ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝 作:ひいちゃ
当たった方には、作者からの祝福をプレゼントw
さて、今回、ある人物の設定を原作から大きく変えています。
これも、ネキが転生したことによる、改変の影響ということでw
そして、オレたちを乗せたミンドラを旗艦とした地球侵攻艦隊の先遣艦隊は、ついにダカールに到達した。
目的地が地球連邦の首都だけあって激戦になると思ったが、意外とそんなことはなかった。よほど弱体化していたのか、ダカールを守っていた連邦軍は、あっさりと先遣艦隊の奇襲を許し、これまたあっさりと撃破され、連邦首都は拍子抜けなほどあっけなく、ネオ・ジオンに制圧された。
* * * * *
1:ジャンク屋ネキ
というわけで、本当に楽勝だったなぁ……。鎧袖一触って感じだったわ。
2:名無しのオールドタイプ
まぁ、グリプス戦役のせいで、連邦軍も色々あったからな。
3:名無しのオールドタイプ
まぁ、連邦が腑抜けてたというのもあるかもね。
4:ジャンク屋ネキ
オレの前世での母国も、平和ボケが進んでいたら、こんな風になるのかなぁ……(遠い目
5:名無しのオールドタイプ
まぁ、あちらの国にはアメ〇カさんもいるからね。それはそうと、今はこっちよ。
6:ジャンク屋ネキ
そうやな……。みんなの話だと、アーガマとガンダムチームもこっちに来てるっていうし、無事にみんなと合流できるといいんだけど……。
7:名無しのオールドタイプ
それももちろんだけど、リィナをちゃんと支えてやらなあかんでネキ。
8:ジャンク屋ネキ
うん、わかってる。
9:名無しのオールドタイプ
あぁ、忙しかった……。
10:名無しのオールドタイプ
お疲れや。9、何の仕事してるん?
11:9
まぁ、ちょっとな。ある場所の警備を担当しとるねん。それと雑用な。
この後もまた、別のところの作業しに行くから、その時はまた席外すわ、すまんな。
12:ジャンク屋ネキ
おう。お前さんも大変やな。無理すんなよ。
13:9
おう、サンガツ。ネキもがんばれよ。無理しないようにな。
* * * * *
というわけで、グレミーによって一流のレディーに仕上げられたリィナと、その侍女であるオレは、あちらの晩餐会、こちらのパーティと、ネオ・ジオンの鎮撫やイメージ戦略に走り回ることになった。
まず最初は、地球連邦の大臣の一人が主催する小さな晩餐会からである。
のだが……。
「……!」
やはりというべきか、リィナは晩餐会に出席してる政治家とか財界人とかを見て愕然としていた。
「どうした、リィナ?」
「あの人たち、一体なんなの……? よくわからないけど……信じられない……」
リィナが愕然としているのも無理はない。オレも、リィナと同じ感想だったから。
彼らの表情や言動からは、連邦という国や市民のことを考えるという気持ちがほとんど考えられず、ただ自分たちの身の安全や身分の保証、自分たちの利権など、自分たちのことしか考えていないように見受けられるのだ。自分たちのために、喜んで敵に媚びを売る輩がそこらにいた。
そりゃあ、交渉には腹芸が必要だとか言われてるけど、これはそれの範疇を超えてるぞ。
こんな奴らに比べたら、ジャミトフとか、ハマーンなどの他の敵勢力の政治家のほうが立派に見えるのは気のせいだろうか。正直、オレの前世での母国の政治家でも、ここまでではなかったんじゃないか?
