ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝   作:ひいちゃ

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前回のタイトルの元ネタは、ZZの第23話『燃える地球』からでした。
当たってる人はいましたか?
正解者には、作者からの祝福をプレゼント!

今回は、ビーチャが艦長代理になる伏線として、彼が指揮官として才能の片りんのカケラがあるのを示すシーンも入れてみました。


Act.19『助けは一刻を争う!』

1:ジャンク屋ネキ

というわけで、ダブリンにやってきたわけだけど……。

 

2:名無しのオールドタイプ

ネキ、誰に言ってるんや?

 

3:名無しのオールドタイプ

ブライトさん、連邦の高官のところに行ったんだっけ?

 

4:ジャンク屋ネキ

うん。それと、ジュドーも、どこからか武装解除の話を聞いて、飛び出していったわ。

 

5:名無しのオールドタイプ

あー。今頃、二人は、『アナハイムとエゥーゴが戦争で利益を得ようとしてる』と言われて怒って、それで監禁されてるんやろなぁ。

 

6:名無しのオールドタイプ

まぁ、確かにアナハイムとエゥーゴ『上層部』はその通りだとはいえなぁ。

 

7:ジャンク屋ネキ

でもオレたちは、平和を取り戻すために戦ってきたんやで? そこにそんなこと言われたら、確かに切れるわ。

 

8:名無しのオールドタイプ

まぁ、お偉いさんはどうせ、下っ端の気持ちはわからないってことだ。

 

9:名無しのオールドタイプ

そういえば、サンドラはダブリンには入っていないんだったか?

 

10:ラド

あぁ。さすがにネオ・ジオンの艦を連邦の町に入れるわけにはいかんだろ。グラスゴーの郊外で待機しとるで。

 

11:名無しのオールドタイプ

確かにそうだよなぁ。でもマシュマーも、エゥーゴ入りは抵抗あるんだろうか。

 

12:名無しのオールドタイプ

そりゃあね。マシュマーも、ハマーンに対して忠誠心篤いし。

 

13:名無しのオールドタイプ

強化人間になったことだし、マシュマーがエゥーゴに入ればかなり力になってくれると思うんだがなぁ。

 

14:名無しのオールドタイプ

まぁ、それはあちらの気持ちの問題だからな。それにしても、ブライト艦長もジュドーも遅いな。やっぱり監禁されてるんだろうか。

 

* * * * *

 

 スレ民とだべってたり、ビーチャと色々話し合ったり、プルにかまったりして数時間経ったころ、ネオ・ジオンのMS(モビルスーツ)隊がダブリンに攻めてきた。

 和平交渉の相手を攻撃していいのかよ、という気が強烈にするが、ネオ・ジオンは構わないとばかりに、ダブリンを攻撃し、炎に包んでいく。

 

 さすがにこうしてはいられないと、ビーチャ、ルーは百式、(ゼータ)で出撃。機体のないオレとエル(Mk-Ⅱ(マークツー)は整備中だった)、プルはアーガマでお留守番となった。

 

* * * * *

 

 そしてビーチャは、ルーと共に多数のMS相手に奮闘をしていた。連邦軍やカラバのGM(スリー)も出ているが、やはり不利は否めない。

 

「あー、次から次へと! これじゃきりがないわ!」

「愚痴を言ってる場合じゃないだろ! もっと頑張りなさいって!」

「わかってるわよ!」

 

 と、励ましあってるのか、喧嘩しているのかわからない会話を重ねながら戦っていく。

 その時、ビーチャの目に映る、建物にハイパー・ナックルバスターの狙いを定める一機のガ・ゾウム。それを見て、ビーチャの頭に何かが浮かぶ。

 

「ルー、二人であのガ・ゾウムを叩くぞ!」

「え?」

「細かい話はあとだ! フルパワーで他の敵機を突っ切って、一気にあいつに接近して落とすんだよ!」

「わ、わかった! というか、指図しないんでほしいんですけど!」

 

 かくして、ビーチャの百式を載せたドダイと、ルーのZはそのガ・ゾウムに向けて突進していった。

 ガ・ゾウムは住民が怯えるのを見て楽しんでいて、構えたままハイパー・ナックルバスターを撃とうとしなかった。だが、それにも飽きたのか、改めてハイパー・ナックルバスターを構えたその時!

