この闘気硬化を制御しているのは意外にも尻尾らしい。だが、このハンマーという武器では、きちんと地面とサンドイッチにしなければ有効打にはなってくれない。

 それに、ひたすらに動き回るラージャンに対してそんな器用な芸当を狙うのは流石に難しい。

 だから、狙うのはひたすらに腹だった。脇腹を、肋骨を、何度も何度も殴り続けれていれば、ラージャンはとうとう疲労し、涎を垂らしていた。

 それでもラージャンは全く引く気配を見せなかった。ここで決着を付ける気で溢れていた。

 ……。

 ライダーは的確にラージャンの圧倒的攻めを掻い潜りながら考える。

 ラージャンが跳び、宙から口から雷弾を幾多に放った。

 着弾と着弾の隙間に身を寄せるが、そのまま拳を空高くから振り下ろして来たラージャンに、避けるのが一瞬遅れた。

 ドォンッ!!

「おわっ!」

 跳ねるように後ろへ吹き飛んだライダー。

 好機!! ラージャンはそれに対して、体に溢れる雷の全てを結集する。そして大地を踏みしめ、口から雷砲を放った。

「ガアアアアアア!!」

 塵と化せ!!

 そんな思いと裏腹に。ライダーは更に横に転がって間一髪のところで避けていた。

 ……え?

 殺意は、研ぎ澄まされていた。しかし、振るう拳にはそれが薄かった。

 何かを狙っている事は簡単に理解出来た。だから、誘った。

 それでも。

「危なかった」

 思わずそう呟いていた。そういう一撃がある事を知っていなければ、避けられなかった。

 ……だが。

 その攻撃は渾身の一撃なのだろう? 途中で止められないのだろう?

 満面の笑みを浮かべながらハンマーを掲げてくるライダーを、ラージャンは見る事しか出来ず。

 途中からぐるんぐるとん回り始め、ハンマーはどんどんと勢いを付けて。

「……ッァ」

 雷砲が終わると同時に、それは再び腹へと叩きつけられた。

 再び胃液を吐き出したラージャンは何度も何度ものたうち回り、そしてどうしてか眠くなってくるのに疑問を抱く間もなく。

「強かったよお前」

 そんな声と共に、初めての敗北を心の隅まで刻まれていくのを感じながら意識を失った。

 

*

 

「……さて」

 ハンマーを一度地面に置いて、回復薬を飲んでから一息吐く。

 気付けば、回りは静寂に包まれていた。生き物の気配など微塵もしない、森の中らしからぬ程の無音だ。

 それ程の戦闘だったのだ。

 久々に、いや今までの何よりも強く命の危険を覚えた相手だった。

 こいつを私の初めてのオトモンにしたい。そう思うが、相手はラージャンだ。一度ぶちのめした程度で絆を結ぶまで気を許してくれるかと言われれば、難しいかもしれない。

「だが、その時は」

 またぶちのめすだけだ。何度だってぶちのめして、何度だろうと私の方が上だと骨の髄まで思い知らせてやる。

 戦っていた時間はきっと、十分にも満たない。

 それでも、達成感はどのクエストをこなした時にも比較出来ない程にあった。

 

 ……腹が痛む。手で擦ろうとして、その指も酷く痛んだ。

 何でそんな……。

 そこで一気に覚醒した。

「ゴアアッ!?」

 思い出した、思い出した! だが……何もされていない?

 しかし、起き上がって。

「やっと起きたか」

 己の初めての敗北を刻んだ相手は目の前に立っていた。

「グ……」

 自分は敗者だ。殺されても仕方ない。

 実際、そうして殺して来たラージャンはそこでやっと疑問を抱いた。

 ……何故にこいつは己を生かそうとしている? こっちは全力で殺しに掛かったというのに、どうして。

 また、刻み込まれた敗北が、これまでの勝者として在り続けた矜持が、更なる抵抗を止めさせた。

 そんな様子を見たライダーは、初めて絆石を本来の用途として掲げた。

 すると青い光が輝き、それに目を奪われてしまう。

「……?」

 何だったんだ、今のは?