真に腐敗した政治家とはこんなものなのかと、唾棄を通り越して遠い目をしてしまうオレであった。
……いかんいかん。遠い目をしている場合ではない。リィナのフォローをしてやらなくては。
「気持ちはわかるけど、たいていの政治家ってあんなもんさ。気にしたほうが負けだ。あちらが心のこもってない笑顔でくるなら、こちらもそれでお返しすればいいんだよ」
「う、うん……」
そして適当に受け答えをしたり、料理を楽しんだりした。
それでも、やはりリィナには負担だったらしく……。
「すみません。少し中座させていただきます。マリハ、ついてきてもらえる?」
「もちろんです、リィナお嬢様」
そしてオレは、リィナとともに会場を離れた。
「大丈夫か、リィナ? かなり消耗しているように見えるぜ」
「うん……。彼らがあまりに醜すぎて、気分が……。マリハは大丈夫なの?」
「まぁ、オレもいくらか堪えたけどな。オレは別のところで、あいつらほどではないけど、似たようなものは結構見てきたからな。慣れてきちゃったよ」
「そう……マリハは強いんだね」
「そんなことないさ。ただ鈍いだけだよ」
と、そこに、いいところのボンボンらしい若者がやってきた。
「これはリィナ嬢。夜涼みですかな? そのようなみずぼらしい者ではなく、私と……」
「い、いやっ!」
無理に引っ張っていこうとするボンボン。さすがにこれは見過ごすわけにはいかないな。リィナの侍女……いや、友人としては。
「やめてやれよ。嫌がってるだろ?」
「何? 下賤の者は黙っていろ」
そう言われて、さすがにカチンときた。
「下賤で結構。薄汚れた狸よりはマシだね」
「貴様!」
そう叫び、ボンボンは殴りかかってくるが、残念だが喧嘩事ならオレのほうが上だ。腰の入っていないボンボンの喧嘩なんかこわくもない。軽くいなし、キックをぶちかましてやる。
「お、おのれ……!」
ボンボンはよほど怒ったのか、銃を抜いた。そこに。
その手を抑える者があった。
「レムター殿、会場で銃を抜くのは禁止だと、父上に言われていませんでしたかな?」
「な、なにを……!」
「私はマシュマー様より、ここの警備と、もめごとの防止を命じられております。もしあえて銃を使われるのなら、私の職権に応じて、ネオ・ジオンの誇りのために処罰させていただきますが」
「ちっ! 覚えていろ、このことは父上に報告するからな! お前らもネオ・ジオンも後悔させてやる!」
それにオレは、あざ笑って言ってやった。
「やれるものならやってみな。こんなことは言いたくないが、ネオ・ジオンに反抗できると思うならね。そんな力があったら、ダカールがネオ・ジオンに制圧されることもなかったろうな」
「……ちっ!」
そしてボンボンは、憤懣やるかたないといった様子で、その場を後にした。
「ふぅー、言ってやった言ってやった。胸がいくらかすっきりしたぜ。あぁ、兵士さん、ありがとうな。助け船を入れてくれて」
「いえ、とんでもありません。マリハ嬢には、別のところでお世話になっておりますから」
「??」
「それでは失礼します。また何かありましたら、お申しつけください」
「あぁ、ありがとう」
そしてその兵士は、会場のほうに戻っていった。
再び沈黙。そしてリィナが再び口を開いた。
「ねぇ、マリハ。私やっぱり、この会場の人たちのような大人にはなりたくない」
「それでいいんだよ。リィナまであんなふうになることはない。あいつらを反面教師にすればいいんだ」
「うん……」
* * * * *
20:ジャンク屋ネキ
とうとうこの日が来たな……。このパーティの日に、ジュドーたちが攻めてくるんだったか?
21:名無しのオールドタイプ
あぁ。確かそのはずやで。
22:名無しのオールドタイプ
メガライダーからの砲撃が狼煙やで。それを合図に、ジュドーが潜入してくるはずや。
しっかり気張るんやで。ネキ!
23:ジャンク屋ネキ
おうよ!
24:名無しのオールドタイプ
それにしても、数日前から9、掲示板に姿を見せなくなったな。
25:名無しのオールドタイプ
そういやそうやな。よほど仕事が忙しいのかな?