 

「させるかよ!」

 

 ビーチャが、建物に突っ込んでしまわない角度で、乗っていたドダイをガ・ゾウムにぶつけ、態勢を崩した! そこにルーのZガンダムが斬りかかり、その右腕を切断! さらにその上に百式がのしかかるように上から激突!

 そしてガ・ゾウムが地面に叩きつけられたところで、メインカメラをビームライフルで撃ち抜いた。

 

 そのガ・ゾウムを無力化した後、百式は飛び上がり、接近してきたウェイブライダーに飛び乗った。

 

「よし、このままいくぞ! 百式とZの火力とスピードをフルに活かして、やばそうな奴らを各個撃破、一撃離脱するんだ!」

「了解!(へぇ、ビーチャ、なかなか戦略眼あるじゃない。ブライト艦長に報告しておこうかしら)」

「ん? ルー、何か言ったか?」

「なんでもなーい」

 

 それからも、ビーチャとルーは機体の性能と巧みなコンビネーションで、ネオ・ジオンのMSを翻弄、撃破していった。

 

* * * * *

 

 そしてビーチャたちがネオ・ジオン軍と戦っていくらかの時間が経った頃……。

 

 ブライトさんたちが帰ってきた。

 

「ブライトさん、大丈夫かよ? 結構ボロボロだぜ?」

「……煙に巻かれて、涙を流してきたんだよ」

「まったく、ひどい目にあったぜ、色々と」

 

 二人の惨状と、ジュドーの口ぶりからかなりひどい目にあってきたのがうかがわれる。

 そして、アーガマに戻ってきたのは二人だけではなかった。

 

「久しぶりね、みんな」

「ファさん!?」

 

 そう、シャングリラで別れた、元アーガマクルーのファ・ユイリィさんだった。

 彼女とこんなところで再会するとは。

 

「そしたら、ファさんがブライトさんたちを助けてくれたのかい?」

「えぇ。燃える屋敷から二人の叫ぶ声が聞こえて、それで……」

「そうなのか……。そういえばカミーユさんは?」

 

 ファさんがここにいるということは、きっとカミーユもここの病院に入院してるってことなんだろうけど……。

 すると、ファさんは突然土下座をした!

 

「お願いです、カミーユを探してください!」

「探してください、って……」

「突然、病院から抜け出して行方不明になったんです……!」

「なんだと……!?」

 

 それに驚愕するブライトさん。確かにそれは大変だ。

 

「わかった、こちらのほうでも探してみる。ファのほうでも探してみてくれ」

「はい! お願いします!」

 

 そしてファさんは帰っていった。

 

「トーレス。戦いのほうはどうだ?」

「どうにか落ち着いたみたいです。敵、撤退していきます」

「よし、ビーチャたちに事情を説明して、カミーユを捜索するよう伝えてくれ。ジュドー、エルも捜索に協力してくれ」

「了解」

「わかったよ」

「あの、オレとプルは?」

 

 オレがそう聞くと、ブライトさんはこちらを向いて言った。

 

「二人はアーガマでお留守番していてくれ。留守中にまた敵が出てくるかもしれないからな」

「そっか、わかったよ」

「ぶーっ。でも、マリハと一緒だからいいよ」

 

 プル、なんとも嬉しいこと言ってくれるな。本当に妹を持つというのは、こんな気分なのかな。

 

 そして、ジュドー、エルはブリッジを出て行った。

 

* * * * *

 

17:名無しのオールドタイプ

そして、プルはネキと二人きりだけど、本当にええんか?

 

18:ジャンク屋ネキ

まぁ、ブライトさんの言うことも当然だしな。

『うん! それに、マリハやスレ民のみんなと一緒だから寂しくないよ!』

 

19:名無しのオールドタイプ

嬉しいこと言う娘じゃのう。

 

20:名無しのオールドタイプ

ほっぺをぷにぷにできないのが無念じゃ。

 

21:名無しのオールドタイプ

たかいたかーいできないのが残念だ。

 

22:ジャンク屋ネキ

いや、プルはもう11だし、高い高いするのも大変じゃないか?

 

23:名無しのオールドタイプ

それじゃ仕方ないから、俺らの代わりに、プルのほっぺぷにぷにしてくれやネキ。

 

24:ジャンク屋ネキ

おう。ほれほれ、嬉しいこと言ってくれる奴じゃのう。ぷにぷに。

『あははは、くすぐったいよー』

それにしても、カミーユさん、心配だなぁ。どこに行ったんだろう?

