美味しんぼの山岡と栗田がカードショップに訪れ、いつも通りの展開をします。

※筆者はTCGファンです。カードゲーマーに対して不快な表現があるかもしれませんが、自虐として暖かく見守ってください。

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栗田「厚紙屋の猿」

ある日の昼下がりのこと、究極のメニュー作りのアイディアを求めて、山岡と栗田は繁華街を歩いていた。

 

 

栗田「あら、珍しい。こんなところにカードショップがあるわ」

 

山岡「へぇ、こいつは驚いた。個人経営のカードショップか。全国展開のチェーン店とは違って、趣があるもんだね」

 

栗田「デュエルスペースもあるみたいだわ!山岡さん、覗いてみましょうよ」

 

 

いつもの調子で店舗に入る山岡と栗田。瞬間、オタク特有の汗を蒸らしたような臭いが鼻につく。

 

 

栗田「うーん、この臭い!いかにも陰キャオタクの巣窟って感じだわ!」

 

山岡「そうだね。この臭いを敬遠してカードショップが嫌いな人もいるけど、単にオタクを見下した偏見じゃないかな。臭いなんて、慣れれば全然気にならなくなるぜ」

 

 

などと言いつつ、ショーケースに飾られたカードを物色して回る。手には勿論、シングルカードの番号や枚数を記載する例の紙がしっかりと握られている。

 

 

山岡「M●Gと遊●王、ポ●カは当然として、ヴ●ンガードにバ●スピなどなど…。一通り揃ってはいるみたいだな」

 

栗田「ア●エリアンエイジやガ●ダムウォーもあるわ。しっかりポイントは抑えているみたいね」

 

山岡「個人経営なら、悪くはないんじゃないかな。品揃えの幅も狭いし点数も少ない。値段だけは良心的なものにして、経営していこうってことなんだろうけど…」

 

栗田「でもやっぱり、イ●ローサブマリンみたいなチェーン店に比べると、ラインナップが貧弱ね。お店の雰囲気も、なんだか薄暗くって入りにくいわ。まるで子供部屋おじさんの部屋みたい」

 

??「なんだいあんたら!うちの商品に文句があるって言うのかい!」

 

 

その時だった。店長らしき男が山岡と栗田の会話に割り込んできた。男はレジの内側で二人の会話をずっと聞いていたのだ。

 

 

店長「うちは最高の商品を揃えているんだよ!それも、そっちの旦那が言っている通り、市場価格よりも安く提供しているんだ。それの何が問題だって言うんだい?!」

 

山岡「問題だらけですよ」

 

栗田「山岡さん!」

 

山岡「いいから、君は黙っているんだ。じゃあ言ってやる。この店のラインナップは見た目ばっかりだ。本当に客のことを考えていない。ただ売りたいものを並べただけの、自己満足の売り方だよ」

 

店長「な、なんだとー!うちはわざわざ高い金を払って、B●ack Lotusまで仕入れたんだ!それにそれぞれのTCGで、常に最新のエキスパンションの高額レアをシングル売りしている!」

 

山岡「それが問題だと言っているんですよ」

 

栗田「どういうこと、山岡さん?見たところ、トップメタのカードは一通り理解して販売していると思うわ」

 

山岡「TCGのプレイヤー全員が、トップメタのカードを欲しがるか。そんなカードばかり集めたデッキを、何人が使うというんだ」

 

店長「あっ!?」

 

栗田「わ、わかったわ!確かにメタによって一部のカードは需要が高くなる…。でも、だからといって全員がそのカードを必要としているとは限らない。いえ、一部のカードがトップメタに入れば入るほど、それを意識したメタデッキが作られることになる!」

 

山岡「その通りだ。環境に刺さるぶっ壊れたカードは、確かに強いんだろうさ。でもそれが何だって言うんだい。大事なのは、自分の作りたいデッキが作れるかどうかだろう。でもこんな人気カードに販売が偏ったショップじゃ、まともなデッキなんて作れないぜ。全員が全員、ロボットみたいに同じデッキを作るつもりじゃないんだ」

 

店長「わ、私がやっていたのは…ただネットの情報に踊らされたシングル販売だったということか…!」

 