26:ジャンク屋ネキ
一体、何の仕事してるんやろな……? おっと、パーティが始まったな。
* * * * *
そしてオレたちも参加するパーティが始まった。ハマーンが乾杯の音頭を取り、それに壇の下の高官たちも応じる。
その様子に、やはり不快感を隠しきれないリィナに、グレミーが言う。
「リィナ、良く見ておけ。此処に居るのは地球連邦の大人達だ、彼らはああして強い者に身を寄せるしか、生きる術を持たない連中だ。お前もそう思うだろう、マリハ?」
「まぁ、負けた国のお偉いさんっていうのはこんなもんだからね。歴史の中ではいくらでも見られた景色だと思うよ」
「ほう……? なかなか興味深いことを言うな」
「負けても気概を失わない連中は、こんなところにいないで、ゲリラやっているだろうからね。ただ、グレミーもハマーンも、この人たちの姿を目に焼き付けといたほうがいいぜ? こいつらみたいにならないためにも」
「ふ……痛いところを突くな」
そう苦笑するグレミー。彼もハマーンもわかっているのだ。自分たちの勢力は、圧倒的というほどではない。連邦軍が態勢を立て直し、本腰になれば簡単に潰せるものだということを。下手を打てば、自分たちが、今見下ろしている者たちと同じになり果てるかもしれない、ということを。
それがわかっている分だけ、グレミーもハマーンも、連邦の高官よりはマシなのかもしれない。
「心配するな。私も……そしておそらくハマーン様も、負けた時の身の処し方は心得ているつもりだ」
「ならばよし」
「ふ……これではどちらが上官かわからないな」
そしてオレたちはハマーンやグレミーと別れ、会場の片隅でドリンクを飲んだり、食事を食べたりした。
その途中、リィナに話しかける。
「大丈夫か、リィナ?」
「うん……、大丈夫。マリハがついていてくれるからかな? まだ少し辛いけど……」
「なぁに、それももう少しの我慢だ。情報ソースは不明だけどな。もう少ししたらエゥーゴがここに攻撃をかけてくるそうだからな」
「エゥーゴが? それじゃ……アーガマも?」
「あぁ。そうなれば、きっとジュドーとも会えるさ。それまでの我慢だ」
オレがそう言うとともに、近くに爆音が響いて、会場の電気が消えた。それによって生じた混乱に乗じて、オレとリィナは会場を出た。
* * * * *
オレとリィナが会場である迎賓館をさまよっていると、かすかに声が聞こえてきた。ハマーンと……そしてジュドーの声だ。ハマーンの声には、何か怒りのようなものが感じられる。
「ニュータイプなんて知らないね、俺はリィナを助けるだけだ!」
「この期に及んで私の感情で動くとは……初めは私に期待を抱かせて、最後の最後に私を裏切る……ジュドー・アーシタ、“お前も”だっ!!」
そして銃声。
いやな予感がして、オレたちは足を速める。
そして曲がり角を曲がったオレたちが見たのは、ジュドーと、銃を持ったハマーンが対峙している場面だった。
「お兄ちゃん!」
「リィナ!」
「ふ、そういう事か……甘いな、グレミー・トトはジュドー・アーシタの切り札を持って居ながら、使い切れずに居たか」
そして改めて、ハマーンは、ジュドーをかばうように立ちはだかったリィナ、そしてジュドーの二人に銃を向けた。
やばい!
「二人そろって地獄へ行くんだな!」
ハマーンが引き金を引き絞る!
そこからは、もう無我夢中だった。
オレは二人に飛び掛かり、押し倒すように倒れこむ。
ハマーンの銃が火を噴く。
そして脇腹に激痛。
「がぁ……!!」
* * * * *
35:ジャンク屋ネキ
ああああああっっ……がっ……!!
36:名無しのオールドタイプ
ネキ!?
37:名無しのオールドタイプ
大丈夫か、ネキ!? 二人をかばって銃弾を受けるなんて、無茶なことを!!
38:名無しのオールドタイプ
おい……。血に染まっていく部分を見るに、かなりやばいんじゃないか!?
39:名無しのオールドタイプ
あぁ。脇腹に直撃喰らっとるで……! このままじゃ、失血死しかねん……!
40:名無しのオールドタイプ
メイド服の脇腹がべっとり血に染まってるやんか……!
41:ジャンク屋ネキ
ううっ……ぐっ……! はぁ……はぁ……。
42:名無しのオールドタイプ
ハマーンは、ジュドーの怒りオーラを見て逃げ出したが、今はそれどころじゃないな……。
43:9
会場にトラブルが起こったんで手が開いたわ……って、ネキが負傷!?
44:名無しのオールドタイプ
あぁ。ハマーンの銃弾を脇腹に喰らって、やばい状況や……!
45:名無しのオールドタイプ
原作でのリィナよりひどい状態やで……!
INFO:ID:Sd5qD4xr(※マリハのIDである)がログアウトしました
INFO:ID:Sd5qD4xrが再ログインしました
INFO:ID:Sd5qD4xrがログアウトしました
INFO:ID:Sd5qD4xrが再ログインしました
46:名無しのオールドタイプ
ログアウトとログインが連続しとる……!
ネキの意識が、失血と痛みで、途絶えかけてるんや……。
47:名無しのオールドタイプ
早くどうにかしなきゃ、マジで死んでしまうで……!
