ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝   作:ひいちゃ

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前回のタイトルの元ネタは、ガンダムAGE第11話より『ミンスリーの再会』でした。
果たして今回の元ネタはなんでしょうか?

今回は思わぬ展開が!?


Act.10『俺とプルとハマーンと』

 マリハたちがハマーンと謁見してから数日後。アクシズの周囲の小惑星帯に、コアファイターと二人の少年の姿があった。

 

「へへ、何て間が良いんでしょ。なまじダミー隕石をばら撒き過ぎてるから、1つや2つ紛れ込んでもばれないのさ! ……でも、モンドまでついてこなくてもよかったのに」

 

 少年の一人、ジュドーが、傍らの少年、モンドに言う。それに対してモンド曰く。

 

「お、俺だって、マリハ……とリィナを助けたいんだ。それに一人より二人のほうがいいだろ?」

「まぁ、確かにな。それじゃ行くとしようぜ。……待ってろよ、マリハ、リィナ……」

 

 そして二人はアクシズに潜入していく。

 こうして二人が楽に潜入できたのも、先の戦いで多くのベテランが失われ、新兵ばかりとなり警戒が緩んでいたからである。ジュドーはアクシズの人材不足に感謝したほうがいい。

 

 だが、その潜入者を感知した者が二人いた。

 

「この感覚! ZZ(ダブルゼータ)のパイロットが来たんだ! 間違いない!」

 

 エルピー・プルである。プルは、ミンドラが入港したしばらく後、アクシズ攻略に向かっていたアーガマ隊の前に立ちはだかって、そのさいにジュドーのZZと戦っていたのだ。

 

 そしてもう一人は……

 

* * * * *

 

83:ジャンク屋ネキ

……? なんや?

 

84:名無しのオールドタイプ

なんや? どうしたんだネキ?

 

85:ジャンク屋ネキ

なんだろう……? 何か、知っている人が近くに来たような感覚がする。

 

86:名無しのオールドタイプ

知っている人……? あ。

 

87:名無しのオールドタイプ

もしかしてあれやないか?

 

88:名無しのオールドタイプ

俺も同じこと考えてた。それだな。

 

89:ジャンク屋ネキ

なんや? 教えてくれよ。

 

90:名無しのオールドタイプ

もしかして、ジュドーがアクシズに潜入してるんやないか? 原作にもそんなシーンあったしな。

 

91:ジャンク屋ネキ

マジか?

 

92:名無しのオールドタイプ

マジマジ。プルを見かけたら聞いてみるがよろし。原作通りなら、プルもジュドーの接近を感知しているはず。

 

93:ジャンク屋ネキ

そうなのか? ……あ、外から騒がしい足音が聞こえてきたので聞いてみるで。

 

「どうしたんだ、プル?」

『あっ、マリハ! あのね、彼が来たの! ZZのパイロットが!』

マジか……。

 

94:名無しのオールドタイプ

どうやら当たりみたいやな。

 

95:ジャンク屋ネキ

でも、マジかよ……。なんでリィナが外出している時に……。

『あれ? マリハ、誰と会話してるの? 掲示板?』

!?

 

96:名無しのオールドタイプ

!?

 

97:名無しのオールドタイプ

!?

 

98:名無しのオールドタイプ

転生者しかアクセスできないこの掲示板を閲覧できている!?

 

99:名無しのオールドタイプ

マジかよ……。さすがアクシズ生まれのニュータイプ……伊達じゃない……。

 

100:ジャンク屋ネキ

『へへーん、プルは特別だもん! みんなよろしくねー』

 

101:名無しのオールドタイプ

お、おう……。

 

102:名無しのオールドタイプ

プルが俺らみたいにならんことを天に祈っておこう……。

 

103:ジャンク屋ネキ

『あ、それでね。これからZZのパイロットに会いに行くところなの!』

「そ、そうか……って! プル、また下着姿じゃん! ダメダメ、先に服を着なきゃ! ほら、部屋に入る!」

『やーん!!』

 

104:名無しのオールドタイプ

大変やな……ネキ……。

 

105:ジャンク屋ネキ

できの悪い兄を持った次に、問題児の妹を持った気分やで……。

『ぶー、プルは問題児じゃないもん!』

「はいはい。わかったから、早くこのスポーツブラをつけて」

 