 

25:名無しのオールドタイプ

それが、原作でもどうして抜け出したかが明記されてないんだよなぁ。

 

26:名無しのオールドタイプ

一説では、この後ダブリンに起こることについて感知したって言われてるけど……。

 

27:ジャンク屋ネキ

この後起こること……?

『……!』

おい、プルどこに行くんだよ!?

 

28:名無しのオールドタイプ

どうしたんや?

 

29:ジャンク屋ネキ

わからん……。なんか突然、『グレミーが来る。私にはわかるんだ!』とか言って……。

 

30:名無しのオールドタイプ

ダブリン……プル……あ。

 

31:名無しのオールドタイプ

あ、それがあったか! あかん。ネキ、急いでプルを追いかけるんや!

 

32:ジャンク屋ネキ

え?

 

33:名無しのオールドタイプ

詳しい話はあとや。急いで!

 

34:ジャンク屋ネキ

お、おう!

 

* * * * *

 

 そしてオレは突然飛び出していったプルを追いかけたが、一足遅かった。

 プルは整備中のMk-Ⅱに乗って、出撃していったのだ。

 

 追いかけなくちゃいけないけど、オレが乗るものは……あ。

 

 オレの目に留まったのは、両肩のバインダーが失われたプルのキュベレイだった。

 スレ民からは『それ、乗れるんか!?』とかって言われてるけど、オレは強化人間かもしれないと言われてた。ならば大丈夫なはず。それに、もしサイコミュが使えなくても、両腕にビームガンがあるし、それがあればどうにかなる。

 

 オレは覚悟を決めて、キュベレイに飛び乗ると、同じくドダイに乗って出撃していった。

 

* * * * *

 

37:名無しのオールドタイプ

やっと追いついたな。

 

38:名無しのオールドタイプ

すっごい奮戦してるな。やっぱりカミーユがアシストしてるのかな?

 

39:ジャンク屋ネキ

さすが前作主人公、なんでもありやな……。

 

40:名無しのオールドタイプ

とはいえ、ちょっとやばいかもな。ビームライフル撃ちつくしたみたいだし……。

 

41:名無しのオールドタイプ

ちょっと待って、あれ見てや!

 

42:名無しのオールドタイプ

サイコMk-Ⅱが動き出した!? プルに反応してるのか!?

 

43:名無しのオールドタイプ

なんとか離脱して、影響から逃れたのはいいが、またアリアスのバウに攻撃くらってるで!

 

44:名無しのオールドタイプ

堕ちるーーーー!!

 

45:ジャンク屋ネキ

間に合え!!

 

46:名無しのオールドタイプ

おお、なんとかMk-Ⅱを拾うことに成功したな。

 

47:名無しのオールドタイプ

よくやったやで、ネキ。プル、無事か!?

 

48:ジャンク屋ネキ

『うん……なんとか……って、マリハがキュベレイに乗ってるの?』

あぁ。他に乗るMSがなかったからな。まったく、無茶しちゃって……!

 

49:名無しのオールドタイプ

ネキもな。サイコミュマシーンに乗るなんて無茶しやがって……。

 

50:名無しのオールドタイプ

お話ししてる最中済まないけど、また敵が来とるで!

 

51:ジャンク屋ネキ

うーん……感覚的にだけど、ファンネル使えそうな気がするな。

『ほんと……!?』

あぁ、さすがに三機以上は無理そうだけど。まぁ、無理しないでやってみるか。

行け、一郎、次郎、三郎!!

 

52:名無しのオールドタイプ

なんてネーミングセンスやねん。

 

53:名無しのオールドタイプ

別作品だけど、シモン、ヨハネ、ペテロと名付けてたルカさんに謝れ。

 

* * * * *

 

 オレが乗るキュベレイから発進した三機のファンネル。オレ命名、一郎、次郎、三郎はオレの意思を受けて飛び出していく。

 さすがに、三機をそれぞれ別々の相手に向けさせるのは難しそうなので、接近してる一機に集中して攻撃させる。多方向から攻撃はかわすのが難しいのか、そのドライセンが直撃を受けて爆散する。

 また突っ込んでくる別のドライセンにも、ファンネルたちを向かわせる。うっ、今度は一郎が撃墜された。なかなかやるな。

 

「それなら、次出ろ! 新一郎!」

 