48:9
くっ……! こうなったら、警備とか仕事がとか言ってる場合じゃねー!
俺がなんとかしてみる。ネキ、もう少し耐えてくれや!
49:名無しのオールドタイプ
おい、9、何する気や!?
* * * * *
「おい! (俺的に)緊急事態だ! 二人ほどついてこい! それと衛生兵も一緒に来てくれ! それと、病院に連絡も頼む!」
「わ、わかりました!」
「了解しました!」
そして俺は、部下二人、そして衛生兵と共に、彼女のいる場所へと走って向かった。
マリハ嬢は……いや、ネキはこの身に賭けても死なさない!!
* * * * *
一方オレ……マリハは、なんとか意識を取り戻していた。とはいえ、激痛は続いてるし、出血は止まらない。
この場には、逃げ出そうとした高官たちもいたが、彼らはリィナが説得して引き返させた。
あ、やば……また意識が途切れそうだ……。視界がぼやけて……。というか、冥土への門が近づいている感じがする……。
まぁ、リィナが無事だっただけでもよしとすべきか……な……。
「マリハ、しっかりして……!」
「ありがとよ……リィナ……お前、本当に凛々しくなったな……」
「グレミーの教育がよかったのよ、きっと。それより、もうしゃべらないで……助からなくなるわ……」
と、そこにネオ・ジオン兵が四人駆け付けてきた。タンカをもって。
* * * * *
50:名無しのオールドタイプ
えええええ!? お前、ネオ・ジオン兵だったのかよ!?
51:名無しのオールドタイプ
しかもまさかの、ラド・カディハ!!
52:名無しのオールドタイプ
原作でリィナを助けたネオ・ジオンの徴用兵!!
53:9改めラド・カディハ
あぁ。今まで黙っていてすまんな。気が付いてたらラドに転生していたんや。
しかも、現地徴用兵ではなく、マシュマー様のサンドラに所属する小隊長というボーナスつきでな。
それで、ネキが最初に訪れていた晩餐会の会場や、ここの警備をやっていたんや。
INFO:ID:Sd5qD4xrがログアウトしました
54:名無しのオールドタイプ
ああっ、ネキが! とうとう本格的に意識が途切れた!
55:ラド・カディハ
だべってる余裕はなさそうやな。俺はこのままネキに応急処置を施して、病院に連れて行く。
みんな、ネキが助かるのを祈っていてくれや。もちろん、俺としてもネキを助けるために全力は尽くすで。
56:名無しのオールドタイプ
任せたで!
57:名無しのオールドタイプ
頼むで! なんとしても、ネキを助けてくれ!
58:ラド・カディハ
おう!
* * * * *
「それではリィナ様。小官はこのまま、マリハ嬢を病院に搬送いたします。後はお任せください」
そう言って一礼するラドに、リィナは立ち上がり、毅然とした、でもどこかすがるような表情をしてこたえた。
「えぇ、お願いします。ネオ・ジオンの名誉にかけて、彼女を助けてあげてください」
「はい。ネオ・ジオンと、私の名誉にかけて」
そしてラドは、マリハを乗せた担架を、ちょうどやってきた救急車に乗せて迎賓館を後にした。
「マリハ……大丈夫だよね、お兄ちゃん……?」
「あぁ。あいつはそんなに簡単に死ぬタマじゃないさ。さぁ、俺たちも早く脱出しようぜ」
「うん……」
そしてリィナはジュドーとともに
ダカール奪還のために進軍してきた、カラバのGMⅢ部隊と入れ違うように……。
ファンアート募集中です。
* 次回予告 *
なんとか一命をとりとめたオレは、別なネオ・ジオンの艦の中で目が覚めた。オレを助けてくれたのは、意外なあの人だったんだ。
その一方、アーガマでは大変なことが起こってた。
ビーチャの所業に腹を立てたルーが、アーガマを家出ならぬ艦出しちゃったんだって。
それで、グレミーに出会って拾われて、どうなっちゃうの!?
次回、『ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝』
第16話『ルーの脱走』
ビーチャ、自業自得……。
※次の更新は、3/18 12:00の予定です!
マリハの声、皆さんは誰の声で再生されてますか?
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本多知恵子さん
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本多陽子さん
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甲斐田裕子さん
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釘宮理恵さん