「さて……見た目は何も変わらないが、どうなんだ?」

 ……何だ? 今までに無い感覚が体を襲った。

 こいつ、何をした!?

「お、感情が伝わってくるね。上手く行ったようで何よりだ」

 え、は?

「言葉は通じてないようだが……、まあ。聞きたい事は一つだ。

 一緒に来ないか?」

 やっと、己が殺されなかった理由を理解した。

 こいつは自分を手下にでもしたかったのだ。ある種の鳥竜が時折群れを従えているように。

「別にそんなんじゃないよ。あんたとなら私に似合うかって思うのさ」

 あくまで対等、か。それでも、己はお前より弱い事は事実だ。

「良いよ。下剋上はいつでも受けて立つ」

 そんな自信に満ち溢れた姿に、とうとうラージャンは半ば諦めるように認めた。

 ……仕方ない。己は敗者だ。

 それに……こんな強者と共に出来るのなら、悪くもないだろう。

「それじゃあ、行こうか!」

 そうして、共にライダーは歩いて人里へと向かった。

 

*

 

*

 

「え、あんた、何でラージャンと一緒に……いや、うん、何が起きたか大体理解したよ、うん。あんた、そういう奴だもんね。でも、初めてがラージャンなんて、聞いた事もないよ」

「そうでしょー」

「で? クエストの元凶はこいつ?」

「うん。でも、被害とかはそんなにまだ出てなかったんでしょ? ならだいじょーぶ! こいつが暴れるなら、私がまた叩きのめすからさ!」

「……全く。あんたも面倒な奴に絡まれたねぇ。ほら、見てみなよこの表情。運が無かった、みたいな顔だよ」

「まあ、これから楽しいことだって一杯あるからさ」

「はぁ。分かったよ。で、何か前脚をかばうような動きしてるけど」

「あ、うん。指数本へし折ったの。だから今から治さないと」

「あんた馬鹿? オトモンにしたなら、さっさと処置しないと。変に治っちゃうかもしれないんだよ!」

「その時は折り直せばいいでしょ。私もそうしてるし」

「はぁ〜〜〜〜……あんたがそこまで脳筋だとは思わなかったよ。そりゃ、お似合いだよ。

 もう、さっさとこっち来て。私も手伝うからさ」

「ありがとね!」

「で、あんた。名前はもう決めてるの?」

「少し考えたんだけど、最初会った時、ジンオウガの角を折ってたから、角折りとかどうかな」

「えぇ……」

「まんざらでもない? なら良かった」

「似た者同士かよ。……全く、良いコンビになりそうで」

「でしょー!」




ライダー:

名前: スハマ
得意武器: ハンマー
名前決めてたけど出す事無かった。雪割草の別名から。
身長はやや低めのイメージ。
ハンター顔負けの戦闘狂。強いモンスターと出会うと満面の笑みを浮かべながら殴りかかってくるので、モンスターからするとマジで恐ろしい。
冒頭の通り、最初のオトモンはタマゴからじゃなくて野に生きるモンスターにしたかったので、数年間くらいはライダーであっても自分のオトモンは持っていなかった。
ラージャンをオトモンにした事で行動範囲やらが一気に拡がって、オトモンはもう少し増えていく。
ネルギガンテとか二つ名とか。

ラージャン:

名前: 角折り
ラージャンの中でも結構強めの個体。
古龍だろうとぶん殴って倒してきたけれど、同じようにぶん殴って倒してきたスハマに完敗。
物分かりは良い方。
……最初は50回くらいスハマがボコボコにする構想だったけど、まあ短編としては1回で良いかって感じ。
この後も何度もスハマに挑むけれど、毎回良い勝負をしながらも負けてばっかり。
時を経るに連れて、勝ったらそのまま押し倒して番にしてやろうとか思い始めるかもしれない。



MHST2をベースにした長編二次創作の構想あったりするんだけど、本当に書くとなったらこのコンビはちょい役、但し比古清十郎みたいなジョーカーレベルの最強クラスとしてのライダー、って形で出す感じになる。

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