山岡「もちろん、需要のあるカードを高く売る、これは悪いことじゃないぜ。でも短期的な売り上げを求めるあまり、客が本当に必要なカードを考えなくなってしまったんじゃないかな」

 

栗田「でも、ネットの評判やTier表を鵜吞みにして、同じカードばかりを欲しがるユーザも悪いわ。デッキのビルドはもっと自由であるべきだもの。自分で試行錯誤して、本当に必要なカードを見極める…。いつの間にか日本人は、そんなこともできなくなってしまったのね」

 

山岡「そうだ、そしてどのデッキにも入るような壊れカードを連発してしまう販売元が諸悪の根源だ。TCGであるからには売れなければいけない。だがどんな状況にも刺さるようなパワーカードを全員が搭載して殴り合う。これのどこに健全性があるんだい。カードゲームが未だに陰キャの猿どもの集まりだと思われているのは、販売元の姿勢が問題なんじゃないか」

 

店長「あ、あんたら…!」

 

 

突然、店長は頭を下げ、涙を流しながら語り始めた。

 

 

店長「あんたたち、あんたたちのような人にもっと早く出会っていれば、店を閉めることにはならなかったのかもしれないのに!」

 

栗田「お店を閉めるですって!どういうこと?」

 

山岡「話してもらおうか」

 

店長「見てくださいよ、あれを」

 

 

店長が指さす先、そこは10卓程度の広さのあるデュエルスペースだった。

 

 

客A「俺のターン!俺は、なんたらかんたらをかんたらでターンエンド!!ヌフフフフフ!負けたら闇のゲームでござるよ!からあげ軍曹どの!」

 

客B「オウフwww参ったでござるw参ったでござるwwなどと言うと思ったでござるか、ぽけっとにんにんどの!それはどうかなwwwwどうかなwwwなんたらかんたらの発動でござる!」

 

客A「ドプフォwwwここでそれを使うでござるか!貴様ぁーーーーwwwこれじゃまるでテンプレ展開みたいwwwギャンブル漫画wwwザワwザワザワwww」

 

客B「ぐおーーーーーー!面白くなってきたでござるなwフォカヌポウwwwそれじゃあ拙者も運命のディスティニードローでござるwww来てくれーーーー!セイバー!!!!」

 

客A「コポォ」

 

客B「ニチャア」

 

 

栗田「うわ、汚らしい…。こういう浮浪者みたいな人たちがカードゲーマーの代表だと思われると悲しいわ」

 

山岡「いや、これが一般的なTCGユーザの姿だと認識されているよ。風呂に入らなければ歯も磨かない。髪の毛は乱れ放題なのに、なぜかハゲている。口を開けばやたら大きい声でアニメとゲームの話しかしない。日本のカードショップの客層は、主にこういう人種だと思われている。全員がそういうわけじゃないし、ちゃんとした人もいるんだが、あいつらばかりが悪目立ちしている」

 

栗田「ひどい…。これじゃ新しくTCGを始めようとする人がいるはずもないわ。楽しいはずのカードゲームが、こんな人たちばかりで支えられているだなんて」

 

店長「そうなんです…。こんなお客さんばっかりで、店は汚れるし、新しいお客さんは来なくなるし…。それにたった500円程度の買い物で、何時間も店に居座られては正直迷惑なんです。これが続くようなら、もう店を畳むしか…」

 

栗田「山岡さん、なんとかならない?」

 

山岡「どうかな」

 

考え込む山岡。すぐに明確な答えを出すことはできなかった。何故なら彼らもまた、TCGを愛する若者(というほど若くもなさそうだが)なのだ。閉店してしまうのは忍びない。しかし、デュエルスペースで興じる客が(マナーは悪いが)完全に悪いわけでもないのだ…。

 

 

■次回予告

 

動物園の猿たちがマナーを身に着けるなんて、本当にできるのかしら?

それどころか山岡さん、お客さんと揉め事まで起こして…。

出来損ないのデッキだなんて、山岡さんが言うからよ!

 

「本当のことさ」

 

しっかりして、山岡さん!

あなたが今ここで倒れたら、店長のお店はどうなっちゃうの?

在庫はまだ残ってる。ここを耐えれば、閉店しなくても済むんだから!

 

次回、究極のアニメドラマMTGしんぼ『クソレアの味』

デュエルスタンバイ!

 


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