106:名無しのオールドタイプ

ということは、ショーツ一枚で走り回っていたのか、このロリ娘……。

 

107:名無しのオールドタイプ

配信越しに見てる俺らも赤面ものやけど、衛兵の連中も大変だろうな……。

 

108:ジャンク屋ネキ

はじめて会った時は、ちゃんとブラつけてたけどな……。

「はい、できた。それじゃ、一緒に行くか。途中でリィナを拾わないとな」

『うん、いこいこー』

 

* * * * *

 

 そしてオレは、プルの案内で、アクシズ市街を歩き回っていた。

 

「なぁ、本当にこっちで間違いないのか?」

「うん、間違いないよ! 私のニュータイプの勘、信じてないのー?」

 

 いや、オレは元は現実世界の人間だし……。

 

113:名無しのオールドタイプ

本当にプルのおもり、大変だな、ネキ……。

 

114:ジャンク屋ネキ

あぁ。本当に手のかかる、パワフルな妹やで……。

『ぶーっ、プルは手のかかる子じゃないもん!』

はいはい……。

『うー、みんなもそう思うでしょ!?』

 

115:名無しのオールドタイプ

いや、俺らに言われても……。

 

116:名無しのオールドタイプ

いや、ワイはプルの味方やで! な、お前らもそうだろ!?

 

117:名無しのオールドタイプ

俺はリィナ派や、すまんな。

 

118:116

なにぃ!? ちょっと表出ろ!

 

119:ジャンク屋ネキ

『あわわわ、けんかはダメだよー、ガンダムファイトでないと!』

いや、それは別ゲームだし……。というか誰のせいだと……。

 

 と、そこに。

 

「マリハ? お前、マリハか?」

 

 後ろから聞きなれた少年の声が、それに振り向くと。

 

「わーい、ZZのパイロット! やっと会えた!」

「うわ、な、なんだお前は?」

 

 オレが口を開く前に、プルがジュドーに抱き着いていた。それでもジュドーはやがて立ち直り……。

 

「マリハ、お前も無事だったのか。よかった……」

「ジュドー……すまん!!」

 

 そしてオレはジュドーに全力土下座した。

 

「お、おい、なんでいきなり土下座するんだよ?」

「いや、オレが至らなかったばかりに、オレ共々リィナがアクシズに捕まることになっちまって……本当にどう顔向けすればいいか……」

 

 ぺこぺこと土下座連打です、はい。

 さすがに何度も土下座したのに、ジュドーはうろたえて。

 

「い、いや、そんなに謝らなくていいって。リィナは無事だったんだろ? ならそれでいいって」

「ジュドー……お前は本当にいいやつだな……」

「お、大げさだって。それでリィナは?」

「あぁ。今はこのアクシズの宮殿でお嬢様修行やってるよ」

「そうなのか……でも本当に無事でよかった……」

 

 そう言って、涙ぐむジュドー。そこに。

 

「ぶーぶー。二人とも、感動の再会をするのはいいけど、プルのこと忘れてない~?」

「ほらほら、わかったから、そんなに膨れない」

「本当にお前、子供の扱いうまくなったな……って、え!?」

 

 と、そこでやっとジュドーも、プルについてのあることについて気が付いたようだ。というか遅すぎだろ。

 

「彼女、マリハにそっくりじゃねーか!? どうなってるんだ!? マリハ、お前生き別れの妹とかがいたのか?」

「そんなわけないだろ。多分他人の空似だよ」

「でも私も、びっくりしちゃった。本当にそっくりなんだもん。あ、そういえばお兄ちゃん、名前は?」

「あぁ、俺はジュドー・アーシタ。よろしく」

「そうなんだ。私は……」

 

 そこにオレが。

 

「エルピー・プルだろ? さっき何度も自分のことプルと言ってたじゃねーか」

「ぶーっ、マリハの意地悪!」

「はいはい。それで、これからどうする? オレたちの宮殿で、リィナが戻ってくるまで待ってるか?」

「そうだな……。入れ違いになったら大変だし」

「はーい、いこいこーっ」

 

 そしてオレたちは、宮殿に向かっていった。

 

* * * * *

 

 一方そのころ、ジュドーと別れて別行動でマリハとリィナ……正確にはマリハを探していたモンドは、市街地をきょろきょろしながら歩いていた。そこに。

 

「あっ、り、リィナ!」

「モンド!」

 