 スレ民から「四郎じゃないのかよ」とか、「他の名前はないのかよ」とかブーイングが出たけど気にしない。というか、気にする余裕がない。

 色々動かし方を工夫してそのドライセンをなんとか撃破。

 

 しかし、そろそろ限界みたいだ。ファンネルを使ってくるうちに、なんか精神的に疲れてきたのだ。かといって、プルに操作してもらうわけにもいかんしな……。

 仕方ないので、新一郎だけ操作することにして、彼に援護してもらいながら、本体のビームガンで戦うことにする。

 

 どこかで聞いたような声のアドバイスのおかげもあり、なんとか戦うことができていた。

 それでもさすがに無理があるのか、やがて。どんどん押されていく。やべ、そろそろきついかな……。

 

 そこに。

 

『貴様らぁ!!』

 

 ジュドーの乗るZZ(ダブルゼータ)ガンダムが駆け付けてきてくれた。その後ろに、百式とZも続いている。

 やれやれ、なんとか助かったな……。

 

 そして、ZZガンダムはハイメガキャノンを発射し、それでダメージを受けたミンドラ艦隊は撤退していった。

 

* * * * *

 

55:ジャンク屋ネキ

ふぅ……。一時はどうなるかと思ったけど、持ちこたえられてよかった……。

 

56:名無しのオールドタイプ

お疲れ様や、ネキ。ファンネルのネーミングには言いたいことはあるけど、よくやったな。

 

57:名無しのオールドタイプ

まさか、ネキがファンネル使えるとは驚いたで。

 

58:ジャンク屋ネキ

でも、慣れてないからか、かなり疲れたで……。眠くて仕方ない……。

あ、そうだ、プルは!? プルは大丈夫か?

『う、うん……。身体があちこちすごく痛いけど……』

 

59:名無しのオールドタイプ

そりゃ、薄着でMSに乗ったうえで、あれだけボコボコにやられてればなぁ……。

ネキが駆け付けるのが遅かったら、原作みたいにやばかったところやで。

 

60:名無しのオールドタイプ

本当に無茶する娘や……。帰ったら、ジュドーに叱られたうえでゆっくり休んどき。

 

* * * * *

 

「さて、後はカミーユ探しだけども……」

 

 オレがそうつぶやくと、プルは驚くべきことを言った。

 

「私、わかるよ……。カミーユがいるところ……」

 

 これにはびっくりだ。スレ民のみんなは、「原作でもそんなこと言ってたな」と言ってたが……。

 だけど、全身打撲しているプルをさらに連れまわしていいものか……。

 オレがそう迷っていると……。

 

「カミーユって人、優しいね……。だって戦ってる中、ずっと声をかけてくれたんだもの……」

 

 そうだったのか。そういえばスレ民もそんなことを言ってたな。

 そういえばオレも戦いのとき、声を聴いたような……。あの声のおかげでなんとか持ちこたえることができた。カミーユに感謝だな。

 

 そう思いながらオレは、キュベレイとMk-Ⅱを乗せたドダイを着陸させて、キュベレイを降りる。そしてMk-Ⅱに乗り込み、プルをおんぶして機体を降りる。ちょうどそこでジュドーたちもやってきた。

 

「マリハがプルを守ってくれたのか。サンキューな。プル、大丈夫か?」

「うん……なんとか生きてるよ……」

「攻撃受けて、全身打撲になっちゃってるみたいだ。それほどひどくはないみたいだけど。帰ったら手当してもらって、休ませないと」

 

 そう言いながら、プルの道案内に従って歩いていく。

 そしてたどり着いたそこには、彼女の言う通り、岩場に座り込んでいるカミーユの姿があった……。

 




ファンアート募集中です!

* 次回予告 *

コロニーが落ちてくるのがわかんなかったのは、地球連邦のお偉いさんが隠してたからなんだって。

こちらは、敵の襲撃がないとはいえ、プルは大けがしちゃうし、住民の避難誘導もしなけりゃいけないしでてんやわんや。

そしたらコロニーが落ちてきて……うわーーーーーーー!!

次回、『ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝』

第20話『空が落ちる日』

こいつはヘビーすぎるよ……。

※次の更新は、3/30 12:00の予定です。お楽しみに!

マリハの声、皆さんは誰の声で再生されてますか?

  • 本多知恵子さん
  • 本多陽子さん
  • 甲斐田裕子さん
  • 釘宮理恵さん

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