「どうして…どうして…どこで間違えたと言うの…!!」
ワルプルギスの夜は確かに倒された。
今、私の前にあるのはこの世の全ての悪を煮詰めて
それは全ての人々を救うため、
一体何度この光景を目に焼き付けてきただろう。
慣れたはずなのに、どこか心の脆い所が悲鳴を上げる。
流すべきものなどとうの昔に枯れ果てた。
私の使命はこんな破滅を、残酷を、まどかに強いる事では断じて無い。
ーーそうだ。私の戦いは終わってない。こんな
「私の戦場はここじゃない。」
私は繰り返す。例え立ち向かうべきそれがいかに絶対的なものだとしても。
盾が反転し、時が逆流する。過去が現在に、現在が過去に。
「……ッッ⁈」
何度目かの時の
そしてまた
▼▲▼▲▼
明日と昨日。過去と未来。その狭間で。
私は目にする。
渦巻く時の螺旋の中から、いく本もの鎖が伸びてきて、互いに絡まり人の形を成す。
それは、足首まで届きそうな翠緑の髪。そして涼しげな緑の瞳。160センチ前後の女とも男とも断定できぬ肢体を包むのはシンプルな純白の貫頭衣。
「サーヴァント、ランサー、エルキドゥ。君の声に呼ばれてきた。どうか、自在に、無慈悲に使って欲しいなマスター。」
咄嗟であったが私は即座に反応することができた。
素早くバックステップを踏み、腰を少し沈めM9を構えていつでも反応できる体位をとる。
顔は冷静さそのものだが、
今まで一度として経験したことのない
緑の怪人は銃を突き付けられているにも関わらず、その余裕を隠さない。
「今回のマスターも物騒だね。マスター。僕はマスターの味方だよ。」
「黙りなさい。そして素直に私の質問に答えなさい。それ以外の事を言えば、容赦なく風穴を開けるわ。」
「了解だマスター。答えられる範囲で答えよう。」
「あなたは何者?」
「僕はエルキドゥ。マスターのサーヴァント。存在としては英霊。英霊というのは過去の偉人の影法師。成り立ちや霊基配列が聞きたいわけではないだろ?簡潔に言うなら君の使い魔。君のために力を尽くす泥人形。そのために呼ばれたもの。それが僕さ。」
情報が氾濫しているがまとめると
名前 エルキドゥ
分類 英霊
職業(もしくは地位) サーヴァントという意味だろう。
しかし未知の単語が多くまだ分からないことの方が多い。
それにしても。
「私の
「いやいや、マスター。そんな事態は例え僕の体が崩れても阻止するよ。そのために僕がいるんだから。魔女の手下のアレとは違うよ。僕は文字通り君のための"道具"さ。」
「話が見えてこないわね。それにさっきから私のことを『マスター』なんて、いったいどう言うつもり?」
「あらゆる"道具"は使われる為に存在する。その道具たる僕を使いこなすのが君たち
確かに、私の右腕には放射状に伸びる鎖のような印がまだ熱冷めやらず鎮座している。
「その令呪は僕らになんらかの強力な命令を下すことができる。その命令を下すためなら、超自然的現象だって起こることさえある。例えばもし君がピンチな時、「私を助けろ」と言えば、仮に僕が遠く離れていても僕の意思とは関係なく君の側まで瞬間移動してその命令に準じるだろう。もし僕が邪魔なら僕に自害を命じることさえできる。」
「まとめるなら、
僕はマスターの役に立つためだけに存在する。
令呪には絶対服従。と言うことさ。」
そもそも貴方の言葉を信じられない状況で、貴方の言う令呪とやらの存在も素直に信じる事はできない。
ーーだけど、私が今
本当の事を言っているかなんてわからない。
いや、嘘は言っていなくても隠し事はしているかもしれない。あのキュウベイがそうだったように。
それでも私は、この『変化』を利用する事にした。
「なら令呪を持って命じる。私に絶対の忠誠を誓って。私へのいかなる背反も認めはしない」
「命じられ無くても、もとよりそのつもりだよマスター。でもその命令承ったよマスター。」
「これでとりあえずは信用してあげるわ。…確か、“エルキドゥ"と、言ったかしら」
「名前で呼んでくれるなんて光栄だよマスター。」
「でも私はあなたを信頼するわけではない。覚えておいて。」
信用と信頼。
仲間とは見なすが心の底から信じたわけではない。
「それで十分さマスター」
「それでマスターは僕に何をさせたいんだい?」
「私の目的はただ一つ。私の親友鹿目まどかの魔法少女になる事を防ぐことよ。」
「理解したよマスター。」
そして、過去が今となった。
本作はまどマギ杯参加作品です。
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