 彼の下に、ドレス姿のリィナが駆けてきたのだ。

 

「ど、どうしたんだよ、リィナ?」

「わ、私、追われてて……」

 

 と、そこに。

 

「いたぞ、あそこだ!」

 

 黒服の男たちがやってきた。モンドはリィナの手を握る。

 

「に、逃げるぞ、リィナ!」

「う、うん!」

 

* * * * *

 

 一方、アクシズの軍部の一室で、エンツォ・ベルニーニは、黒服の一人から報告を受けていた。

 

「何、取り逃がしただと!? 馬鹿者、それで許されると思うか! いいか。必ずあの娘を捕まえろ! なんなら、殺してもかまわん!」

 

 そして通信を乱暴に切る。

 

「グレミーが連れてきたリィナとかいう娘。あの娘を手に入れることができれば、グレミーを我が派閥につなげることができる。もし死なせたとしても、それも色々と利用することができるはずだ。グレミーやハマーンに気づかれる前にやらなくては……」

 

* * * * *

 

 一方、こちらは宮殿に戻ってきたオレとプルとジュドーです。なんとか守衛の目を盗んだので、ジュドーも入ったことは気づかれていません、たぶん。

 

 そして今、プルはお風呂中。オレとジュドーは紅茶を飲んでいる。

 

「へぇ、けっこうおいしいじゃないか」

「まぁ、メイド教育でさんざん教えられたからな」

「そうなのか。……しかし、リィナたち遅いな……」

 

 確かに遅いな……。一体、どうしたんだ? 大変なことに巻き込まれてなければいいが……。

 と、その時。

 

「!? なんだ、この感覚は……? ごめん、マリハ。ちょっと出かけてくる」

「おい、ちょっと!?」

 

 そういうと、ジュドーは突然部屋を飛び出していった。

 なんだったんだ? そういえば、この宮殿にはハマーンがいるだけあって、彼女のプレッシャーがびんびん感じられるんだよな。オレはもう慣れたけど、もしかしてジュドーもそれを感じたのか?

 

* * * * *

 

 一方、逃走中のモンドとリィナ。

 逃げてきたのは、路地の先の袋小路。行き止まりである。

 

「し、しまった……!」

「ど、どうしよう……?」

 

 だがそこで、モンドは気が付いた。

 

「もしかしてこれ……壁じゃなくて、MSの運送用トレーラーじゃないか?」

「え?」

 

 そうこうしてる間にも、足音が近づいていく。

 それで、モンドは決意を固めた。

 

「よし、リィナ、来い!」

「う、うん!」

 

 そして二人は、道の先に止まっていたMSトレーラーによじ登り、積まれていたMS……バウに乗り込んだ。

 そして飛び立つ!

 

 それを茫然と見送る黒服たちの後ろに、彼らを尾行していた男……オウギュスト・ギダンがやってきて言った。

 

「エンツォ大佐の配下たちだな? うちの客人に危害を加えようとはいい度胸だ。詳しい話を聞かせてもらえるとありがたいな?」

 

* * * * *

 

 一方、ジュドーはプルの部屋を出て、プレッシャーの源を探して宮殿の中をうろついていた。

 

「この感じ……もしかしたら、リィナかもしれない……」

 

 また、ハマーンも自分に近づいてくるプレッシャーを感じていた。

 

「この感じ……なんだ……? シャア……? いや、カミーユ・ビダンか……?」

 

 そして、それまで着ていた水着から、なぜかスーツに着替えた。

 

* * * * *

 

 そのころ、オウギュストからの報告を聞いたグレミーは、エンツォの下を訪れ、彼に銃を突き付けていた。

 

「私の姫に好き勝手したようですな、エンツォ大佐。あなたが、ハマーン様に叛旗を翻そうとしていたという証拠もそろっています。大人しく、当局へ出頭することをお勧めしますよ」

「くっ、貴様のような若造に私の野望を覆されようとは……! おのれ!!」

 

 エンツォはもはやここまでと銃を抜いて反撃しようとするが、それより先に、無表情のグレミーの銃が彼の眉間を撃ち抜いていた。

 

「私の秘められた野望はまだ途中なのでね。あなたに色々暴れられると厄介なのですよ」

 

* * * * *

 

 一方、こちらは、突然部屋を出たジュドーを追って、プルを部屋に置いて彼の後を追っているマリハですこんにちは。

 

 ハマーンの自室の扉が開いていたのを目撃したオレは、恐れ多いと思いつつ、部屋の中に入っていった。

 

 そこで待っていたのは……。

 

 ハマーンが我が幼馴染様、ジュドーに銃を突き付けている、という修羅場(?)だった。

 

「ジュドー!!」

「この少年のことを知っているのか? ということは、この少年はエゥーゴの!! なんということだ、エゥーゴに潜入されるとは!」

 

 と、そこでなんというナイスタイミングか。ちょうど宮殿の庭に、MSバウが落ちてきたのだ!

 あたりを振動が襲い、ハマーンは体勢を崩した。その隙をついて、ジュドーが出口に向かって駆け出す。

 ハマーンはその後を追おうとするのを、オレは組み付いて阻止しようとした。

 

「ええい、放せ、娘!」

「ごめんなさい後で謝りますから、今回は見逃してあげてください!」

 

 そして、ジュドーの足音がしなくなったところで、ハマーンが落ち着いたようだ。

 

「もういい。離せ……」

「ごめんなさい……」

「まったくとんでもない捕虜だ……。グレミーが来るまで自由にしてていいが、その後彼に言って軟禁させるがいいな?」

「その程度で済ませてもらって感謝です……」

 

 なお、その後、落ちてきたバウを見に行ったところ、コクピットにモンドとリィナがいたのにはびっくりした。

 オレは人目がないのを確認すると、リィナを抱き上げて、こっそりと自室に移動させたのは言うまでもない。モンドの奴はタフでしたたかだからな。オレの助けがなくても、ちゃんと逃げて、ジュドーと合流してくれるだろう。

 

* * * * *

 

 そしてアクシズを脱出したジュドーと、それを追いかけてきたプルが色々あって、そのプルが、オレがアクシズにいる間中軟禁されている自室に駆け込んできた。

 

「うわぁん、マリハ~!!」

「ど、どうしたんだよ、プル?」

「ジュドーが、ジュドーがひどいの~!!」

 

131:名無しのオールドタイプ

軟禁処分喰らったばかりなのに、さらに災難で災難やなネキ。

 

132:名無しのオールドタイプ

災難がゲシュタルト崩壊な予感がするのですがそれは。

 

133:名無しのオールドタイプ

それはともかく、何があったのかわかった気がするで。

 

134:ジャンク屋ネキ

どういうことや? 133。

 

135:133

(1) プルがジュドーを追いかけました

(2) (宇宙服を着ていない)ジュドーに「出ておいでよ!」と言いました。

(3) ジュドー、当然拒否。

(4) そこに、コア・ベースとコア・トップがやってきました。

(5) プル、彼らを邪魔ものだとやっつけようとしました

(6) ジュドー、彼らの助けでZZに合体して、プルのキュベレイに逆襲しました

(7) 「なんで遊んでくれないの!?」と言ったら、ジュドーに「そんなモビルスーツに乗ってるから遊ばないの!」と叱られました

(8) プル、「ジュドーの馬鹿、嫌いだ!」と半泣きで帰っていきました←今ここ

 

136:ジャンク屋ネキ

そうなのか?

『ぐす……すん……その通りなの……なんでわかったの……?』

 

137:133

いや、別世界(原作)のあんたがやらかしたことですから……。

 

138:ジャンク屋ネキ

なんというか……このロリ娘に一般常識を教え込むべきだろうか、悩むんだがオレは……。

『ぶー! マリハまで意地悪して! 私、世間知らずじゃないもん!』

 

 まぁ、そんなやりとりをした数日後、オレとリィナを乗せたミンドラは、もう二隻の船とともにアクシズを出港し、地球へと向かったのであった……。

 




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* 次回予告 *

 オレたちを乗せて出発したミンドラ艦隊。なんかオレたちは地球でネオ・ジオンの交渉に色々使われるみたいだけど仕方ない。
 そうこうしているところに、ティターンズの残党軍がやってきて、プルが出撃していったけど……えーい、助けにいかなくちゃ!

次回『ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝』

第11話『マリハ、出撃!』

ごめん、オウギュストさん!

※次の更新は、3/3 12:00の予定です。お楽しみに!

マリハの声、皆さんは誰の声で再生されてますか?

  • 本多知恵子さん
  • 本多陽子さん
  • 甲斐田裕子さん
  • 釘宮理恵さん

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